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【新章】きれぼしサッカー3【突入!?】
[228]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2015/11/03(火) 21:24:17 ID:KIadJXgo あずみ「なになに、『前半交代のキーパーに守護神の資格はあるか』 『敵攻撃陣に対し有効な防止法を見いだせず、無策でシュートを受け続けた』 『対して森崎指揮中の攻撃はほとんど振るわず、いたずらに体力を浪費するのみで終わった』 『DFの消耗を著しく早めた失策は、後半までの全日本不利につながった』 ……言ってくれるじゃない、あいつらを止め続けるのがどれ程難しいと思ってるのよ」 岬「テレビのコメンテーターもそんな調子だったね。全く、あいつらは嘘つきだ。 翼くんや三杉くん、あずみちゃんが賞賛されていたのも、森崎の功績隠しの面があるかもね。 そういえば、こんなのもあったな」 山積みにされた雑誌類の中から一部を取り出し、再びあずみに渡す。 あずみ「これは……えっ、『森崎有三、試合直後に白昼の密会』!?あたし位の女の人と抱き合ってる!」 岬「その人は陽子さんだよ。あの片桐さんの妹さん。そして片桐総合グループの御令嬢さ」 あずみ「れ、令嬢!?令嬢って、お嬢様の事だよね?」 岬「そう。間違いなくお嬢様、それも片桐さんについで、後継者候補に入って居るほどの人さ。 アジア予選で一度顔を合わせた事があるけど、 利発そうでしっかりとした、それでいて茶目っ気たっぷりの人だった」 素っ頓狂に驚くあずみをたしなめるかのように、穏やかに説明をする。 説明を聞いて落ち着きを取り戻したあずみは、手にする雑誌の気になる箇所に指を当てながら、岬に向けた。
[229]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2015/11/03(火) 21:27:50 ID:KIadJXgo あずみ「そうなんだ。いやーそれにしても片桐家のお嬢様なんかこんな記事に載せちゃって、ライター大丈夫かしら」 岬「それについては心配ないはずだ。聞いた話では彼女もこれからサッカー一筋、 勘当されるかもしれないっていうらしいから、制裁として大目に見られているんだろう。 だけどあの森崎のパートナーになるんだ。それ位の事は乗り越えるだろうし、そうでなければ森崎も選ばないさ」 あずみ「岬くん」 あずみは雑誌を山の上に戻した後、岬に向き直して問い質した。 他人事のような口吻はいつの間にか無くなっている。 あずみ「どうして岬くんは片桐総合グループと手を結んだの?どうして全日本からあんな形で裏切ったの? 前の説明が本当とは、あたしには思えないの。 もっと堅実で確実な方法があっただろうし、岬くんなら必ずそうしたはずなのに」 岬「なぜ、か……」 試合の遠因でありかつ裏切りの際たる理由である岬の反逆。 今回の事件の核心について問われた岬は、あずみから視線を逸らし、独り言のようにつぶやきはじめた。
[230]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2015/11/03(火) 21:32:50 ID:KIadJXgo 岬「そうだなあ……一応の理由としては、小学校の時の翼くんの一言がきっかけかな。 僕が小さかった頃に翼くんと一緒のチームで全国大会に出場した事があったんだ。 その大会の決勝戦の休憩時に、翼くんはこう言ったんだよ。 『得点王なんかより、もっと欲しいものがあるんだ。それは・・石崎くんのハートさ・・』って」 あずみ「えっ!い、いや、ちょっとそれって……それに、石崎くんって……」 岬「そう、控えとはいえ、彼も全日本のメンバー、当時も僕や翼くんと同じチームメンバーだったね。 それで、高校に入ってから南葛中時代の翼くんに関する資料を探した時には、 その石崎くんと翼くんが抱き合ってる姿を映した写真も見つかった」 あずみ「じゃあ本当に……中沢さんとは……」 岬「いやいや違う、あれはただの勘違いさ。 昔の翼くんは人の目線を気にしない人だったから誤解されただけで、至ってノーマルさ。後で僕もちゃんと気づいたよ。 ただ、その時の印象がどこかこびりついていたのかな…… いや、やっぱり後悔や劣等感の方が強かったんだ。 フランスから日本に戻ってからの埋めがたい実力差、知恵を使っても埋めきれない格差…… そんな鬱屈が積りに積もり、イライラしていたところで、 悩みを一気に解決する魔法のアイテムが目の前にちらついたから、ダメだったんだろうな」 あずみ「アイテムって、もしかしてあれ?紐緒さんが使ってたああいった機械」 岬「そう、バグマシーンさ。何かの雑誌で彼女の研究成果を知った。その時に魔が差したんだろう、 父さんから『仲間』を貸してもらって、マシーンを盗み出させた後、 バグ特性、つまりパワーアップしやすい人間を探し出し、それを実現させる資金を提供するスポンサーを見つけ…… そして今の有様だ。馬鹿な事をしたもんだ」 アハハ……乾いた声を吐くようにして笑う。笑った後は胸がつぶれそうになるほどの 沈痛な顔になった後、あずみから背を向けた。
[231]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2015/11/03(火) 21:37:59 ID:KIadJXgo あずみ「それで……岬くんはこれからどうするの?」 岬は答えない。答えそうに見えない岬の後姿に、あずみもじっと黙っていた。 カチリ、カチリ。 時計の長針が何回転したか分からない程回った後、意を決したあずみが、岬を誘った。 あずみ「岬くんも来ない?」 岬「……ん?」 あずみ「岬くんも、フランスに来てほしいの」 岬「……フランスに来て、どうしようっていうんだ」 口調は変わらないまま岬は答える、表情が見えないまま抑揚の無い調子の声であるためか、 どことなくなげやりのように聞こえていた。
[232]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2015/11/03(火) 21:40:55 ID:KIadJXgo あずみ「フランスに来てフランスのクラブでプレーするの。 岬くんがフランスに帰化してくれればもっと嬉しいわ。 プロになってピピンさんやトラムさんといったベテランが入ってくるとはいえ、 まだまだフランスのチーム力って寂しいから、って岬くん、笑ってるわね」 岬「そりゃそうさ、あまりにも突飛だったから。言いたい事も一杯あるよ。 まず、フランス人はどう思うかな。祖国のサッカーを裏切った男が来るなんて」 あずみ「大丈夫よ、今時点だって岬くんの事はどこもメディアで触れていない。 岬くんとの関わりを無かったことにしたいからだろうけど、日本で悪評を流してないのに外国ならなおさらよ」 岬「帰化なんて、フランス人チームメイトはどう思うかな」 あずみ「ピエールくんは岬くんの事を凄く気に入ってたじゃない。 彼は人格者でユースチームのキャプテンだから、仮に周りが何かしてもきっと助けてくれるわ」 岬「何よりも僕自身が問題だ。元気になったらまた悪巧みを働くかもしれないぞ」 あずみ「だから」 あずみは岬の横たわるベッドの隅に座り込み、彼の右手を自身の両手で包みこんだ。 あずみ「岬くんも、あたしと一緒のチームに来ればいい。四十六時あたしが岬くんのそばにいて、 ずうっと見張ってさえいれば、そんな気が起きても何もできないわ」
[233]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2015/11/03(火) 21:44:22 ID:KIadJXgo 岬「言ってくれるね。その言葉は、フランスであずみちゃんと同棲しろって言っているんだから」 あずみ「違うわ、それ以上よ。もし岬くんが一緒に来てフランス国籍を取ったら、 あたしは自分が女だって、世間にカミングアウトするんだから」 岬「……そこまでするのか?」 あずみ「そうよ。そうしないと、岬くんを合法的に一生監視するための方法がとれないわ」 岬「……どうしてそんな事を?僕はあずみちゃんの進路を塞いだんだぞ」 あずみ「そんなの、体が無事ならいくらでも機会があるわよ。ま、帰化したらその分働いてもらうけど」 岬「あずみちゃんが愛したフランスのサッカーの邪魔立てをしたんだぞ。どうして許せるって言うんだ」 あずみ「だから、岬くんがそこに入って貢献すれば許すって言ってるでしょ。あの時はああまで怒ったけど…… 方法や目的がアレだったとはいえ、自分の夢の為にそこまでして あたしを求めてくれているって事でもあるって気づいて、 少し嬉しくなったのもあるかな。 協会の腐った上層部の妥協が無ければ、岬くんが呼びかけても聞こえないフリをしてくれただろうしね」 そこまで言ってあずみは両手でより強く岬の手を握りしめた。 あずみ「フランスに来て。フランスとあたしは、岬くんを歓迎するわ」 相変わらず岬はあずみに背を向けたまま、何も語らない。 チラリと時計を眺めた後、まるで何も聞こえてなかったかのように、退出を促した。 岬「ほら、時間だよ。急げば翼くんと森崎くんの結婚式に間に合う」 あずみ「いいの。日本サッカーなんて義理で付き合っただけなんだから。それより監視の方が大事よ」 岬「そうか」 そう言ってあずみは岬の手を握り続ける。岬は手を払いのける事もなく、 ずっと握られるままにまかせたまま、一日を過ごし続ける事となった。
[234]森崎名無しさん:2015/11/03(火) 21:47:32 ID:??? なんで救われようとしているのか
[235]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2015/11/03(火) 21:51:41 ID:KIadJXgo そういうわけでカップルが2組できたところで、本日はこれまでにいたします。 むず痒い展開になりましたが、ラストという事でどうか大目に見てください。 おまけ、翼と森崎の結婚式について(余談、話とは関係ありません) 翼にはご祝儀合計 322 万円、祝電は 見上選手(お前ら若造モード) と 初音 から 森崎にはご祝儀合計 1004 万円、祝電は 佐野 と 吉倉 から 早苗のお色直し後のウェディングドレスの色: さくら色 、模様は 無地 陽子のお色直し後のウェディングドレスの色: 青 、模様は しまうま柄
[236]森崎名無しさん:2015/11/03(火) 23:32:29 ID:??? 翼と森崎の祝電と嫁のウェディングドレスの格差がひどいww。 これもきっと片桐財閥が裏から手を回したに違いない。
[237]森崎名無しさん:2015/11/07(土) 00:22:11 ID:??? これ片桐父の援助金が入ってますなぁ
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0ch BBS 2007-01-24