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【新天地は】鈴仙奮闘記35【魔境】
[137]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/28(日) 17:29:40 ID:ASx8Dvhc B:オフサイドトラップフラグを開発する。(18/20) 鈴仙「……リオカップでは、個人の実力だけでなく組織戦も大事になる。 オフサイドトラップに関する知識を、もう少し深めてみる必要があるわね」 鈴仙は図書館に行き、オフサイドトラップに関する実践的知識を深める事にした。 先着1名様で、 ★鈴仙のオフサイドトラップ練習→!dice★ と書き込んでください。数値の合計が経験点にプラスされます。(現在18ポイント)
[138]森崎名無しさん:2016/02/28(日) 17:33:20 ID:??? ★鈴仙のオフサイドトラップ練習→ 4 ★
[139]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/28(日) 23:12:37 ID:ASx8Dvhc ★鈴仙のオフサイドトラップ練習→ 4 ★ →4ポイント上昇、フラグ回収! 鈴仙「……うん。元々の下地は幻想郷でも充分やって来たし。 これだけ勉強出来れば、実際の試合でも使えそうね、『オフサイドトラップ』!」 集中して学習を深めた結果、鈴仙は実践におけるオフサイドトラップの方法論をマスターした。 *鈴仙がフラグを回収し、スキル・オフサイドトラップ(常時発動、縦パスを1/2でオフサイドに出来る)を習得しました。
[140]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/28(日) 23:14:07 ID:ASx8Dvhc <<<12月2週・イベントフェイズ>>> 【黄昏の隠者】 〜コリンチャンス・クラブハウス(という名の場末のバー)〜 荒くれ「うおーい、お嬢ちゃん。もう一杯酒だぁー!」 鈴仙「はいはい、只今お持ちしますから、お待ちくださいねー!」 海水浴の日から数日、鈴仙は相変わらずバニーガールとしての業務に邁進していた。 スラム街のド真ん中にあるここは、意外にも客入りが良く、 土曜日曜の概念も無いその日暮らしの男たちの憩いの場となっていた。 (看板バニーガールへの密かな人気も集客要因となっていることに、鈴仙は気付いていない) 鈴仙「……あの。もし知ってれば教えて欲しいんですけど。 ここのマスターやってるあの御爺さんって。マジで何者なんですか?」 ――そして、そんな客の内常連の男に対して、鈴仙はこう聞いてみた。 ネイとの一件がきっかけ……という訳ではないが、 最初は不可解だらけのコリンチャンスでの生活に慣れて来るうちに、 コーチの過去に対する興味が改めて深まって来た事が大きかった。 鈴仙「いや、これまでも色々ヘンな武勇伝は聞いて来たんですけど、そう言う意味じゃなくて。 過去に何をしていたとか、どうしてチーム諸共、こんなスラム街に追いやられたか、とか」 荒くれ「……知ってると言えば知ってる。だが、俺は言わんぜ」 ……が、鉄製のマスクで素顔を隠した、この恐らく中年の荒くれは、 頑として首を縦に振らなかった。
[141]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/28(日) 23:15:48 ID:ASx8Dvhc 鈴仙「ど、どうしてですか」 荒くれ「それが、ここスラム街の掟だからさ。俺達はここに来た奴らの過去について、 素性を探らない。その代わり、こっちも色々と他人から詮索されない」 鈴仙「そ、そんな。……お酒、コッソリサービスしちゃいますから。ね?」 可愛らしく手をもじもじさせて、鈴仙なりに頑張って男に媚びを売ってみたが、 それでもその荒くれの男は動じない。 荒くれ「……ここらに居る奴らはな。皆後ろめたい過去を持っているんだ。 それを聞きだして咎める事は、この街じゃあスリや喧嘩、強盗以上の大罪。 誰もが皆、お嬢ちゃんみたくキレイな訳じゃないのさ」 鈴仙「…………」 ――そして、彼はそれ以上この問いかけに対して答える事は無かった。 また、他の客たちに聞いても回答は同じだった。「教えるのは流儀に反する」……と。 コーチ「おい、お嬢ちゃん! 支給紙と袋を持って来てくれ! ぶっ倒れちまった!」 鈴仙「あらら……。――はいはい、どのお客さんですか!?」 コーチ「おお、この客じゃぞ。ワシは打撲の跡が無いか探すから、お前さんは奥から生食でも取って来てくれい」 鈴仙「はいはい、生食ですね。まさか点滴は要らないですよね?」 コーチ「設備が無いしの。じゃがまぁ、アレストになった場合に備えて、ボスミンも用意するんじゃぞ……グヒヒ。 こんなトコに救急車がすぐに来るとは思えんからな、念の為じゃ」 鈴仙「はーい(はぁーあ。永遠亭を思い出すなぁ……アレ?)」
[142]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/28(日) 23:17:25 ID:ASx8Dvhc そんな中、客が倒れたとかで珍しく真面目な顔をしているコーチの命令を淡々と聞きこなし、 引き出しにある薬剤棚にドサリと積まれていたサッカー雑誌『リオサッカー』を放り投げ――。 鈴仙「(……いや。いやいや。今のおかしく無かった? なんでコーチみたいな人から、 アレスト(心停止)だのボスミン(アドレナリン製剤)だのみたいな単語がポンポン飛び出すのよ!?)」 ……今のさり気ない会話を経て、何となく芽生えた鈴仙の疑念はますます深まって。 鈴仙「(……もしもスラム街の人が教えてくれないなら。 私が、自分から知って居そうな人を探して、聞き出すしかないのかしら。 ――実際、私も『そうした筋』の人間(?)に対して、コネが無い訳じゃないし)」 そして――。 ***** 〜サンパウロ・ケイニチ新聞社 雑誌部〜 鈴仙「……あの。すみません。主任記者のアヤソフィア・シェマリーさんとの面会の件ですが」 受付「ああ……はい。レイセンさんですね。承っております。応接室へお進みください」 翌日。鈴仙は夕べ抱いた思いを実行に移した。 探し物 のバイトに行くふりをして、以前貰った名刺を参考に大手新聞社の一セクションへと向かい、 そこで事前にアポイントメントを取っておいた人物との面会を果たした。
[143]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/28(日) 23:20:20 ID:ASx8Dvhc アヤソフィア「……あやや。まさか貴女からこっちに来て下さるとはね。 てっきり、私、嫌われているモンかと思ってましたから」 鈴仙「今だって嫌いよ。こないだは滅茶苦茶書いてくれたじゃない」 アヤソフィア「ああ……。あの少女Uの記事でしたっけ。まぁ、あれにはですね。 私の方も社としての意向ですとか、読者ウケとか、色んな要素がありましてね……」 あの酒と煙草狂いの助平コーチの、凋落というレベルを超えて崩壊した名門チームの、 その正体を探るべく、鈴仙はアヤソフィア……と名乗る、幻想郷の某天狗に良く似た女性記者の下へと向かった。 過去の幻想郷での付き合いからして、鈴仙は彼女に好意は持っていなかったが、 それは彼女も同じだったらしく、 アヤソフィア「……で。どうしたんですかな。何か私から聞きだしたい情報があるとか?」 ――と、互いを懐かしむ雑談も無く、営業的な軽薄な笑顔のみを残して、 単刀直入に鈴仙に対してこう聞いて来た。 鈴仙「……何故、コリンチャンスはあんなボロチームなの。過去に一体何があったの? そして、あんなボロチームのスタッフとして在籍するあの老人は、一体何者なの」 アヤソフィア「んー……。成程。鈴仙さん、あんた、あのチームに一月以上居ながら、 そんな事も知らなかったんですねぇ。その程度でしたら、ある程度の概略は話せますよ」 鈴仙「――意外ね。何か取引でも持ち掛けて来るとでも思ったけれど」 アヤソフィア「失礼ですね。私だって、取引する相手と状況は判断しますよ。 今は精々、恩を売っておけば充分だと判断しただけです」 アヤソフィアは鈴仙に対して事務的にそう言うと、「ちょっと待っててくださいね」と応接間を去った。 それから数分後、黒羽色のスーツを鮮やかに着こなした彼女は、 過去の新聞記事のコピーを手に持ち現れた。
[144]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/28(日) 23:22:28 ID:ASx8Dvhc アヤソフィア「……これは今から……およそ1年前の記事ですかね。 コリンチャンスの凋落と言えば、この記事が分かり易いかと」 鈴仙はアヤソフィアが差し出した一枚の記事を読む。 そこには、こう書いてあった。 鈴仙「『コリンチャンス、実質上の解散 政府命令により資産の9割を没収』……?」 アヤソフィア「――表向きには、チームの監督が不祥事を起こした事が原因となっています。 当然、この時点でコリンチャンスは最盛期程でないにせよ名門チームだったので、 反対運動は起きました。……が、これについて新聞社はウチ含めて誰も取り上げてません」 鈴仙「ど、どうしてよ!」 アヤソフィア「鈴仙さんもご存じのとおり、ブラジルは今、南米一の大都市へと成長しました。 しかし、その為に彼らは、相当な無茶をしています。 軍部を用いて議会を形骸化させ、自身に不都合な意見を握りつぶし。 一部の官僚が、強力な政治を推し進めていく……。それが、今のブラジルという国なんですよ。 ――ま、いわゆる『開発独裁』やら『官僚的権威主義』ってヤツですな」 鈴仙「た、確かにそういう文系的な話は、もっか医学系な私には音沙汰だけどさ。 ――そんな話と、コリンチャンスの崩壊とが、どう関係するって言うのよ!」 アヤソフィア「はいはい。そう聞くのは分かっていましたよ。 ブラジルの強権的な政治体制と、サッカーチーム・コリンチャンスの崩壊。 この二つを結びつけるのが、……ズバリ、あのコーチさんの過去に潜んでいるとしたら、どうですか?」 アヤソフィアはそう言って、二枚目の新聞記事を取り出した。 それは先程の記事と比べると、少しだけ古い印象を受けた。 そこには、こう書いてあった。
[145]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/28(日) 23:24:41 ID:ASx8Dvhc 鈴仙「『SCコリンチャンス・パウリスタ ブラジル選手権連覇 ドトール監督の名采配が光る』……?」 それは一見無関係な記事であるように思えた。 数年前、コリンチャンスがブラジル全国選手権に優勝し、 その時の監督は過去のコリンチャンスの名選手で、黄金時代を築き上げた人物であり、 今はこうして連覇を遂げ、監督してもその人気を爆発させつつあると言う内容であったが――。 鈴仙「この記事が一体どうして――って、あれっ!?」 鈴仙は記事を見て驚いた。 ……いや、正確には記事にある写真を見て驚いた。 鈴仙「こ、この人って。もしかして……!」 アヤソフィアは鈴仙の推測を裏付けるように頷いた。 アヤソフィア「そうです。あのおじいちゃん――いえ、そう見えるだけで、実はそこまで高齢ではないのですが ――は、正真正銘この人です。」 鈴仙「う、ウソ……でしょう!?」 その写真の人物は、髪は黒く老け込んだ印象こそ無かったものの。 確かに、鈴仙が良く知るあの老人と酷似していた。 アヤソフィア「本名はヒポクラテス・ソウザ・ヴィエイラ・ジ・オリヴェイラでしたが、相性はもっぱらドトールでした。 あ、ドトールとはポルトガル語で、日本語にすると医者って意味です。 実際、この監督さんは医師免許を持っていて、サンパウロの市民病院の院長先生と、 コリンチャンスの監督兼コーチを両方務めていたらしいですな。 いやぁ。日ごろは医師として弱き市民の力になりつつ、ハレの舞台では名選手、名監督として活躍するとは。 最盛期の彼の人気は、さぞかし凄かった事でしょう。……それこそ、政府にすらマークされる位にね」
[146]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/28(日) 23:27:24 ID:ASx8Dvhc 鈴仙「どうして……!? どうして、そんな人が……!?」 アヤソフィア「気になりますか、気になりますよねぇ! ですが、ここからが中々面白い。 三枚目の記事ですね。これが彼の失脚。引いてはコリンチャンスの崩壊に繋がったとされており ――って、あやや。鈴仙さーん?」 鈴仙はアヤソフィアの説明を聞く事すらまどろっこしくなり、思わず新聞社を飛び出していた。 残されたアヤソフィアは、そんな鈴仙の真っ直ぐな背中を見て、こう呟いた。 アヤソフィア「――本当に真っ直ぐで暢気な奴ね。 ……どっかの橋姫じゃないけれど。腹立たしくなる位、妬ましいわ」 ***** 〜コリンチャンス・クラブハウス(という名のバー)〜 鈴仙「こ、コーチ! コーチったら! どうして今まで、そんな凄い事隠してたんですか!」 コーチ「グヒヒ……グヒ? 何の事かな? というかお前さん、バイトはどうしたい」 鈴仙はアヤソフィアに礼を告げる事も無く、即刻にコーチが寝ているクラブハウスへと踏み込んだ。 コーチは相も変わらず昼から酒を呷っていたが、鈴仙の姿を見るやいなやそう言って顔を険しくした。 鈴仙「そんな事どうでも良いです。私はコーチから直接話を聞きたいんです。 コーチ。私は貴方が名選手であり名監督であり、しかも名医だった事を知りました! ですが今まで貴方はずっと、それを隠して、ここで浮浪者の如く生活していた! 一体どうしてなんですか!?」
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0ch BBS 2007-01-24