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【楽園の未来】鈴仙奮闘記31【映す試合】
[81]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:04:42 ID:??? ――ギュウウウウウウウウウウウウウウ…………ッ! 森崎「……滅茶苦茶な試合だな、オイ」 霊夢が放ったカウンターシュートによる風圧で軽くよろめきつつも、森崎は皮肉気に唇を歪める。 森崎「ゴールキーパーがオーバーラップし、フォワードはそれをシュート……と、思いきや。 血迷ったか、そのボールを後方に蹴り出してしまうし。 敵のFWもFWで、そこから無理やりにダイレクトシュート――しかも滅茶苦茶な威力の ――に向かってくるし。……センターサークル付近なのによ。 それで……」 ――ウウウウウウウウウウウウウウウウウ……ッ! メイド妖精「「きゃ、きゃあ〜っ!? 今のシュートだったの!?」」 咲夜「(今の不自然なまでに予定調和な動きは……きっと、霊夢の『博麗の巫女』としての天性。 幻想郷の理を司り、妖なる者に打ち克つ為に、遺伝子レベルにまで組み込まれた才能の賜物……でしょうね)」 パチュリー「(……しかも今回、凄いのは霊夢の才能だけじゃない。 ボールを持たない他のチームメンバーの動きの練度も、隠れていたけれど優れていた。 レミィ達のジャンプと同時に、MF・DF合わせて――霊夢以外にも6人が、 多少の体勢の崩れはあれどブロックに行ける体勢になっていたし。 少なくともシュートコースを狭める程度の役には立っている。 他の仲間達の、こうした献身的な動きが無ければ、霊夢が仮に才能を発揮していても、 カウンターシュートは成功しなかったかもしれなかった。 ……だから、ここは認めましょう。私達の完敗を)」 霊夢の放ったカウンターシュートを止められる者は、紅魔スカーレットムーンズの中には居なかった。 咲夜が、パチュリーが、美鈴が、小悪魔が。 ……それぞれが悔しさや諦めや畏怖を抱きながら、フィールドに吹く一陣の風を見送るだけだった。
[82]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:05:50 ID:??? 森崎「(こと幻想郷に住む人間や妖怪その他諸々と対峙する際に取り分け光る、『博麗の巫女』としての才能。 それに、巫女としてでは無く。霊夢の……アイツ自身の、分け隔てなく人を呼び寄せる不思議な力。 その両方が発揮されて放たれた、必殺の『カウンターシュート』。 正直、これが嵌っちまったら、俺が敵の立場でも止められる気はあまりしないな。面白くねぇ)」 魔理沙「(ああ……。やっぱり、綺麗だな)」 霊夢によるまさしく「奇跡のカウンターシュート」に対し、 森崎は自分では一生辿り着く事の出来ぬ才能と、単純に自分が目立て無かった事への嫉妬を膨らませる中。 対照的に魔理沙は……そのシュートを惚れ惚れとした表情で見つめていた。 魔理沙「(……ありがとな、霊夢。試合前やら試合中は、カリカリして八つ当たりして、悪かったよ。 ――だけど、もう大丈夫。私、思い出したよ。これは――森崎のお蔭、かな? けどアイツへのお礼は別にいいや)」 ――そして、それと同時に、魔理沙は霊夢に感謝していた。 何故なら、魔理沙は直観的に理解していたからだ。 このシュートは、『博麗の巫女』としての霊夢から放たれたのと同時に、 『魔理沙の親友』としての霊夢から放たれたのだという事を。 そして、それが何を意味するかについては――この次の展開が示していた。 ――ウウウウウウウウ……ッ! ――スカッ! 陸「あ、アイヤ〜〜〜!? やっぱり外したアル〜〜〜〜!?」 陸がなけなしの体力で放った『雷斬脚』を外した事について狼狽していたが、それは大した事実では無い。 問題は、その次の瞬間だった。 ギュウウウ………、 ガイイイイイイイイイイイイイイイイインッ!!
[83]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:07:44 ID:??? 針妙丸「ご………ゴール、ポストだ!?」 小町「Zzz……え? ポスト? ポストプレイ!? あたいの出番かい??」 美鈴「この人は何を寝ぼけてるんですか。肝心な局面で居眠りとは、敵ながら感心しませんね!」 小町「アンタだけには言われたくないねぇ、それは」 美鈴「わ、私はアレよ。ワークライフバランスを大事にしてるだけですし!」 小悪魔「美鈴さん、低次元な言い争いをしている場合じゃないです! 早くボールをフォロー……!」 ――霊夢の『カウンターシュート』は、盛大にポストを叩いたのである。 ゴール周辺の選手がこの意外な展開に思わず慌てふためき、取り乱しすらする中で。 ……ただ一人だけ、この結果を始めから分かっていた者だけが淀みなく動いた。 魔理沙「……それには及ばないぜ」 シュンッ! ――バアアアッ……ポムッ! 実況「魔理沙選手、ポストによって弾かれたボールをいち早くにトラップしフォロー! 紅魔スカーレットムーンズのゴール前にて、絶好の形でボールを持ちました!!」 魔理沙「……要するに、今の『カウンターシュート』は、壮大なパスだったんだ。 わざとボールをポストに当てて、私がゴール前でグラウンダーのシュート ――それでも、さっきのに負けない程スゴいシュートを放つ為の、引き立て役だな」 実況や観客、他のチームメイトや敵を無視するかのように、魔理沙は呟き始めた。 本来ならば問答無用で、ペナルティエリア内での乱戦が発生するべき場面だったが。 彼女の周囲で渦巻く狂気にも似た純粋な感情の渦が、思わず他の者の足を留めていた。
[84]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:15:58 ID:??? 魔理沙「……私はどうして努力を続けるのか。どうして何度挫折をしても、辛い目に遭っても。 自分の才能の無さに絶望しても。それでも尚、希望を持ち続けられたのか。その理由は、こうだったんだ」 ………グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ! 魔理沙が静かに、しかし決意と覚悟を持ってその右脚を振り上げた。 魔理沙「私は……小さい頃から自分こそが、この物語の主人公だと信じて疑わなかった。 だけどそれは同時に、「本当の主人公」に対する、憧れでもあった……んだと思う。 自分も主人公になれば、そいつと対等に話せる。対等に戦える。対等にサッカーが出来る。 ――きっと、心の奥底では、そんな事を夢見ていたんだと思う」 霊夢「――知ってたけど。こうして聞くと……あんたって、ほんとバカね。 ……そんなあんたにボールを渡しちゃってる私も、かなりのバカだと思うけど」 魔理沙はそこで、悲しそうな眼で自分を見つめる霊夢に視線を合わせる。 口先では相変わらず皮肉を呟いてはいたが、表情には躊躇いがあった。 気にせず、魔理沙は振りかぶった足に魔力を籠めながら語り続けた。 ゴオオオオオオオオオオオオオオッ……! 魔理沙「私が努力を続ける理由。それは――私が、「本当の主人公」に……。 霊夢。お前に並び立てる存在でありたいからだ!」 オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ……! 魔理沙「私が今から放つこのシュートは――お前の『カウンターシュート』や『夢想封印・瞬』や。 もしかしたら『夢想天生』にも負けない威力がある。 つまりさ……このシュートはこれまで叶えて来た私の夢の中でも、 最高に大きくて、最高に幸せな夢である事に間違いないんだよ!」
[85]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:17:29 ID:??? オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ……!! 魔理沙「だから。……例えこのシュートが私の身体を破壊したとしても、それでも良い! これまで家族や、友達や、色々なものを犠牲にしてでも、夢を掴もうとしたんだ。 今更自分自身を犠牲にしたって……ちょっとだけしか怖くないぜ!」 霊夢「……結局、怖いんじゃないの。だったら、止めたら良いんじゃない?」 魔理沙「……今更、止めらんないよ。だって―――!!」 ――――だって。これが、私だから。 その言葉は、霊夢には聞こえなかった。 ゴールへと向かって蹴り出されたボールの放つ爆音があまりに大きすぎ、 魔理沙の絞り出すような声を掻き消してしまった為である。 バッ……ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ! バギュウウウウウウウウウウウンッ! ドギュルルルルルルルルルルルルルルルルルッ……! ―――カッ! チュドゴーーーーーーーーーーーーーーンッ! ビイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ………ンン!! ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド…!! ―――文字で表現するにも困難なまでの大音量は、 バランスを崩しながらも果敢にパンチングに出た陸の存在自体をも掻き消した。 そして、笛の音すら掻き消された状態のまま……博麗連合はどうやら、後半18分に3点目を得た。
[86]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:19:08 ID:w+5RN9Lg 紅魔スカーレットムーンズ 1 − 3 博麗連合2015 大会得点ランキング(表記はメインキャラのみ): 13ゴール レミリア 12ゴール 鈴仙 9ゴール フランドール、射命丸、魔理沙 7ゴール 勇儀 6ゴール 来生、屠自古 5ゴール 星、諏訪子、霊夢 4ゴール 森崎、神子、反町 3ゴール 早苗、謎の向日葵仮面 2ゴール 神奈子、ピエール、メルラン、天子、赤蛮奇、空、佳歩、岬 1ゴール 妹紅、咲夜、美鈴、サニー、リリーB、ぬえ、響子、永琳、萃香 影狼、藍、幽々子、幽香、針妙丸、パチュリー、小田、椛、パスカル 大会アシストランキング(表記はメインキャラのみ): 6アシスト パチュリー、霊夢 5アシスト 小町 4アシスト てゐ、神子 3アシスト 早苗、ピエール、小悪魔、マミゾウ 2アシスト 森崎、反町、はたて、岬、空、お燐、ウサギB、レミリア、アリス 1アシスト 鈴仙、影狼、大妖精、橙、諏訪子、佳歩 衣玖、針妙丸、リリーW、ルナサ、ぬえ、永琳、妹紅
[87]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:22:02 ID:??? 魔理沙が夢を叶えたところで、今日の更新はここまでです。 これだけ描写してると、魔理沙はこのシュート撃った時点で死にそうですが、 まだ次の決勝戦までは持つので、少なくともゲーム的には大丈夫です。 それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。
[88]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/06(日) 00:03:49 ID:??? すみません、明日は早朝から仕事があるので今日は更新をお休みします。 明日は夕方くらいから更新できればと考えています。
[89]森崎名無しさん:2015/09/06(日) 09:53:41 ID:??? ゲーム的には大丈夫ってw お疲れさまでっす!
[90]森崎名無しさん:2015/09/06(日) 21:31:15 ID:??? 魔理沙も森崎の腰といっしょさ。 多分この試合終わったら森崎と魔理沙二人で仲良く治療行きだな。
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0ch BBS 2007-01-24