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【新天地は】鈴仙奮闘記35【魔境】
[541]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:09:07 ID:??? 妖夢「……弱い」 ――その一方で、ネイやエベルトンとは反対の方向で試合を観戦していた妖夢は、 熱狂冷めやらぬ観客席の一角にてそう呟いていた。 自身が所属するサンパウロFCでの試合を明日に控え、自由行動となったところ、 彼女は旧友たる鈴仙のブラジルでの初試合を観戦していた。 妖夢「(確かに鈴仙は、この試合派手なパフォーマンスを見せて活躍していた。 だけど、肝心の基礎能力は、ブラジルで辛い修行を乗り越えたこの私に比べ、およそ2周りは劣る。 メオンやダ・シルバのような二流選手は運よく圧倒できても、私達サンパウロにはまだ及ばない……!)」 そして、妖夢は鈴仙の試合ぶりに対して苛立ちを隠せなかった。 何故なら、彼女は自分と比べて明らかに弱かったからだ。 また、彼女はその弱さを隠す為の努力をしていないと妖夢は思った。 妖夢「(……弱くても良い、周りが助けてくれるから。 ――もし貴女がそう思っているのなら、私は貴女と同じ道を選ばなかった事について、心底安心するわ。 弱くても良いなんて、甘えに過ぎない。一つの道を歩む以上、人は強くなければならないのだから……!)」 ギリと唇を噛んで、妖夢はスタジアムを後にする。 これから彼女には、サンパウロFCでの正規の特訓に加え、 豊聡耳神子が掲げる『ハイパーカンピオーネ』計画のキャプテン候補たる為の、 非常に苦しくて辛い特別練習が待ち受けていた。 妖夢「行こう。私は、もっと強くならなくてはいけないのだから……!」 鈴仙と妖夢。互いに別れた二人の道は、決してもう交じり合わないかのように思えた。
[542]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:10:22 ID:??? 〜リオ・デ・ジャネイロ市内 ビジネスホテル〜 コーチ「いやー、良くやったの皆。まさかああも見事に勝てるとは思わんかったぞ」 ――やがて、試合に初勝利したコリンチャンメンバー達は、 アヤソフィアの厚意で確保された宿泊施設の狭いレストランにて、ささやかな祝宴を挙げていた。 アヤソフィア「今日は私のオゴリです。好きなだけ食べて下さいね。 ……宿泊客サービス用の、パンとスープとコーヒーしかありませんが」 鈴仙「それでもご馳走よ。いつもはカビたパンの耳とか、焦げたチーズの切れ端とか、 最悪ゴミ捨て場から弁当を漁らないといけなかったんだから!」 アヤソフィア「……コリンチャンスの栄養状態は、想像以上に酷かったんですねぇ。 バーしてたんですし、まかない料理とか作らなかったんですか?」 コーチ「鈴仙は料理がヘタじゃからのう。それに、わしらの店に来る連中も、 料理よりも酒と酔える場所が欲しいって連中ばかりじゃったし。缶詰ばかりじゃったよ」 鈴仙「残った缶詰も、コーチが独り占めしちゃうし……ううっ」 コーチ「そうだっけな。……グヒヒ」 アヤソフィア「あはは……(この人達、私が資金援助しなかったら、どうするつもりだったんだろ……)」 アヤソフィアもまさかホテルを貸し切れる程の資産家では無いのだから、 祝宴をするにしても、他のお客の迷惑にならない程度に静かにしないといけない。 そんな囁かな環境ではあったが、食事会はそこそこに盛り上がっていた。
[543]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:11:25 ID:??? 鈴仙「――でも。今日の試合は上手く行って本当に良かったわ」 そして話題は自然に、先の試合から次の試合へとシフトしていく。 具体的には、第2試合の対戦相手である、サントスFCとの試合の事だった。 鈴仙「コーチ。次のサントスFCって、どんなチームなんでしょうか? チームがお金持ちで、最新鋭のトレーニング設備を有しているって事は分かりますけど……」 最初にブラジルに来た時、このサントスこそが自分の所属するチームと勘違いした事もあり、 そして何よりコリンチャンスには無い豊富な資金を持っている事もあり、 鈴仙はこのチームに対して嫉妬と羨望の入り混じる感情を抱いていた。 コーチは鈴仙の質問に対して深く頷き、こう答えた。 コーチ「――サントスFCは、わしらコリンチャンスにとって宿敵じゃ。 それは、同じサンパウロ州内のチームである、という事は勿論じゃが……。 なんせ、過去に国の陰謀でコリンチャンスの資産が没収された際にも、 その影にはサントスの若社長に対する厚い便宜があった事と聞いている」 鈴仙「サントスの若社長? それがどうして?」 アヤソフィア「成程、私には分かりますよ。 要するに国は、当時のコーチさんが率いた不穏分子・コリンチャンスを潰すと同時に、 当時から政府寄りだった新興企業の社長が居るサントスに対し、援助をしたかったんですね。 親政府の企業が富めば、国も税収が増えるし、色々便宜を図れるし、良いこと尽くめですから」 鈴仙「……また、そんな黒い話になるのね。楽しみである筈のサッカーを、政治の道具みたいに……」 コーチ「――私がかつて、サッカーで世界平和を望んだように、サッカーで世界征服を望む者だっている。 ……そうした意図自体を否定する事は、少なくとも私にはできないな」 久しぶりに医師らしい口調で言ったコーチの話を聞くに、 コリンチャンスとサントスにはそう浅くない因縁があるようだった。
[544]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:13:03 ID:??? アヤソフィア「背景は置いといて、チームとしてもグレミオとは比較になりませんよ。 FW・MF・DFそれぞれに強力なタレントが居る上に、 その全員が、今日戦ったメオン君やダ・シルバ君以上の実力の持ち主です。 しかも、脇を固めるメンバー達も、金を活かした科学的トレーニングのお蔭か、 グレミオは勿論、我々コリンチャンスの無名選手達以上の実力者であると聞きます。 ――更にこれに、新しい助っ人が2名加わると聞いてますから。 今日みたいな気分で試合に出ちゃうと、ボロ負けする事請け合いです」 そして、アヤソフィアが語ったより具体的な――戦力的な面での解説も脅威だった。 元々、今日の試合にしても、ダ・シルバやメオンの調子がもっと良ければ。 自分の調子がもっと悪ければ、どうなっていたのか全く分からないのだ。 鈴仙「(サントスFC……金と陰謀が蠢く、モノクロの巨大魚。 彼らに勝つためには、今の私達の力だけじゃ、きっと足りない)」 鈴仙の想いは自然に、自分と同じ『プロジェクト・カウンターハクレイ』の新チーム、リトルウイングズの一員として、 世界各国で修行を続ける仲間達へと向いていた。 鈴仙「(前に聞いた魅魔さんの話だと、第一陣の修行が終わるのが今頃の筈。 ――一体誰が、どんな成長をして、私達の所に来てくれるのかしら……?)」 次の試合は、鈴仙と(選択によっては)アヤソフィア、 そして新たに鈴仙に合流する、リトルウイングズのメンバーを交えての試合となるだろう。 ――今日の感覚で、慣れたと思ってはいけない。 鈴仙は新鮮な気持ちでこれからの日程に備えるよう、自分自身に言い聞かせる事にした。
[545]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:14:24 ID:??? 〜同日同時刻 リオ・デ・ジャネイロ市内 サントス専用練習場〜 ディウセウ「なぁザガロー。本当に良かったのか、コリンチャンスの試合見なくってさー」 ザガロ「全く問題は無い。奴らウサギ共の手など、とっくに割れている」 ――その頃。サントスFCはコリンチャンスの存在など全く気に留めずに、 リオカップ用に借り上げた小規模なスタジアムで練習をしていた。 彼らはキャプテンである巨漢CB・ディウセウの号令の下、基礎的なドリブルやパス、瞬間移動等、 サッカーにおける実戦テクニックについて、種々の最終確認を行っている。 ザガロ「メオンを相手に3得点。そこそこ以上のストライカーではあるようだが……俺には勝てんさ」 そして、ディウセウを補佐しながらそう不敵に言い放ったのは、精悍な体つきをした金髪の青年。 サントスの副キャプテンにしてエースストライカーである、マルシオ・パッソス・ガザロだった。 彼は立場上は副キャプテンであったが、サントスの関連企業である鰻の空輸事業において 莫大な利益を上げる若社長でもあったため、上層部に対する発言力を持つのは彼の方である。 ザガロ「俺達はコリンチャンスの馬鹿共から金を巻き上げ、その金で最新鋭のトレーニング設備を兼ね備えた! クラブハウスにある重力トレーニング機やメディカルマシーンの素晴らしさは、お前も百も承知だろう、ディウセウ?」 ディウセウ「たしかに重力トレーニングはおもしれぇよなー。 オラ、こないだ漸く100倍重力下で『キャノンヘッド』撃つのに成功したぞ!」 ザガロ「……つまり、最新装置を粉々にしたのは貴様だと言う事か。まぁ良い。 俺達には無限の金がある。金がある限り、俺達サントスは無限に強くなる」 ディウセウ「うっひょー。まだ強くなれんのか。オラ、ワクワクしてきたぞ!」
[546]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:15:39 ID:??? ザガロは短気な性分であり、逆にディウセウはマイペース過ぎる。 そんな彼らが何故かくも親し気な間柄なのかと聞かれれば、二人には大きな共通点があった。 それは飽くなき力への欲求。勝利を目指す思いの純粋さ――そしてそれ故の狂気さだった。 ゴゴゴゴゴ……。 ザガロ「――おや。そう言えばもう、約束の時刻だったか」 ――そして、彼らは力を探求するが余り、決して解き放ってはならない者を、 このブラジルの地に呼び寄せてしまった。 ディウセウ「ようやくかー! でも、やっぱりつええ奴と一緒にサッカーできるって、ワクワクするな」 ザガロは時計で時刻を確認すると、チームメイトをベンチへと散らして、 空中に浮かぶ巨大な卵型の飛行機を見てニヤリと笑った。 ゴゴゴゴ……ドーーーン! やがて卵型の飛行機はスタジアムの中央に止まった。 卵の側面が開き、中から無数の関係スタッフがワラワラと出て来て、 ザガロとディウセウ達の前に大きな集団を作る。 ??「――探しましたぞ、ザガロ社長」 暫くして、集団を掻きわけるようにして一人の選手が出て来た。 彼はゴールキーパーのジャージを着ており、片目に負傷を負った外見は、 一見壮年の男性にも見えたが、その実はザガロ達と同年代らしかった。
[547]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:17:39 ID:??? ザガロ「スウェーデン人だな」 ザガロは警戒を解かないまま、その男に対して言った。 男はザガロの質問を肯定する代わりに、恭しく膝を付き敬礼しながら、 その真意を隠した老獪な笑みを湛えて、こう自らの名を告げた。 ガレリ「――ガレリでございます」 ――ザガロは。サントスFCは、この時まだ知らなかった。 彼らが助っ人として呼び出した悪魔により、リオカップが恐怖と破壊に包まれてしまう事を。 〜鈴仙の章 その1 終わり〜
[548]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:22:20 ID:??? 鈴仙の章その1終了時の能力値 選手 ド パ シ タ カ ブ せ 総 高/低 鈴仙 54 54 55 52 51 47 53 366 3 4 所持中のフラグ:ドリブル(15/20)、スルー(15/20)、低シュート(10/20)、タックル(10/20) 最大ガッツ:990 ルナティックブラスト(1/4でドリブル+4) ラビットスターター(1/4でドリブル+2、吹飛2) マインドシェイカー(シュート+5、1/4で敵GKにバランス崩しペナ(−2))160消費 マインドブローイング(シュート+7、1/4で敵GKにバランス崩しペナ(−2)、吹飛5)200消費 マインドエクスプロージョン(シュート+9、1/4で敵GKにバランス崩しペナ(−2)、吹飛2、常時使用不可)250消費 マインドスターマイン(空シュート+4、1/4で敵GKにバランス崩しペナ(−2))200消費 マインドベンディング(近シュート+5)120消費 インビジブルデューパー(シュート+12、要てゐ(※)、1/4で失敗)250×2消費 真実の友情(シュート+14、要佳歩、てゐ(※)、ポスト・枠外無効)250×3消費、1試合1回限り ※発動の起点はてゐ。発動には(佳歩と)てゐと鈴仙がゴール前まで上がっている事が必要。 リフレクトバレット(低シュート+6、要パスカル、200×2消費) 月人師弟コンビ(パス+2の連続ワンツー、要永琳)60消費 タイガーバニーシンフォニア(パス+2の連続ワンツー、要星)80消費 マインドストッパー(1/4でタックル+3) アイドリングウェーブ(1/4でタックル+2) アキュラースペクトル(1/2でパスカット+2) スキル・狂気の瞳(全判定につき、スート一致時で敵能力−2) スキル・心象操作(自分が反則時の判定1段階緩和) スキル・足が速い(細かい判定で有利になるかも?) スキル・オフサイドトラップ(前線へのスルーパスを1/2でオフサイドにできる) スキル・フェアプレイ精神(鈴仙は反則を犯さず、代わりに鈴仙が反則の条件を満たした場合−3のペナを負う)
[549]森崎名無しさん:2016/03/22(火) 00:32:53 ID:??? 当たらぬポストはあまりないさん良い感じに頭に乗ってて腹立つなw
[550]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:41:02 ID:aKjAvHo+ ――と、言ったところで今日の更新はここまでにします。 明日は鈴仙達以外の勢力についてちょっと描写しつつ、 いよいよ仲間の章に入って行こうと思います。 仲間の章の進め方としては、 ・誰の章を選ぶかは投票で選択(本スレみたく、時間を決めて10票カウント方式に出来ればと考えています) ・練習は各キャラ4回 ※>>16で8回って言ってますが、練習の伸びを増やす代わりに、回数を減らそうと思います。ご了承ください。 ・鈴仙とは違って、能力値ごとでなく、各キャラで異なる成長方針ごとに (例:サイドバックタイプ、センターバックタイプ、オーバーラップタイプ) 練習を選択。選択肢に応じた複数の能力値・フラグが一気に成長する ・練習ごとに固定でイベントが入る ・試合後、ボーナスで各キャラが成長し、コリンチャンスに加入する という方法で進めようと思っています。 進め方等について意見・質問があれば、できるだけ応えるようにしたいです。 >>549 運悪くメオン以下のGKにポストを繰り返した事に対するやっかみもあると思います。 それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。
[551]森崎名無しさん:2016/03/22(火) 02:40:18 ID:??? サントスがDB祭りになりそうだ・・・
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0ch BBS 2007-01-24