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【新天地は】鈴仙奮闘記35【魔境】
[532]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/21(月) 01:32:07 ID:zHOLhdKs 実況「試合終了! グレミオ、コリンチャンスにまさかの4−0で敗北!! グレミオは大会開始前は、名GKメオン選手を有する強豪チームとして語られ、 かたやコリンチャンスはそもそも出場するのか自体が謎の弱小チームと信じられていました。 が、結果はその真逆! コリンチャンスは鈴仙選手、アヤソフィア選手を中心に強者の余裕を見せ、 一方でグレミオは当初の期待を裏切るような結果となってしまいました!!」 観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」「ブウウウウウウウウウウウウウウウ!」 「レーイーセン!」「レーイーセン!」「メオーン! 金返せー!」「グレミオは帰れー!」「私なら(えーりんが)取れたな」 「コリンチャンス頑張れー!」「サントス戦も勝っちまえー!」「ダ・シルバー! 何が情熱だー!」「ですよねー」 エベルトン(観客席)「チッ。面白いのは前半の途中までだったな」 ネイ(観客席)「全くだよ監督。俺はレイセンのダブルハットを見たかったのに!」 エベルトン(観客席)「オメーは何を言ってるんだ。……まあ良い。どうせ帰ったらミーティングだ。 コリンチャンス対策について、今の内にガッツリ検討しておくぞ」 ――試合が終わり、一部の例外こそあれど、観客達は概ね二通りの反応を見せていた。 一つは鈴仙達コリンチャンスの勝利を称え、今後の活躍を期待する歓声。 そしてもう一つはメオン達グレミオの敗北を蔑み、 期待を裏切られた事に対する罵声。 鈴仙「――これが、ブラジルのサッカーなのね……」 数十万の人間を収容したスタジアムには、幻想郷で観測した時とは比べ物にならない程の、 強い感情の波長が反響して増幅し、鈴仙の瞳へと吸い込まれていく。 そして、そんな有象無象の放つ波長と同じくらい強く、そして刺々しい感情を放つ存在が鈴仙の近くにいた。 メオン「…………」 鈴仙「(メオン君。試合前の威勢とは裏腹に、かなり精神的にやられてる印象ね……)」
[533]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/21(月) 01:34:20 ID:zHOLhdKs グレミオのゴール前でいつまでも立ち上がろうとしない少年は、 全く予想だにしなかった現実を前に、正気を失っていた。 試合中は辛うじて保っていた緊張の糸が切れた今、彼は口をパクパクとさせたまま、 何か言葉を紡ぐことすらできずに打ちひしがれている。 鈴仙「(勝負とは言え、ここまでボロボロになってると、流石にちょっと可哀想かも。 ――どうしよう、メオン君に何か声を掛けておこうかしら……?)」 A:「……いい試合だったわ。どうもありがとう」無難に声を掛ける。 B:「こんな冗談みたいなチームに負けた気分はどう?」試合前の挑発にお返しする。 C:「あんた達の技は凄かったわ。でも、熱さなら私の方が上だったと思うわ」熱さについて語る。 D:「………(よしましょう。今の彼に何を言っても、彼に対する侮辱にしかならない)」黙る。 E:「ところで、アンタのファンの中に、私の知り合いが居る気がするんだけど……」 F:その他 鈴仙に言わせたい事があればどうぞ 先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
[534]森崎名無しさん:2016/03/21(月) 01:39:29 ID:YvZHW9Lg F 「つい最近までーーあなたなんかより、ずっと弱くて臆病なウサギがいたわ」 自分の経験談を始める
[535]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/21(月) 01:40:48 ID:??? ……と、言った所で今日の更新はここまでにします。 本日も遅くまでお疲れ様でした。
[536]森崎名無しさん:2016/03/21(月) 01:41:04 ID:4c5VjnsU A ちっとも無難ではないような気がするが。今後の糧だ
[537]森崎名無しさん:2016/03/21(月) 01:42:47 ID:t16uOJVA A
[538]森崎名無しさん:2016/03/21(月) 01:42:52 ID:Xs5quR+w D
[539]森崎名無しさん:2016/03/21(月) 01:44:42 ID:pU+k0idw F 「一度の敗退で諦めるなら、あなたも、ブラジルも、そこまでね。 次会うときは、少しはマシな男になってなさい」
[540]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:07:26 ID:??? A:「……いい試合だったわ。どうもありがとう」無難に声を掛ける。 メオン「ぐっ……!」 黙っているには嫌にしても、気の利いた言葉は思いつかない。 かと言って洒落た皮肉を言う気にもなれない。 そうなった鈴仙は、彼に対してごく月並みな言葉を述べるだけに留めた。 無論、その月並みな言葉こそが彼の神経を逆撫でする事も知っていたが、仕方が無い。 不器用な鈴仙には、これ以上の良い選択が思いつかなかったのだから。 メオン「……貴様には、どうせ分かるまい」 ――吐き捨てるように最後にそう言ったメオンに対し、鈴仙は「違う」と思った。 鈴仙「(私だって、一歩間違えればメオン君と同じような立場になっていた。 ううん、それだけじゃない。きっとこれからも……いつ、私がこうなってもおかしくない)」 鈴仙にとって、敗者を弱者として切り捨てる事が難しかった。 弱い立場から成長して来た彼女自身、敗者の惨めな気持ちが良く理解できたからだ。 そうした感情は、森崎のような者にとっては単なる「弱さ」として一蹴されるかもしれない。 しかし、鈴仙は自分がメオンに対してそうした感情を見せた事を恥じる気は全く無かった。 鈴仙「(――中山さんは言ってくれた。そうした弱さこそが私の強さだって。 それに、ルナティックスの皆も、そんな弱い私について来てくれた……!)」 何故なら、鈴仙はこれまでの道程で既に学んでいたからだ。 そうした弱さこそが自分の強さであり、 そんな自分を仲間として愛してくれる者は、自分の周りに必ず居るのだと言うことを。
[541]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:09:07 ID:??? 妖夢「……弱い」 ――その一方で、ネイやエベルトンとは反対の方向で試合を観戦していた妖夢は、 熱狂冷めやらぬ観客席の一角にてそう呟いていた。 自身が所属するサンパウロFCでの試合を明日に控え、自由行動となったところ、 彼女は旧友たる鈴仙のブラジルでの初試合を観戦していた。 妖夢「(確かに鈴仙は、この試合派手なパフォーマンスを見せて活躍していた。 だけど、肝心の基礎能力は、ブラジルで辛い修行を乗り越えたこの私に比べ、およそ2周りは劣る。 メオンやダ・シルバのような二流選手は運よく圧倒できても、私達サンパウロにはまだ及ばない……!)」 そして、妖夢は鈴仙の試合ぶりに対して苛立ちを隠せなかった。 何故なら、彼女は自分と比べて明らかに弱かったからだ。 また、彼女はその弱さを隠す為の努力をしていないと妖夢は思った。 妖夢「(……弱くても良い、周りが助けてくれるから。 ――もし貴女がそう思っているのなら、私は貴女と同じ道を選ばなかった事について、心底安心するわ。 弱くても良いなんて、甘えに過ぎない。一つの道を歩む以上、人は強くなければならないのだから……!)」 ギリと唇を噛んで、妖夢はスタジアムを後にする。 これから彼女には、サンパウロFCでの正規の特訓に加え、 豊聡耳神子が掲げる『ハイパーカンピオーネ』計画のキャプテン候補たる為の、 非常に苦しくて辛い特別練習が待ち受けていた。 妖夢「行こう。私は、もっと強くならなくてはいけないのだから……!」 鈴仙と妖夢。互いに別れた二人の道は、決してもう交じり合わないかのように思えた。
[542]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:10:22 ID:??? 〜リオ・デ・ジャネイロ市内 ビジネスホテル〜 コーチ「いやー、良くやったの皆。まさかああも見事に勝てるとは思わんかったぞ」 ――やがて、試合に初勝利したコリンチャンメンバー達は、 アヤソフィアの厚意で確保された宿泊施設の狭いレストランにて、ささやかな祝宴を挙げていた。 アヤソフィア「今日は私のオゴリです。好きなだけ食べて下さいね。 ……宿泊客サービス用の、パンとスープとコーヒーしかありませんが」 鈴仙「それでもご馳走よ。いつもはカビたパンの耳とか、焦げたチーズの切れ端とか、 最悪ゴミ捨て場から弁当を漁らないといけなかったんだから!」 アヤソフィア「……コリンチャンスの栄養状態は、想像以上に酷かったんですねぇ。 バーしてたんですし、まかない料理とか作らなかったんですか?」 コーチ「鈴仙は料理がヘタじゃからのう。それに、わしらの店に来る連中も、 料理よりも酒と酔える場所が欲しいって連中ばかりじゃったし。缶詰ばかりじゃったよ」 鈴仙「残った缶詰も、コーチが独り占めしちゃうし……ううっ」 コーチ「そうだっけな。……グヒヒ」 アヤソフィア「あはは……(この人達、私が資金援助しなかったら、どうするつもりだったんだろ……)」 アヤソフィアもまさかホテルを貸し切れる程の資産家では無いのだから、 祝宴をするにしても、他のお客の迷惑にならない程度に静かにしないといけない。 そんな囁かな環境ではあったが、食事会はそこそこに盛り上がっていた。
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0ch BBS 2007-01-24