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【新天地は】鈴仙奮闘記35【魔境】
[251]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 00:49:13 ID:MrrZYuvc ズシン、ズシン…… ??「うひぇー、強そうな奴がいっぺぇいるなぁ! オラワクワクして来たぞ!」 実況「7番目に入場したチームもサンパウロ州から、サントスです! 巨漢DF・ディウセウ選手が地面を揺らしながら、 今大会屈指のストライカー・ザガロ選手と共に入場してきました! 最新鋭の科学トレーニングを取り入れた彼らは、大会のダークホース足り得るでしょうか!?」 ディウセウ「なあザガロ、どっちが沢山倒せるか競争しねえか?」 ザガロ「ふざけろ、ディウセウ。俺達は奴らを倒しに来たのではない。征服しに来たのだ……ククク」 ネイ「トニーニョ、早く行くぞ。俺は勝ってあの子にプロポーズするんだ」 トニーニョ「またその話か。お前らしくも無く、一途だな」 実況「次に現れたのが……同じくサンパウロ州から、パルメイラスです! 彼らのチームは一時期失踪騒動があり、それ以来選手の士気がガクンと落ちたとの評判ですが……。 そんな評判を笑い飛ばさんばかりの、真剣な表情で全員がピッチに入っていきます! 今大会の彼らには、期待できそうです!」 エベルトン「(ケッ。なーにが、期待できそうです! ……だ。ガキの運動会かよ。 ――ま、そうやって余裕ヅラ出来るのも今の内さ。覚悟しとけよ、今のパルメイラスは……強えぞ)」 実況「15番目に現れたチームはグレミオです! 今大会ナンバー1キーパーと称されるクラウディオ・メオンが守るゴールは、果たして破られるのでしょうか?」 メオン「(破られる訳がねえ。俺は最強だ、負ける気がしない。――俺を破るならサイクロンでこい!)」 ダ・シルバ「なーんかさ。俺達だけ扱い、微妙にショボくないか? 気のせいか? 気のせいなのか?」
[252]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 00:50:50 ID:MrrZYuvc 実況「さあ! ここで15チームが今、スタジアムの中央に揃いました!」 観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」 そして、グレミオが最後に集合して15チームが揃った所で、観客達の盛り上がりはピークに達した。 後は残り1チームの入場を待つのみ。そうすればやがて開会セレモニーが始まり、心待ちにしていた試合が始まる。 そんな中で――その残り1チームが中々現れない。 実況「……え。えー。残すところはあと1チーム、コリンチャンスのみです! コリンチャンスの選手達が、今スタジアムに……入って来る筈です!」 シーン。 ――ざわざわ、ざわざわ…… コリンチャンスがいつまで経っても現れない。その事実は観客席の気温を下げるのに十分だった。 実況「コリンチャンス、コリンチャンスはどうしたのですか! 何故現れないのですか!」 友人や恋人との待ち合わせに遅刻する者は多く居るが、 サッカーの若手の登竜門たる一大大会に遅刻する者は滅多に居ない。 それゆえに、一度冷えた観客は、盛大な遅刻をかましているチームへの怒りの炎を灯す事で、 せめてもの慰みを得ようとしたようだったが――彼らの怒りは数分後、呆れに変わった。 ドタドタドタ……バターン! 鈴仙「お、遅くなってすみませぇーーん! コリンチャンスです!!」
[253]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 00:51:55 ID:MrrZYuvc 実況「こ、これは……! コリンチャンス、集合時刻よりも30分遅れての到着です! 一体どうしたのでしょうか!?」 鈴仙「ぜひー、ぜひー。……えっと……その」 遅れてやって来た、コリンチャンスを名乗る兎耳の少女を差し置いて、 平然とした顔で少女の後ろについて来た老人は、 コーチ「……ワシら、チャリとヒッチハイクでここまで来たのよ。だってワシら、お金ないし。 バスって言ったら、10レアルで乗れる町中の路線バスだけじゃし」 痴呆老人のような弛緩した笑みで、平然とリオカップに出場するチームらしからぬ言動を言ってのけた。 老人会の草サッカー大会と会場を間違えたとしか思えない場違いっぷりに、 観客席は怒りよりも先に、混乱するしかなかった。 コーチ「ま、そんなちょっとヘンなチームですけど。いっちょ宜しく頼んますわ。……グヒヒ」 それでも、この老人が親しげにグヒヒと笑い一礼をすると、彼らは何となく黙らざるを得なかった。 言いたい事は色々とあったが、茶番は止めて一刻も早く試合を見たかった事と、 あまりに突っ込むべき所が多すぎた事などから、諦観にも近い呆れ顔で、 第16のチーム、コリンチャンスの飛び入り参加を認めるしかなかったのである。 実況「え、えー。と、とにかく。まぁ、16チームが無事に揃ったという事で。 時間よりも少し遅れていますが、オープニングセレモニーを開始します! まず……」 妖夢「(……鈴仙。雑誌では聞いていたけど、本当に来ていたのね)」 そんな中、妖夢はボケたコーチと鈴仙との漫才チックな掛け合いを遠目に眺めて、 妖夢「(――この大会。私が勝って、私の道の方が貴女の選んだ道よりも善い道だった事を、証明してみせる……!)」 心の中で鈴仙に対し、静かだが黒い闘志に身を委ねていた。
[254]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 00:53:22 ID:MrrZYuvc 〜スタジアム内・控室前廊下〜 コーチ「いやー。途中でヒッチハイク先がリオ・デ・ジャネイロじゃなくて、 アフリカ西サハラのリオ・デ・オロだと気づいた時は危なかったのー」 鈴仙「危なかったのー、じゃないですよ。もう……。私達、早速赤っ恥じゃないですか!」 コーチ「まあまあ。観客は名プレーが見れれば、そんな事すぐに忘れてしまうさ」 オープニングセレモニーが終わって、鈴仙とコーチはスタジアムの廊下を並んで歩いていた。 あの場はコーチのボケ老人演技が光り、聴衆は煙に巻かれたような、 毒気を抜かれたような雰囲気になっていたものの、鈴仙は恥ずかしい気持ちでいっぱいだった。 そしてそんな鈴仙を無視するかのように、老人は暢気な風にこう確認した。 コーチ「……わしらの試合は、今やっている開幕試合、フラメンゴ対スポルチ戦の次じゃ。 前にも言ったように、対戦相手はグレミオ。GKメオンの守備力とMFダ・シルバの突破力が光るチームじゃな。 それで、わしらは今から、グレミオ戦の戦略を練る為に、与えられた控室へと向かっておる所だった……かの?」 鈴仙「そうです。分かり易い状況説明ありがとうございます」 そうやって歩いている内に、廊下の突き当たりにある次試合チーム用の控室―― 今は鈴仙達コリンチャンス用の控室だ――を見つけたので、 鈴仙はツンと澄ました表情のまま、コーチよりも一歩先に進み、大会スタッフから貰った鍵でドアを開けようとしたが。 鈴仙「……あれ。もうドアが開いてる」 鈴仙が鍵を使うまでも無く、その鉄製の扉は開いていた。 一体何故かと、鈴仙がコーチや他の選手達に先んじてドアを開いて中に入ると。
[255]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 00:55:58 ID:MrrZYuvc アヤソフィア「やあやあ、お疲れ様です、鈴仙さん。コーチさん、それにコリンチャンスの皆さんも」 ――そこでは、前にも何度か見た黒髪スレンダーの女性が、 普段通りのしたり顔で、鈴仙達を出迎えてくれた。 ***** 〜スタジアム・コリンチャンス控室〜 鈴仙「な。なんでアンタがここに居るのよ!」 アヤソフィア「まぁまぁ、そう怒らないで。可愛い顔が台無しですよ?」 コーチを含めたコリンチャンスメンバーを部屋に入れた上で、 鈴仙は改めて、怒気と驚きを籠めた声で、彼女――アヤソフィアに対してこう問いただした。 軽薄な外見の女記者は最初、馴れ馴れしい笑みでその問いをはぐらかしていたが、 暫くして、その態度が鈴仙を落ち着かせる為には何の役にも立たない事を悟った彼女は、短刀直入にこう切り出した。 アヤソフィア「何故来たかって。それは、貴女達コリンチャンスにお願いがあったからですよ」 私を助っ人として、このチームに入れてくれはしないか――ってね」
[256]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 00:57:11 ID:MrrZYuvc 鈴仙「……は。はぁ!?」 アヤソフィアが勝手かつそんな横柄な頼み事をして来たので、鈴仙は思わず素っ頓狂な声を上げた。 しかし鈴仙の常識に反して、彼女は真剣だった。 アヤソフィア「私は本気ですよ。出来れば、WGかSHとしてチームに入りたいですが、 私に活躍されるのがお嫌でしたら、単なるマネージャー扱いでも結構です。 ただ、どんな形であっても、私をこのコリンチャンスの一員にしてほしい。 そう思って、私はこうしてお願いをしてるんですから」 相変わらずアヤソフィアの態度からは裏が掴めない。 鈴仙「――色々聞きたい事があるから、一点ずつ聞くけれど、良いかしら?」 アヤソフィア「ええ。勿論です」 鈴仙「じゃあ一つ目。一体何故、私達に手を貸したいだなんて思うの?」 アヤソフィア「それは簡単。理由は勿論、貴女ですよ、鈴仙さん」 鈴仙「わ、私? どうしてよ」 アヤソフィア「……貴女は自覚してないかもしれないけど。貴女は多くの人を変える力がある。 ここに来てからも、貴女は完全に無気力だったコーチに理性の灯を取り戻した。細かい事で言えば、もっと色々あるわ。 ――そんな出来事を見て、私は興味を持ったんです。貴女という存在が持つ、目に見えない力についてね」 鈴仙「(私が持つ、見えない力。それって私がかつて森崎や中山さんを通じて得た、色々な心の強さの事かしら……) ――まあ。それは分かったわ。だから二つ目だけど。あんたは一体、何を企んでるの? 単なる興味本位だったら、単にルポでも書いてればいいじゃない。どうして、ウチのチームに入る必要があるのよ」 アヤソフィア「企むだなんて、とんでもない! 言ったじゃないですか、私は興味があるだけだって。 それを知るには、傍目から見るだけでは無く、実際に当事者になる事が大事だなって、そう思っただけですよ」
[257]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 01:08:01 ID:MrrZYuvc 鈴仙「……三つ目。あんた、助っ人をしたいって言ってたけれど。サッカーの腕前はどうなのよ」 アヤソフィア「あやや、それならご心配なくです。私はこれでも、毎日の鍛錬は欠かせてませんでね……っと!」 シュンッ! ビュバババッ! デ・ラーダ「お、俺達!?」 ビベス「う、うわあっ!?」 ミャージ「何だこの素早い動きは!」 ニータ「強い……!」 鈴仙「うちのDF陣4人がかりを容易く突破……か。ドリブル力については相変わらず、世界トップクラスみたいね」 アヤソフィア「失礼な。私はタックルやパスカットだって、人並み以上にはこなしますよ? 攻撃だけじゃなく、守備面でもぬかりナシです」 そうやって細身ながらスタイルの良い胸を張るアヤソフィアの服装は、 よく見ればサッカーも出来るような薄手のシャツだった。 コーチ「……監督という立場から言えば。君の実力は確かにこのチームにとっては、 願っても無い助け船となるじゃろうな」 鈴仙「コーチ! この人、本当に入れるんですか!?」 コーチ「さーて。……どうするかのう。鈴仙、君はどう思う?」 鈴仙「……また私ですか」
[258]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 01:14:02 ID:MrrZYuvc コーチ「うむ。彼女は実力的には秀でては居るが、人格的には君と合うかは分からん。 ……無論、助っ人として出るからには、君を邪魔するような事は敢えてしないと思うが。 また、彼女よりは劣るが、コリンチャンスの元からの選手を使いたいという気持ちもあるじゃろう。 そうした意味では、マネージャーとしての登用の方が無難な可能性もある。 選手サイドの意見も聞きたい、という話じゃな」 鈴仙「……あの、なんか選手かマネージャーとしての採用が前提になってますけど――」 アヤソフィア「――あ。ちなみにもし私を採用して下さるんでしたら、金銭面は色々フォローしますよ。 ……だって、もしこのままだったら、あなた達、公園のベンチで寝泊まりする予定だったでしょう。 流石にそれでは、試合へのコンディション上問題ですよね?」 鈴仙「(助っ人としてもマネージャーとしても雇わない、という選択肢は無い……と、いう事を暗に示してやがるわね。 ……うーん。アヤソフィア……彼女がもしも、幻想郷のあのブン屋だとすると、 あまり良い思い出は無いけど、決して本当に悪い奴では無い気もするしなぁ……)」 ――選手としての意見を求められた鈴仙は、しっかりと考えた上でこう意見を出した。 A:アヤソフィアに助っ人として、試合に出て貰う。 B:アヤソフィアにはマネージャーとして活躍して貰う。 先に【3】票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。 *Aを選んだ場合、グレミオ戦ではアヤソフィアが選手として出場します。 *Bを選んだ場合、グレミオ戦ではアヤソフィアは選手として出場しません。 *今後の試合については、出場について別途選択可能です。
[259]森崎名無しさん:2016/03/09(水) 01:16:38 ID:8pFEJFhc B
[260]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 01:18:49 ID:MrrZYuvc …と、言ったところで今日の更新はここまでにします。 アヤソフィアさんを出場させるメリットとしては、能力の高い選手が居る為、試合難易度が下がる点、 デメリットとしては、コリンチャンスメンバー等鈴仙の仲間の活躍(覚醒)の場が減る点があると思います。 3票決なので、積極的に投票に参加して頂ければ嬉しいです。 それでは、本日もお疲れ様でした。
[261]森崎名無しさん:2016/03/09(水) 01:20:42 ID:4AdnBqdA A
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0ch BBS 2007-01-24