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【契約書に名前】鈴仙奮闘記34【書いてみて】
[683]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 23:46:28 ID:??? その理由の一つは、ハイパーカンピオーネ計画に対する純粋な興味。 魔導とは即ち知を求むる道。魔法使いとして首席に名を連ねる以上、自分は全てを知りたかった。 そして、もう一つの理由はより明快だった。 パチュリーが読んでいたのはサンパウロ州で出回る地方紙だったが――その一面見出し。 かつての魂魄妖夢を知る者ならば間違い無く全員が、その内容に大きな驚きと興味を持つに決まっているからだった。 パチュリー「(――魂魄妖夢。何故貴女がここまでレベルアップしたのか……。まずはこの試合、この眼で確かめさせて貰うわ!)」 中身はもう覚えたと、パチュリーは新聞の記事を座席にポイと投げつけ、 そのまま飛行機を降りてタクシーを手配し、スタジアムへと向かった。 ……置き去りにされた新聞の一面見出しには大きなフォントで、こう書かれてあった。 『サンパウロの新しいエース・魂魄妖夢! ここまで5試合連続でハットトリックを達成!』 キャプテン森崎 外伝 「鈴仙奮闘記」 第三章 プロジェクト・カウンターハクレイ 海外修行編 ――オープニング 妖夢の章――
[684]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 23:50:12 ID:??? 〜サンパウロFCホームスタジアム・ロッカールーム〜 ??「姉御! ねぇ姉御ったら、起きて下さいよ!」 妖夢「……ぁ。済まない、少し意識が飛んでいたようだ」 ――私が目を覚ますと、眼前では幼さの残る長髪の少年が、私の肩をポンポンと叩きながら呼んでいた。 私は瞼に移る夢の残骸を脳裏から消し去りながら、目を僅かに開いて少年に対してこう言った。 妖夢「悪いね、新田君」 新田「いえいえ。俺、姉御が信じられない程の特訓をこなしているって事、知ってますから! 悪いと思ってるなら、またシュート練習でも見てくださいよ!」 妖夢「――また考えておく。……それより、ミーティングだろう? 急ごうか」 軽く眼を擦りながら彼と会話を交わし、私はそのまま立ち上がる。 彼は――新田君は同じこのサンパウロFCのチームメイトであったが、 何故か私の事を姉御と慕い、こうして気に掛けてくれており――私もまた、その好意に甘えていた。 私は新田君に軽く会釈をすると、ロッカールームに備え付けてあるホワイトボードの前へと向かった。 ロベルト「……集まったな。では、本日の練習試合――パルメイラス戦のミーティングを始める」 そこではサングラスを付けたひげ面の壮年男性――ロベルト本郷が、 既に集まっていた他のチームメイト達を集めて指揮を執っていた。 彼は私の所属するチームの監督だった。
[685]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 23:52:26 ID:??? ロベルト「――パルメイラス戦については……よし、翼。お前に話をして貰う」 翼「はい、……分かりました」 彼はいつも多くを語らない。チームメイトの自主性・自立性を重視する彼は、 ミーティングの指揮を常に選手に対して行わせる。 それも、一部の特定の選手やキャプテンに対してでは無い。 彼は大体平等に誰かを指名し、こうして説明をさせていた。 ……若干、かつての主の無茶振りを想起させられるが、理不尽では無い分出来た人物だと思う。 きっと彼は既に、この試合の全てを見通しているのだろう。私はそう信じている。 ??「な、なぁ。大丈夫なのかよロベルト……監督。パルメイラスは、翼にとって……」 ――しかし、今回においてはやや特別な事情があった。 先程の新田君や、今ロベルト監督に指名された翼君とも違う、 丸刈りにした日本人の少年が怯えたような声色と表情でそう進言していた。 翼「――大丈夫だよ、石崎君。俺はもう、悩んでいないから」 石崎「ほ、ホントかよ。……だったら、良いけどさ」 彼の名は石崎了。このチームでキャプテンを務める大空翼の大親友だった。 最近チームに入ったばかりの私には詳しい事情は良く分からないが、 彼は私に先んじて渡航してチームに入り、大空翼の失調を回復させる為に大きな役割を果たしたらしい。 ……選手としての実力は、お世辞にも高いとは言えないけれど。 翼「――では、パルメイラスと対戦するにあたっての傾向と対策について説明します」 翼君は優等生じみた声でそう宣言してから、ホワイトボードに何かを書き始めた。 それは、敵チームであるパルメイラスFCの陣形予想図と、それを受けた翼君による、 この試合での私達の陣形案だった。ホワイトボードには、こう書かれてあった。
[686]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 23:53:26 ID:??? −−@−− @サルサノ −−C−− Cキーガン −BDA− Bブランコ Dアレクセイ Aミラ −−−−− F−−−E Fゲレーロ Eリンコン −G−I− Gネイ Iトニーニョ −−−−− −H−J− Hサトルステギ Jオルヘス パルメイラス 4−4−2 サンパウロ 4−3−3 −−−H− Hストラット −J−−− J妖夢 −−I−− I翼 F−−−E F新田 Eマウリシオ −−G−− Gバビントン −−D−− Dドトール A−C−B Aリマ Cアマラウ B石崎 −−@−− @レナート
[687]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 23:55:01 ID:??? ストラット「……いつも通りの布陣だな」 日本、あるいは南米出身の選手が目立つ中、 退屈気にそう呟いた、たった一人の西欧系の金髪の少年――チェザーレ・ストラット君。 彼は表面上は詰まらなそうにしているけれど、特別不満があるようには見えなかった。 一見乱暴そうに見えるけれど、本当の彼は誰よりも紳士だから、私は彼の事が結構好きだったりする。 マウリシオ「ヘイ、ニッタ! 今日の試合も左サイドにボールが集中しそうだけど、負けるんじゃないぜ!」 新田「ふん、言ってろマウリシオ! 今日こそお前には負けねえぞ!」 右サイドに配置されたマウリシオ君。彼はこのチームの中でも年少だ。 石崎君より少し遅れて、『ツバサ・ヴァイキング計画』により、 このチームに加入した新田君とは年が同じらしく、いつもこうやって突っかかっている。 ……たまに一緒に練習している姿を見るから、本当に仲が悪いワケでは無さそうだけど。 バビントン「まぁまぁ。二人とも。試合前に喧嘩は良くないよ? それに、僕達は手柄じゃなくて、あくまでもチームの為に動かないと」 新田君とマウリシオ君の喧嘩を仲裁するのは、いつもこのバビントン君の役目だった。 色白で長身の彼はアルゼンチン――ブラジルのお隣の国だ――出身。 常に物腰穏やかで優しい彼は好きだけど、ストラット君と比べると少し頼り無い側面もあると思う。 ドトール「……パルメイラスが相手か。モリサキが居ないならば楽勝とは思うが――注意しなくてはな」 アマラウ「果たして俺の『コンドルクリア』の出番が来るかなー? さっさと前で止めててくれよ、ドトール!」 顰め面で冷静な表情をしているドトール君。 ドトールというのは彼の父が医師(ドトール)だから着いた渾名らしいけど、彼は実はこの渾名はあまり好きではないらしい。 それでもチームの内外でこの呼び方が定着してしまった以上、彼も明確には否定していないが。 笑い顔で軽薄な表情をしているアマラウ君。お調子者な節のある彼だけど、そのクリアの実力は間違い無く本物。 ドトール君と並んで、ブラジル代表DFの座はほぼ内定していると言う声すらある。
[688]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 23:56:58 ID:??? リマ「リマ占いの結果が出たリマ。今日の試合、リマが活躍するリマ!」 レナート「(その活躍の機会を)とるっ!」 残されたDFのリマ君とレナート君だけど……。彼らの事は私は勿論、他のチームメイト達も良く分かっていない。 だけど二人はいつも幸せそうにしているのだから、それを邪魔するのも酷だと思う。 というかハッキリ言ってあまり関わりたくない、関わるべきでない部類のならず者共である。 翼「――さて。そろそろいいかな」 おおよそ全員の感想が行き渡った所で、翼君が静かにそう言った。 すると彼らは一斉に静まり返る。この辺りは幻想郷では中々ないから、私には新鮮に映る。 ……少なくともこうした点については、外の世界こそ幻想郷より立派で優れていると断言して良いだろう。 翼「今のパルメイラスには、警戒すべき選手は僅かしか居ない。 I番のトニーニョ、H番のサトルステギ。そしてG番のネイ……この三人だけだ。 そして、このうちどの選手も俺達にとっては下位互換……より強い選手が俺達の中にいる。 例えば、トニーニョは世代屈指のゲームメイカーとの評判があるけれど。俺の方が優れているよね?」 ニコリと如才無き笑みで、翼くんはそう問い返す。 発言のみを取ればそれは非常に傲慢だけれど、一方で彼の発言に間違いは何一つ無い。 実際に、『俺の方が優れているよね?』と問い返した翼君に異議を唱える者は一人も居なかった。 ……何故なら、それは空が青いのと同じくらい、ごく当たり前の事だから。 翼「次に、H番のサトルステギはストラット。彼は君と比べると点取り屋として大きく劣る。 ダイレクトシューターとミドルシューターの違いはあるけれど、間違いは無いよね?」 ストラット「……まあ、そうだろうな。俺だって、その程度の自負はあるさ」 続いての論証に、名指しで呼ばれたストラット君も翼君に賛同の意を評した。 『メガロゾーンシュート』と言う化け物クラスのシュートを編み出している彼の実力を疑う者は、 このサンパウロFCは当然として、ブラジル中に存在しなかった。
[689]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/25(月) 00:02:01 ID:vntwtxBc 翼君は最後に――私の方に視線を向けて、ニコリと笑ってこう言ってくれた。 翼「――そして。G番のネイ君は優秀なドリブラーだけど。 ……これについても、魂魄さんが彼を二回り位突き放している事については、疑問の余地が無いよね?」 妖夢「…………」 大空翼。私は彼の事が少しだけ苦手だった。 途方も無く高い才能と実力を持つ一方で、自身もこれを隠そうとはしない。 善悪の区別が付かない子どものような笑顔で、彼は自身の才と力をひけらかし、他者の無才と無力を蔑む。 そしてそれらは事実に裏付けされている故に、残酷だと私には思えた。 妖夢「(――とは言え。そういう彼も最近は変わって来たらしいのだけれど。 ……さてと。私はどんな風に彼に答えてあげようか)」 私は翼君の笑顔に向けて、こう言ってやることにした。 A:「――当然の事だ。一々勿体ぶって言う必要もあるまい?」 B:「二回りは私を過大評価し過ぎね。……一回り半、と言ったところか」 C:「……それが何? だから彼らを弱者として侮っても良いと?」 D:「結論は単刀直入に。今日の戦略をどうするか、教えてくれない?」 E:「それより、リマ君とレナート君の意見も聞いてみないか?」 先に2票入った選択肢で進みます。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。 *どの選択肢を選んでもマイナスはありません。ロールプレイと思って選んで頂ければ幸いです。
[690]森崎名無しさん:2016/01/25(月) 00:03:40 ID:t/0uGCmQ C
[691]森崎名無しさん:2016/01/25(月) 00:05:33 ID:9jLfzJhM C
[692]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/25(月) 00:06:20 ID:??? ……と、言った所で今日の更新はここまでにします。 妖夢の章はオープニングイベントなので、試合についてはかなりサックリ目に進行させて頂ければと思っています。 >>680 このくだりは3を意識していますねw それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。
[693]森崎名無しさん:2016/01/25(月) 00:07:03 ID:uCPB4Kvo D
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