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【新天地は】鈴仙奮闘記35【魔境】
[570]森崎名無しさん:2016/03/23(水) 20:49:04 ID:3UsTPf06 D
[571]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/24(木) 00:12:20 ID:KsOxxqbA Dが5票、Bが3票、AとCが1票ずつという訳で、Dに決まった! ……と、言った所で更新再開します。 皆さん、沢山投票して下さりありがとうございました。 早速、今日から仲間の章を進めて行こうと思います。 なお、仲間の章については、こんな感じで進行します。(鈴仙の章と大体同じです) 【仲間の章 進行表】 オープニング ↓ 練習フェイズ(全4回) ↓ ↑ イベントフェイズ(全4回) ↓ 全練習・イベント終了 ↓ 試合 ↓ エンディング
[572]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/24(木) 00:14:06 ID:KsOxxqbA D:反町、秋姉妹、アリスさんの章(フランス編) ストーリー:反町達が転入したフランスのサッカースクールでは、もうすぐ「文化祭」のシーズンがやって来た。 学級委員の反町は、個性的なクラスメートの意見を纏め上げ、何とか祭りを成功させようと試みる。 しかしどうやら、秋姉妹の二人の中にはもっともっと大事な問題があって……? アリスさんの「未来」はどっちだ! 〜オープニング〜 ―――ひらり、はらり舞う、秋の紅葉に想いを寄せていた。 その場所はとても寂しくて。だけどとっても暖かくて。 一人で立っていたけれど、全然寂しくなんかなくて。 「……………」 信じていた。自分はここに居ても良いんだと確信していた。 だから、誰からも無視されているのに、僕の心はとても穏やかだった。 「――ねぇ。キミ、寒くないの?」 ――ほらね。 自分と同じ背丈の女の子。銀杏を落とした川のように、さらっとして綺麗な金色の髪。 大きな鳶色の瞳は瑞々しい果実で、すらりと伸びた手足は稲の穂のようにしなやかだ。 僕はその子に向かってこう言った。 「大丈夫。だって、きみが信じてくれるから」
[573]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/24(木) 00:20:15 ID:KsOxxqbA 女の子はきょとんと首をかしげた。 だけど、すぐに僕の言っている事が分かったみたいで、 その子はぱあっと顔を輝かせると、僕の手を取り、こう言ってくれた。 「ありがとう。ずっと、ずうっと……会いたかったよ」 だから、僕はその子の名前を呼んで、こう言ってあげることにした。 「……ごめんね。だけど、これからは、ずっと一緒だよ」 ――決して終わる事の無い紅葉の雨が降り注ぎ、永遠の豊穣を喜ぶ楽園の中で。 その子が皆にとってのそれであるように、僕はその子にとっての「神様」だった。 第三章 プロジェクト・カウンターハクレイ 海外修行編 ――反町・秋姉妹・アリスの章――
[574]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/24(木) 00:22:23 ID:KsOxxqbA ***** ??「ねぇ……」 涼やかな秋風そよぐ中、甘ったるく優しい声が耳朶に溶け込む。 ??「起きて、反町君……」 甘ったるさを良い具合に中和してくれる、凛々しくて気持ちの良い声がその上に層を作った。 あまりに魅力な聴覚情報を入手した脳みそは、快感物質を大量に放射し、 その結果、あまりの気持ちよさにこれはきっと夢なのだと言う結論を下した。 反町「(――だめだ。後5分。こんな良い夢、できれば覚めたくない……)」 狭い個室となっている男子寮の一室で、少年反町一樹は眠気と戦っていた。 良い夢とは言っているが、どうやら彼はそんな夢の世界でも言いたい事は言えないらしく、 顔を若干ニヤつかせながらも、目を閉じたまま寝返りを打つ事で感情を表現した。 ??「むぅー。折角人が起こしてあげようと思って来たのに」 ??「学則違反は、本当はしたくなかったけれど。穣子一人だと不安だったから……」 夢の少女のうち、一人は頬っぺたを膨らませて、もう一人は溜息を吐いている。 反町にはこの少女が誰か心当たりがあったが、その時には既に身体が二度寝を求めていた。 ??「どうするの。このままじゃ、三人そろって遅刻よ」 ??「う〜ん。あ、そうだ! お姉ちゃん、ちょっとソレ借りるね。……え〜い!」 チャキッ! ドスッ!
[575]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/24(木) 00:23:54 ID:KsOxxqbA ***** ??「ねぇ……」 涼やかな秋風そよぐ中、甘ったるく優しい声が耳朶に溶け込む。 ??「起きて、反町君……」 甘ったるさを良い具合に中和してくれる、凛々しくて気持ちの良い声がその上に層を作った。 あまりに魅力な聴覚情報を入手した脳みそは、快感物質を大量に放射し、 その結果、あまりの気持ちよさにこれはきっと夢なのだと言う結論を下した。 反町「(――だめだ。後5分。こんな良い夢、できれば覚めたくない……)」 狭い個室となっている男子寮の一室で、少年反町一樹は眠気と戦っていた。 良い夢とは言っているが、どうやら彼はそんな夢の世界でも言いたい事は言えないらしく、 顔を若干ニヤつかせながらも、目を閉じたまま寝返りを打つ事で感情を表現した。 ??「むぅー。折角人が起こしてあげようと思って来たのに」 ??「学則違反は、本当はしたくなかったけれど。穣子一人だと不安だったから……」 夢の少女のうち、一人は頬っぺたを膨らませて、もう一人は溜息を吐いている。 反町にはこの少女が誰か心当たりがあったが、その時には既に身体が二度寝を求めていた。 ??「どうするの。このままじゃ、三人そろって遅刻よ」 ??「う〜ん。あ、そうだ! お姉ちゃん、ちょっとソレ借りるね。……え〜い!」 チャキッ! ドスッ!
[576]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/24(木) 00:25:25 ID:KsOxxqbA ――そんな時、反町少年の耳元で不快な音が鳴った。 それは夢で良くあるような、少女がベッドにダイブして来たとか、そんなんじゃなかった。 ドスっと言うのは布が破けた音で、その前のチャキッという音はどう見ても刃物を出す時の音だった。 反町「(な、なんだ……!?)」 自分の眼前に銀色の刃が落ちて来て、反町は漸く本格的に目を覚ます。 しかし、ここで叫びたい事すら叫べない彼の修正が裏目に出た。 ??「う〜ん。まだ起きないかぁ。……じゃあ、もういっか〜い!」 ヒュンッ! ドスッ! 銀色の刃はもう一度反町の枕元に直撃した。耳に穴が空きそうだったが、 咄嗟の所で回避したお蔭で、辛うじて枕に穴が空いただけで済んだ。 そして、ここまでくると彼も漸くおき上がって、二人の少女を見つめてから、漸く初めて言葉を発した。 反町「――穣子さん、静葉さん。起こすにしたって、カッターナイフを使わなくて良いじゃないですか……」 穣子「えへへっ。ごめんね、一樹君!」 反町の幻想郷での大事なガールフレンド・秋穣子はペロリと舌を出してそう言った。 間が悪ければ頸動脈を掻っ切られていてもおかしくなかったが、 真面目で純朴だが天然な所もある穣子が相手では、反町も強く出る事ができない。 静葉「ウフフ……」チャキッ 反町「う、うわーーっ! 今ので何でカッターナイフを手にかざしているんですか、静葉さん!?」 先程まで冷静だったもう一人のガールフレンドにして穣子の姉でもある静葉は ……カッターナイフを腕に当てがい笑顔で佇んでいた。 自殺未遂にしか見えないその行為に、反町は一瞬慌てふためくも――。
[577]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/24(木) 00:30:34 ID:KsOxxqbA パキッ。 静葉「……穣子が乱暴にカッターを使うから、刃こぼれしちゃって。ぺキって折っただけよ」 反町「そ、そうですか……」 ――このカッターナイフ芸は、今や彼女の一部を構成していると言っても良い、 大事なアイデンティティだった。昔はともあれ、今の落ち着いた静葉はカッターナイフを正義の為に使う。 ……寝坊助を起こすという行為を正義の行為に入れるべきか否かについては、議論の余地があったが。 穣子「――それよりさ、一樹君。早くガッコ行こう! 遅刻しちゃうよ!」 静葉「朝ごはんには トマト を用意しておいたわ。 お行儀が悪いけれど、教室に行くまでに、歩きながらで良いから食べちゃって。 だって、もうすぐで一時間目が始まってしまうもの」 二人の衣装は、かつて反町が出会った時から様変わりしていた。 やや赤がかった朽葉色のブレザーを着こなす二人は、 豊穣と終焉を司る神々にはとても見えず、現代の幼い十代の少女らしかった。 穣子「一樹君、大好き!」 反町「(……嬉しいけど。今、このタイミングで言う必要、あったのか……?)」 穣子「必要ないけど。人生五十年って言うし、言える時に言っとかないと思って!」 静葉「穣子。さとり妖怪でも無いのに反町君の心を読んじゃだめよ。後、私達って一応神様だから。 多分五十年と言わず、もうちょっとは長生きするから……八十八年位は」 反町「(それじゃ、長生きした人間と一緒じゃないか……)」
[578]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/24(木) 00:33:23 ID:KsOxxqbA 反町は改めて、神っぽいようで神っぽくない会話を聞きながら、二人を見つめる。 スレンダーではあるが少女らしい柔らかさがあり、はっとする可憐さがある静葉も、 中肉で素朴という印象こそあるが、逆にその素朴さ故の魅力が輝く穣子も、 反町にとってはどちらも大切な大切な神様であり、守るべき女性だと感じた。 反町「(――そうだ。俺は。俺達3人は『プロジェクト・カウンターハクレイ』計画の一環として、 ここフランスに最近出来た、名門サッカースクールに編入学したんだった。 そして今日は、俺達がここに来てから丁度一週間……)」 反町は身支度をしながら、自身が今置かれている状況を思い出す。 反町「(……ついこれまでの穏やかな生活で忘れそうになっていたけど。 俺は、強くなる必要があるんだ。穣子さんを。静葉さんを、守れるように!)」 自分は決して浮かれられる立場で無いという事を自覚して、改めて意思を固めるが。 反町「(そう言えば、来月の頭は文化祭だっけ。ウチのクラス、一体何やるんだろうなぁ……)」 ――しかし一方で、かつては終ぞ味わう事の出来なかった、 「健やかな学園生活」を精一杯楽しもうとしている自分を、反町は否定できなかった。
[579]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/24(木) 00:34:32 ID:KsOxxqbA *** キーン、コーン、カーン、コーン………… ピエール「遅いぞ、ソリマチ。女の子とデートも良いが、俺達の本分を忘れてはいないな?」 反町「申し訳ない、ピエール委員長」 ピエール「……そこまで謝らなくても良いさ。結果的に、ベルが鳴ってから教室に入って来ているしな」 クラスを纏める学級委員長が、かのエル・シド・ピエールだと知った時、反町は初め大きく驚いた。 そしてその後納得した。フランスでは、ユース代表選手を含めた将来有望な選手達は、 全員が例外なく、このサッカースクールへと入学させられるらしい。 穣子「さっすがー! ピエール君は融通が利くなぁ〜」 静葉「……とは言え、皆を待たせたのは事実よ。早く席に着きましょう」 遅刻した反町はクラスの皆から奇異の目線で見られるが、反町は既に慣れていた。 反町「(――フランス人の名門子弟が集まるスクールで、 俺みたいな何の取り柄も無い日本人が入って来たんだからな。 それで、遅刻ギリギリの登校だ。悪目立ちしても、仕方ないか)」 クラスメート「(あいつ、また彼女と一緒に来てるし……)」「(まさか朝から……?)」「(くそっ、羨ましい!)」ヒソヒソ ――その理由は、反町が考えているものとクラスメートが考えているものとの間では、大きな差があったが。
[580]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/24(木) 00:44:39 ID:KsOxxqbA ボッシ「よおソリマチ。見た感じ夜のシュート練習は上手くいってそうだが。 今日の午後からのシュート練習は、また俺が勝たせて貰うぜ?」 反町「おはよう、ボッシ。今日こそは俺が勝ってみせるよ」 ルスト「確かボッシとソリマチは、これまで3勝3敗だったっけか。 『サーブルノワール』対『ポイズンヘッド』のシュート勝負は白熱するからなァ」 ボッシ「ふふん。実は俺、『ネオサーブルノワール』を開発中でさ。これさえ出来れば、ソリマチなんて目じゃないね」 反町「それは怖いな。俺も、シュート練習しないと(前にシュート練習してたら、パス練習と勘違いされたけど……)」 しかし、反町にもしっかりと男の友人が出来ていた。 フランス代表ではFWを務めたボッシ、そして同じくCBのルストの二人だった。 ボッシは反町と似たタイプのFWであるため、ライバルとしての対抗心から。 ルストはそのボッシの友人という繋がりで、転入早々に仲良くなれた。 ガラリ。 担当教員「……おはよう」 そんな折、紺色のスーツを着た担当教員がクラスに現れた。 彼は淡々とした口調でクラスメンバーの出欠を取っていき。 担当教員「……ナポレオンは。ルイ・ナポレオンは今日も欠席か」 今日も、ここで出欠が途切れた。教員は苛立った声で周囲に促すと、 アモロ「あ。あの……。ナポレオンは、『クソみてえな座学よりも、俺は身体を動かすのが性に合ってる』って……」
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0ch BBS 2007-01-24