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【新天地は】鈴仙奮闘記35【魔境】
[168]森崎名無しさん:2016/03/02(水) 00:35:55 ID:??? ★ネイの回答→ JOKER ★
[169]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/02(水) 00:39:47 ID:??? JOKERが出た!…と、言った所で今日は短いですがここまでです。 今回のJOKERは鈴仙の成長的な意味で大きいかもしれません。 それでは、本日もお疲れ様でした。
[170]森崎名無しさん:2016/03/02(水) 00:51:39 ID:??? 練習の帳尻合わせが来たな
[171]森崎名無しさん:2016/03/02(水) 01:40:46 ID:??? 乙です カワイコちゃんに甘いとはいえ、結構ネイは協力的で良かった リオカップ前に会えたのは中々の幸運ですね、逆に運が人脈に片寄り過ぎてますけど
[172]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/03(木) 00:53:42 ID:??? すみません、時間が足りず文章だけですが、更新再開します。 >>170 これで多分、リオカップは充分に戦えるようになったと思います。 >>171 乙ありがとうございます。 人脈については今後のストーリー面は勿論、ゲーム面でも活かせるようにしたいですね。
[173]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/03(木) 00:54:45 ID:??? ★ネイの回答→ JOKER ★ JOKER→エベルトン「おい貴様ァ! 練習サボってナンパとは良い度胸だな!」ネイ「か、監督!」 ネイ「――ねぇ、君。最近サンパウロに出来た美味いコーヒー屋の事、知ってるかい?」 鈴仙「……はぁ?」 そして鈴仙の期待に反し、ネイは暫く何も語らなかった。 いや、正確には彼はロビーに並んだソファに座り、 延々と鈴仙にサンパウロ市内のお洒落な喫茶店や雑貨店、洋服屋などの案内をしていた。 それは多くの女子ならば垂涎ものだったのかもしれないが、少なくとも鈴仙には良く分からなかった。 鈴仙「――私は、そんな事を聞きに来たんじゃないって。さっきも言ったでしょう!」 いかにも女性をナンパする事しか考えていない彼の発言に、 鈴仙はいよいよ我慢の限界と机をバンと叩いて立ち上がる。 それには流石のネイも慌てたらしく、優男然とした表情を崩して、 ネイ「ああ……いや、すまない。君があんまりにも可愛いから。ついつい何時もの癖が出ちゃって」 鈴仙「か、可愛いですって」 そんな単語、中山さんやパスカル君は一言たりとも言ってくれなかったなぁ… とか思って、内心満更でも無くないのを隠しつつ、鈴仙はもう一度繰り返した。 鈴仙「私はね。真実を知りたいのよ。謎の凋落を遂げた名門チーム・コリンチャンス。 その全盛期を支えたヒーロー・ドトール監督に隠された過去! 私は決して、あんたの女になるために態々高い電車賃払ってここまで来てないの!」
[174]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/03(木) 00:56:40 ID:??? ネイ「……………」 鈴仙の真摯な言葉に、ネイは言葉を詰まらせた。 てっきり別のナンパ文句なり弁解なりがひょいと出てくると思ったのに、 まるで年相応の少年らしく、彼は鈴仙の目をじっと見つめて呆けている。 鈴仙「ど、どうしたのよ。なんかそんな風になったら、私が悪い奴みたいじゃん」 今度は罪悪感を覚えた鈴仙が慌てる番だった。 ネイ「……素敵だ」 しかしそんな鈴仙を尻目に、ネイはますます症状を悪化させていた。 そしてそれは、鈴仙をますます慌てさせる羽目になった。 ネイ「――正直、この前のビーチで会った時から、君は何か違う。 ……そう思っていたし。それで今日もこうして話す機会を設けたかったのだけれど。 俺はどうも、君に本気で惚れちまったみたいだ」 鈴仙「……ど、どうせそれも含めてナンパの定番フレーズなんでしょ。 遊びっぽいポーズから、急に真面目ぶっても遅いんだからね」 ネイ「そんな事ない。俺はマジだ。……故郷に彼氏とかは居るのかい?」 鈴仙「ど、どーせいないわよ。私、男の人とそういうのって何かイヤだし」 ネイ「それなら、俺が教えてあげるよ。ああ、絶対に君を楽しませてあげるさ」 ネイは鈴仙の手を取った。鈴仙は背筋がぞわっとした。 ネイに対して嫌悪感を覚えているというよりは、自分が異性とこうなる事について、慣れていないし嫌だった。
[175]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/03(木) 00:57:56 ID:??? 鈴仙「(ど、どどど……どうすればいいの、私!?)」 少女マンガのヒロインみたいに目をチカチカさせながら、 生理的嫌悪感の中に入り混じる、そこはかとないロマンチックに混乱していると――。 ??「おいコラァ! 練習の時間はまだ終わっていねぇぞ、そこのエロ猿ゥ!」 ネイ「――ヤベっ」 ……助け船は、ロビーの玄関から怒声と共にやって来た。 ??「ネイ、テメー。そんなに交尾の練習がしたけりゃ、俺がサンパウロ一の発展場を教えてやるよ。 病気になるまでやり放題だぜ。どうだ、良いだろう」 下品な声、下品な台詞、いかつい顔立ちにゴツゴツとした身体。 およそ地上の穢れを体現したような男が、そう大声でがなり立てると、 流石のネイも鈴仙へのアプローチを諦め、軍人の如くびしっと男の前に立ち、 ネイ「……申し訳ないです、サー」 しょんぼりとそう溜息を吐きながら言った。 しかし、その男は依然その語気を弱めない。 ??「家畜風情が、今更謝っても遅い事を学習しやがれェッ! 人間モドキが粋がるんじゃねぇぞ! どうしても申し訳ないと思うなら、今からでも練習に戻れ!」 ネイ「――イエス、サー」 ネイはやれやれと肩を竦めながら、鈴仙の方を未練ありげに一瞥して退場していった。 ??「……チッ。アイツらの根性はこんなモンか。たったクソ猿一匹が消えたくらいで、 いつまで経ってもくすぶり続けやがってよォ……」
[176]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/03(木) 00:59:15 ID:??? ネイが去った後、下品な男は鈴仙の事も無視して、恨みがましくブツブツと呟いている。 突然の急接近から鈴仙を救ったという意味では、確かにこの下品な男は救世主だったが、 よくよく考えると、ネイ以上にヤバい人物が現れたような気もして来た。 鈴仙「あ、あのー。貴方は……?」 しかし、そのまま黙って帰るのも気が引けたので、鈴仙はおずおずと男に対してそう声を掛けるが。 ??「――あぁん!? ここは神聖なクラブハウスだ。 テメェみたいな売女は、存在する事自体烏滸がましいんだよ! スラム街のド真ん中で服でも脱いで、ブヒブヒ喘いでろ! メス豚が!」 ――男は鈴仙に対して何の配慮も無い罵声を投げつけるのみである。 これならグヒグヒ尻を揉んでくるだけのコーチの方が断然紳士だ。 鈴仙「――私は売女じゃありません。サッカー選手です」 あまりに無配慮な言い方に少しだけカチンと来た鈴仙は、彼に対してこう言い返してやった。 ??「あーーん? 誰もテメェの男のタマ転がしの腕なんて聞いちゃいねぇよ。 貴様みたいな不潔な女は、金輪際二度と『サッカー』の単語を口にするな。豚臭が移る」 下品な男の口は減らないが、鈴仙も毅然とこう返す。 鈴仙「――そっちこそ。女だからと決めつけて、勝手に娼婦扱いするのは、 紳士としてのマナーに反するんじゃ無いですか? 私はれっきとした、サッカー選手です。コリンチャンスに所属してます。 嘘だと思うなら、ブラジルサッカー協会にでも確認してみたらどうですか!」 ここまで言って、男の反撃が不意に怖くなって鈴仙は一旦言葉を止める。 しかし、鈴仙の予想に反して男は、
[177]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/03(木) 01:00:32 ID:??? ??「……コリンチャンス、だと……!?」 これまでの横柄な態度を金繰りしてて、突然明らかな動揺を見せた。 ??「――おい、女! 貴様、本当にあのチームから来たのか!」 鈴仙「そ、そうですよ!」 鈴仙の肩に掴みかからん勢いで、男は大声でそう訊き返す。 鈴仙もつられて大声で応えるが、そこから先、男は暫く押し黙った。 そして、重苦しく、鈴仙に対してこんな依頼を持ちかけて来た。 ??「……頼む。お前が本当にコリンチャンスから来たというのなら。 ――俺を、そのクラブハウスがある場所へと案内してくれ。いますぐだ!」 鈴仙「……え。えぇ……は、はいっ!」 態度を急変させた男に対し、鈴仙は頷かざるを得なかった。 ***** 〜サンパウロ・スラム街〜 ――そこから、男は鈴仙に自身の身分とその周辺の事を洗いざらい話してくれた。 男の名はエベルトンと言い、パルメイラスのユース部門の監督をしていること、 現在チームが低迷し、自身の進退もかかっており、機嫌が悪いということ、 そして、ネイやトニーニョ、サトルステギのような中核選手に加え、今は居ない「モリサキ」という男について……。
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0ch BBS 2007-01-24