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【新天地は】鈴仙奮闘記35【魔境】
[117]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/26(金) 00:52:11 ID:DUr+KBLQ ??「ヘーイ、ウサギ耳が可愛い君。俺と一緒に遊ばないかい?」 ――例えば、こんな風に。 鈴仙「……え!? ウサギって。わ、私ですかっ!?」 鈴仙の背中をポンと叩いてそう誘って来た小柄な美少年は、 勿論鈴仙とは友達でもなんでもない。互いに初対面である。 ??「当然だよ、ハニー。俺はどうやら君を追って、狂気のワンダーランドに飛び込んでしまったらしい。 ああ、とんでも無い狂気さ。何故なら俺は、君の愛らしい瞳を見続けていないと、 寂しさと切なさで、すぐに消えたくなってしまうんだからさ」 鈴仙「ぇ……ぁ……。そ、その……」 少年はペラペラと思いつく限りの愛の口上を囁きながら、鈴仙との距離を詰めていく。 根が人見知りで生真面目な鈴仙にとって、こうした手負いは非常に苦手だ。 思わず思考がフリーズし、口からは言葉が詰まって出せなくなる。 そしてそれを内気な少女特有の照れと勘違いした少年は、 一層その軽薄さを増して鈴仙に纏わりついて来て……。 その辺りで、鈴仙はこの状況を逃れるべく、必死に思考を再起動させていく。 鈴仙「(……どどど。どうしよう。こんな軽薄そうな奴なんて、私のタイプじゃないってのに! それに。――こいつ、見覚えがある……!)」 鈴仙はその足掛かりとして、少年の事をジロリと睨み返した。 この小柄で長髪の優男について、鈴仙は記憶の片隅で覚えていたからだ。 そう、少なくとも鈴仙にとっては、決して彼は初対面では無かったのである。 少年「おや。今度は君が、俺の狂気に当てられたのかな? そんなにこっちの事をジロジロ見てさ。 (俺にマジに惚れちゃったか……それとももしや。彼女、俺の素性に気付いちゃったかな? ――だったら、折角だ。ちょっと驚かせてやろうっと)」
[118]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/26(金) 00:53:20 ID:DUr+KBLQ そして少年の方も鈴仙の睨みに別の意図を感じ、やみくもに愛の言葉を囁くのを止めて、 丁度足元に転がって来たビーチボールを足でトラップして、 少年「――ほら。俺と遊ぼうぜ? まずはサッカーだ。君は、このボールに触れられたら勝ちだ」 タッ……! シュパァッ! 少年「ほら。どうだ! 君にとっては、まるで魔法のようなドリブルだろう? 取れたら俺が、君に何でもしてあげるぜ!」 ――鮮やかな足技を見せながら、少年は鈴仙に対し、 タックルへと向かうよう挑発をしてみせた。 ……この一連の動きで、鈴仙は漸く思い出した。 鈴仙「(……思い出した。彼の名は――ネイ! 妖夢達サンパウロに負けたチーム。 パルメイラスの中核選手じゃない!)」 そして同時に、鈴仙を舐め切った様子の少年――ネイを見てこう思った。 鈴仙「(……突然声なんて掛けて私を驚かせた罰よ。 人を勝手にかよわい女の子扱いして、粋がっているようだけど。 ――それを逆手にとって、驚かせてやるんだから!)……じゃあ、取りに行きますね」 タッ…… ネイ「ほらほら、取れるモンなら取ってみな〜(――おや。素人にしてはフォームが良いな。 ――いや、単に良いってレベルじゃない。これじゃまるで、素人じゃなくて……!?)」 鈴仙「――私だって一応、あんたと同じプロ候補生なのよ! 負けてたまるモンですか!」 ダダダッ、ズザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!
[119]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/26(金) 00:54:57 ID:DUr+KBLQ ――今の自分でも、充分勝てる。 そう思って鈴仙は、自分をか弱い少女と勘違いをし、手加減をしているネイに対して。 ……全力のタックルをぶつけてやった。 先着2名様で、 ★ネイ→ドリブル 54 (!card)(!dice + !dice)+(手加減-3)=★ ★鈴仙→タックル 52 (!card)(!dice + !dice)=★ と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。 MAX【攻撃側】−MAX【守備側】 ≧2→ネイ、ボールキープ成功。 =1、0、−1→ボールはこぼれ球に。 ≦−2→鈴仙、ボールを奪う。 【補足・補正・備考】 ネイのマークがダイヤ・ハートで「消えるフェイント(+4)」が発動します。 鈴仙のマークがダイヤ・ハートで「アイドリングウェーブ(+2)」が発動します。 鈴仙のマークと敵スートが一致時、スキル・狂気の瞳により敵の数値が−2されます。 今回の勝負で鈴仙が優勢であればある程、ネイが鈴仙に対して一目置くようになります。 また、今回の判定については、鈴仙についてのみフラグ習得・回収を有効とします。
[120]森崎名無しさん:2016/02/26(金) 00:56:02 ID:??? ★ネイ→ドリブル 54 ( ダイヤ10 )( 3 + 3 )+(手加減-3)=★
[121]森崎名無しさん:2016/02/26(金) 00:56:41 ID:??? ★鈴仙→タックル 52 ( クラブ8 )( 6 + 1 )=★
[122]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/26(金) 00:56:43 ID:DUr+KBLQ …と、言ったところで今日の更新はここまでにします。 明日は出張で深夜まで帰って来れないので、更新をお休みします。 皆さま、本日もお疲れ様でした。
[123]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/28(日) 01:19:32 ID:ASx8Dvhc ★ネイ→ドリブル 54 ( ダイヤ10 )( 3 + 3 )+(手加減-3)+(消えるフェイント+4)=61★ ★鈴仙→タックル 52 ( クラブ8 )( 6 + 1 )=59★ ≧2→ネイ、ボールキープ成功。 ネイ「……それっ!」 タタタタッ……バババッ、シュッ! ネイは何となくの直観と単純な自己顕示から、 遊びの場において自身の最高傑作を自負する高速フェイント ――『消えるフェイント』を惜しげも無く披露した。 鈴仙「(……右に視線を寄せておいて、実際は左! ……では無くて、その実際はヒールリフ……と、見せかけたルーレットからの右! ――な、なんてメチャクチャなフェイントなのよ!)」 真っ直ぐにスライディングタックルに向かった鈴仙は、 瞬時にかつ巧妙に繰り出される高難度のドリブルテクニックの連打に面喰うも。 ――こうして、ネイの動きがどこに向かっているかを、しっかりと捉えていた。 なぜなら。 鈴仙「(……でも。そのタネはとっくに割れてんのよ! 私にとって、そのフェイントは。『消えるフェイント』は――中山さんの二番煎じにしか過ぎない!)」 鈴仙は、幻想郷で既にこのフェイントを何度も見て来た。 だからこそ、焦らずに鈴仙はネイが本来突破したい方向――右に一点集中してタックルを仕掛ける事ができた。 ズザアアアアアアアッ……! ネイ「(迷いの無い動きだ……! こいつ、俺のドリブルを見切っている!)――くそっ!」 ダッ、ガシイッ! ……クルンッ!
[124]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/28(日) 01:20:46 ID:ASx8Dvhc そのため、ここで鈴仙がボールを奪いきれなかったのは、 ひとえにネイの基礎的な実力の高さと土壇場での判断力の高さであると言える。 彼は鈴仙が自身の動きを読み切った事を見越して、 最後にボールを両脚で抱えてわざと左によろめき、鈴仙のスライディングタックルを後少しで躱してみせた。 ネイ「――ハハ。面白かったよ、ハニー」 鈴仙「……誰があんたのハニーですか」 ネイはおどけたように笑っていたが、その笑みの意味が先程とは異なっていた。 尻軽女を射止める時のような社交的な笑みでは無く、 鈴仙という人物に対し、個人として純粋な興味を持ったそれだった。 ネイ「……君だったんだな。あのトンデモ雑誌に書いあった、 コリンチャンスのヒーローってのは」 ネイは軽薄そうな印象を薄めてそう鈴仙に尋ねた。 鈴仙「あのブン屋の書いた雑誌の事かしら。だとしたら、あまり覚えてて欲しく無かったけれど」 ネイ「とんでも無い。とても素敵なストーリーじゃないか! 俺はこう見えて、ロマンチストだからな。ああいう話は柄にも無く、感動しちゃうのさ」 鈴仙「ホントかしら……」 ネイ「ホントさ。何だったら教えてくれないか。君がこれまでに歩んで来たストーリーをさ」 鈴仙「……それ、ナンパの続き?」 ネイ「悪かったよ。でも、話を聞きたいのは本当だ。……それに、落ち着いて考えてみろよ。 こんな衆人環視のビーチで、人生賭けてサッカーしてる奴が、 一見いたいけに見える少女をどうこうしたりすると思うかい?」
[125]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/28(日) 01:21:57 ID:ASx8Dvhc 鈴仙「まあ。それも……そうだけどさ」 ネイ「良し! じゃあ決まりだな」 ――鈴仙は何時の間にか、この少年のペースに巻き込まれていった。 そして、彼に対して悪くない感情を抱き始めている事を、鈴仙は認めざるを得なかった。 場所をビーチパラソルに移し、鈴仙はネイに対し暫くの間語り合った。 自分の出自のこと、幻想郷のこと、永遠亭のこと、中山やパスカルとの出会いのこと、 八雲紫を取り込んだ純狐や、漁夫の利を狙う豊聡耳神子の企みのことや、 それに対抗する、自分達プロジェクト・カウンターハクレイのこと。 最後に、ブラジルに来てから今までの、紆余曲折ばかりの日々のこと……。 その多くは突拍子も無い話だったが、ネイは疑う事なく話を聞いてくれた。 ネイ「――そうか。……いや、やっぱり君に会えて良かったよ、レイセン」 鈴仙「えっ? そ、そう?」 ネイは爽やかな笑顔をこちらに向けてきた。 思わず照れくさくなってしまい、若干声が上ずってしまったのを鈴仙は恥じる。 ネイ「本当にありがとう。……いや、俺も今、少し悩んでいる事があってね。 だけど、今日の君の話で色々と、着想を得る所があった」 鈴仙「そ、そう……? そんな着想を得れるトコなんて、あったかしら」 ネイ「――あったさ。友達を信じる心が如何に大事か、とかね」 鈴仙「そんな当たり前の事。サッカーでどう役立てるって言うのよ」 ネイ「……うーん。それを『当たり前』と言ってのける君を褒めてあげたいんだけどな。」 そうなると、またナンパと誤解されてしまうからな。――そうだ」
[126]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/28(日) 01:31:27 ID:??? ネイは思いついた、と言うように大袈裟にポンと拳を掌に当てて、 ネイ「だったら、交換ってことで。俺も君に何かしらの着想を与えてあげようかな。 ――丁度、新技を誰かに見せたかったのもあるしさ」 思い立ったかのように、彼は先程使っていたビーチボールを引き寄せる。 そしてフワリとボールを少しだけ浮かせたと思うと――。 バァッ! ……ポンッ。 グルウンッ! ――バシュウウウウウウウウウウウウッ!! ネイは右足でシュートを撃たずボールをポンと浮かせ、そのまま右足で地面を蹴り、 時計回りに回転しつつボールの左側に回り込み、左足でボレーシュートを放った。 鈴仙「………!(こ、この技は……。私の『マインドスターマイン』の発展形の技……! シュートを撃たずに一旦ボールを浮かせる、というまでは同じだけれど。 そのまま単純にダイビングボレーをする私の技と、 時計回りに回転する事で遠心力を加えて蹴り込む彼の技には、更にワンランクの差がある。 もしも、この技を私も習得する事が出来れば――!?)」 そして偶然か必然か。鈴仙にはネイが放ったシュートを見て、強い着想を得ていた。 ネイ「……おっと、すまない! どうやら今ので、ファンの女の子達が気付き始めた。 君もスキャンダルに巻き込みたくはないからね。俺は退散するよ!」 タタタタッ……。 鈴仙「あっ、行っちゃった……」
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0ch BBS 2007-01-24