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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】
[662]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/15(土) 18:04:26 ID:Oahb6gRA そして、完全に想定外な萃香の動きに対し、フランドールは焦りに動きを強張らせた。 それが隙だと言わんばかりに、萃香が容赦なく空中でフランドールの華奢な身体にチャージを浴びせる。 無論、彼女とて吸血鬼であるため、如何に鬼の四天王が相手であっても一方的にやられるだけでは無かったが。 ――しかし、虚を突かれた事もあり、ボールを後方へと零してしまった。 レミリア「……ほう。良く分かったな、私達の狙いが」 森崎「何勿体ぶってんだよ。こんなの、サッカーの世界じゃ常識だろうが」 レミリアは低いボールに動きを合わせつつも、心底驚いたように目を丸くして森崎と対峙している。 そんな彼女を森崎は嘲笑った。 森崎「フランドールはあくまで囮。本当は高いボールをスルーさせて、 俺が体勢を崩した所を、お前が決めるつもりだったんだろ? あの狂気の妹がかくも献身的なプレーをする訳が無い、という心理的ミスリードのつもりだったのかもしれないが。 ハッキリ言って、バレバレだ。ミステリー小説だったら三流、いや……三十流もいいトコだぜ」 グワアアアアアアアアアアアアアアッ……! レミリア「――ならば今度、パチェに頼んで古今東西のミステリー小説を掻き集めて貰おうかな。 だが、それはそれ、これはこれだ。……狙いは外れたが、ここで私がシュートを決めれば同じだろう?」 森崎「本気でそう思ってるんだったらおめでたいぜ。だったら俺を止めてみろ」 レミリア「ハハハ。ただの人間が、吸血鬼を前にしてその余裕か。 紅霧異変の時に我が館へと特攻して来た、どこかの白黒を思い出す」 森崎「俺をあんなヘタレと一緒にすんな。それよりも俺は心配だぜ。 お前のそのカリスマぶった態度が、俺のせいで粉々にブレイクしてしまう事がな!」
[663]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/15(土) 18:10:09 ID:??? 実況「あ……ああ〜〜〜っと! これはどうした事でしょう! フランドール選手へのセンタリングは、実はシュートでは無くレミリア選手へのスルーが目的! しかしそのスルーにいち早く察知した森崎選手により、その狙いは外れた! ですが……ですが、脅威の身体能力で飛びついたレミリア選手が諦めず、低空でのダイレクトシュートに向かっています! そして……今! 両雄が真正面でぶつかりあった〜〜〜〜〜!!」 レミリア「――紅く焼き尽くしてくれる、『ダイレクトレッドサン』ッ!」 森崎「――ふざけろ、三下! これが俺の……『がんばりセービング・改』だッ!」 ……バッ、シュウウウウウウウウウウウウウッ! ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ! ―――バァァァァァァァァァァアッ! レミリア「HAーーーーッ!」 森崎「うおおーーーーーっ!」 ……かくして、紅帝は初めて狂王と衝突した。 ダイレクトで放たれた事で威力を増幅されたマスターオブレッドサンが、 森崎のどてっぱらをぶち抜こうと加速し燃える。 その勝負は互角であるかにも見えたが――だがしかし、実は違った。 レミリアが低空シュートに向かい、森崎が全力でのセービングに出た時点で、 この両者にはある程度の実力差があった。そして、今回は――その実力差通りの決着となった。 ……すなわち。 ゴオオオオッ………――――ガ シ イ イ イ イ ッ! レミリア「………ッ!」 森崎「……取ったぜ。お前の負けだ、レミリア・スカーレット」
[664]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/15(土) 18:11:39 ID:??? ……と、言ったところで一旦ここまでです。 続きは深夜までには更新します。
[665]森崎名無しさん:2015/08/15(土) 18:37:19 ID:??? まあジュニアユース直後の森崎のセービング値は明らかにおかしいからなw
[666]森崎名無しさん:2015/08/15(土) 18:50:36 ID:??? 一人だけ別世界に足を突っ込んでた状態だったからなぁ・・・
[667]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/16(日) 01:59:30 ID:??? 更新を再開します。 >>665-666 流石にJr.ユースそのままだったら無理ゲーですので、 あれよりは弱くなってますが、それでもこれまでのGKと比べて規格外な強さになってます。
[668]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/16(日) 02:01:44 ID:??? ワッ……ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!? 観客席から戸惑いも籠った絶叫が鳴り響く。しかし、これも無理のある事では無かった。 ――燃え盛る太陽のシュートは、森崎の掌中に完全に収まっていたからだ。 森崎有三は、幻想郷最高のストライカーであるレミリア・スカーレットに対し……完勝した。 実況「……す、凄い……! これは夢でも見ているのでしょうか! 確かに、確かに森崎選手は前の試合でも星熊勇儀選手が即席で生み出した 倍速二回転大江山嵐――『零歩必殺嵐』を防いだ実績もあったため、 決して今のプレーも不思議ではありません! ですが……やはり何度も見ても凄い物は凄い! 更に凄い事は、この森崎有三という選手は妖怪でも神でも亡霊でも何でもない! 何の力も持たぬ、ごく普通の人間なのです! 人間が、鬼や吸血鬼に勝利したのです!!」 観客「森崎って奴、そんなにすごかったのか!?」「俺、守備嫌いなFWだとずっと勘違いしてた!」 「勇儀姐さんだけじゃなく、レミリアさんのシュートも防ぐなんて……」「もっりさき!」「もっりさき!」 中山(観客席)「少し厳しいシュートだったが……森崎ならばあの程度の水準のシュートは、 これまでも真正面から受けて来ている。勝利は順当だったろう。 無論、あいつでも完璧に防げるかどうかは五分程度だっただろうが……。――ここは、あいつの勝負強さが出たな」 鈴仙(観客席)「(中山さん、嬉しそう……やっぱり森崎君と親友なだけあるわねぇ。 しかし、それにしても……あれが森崎有三! 改めて、本当に規格外のGKだわ……)」 輝夜(観客席)「(えーりんを呼んでも防げる自信が無いわね……アレ。決勝に来たらどうしよ)」 永琳(観客席)「……威力として、レミリア・スカーレットの『ダイレクトレッドサン』は、 星熊勇儀の『零歩必殺嵐』に比較して高くない。 怒りによって、その力が増幅されていたという事実を加味してもね」 慧音(観客席)「だが……レミリア・スカーレットは幻想郷サッカー史でも最古参の選手だ。彼女を信奉している人妖も多い。 だからこそ、星熊勇儀のシュートを防いだ事以上に、今の森崎のセービングは驚きに映っただろう」
[669]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/16(日) 02:03:04 ID:??? レミリア「――サッカーは強い者が勝つんじゃなくて、勝った者が強い。 だから、お前の勝利は偶然じゃなくて運命なんだろう。 ……忌々しいけどね」 森崎「(……こいつ。『アイツ』と同じような事を言ってやがる)――へっ、負け惜しみはそれだけか?」 レミリア「もし私の作戦が嵌ってたら勝ってた。私はダイレクトよりもバイシクルの方が上手い。 運が悪けりゃあんたが普通に負けてた。さっきのシュートはちょっと調子が悪かった。 私は夜行性だからお昼だと眠くてやる気が出ない。新聞の占いが最下位だった。……えっと。後は」 森崎「思ったより多いな……。――ま、吠えてろ。お前が無駄口を叩けば叩くほど、俺の価値は上がるんだからな」 レミリアの超然とした態度に苛立ちながらも、森崎は早速の次の手を考えていた。 勿論、自分がこれから活躍して目立つ為の手である。 森崎「(さーて。そろそろオーバーラップでもするか? それとも寝釈迦ポーズで敵の神経を逆なでしようか? いやいやそれともゴールバーで懸垂してセーブ力の練習でも始めようか?)」 そしてその手には、一見して奇行にしか見えない……いや、奇行そのものが多々ある。 むしろ奇行じゃない手の方が少なかったりする。 森崎は練習の合間に付け足している脳内の奇行ノートから、とっておきのヤツを取り出そうとして――。 ズキィィッ……! 森崎「……ッ!」 ――鋭く走った、自身の腰の痛みによって、その思考は中断された。
[670]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/16(日) 02:04:35 ID:??? 森崎「(くそっ。腰が痛むな……。ま、化けモンクラスのシュートを防いだんだから、しょうがねぇか。 ――敵さんはまだまだイケイケだしな。今無理する事でもないだろ)……ほら、天子。やるよ、このボール」 シュッ……。 天子「――フッ……。ここで中里じゃなくて私に来るあたり、天人と忍者のチーム信頼度は違いすぎたみたいね。 いいでしょう。この私の実力、とくと眼に焼き付けておきなさい! 私100メートル走で15秒とか普通に出すし!」 ダダダダダダダダダッ! 先の地霊殿サブタレイニアンローゼスでも感じた、脳髄にビリッと走る瞬間的な腰の痛み。 無意識的に、森崎の思考はこの痛みをきっかけとして、常識的で無難な方向にシフトしていた。 ボール欲しさに今にも暴走しそうなサイドバックの天子にパスを出し、自分はゴールを守る事に専念する。 中里「(……う〜む。いつもの森崎ならばここで無駄に奇行に出たり、 オーバーラップしたりして敵のペースを崩すかと思ったが。ブラジルでの修行で、常識に目覚めたのでゴザろうか)」 そんなゴールキーパーとして至極真っ当な態度に対し疑問を抱く者は当然居ない。 ……これまで森崎のチームメイトとして、永らく彼の奇行を目の当たりにして来た中里以外は。 とはいえ、その中里までも、森崎の事情を全て把握している訳では無かったのだが。 *** 天子「オラオラオラー、『勇気凛々の剣』でバラバラに引き裂いてくれるわーっ!」 ダッ、ドガドガッ!! バギイイイッ! 美鈴「な、何ですかこの人怖いー!?」 小悪魔「こ、こぁーっ?!」
[671]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/16(日) 02:06:27 ID:??? 実況「森崎選手からボールを受け取った博麗連合の天人サイドバック、 比那名居天子選手は誰にもボールを渡さず、暴力的なドリブルでサイドを抉っていきます! 何という自分勝手で利己的なプレーなのでしょうか! しかしこのスタンドプレーは上手く場に刺さっている〜〜!」 咲夜「……お嬢様にパチュリー様。そして妹様が上がり切った現状、我々の中盤はガラ空きです。 恐らくはそれを狙った、大胆なオーバーラップのようだけど……!」 天子「さーて、どうかしら。仲尼は日月なり、得て踰ゆること無し……ってね。 要するに、天人の存在はあまりにも大きすぎるから、 3回連続で見つめられた程度で、貴女方に推し量れるような存在じゃないって事よ!」 グワァァァアアアアアアアアアアアアッ!! 実況「そして小悪魔選手と美鈴選手と吹き飛ばした天子選手は、必殺シュートの構え! 咲夜選手がメイド妖精と共にブロックへと向かう中、彼女は自信たっぷりの傲慢な表情を変えずに……!」 天子「光栄に思いなさい、地上に這いつくばる小人共! ――この私が直々に……『気炎万丈の剣』で、トドメさすよ!!」 バッ……ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ! バシュッ! ……バシュッ、バシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュ! 実況「出た〜〜〜! 天子選手得意のパワーショット、『気炎万丈の剣』だ〜〜! キッチリ九回の爆音を上げながら、紅魔スカーレットムーンズのゴールへと向かって行きます!」 咲夜「……悪くないシュートね。だけど、この程度まで通していて、紅魔のメイド長が務まりますか! 『プライベート……」 バッ! グルウウウウッ……! 咲夜「――スクウェア』!」 バッ……シィィイイイインッ! ……ポムッ。
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0ch BBS 2007-01-24