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【秋空模様の】鈴仙奮闘記36【仏蘭西人形】
[335]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/05/07(土) 02:56:36 ID:??? 中西「ほーん。これがおフランスの学校かァ。なんや、日本と対して変わらへんな」 岬「言葉遣いに気を付けて、中西。……僕達は今まさに、最大のビジネスチャンスの渦中に居るんだ」 買収元の日本から来た派遣選手は、全日本ユースの主力選手――大柄な相撲GK・中西太一と、 かつてはフランスで個人技を磨き、幻想郷においても豊聡耳神子の忠臣として活動したMF・岬太郎。 日本サッカー協会の拡大事業担当者でもある彼らは、旧友たる反町を気に留める事なく、 虎視眈々と眼前にある商機について思いを馳せていた。 ――しかし、反町が驚いた対象はこの二人では無かった。 反町の視線はピエールと中西達サッカー協会組、その後ろに立つ鮮やかな緑髪の少女へと向いていた。 早苗「……」 反町「(どうして……。どうして、早苗さんまで……。あの、自由闊達な早苗さんが、 あのピエールと一緒に、壇上に並んでいるんだ……!?)」 ――早苗は、毅然とした覚悟を秘めた表情で、凛と反町達を見下ろしていた。 かつては密かな憧れと淡い感情を抱いた事もあった彼女と相対している現状に、 反町は完全に絶句していた。
[336]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/05/07(土) 03:03:06 ID:??? …と、いったところで今日の更新はこれだけです。 >>332 応援して頂きありがとうございます。 最近仕事はそこまで忙しくはないのですが、どうにも色々考えてしまい、ストーリーや描写が進まなくなってました。 今こそ初心に返って、即座に何でも書いていければと思っています。
[337]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/05/07(土) 17:21:34 ID:??? *** 穣子「……くん。一樹くぅん……!」 反町「…………。あ、あれ……いつの間に眠って……?」 穣子「! 良かった、気が付いたぁ! わたし、一樹君が死んじゃったかと……!」 静葉「穣子、そんな簡単に人間は死なないわ。……でも、本当に良かった」 気付くと、反町は保健室のベッドで寝かされていた。 視界には目を赤くした穣子と、涼し気な表情を絶やしてはいないが、心労の色が消えない静葉がいた。 静葉「反町君。あなた、講堂で起きた出来事に大きくショックを受けたみたいで、倒れていたのよ。 あれからもう……3時間程は経ったかしら」 反町「3時間も……? ――そ、そういえば! あれから講堂はどうなったんですか!? ピエールが学校を改革するって言って、日本サッカー協会の手の者が出て来て、 フランスユース・ヌーヴォーとかが出て来て。それに、早苗さんが……!?」 反町はがばりと起き上がり、平静を欠いた風にそう詰め寄る。 先程まで言葉に出来ず渦巻いていた疑問や驚きが、一気に吹き出していた。 そんな反町を静葉は優しく窘めつつも、これまでの経緯を簡単に説明してくれた。 静葉「……ピエール君や日本サッカー協会の者が提唱した新体制に反対する者は、当然ながら多かった。 しかし一方で、お上に気に入られて重用されたいと思う者もある程度いた。 だから、彼らは中々団結しなかった。けれど……それを無理やり、ナポレオン君が纏め上げた。 勿論、ピエール君達新体制と戦う方向でね」
[338]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/05/07(土) 17:22:44 ID:??? 反町「あいつが……(――あいつが学校に反抗していたのも、いずれこうなる事を見越していたから、なのか……?)」 ナポレオンの傲慢な笑い顔を思い出す。 文化祭の時は憎らしく思えたそれも、こうした局面においては頼もしく思えた。 静葉「……そして。ナポレオン君と、旧ジュニアユース代表メンバーを中心とした、 私達のクラスメート率いる旧体制代表――レジスタンスは、つい2時間程前に早速、新体制との試合を申し出た。 新体制代表――チーム生徒会は、これを喜んで受け入れた」 反町「なるほど……」 それで、大まかな状況は飲み込めた。 反町のクラスメートは、ピエールや早苗達が与する新体制に従わず、ナポレオンを中心に立ち上がった。 そして、彼らは試合を申し出て、これまでの自由な校風を守るべく戦いに、向かって…… 反町「――あれ?」 ここまで考えて漸く、反町はごく当然とも言えるべき疑問を呈した。 反町「新体制との試合を申し出たのは分かったけれど。それで……試合は、いつなんですか? 明日、明後日? 皆が戦うんだったら、俺も……!」 静葉「……………」 しかし、反町のごく当然な疑問に対して、静葉は押し黙っていた。 反町が訝んでいると、おずおずと穣子が声を上げた。
[339]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/05/07(土) 17:24:12 ID:??? 穣子「……………あのね? 一樹君……。試合は、もう……始まっちゃってるの。 2時間前に、レジスタンスは試合を申し込んだって言ってたでしょ? それでね。生徒会は、その申し出に応じたって言ってたでしょ。 それってつまり……その。――今すぐ申し出に応じて、今すぐ試合を始めた、って事なんだ」 反町「――な、何だって?」 静葉「……私達は、倒れてしまった反町君がどうしても心配だった。 試合に出て戦力になりたいという気持ち以上に、今にも消えてしまいそうなあなたの事が、心配だった。 ……だから。私達は、我儘を言って――反町君の傍でずっと、看病を続けていたの」 穣子「一樹君は、自分の為にクラスの皆に迷惑をかけさせる訳にはいかないって。 そう思うだろうから、私達だけでも試合に行った方が良いと思った。 だから、これは本当に、私達の我儘なの」 反町「そ、そんな……! 二人とも、俺なんかの為に……!」 反町は起き上がった。長く倒れていた影響か眩暈がしたが、そうは言ってられなかった。 反町「今からでも、行こう、試合に……!」 タッ……! 静葉「駄目よ反町君。急に起き上がっては……!」 反町「……俺は今日まで、本当に楽しい学校生活を送らせて貰った。 それを、俺のせいで……潰す訳にはいかないんだ……!」 穣子「一樹くん……ごめんね……」 穣子達が思う以上に、反町はこの学校に対して強い恩義を感じていた。 日向にも森崎にも縛られない、秩序と安定、そして自由のある学校を守りたかった。
[340]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/05/07(土) 17:27:08 ID:??? 静葉「……非常に冷たい言い方をするけれど。私達はあくまで、プロジェクト・カウンターハクレイの一環として、 この学校には一時期の間、短期留学をしているに過ぎない。そしてそのカリキュラムももうすぐ終わる。 言ってしまえば、彼らが勝っても負けても、私達への処遇は殆ど変わらない。 そのまま、ブラジルに鈴仙達と合流してしまえば良い。――あなたが、無理をしてまで戦う必要は無いのよ……?」 穣子「一樹君が何もできなくて辛いのは分かるよ? でも……無理はしちゃ嫌だよぉ……!」 静葉の発言はフランスの多くの生徒たちにとって残酷だったが、同時に本音でもあった。 彼女は反町を愛している。フランス人の生徒の教育の行く末よりも、反町を守りたかった。 だからこそ、彼女は試合よりも反町の看病を選んだ。 ――実際は、「試合は俺達が頑張る。だからお前らはソリマチを頼む!」 ……と言ってくれたクラスメイト達の後押しが一番大きかったのだが。 反町「……」 そんな彼女達に対し、反町には言いたい事が山ほどあった。 しかし残念ながら、彼は不器用で優しすぎた。だから、言葉にするよりも先に行動に移した。 反町「――う、うおおおおおおっ!」 ダッ! ガシッ! 静葉「きゃっ……!」 穣子「う、うひゃっ!?」 反町は制止する穣子と静葉を押し倒した。 そしてそのまま持ち上げて、静葉を背中に、穣子を腕の中に抱えて走り出した。 反町「(……二人の気持ちは分かった。だけど、俺は……いつまでも守られたくない。 俺は守りたい。穣子さんを……静葉さんを……そして、俺を受け入れてくれたこの学校を!)」
[341]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/05/07(土) 17:28:15 ID:??? 自分一人が戦っても、この局面が良くなるとは到底思えない。 そうした意味では、反町は依然現実主義者だった。 しかし一方で、大切な物を守る為ならばここまで身体が動くのだと、反町は驚いていた。 反町「(何が自分一人ではどうしようも無い、自分には関係ない……だ! こんなのは、単なる逃げだ。どうしようも無かろうが、関係なかろうが、嫌だったら……戦わなくちゃいけないんだ!)」 穣子「……一樹君、強くなったね……」 反町のしっかりとした腕に包まれながら、穣子は瞳を潤ませてそう呟いた。
[342]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/05/07(土) 17:29:36 ID:??? ***** 〜学校・サッカーコート〜 反町が目を覚ましたのと同じ頃、レジスタンスと生徒会との戦いは前半戦も終盤に差し掛かっていた。 反町、静葉、穣子の不在により、レジスタンスは劣勢を強いられていた事は間違いないが、 一方で彼らについても、その想いにおいて反町には負けていなかった。 アリス「うおおおおおおおおおお来いよおおおおっ! 私とボール君との友情舐めるなぁぁぁぁぁっ!」 ダダダダダダダダダダッ! 岬「な、なんだ彼女は!? さっき僕が少し、彼女が持つボールが汚いと言っただけで、こうも豹変するとは……!?」 アリス「アンタみたいな八方美人でトモダチ沢山そうな奴には分からないでしょうけどねぇ! この学校で私は大切なトモダチを得たのよ! そして分かったの、トモダチってのが何かってね! それは……! 互いに辛い時、無条件で互いを守り合えるような関係の事を指すのよ! そしてそれは、対象がニンゲンだろうとボールだろうと、全く一緒なのよおおおおおおおっ!!!」 岬「い、いや! でも対象はニンゲンじゃないと……せめて生物じゃないと、ちょっとおかしいだろう!?」 アリス「あああん!? 何か言ったかしらぁあぁぁあああああぁぁぁぁ!?」 ダダダダッ! バシュン! シュピッ! 岬「ひ、ひいいいっ!?」 実況「あ、アリス選手! 凄いドリブルで岬選手を子どものようにいなしてみせた〜!?」
[343]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/05/07(土) 17:30:58 ID:??? アリス「さあナポレオン! 私のボールくんでゴールを決めてやりなさい!」 バシイッ! ナポレオン「へっ! わざわざ指図されなくても分かってるっての!」 グワアアアアアアアアアッ! 中西「ルイ・ナポレオン! 協会調べでは精々奴はB級……反町のヤツとどっこいどっこいなレベルのFWや! お前さん位、ワイでも楽勝やで!」 ナポレオン「ほお……じゃあ試してみるか? この俺が本当にB級かどうかを!」 グワアアアアアアアッ! バリバリバリッ! 実況「ナポレオン選手、自慢の『キャノンシュート』……では無い! それ以上に足を大きく上げて、溜めを長時間取っております! これは……!?」 ナポレオン「――食らいやがれ。これが俺の新技……『メガキャノンシュート』だ!!」 バッ、ギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ! ドゴオオオオオオオオオオオオオオッ!! 中西「な、なぁぁっ!? メガ……キャノンシュートやてぇ!? ぐおおおおっ!?」 バギイイイイッ! ――――――――――ズバァァァッ! ピピイイイイイイイイイイイッ!
[344]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/05/07(土) 17:34:16 ID:??? ピエール「ナポレオンが決めたか。だが、こっちも今一度決めてみせる! いくぞ『スライダーシュート』!」 グワァァァッ! バシュウウウウウウウウウウウウッ! アモロ「ひ、ひいい!?」 ルスト「慌てるなアモロ! ピエールが居なければ、俺が『アレ』をやってやる! ……それっ!」 アモロ「る、ルスト……! うん、ありがとう。――それっ!」 スッ……バッ! ――バチイイイッ! 実況「アモロ選手止めた〜〜〜! ルスト選手のサインに合わせて飛んだ、ファインチームプレー! レジスタンスもここに来て調子を伸ばしています!」 観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」 「アモロ! アモロ! アモロ! アモロ! アモロ! アモロ! ドミニク・アモロ!」 ――ピピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!! 実況「そしてここで前半戦終了! 試合は1−1で折り返しを迎えます! 最初からピエール選手を中心に、圧倒的な手数で攻める生徒会に対し、 レジスタンスはチームプレ―で立ち向かい、互角の勝負を見せました! しかし一方で、レジスタンス側には早くも疲れが見えており、 後半戦も同じように戦えるかどうかは疑問です! 大丈夫でしょうか〜〜!?」 ボッシ「皆! 負けるんじゃないぞ! 俺達は最後まであきらめない。自由の為に、戦うんだ!」 レジスタンス「「「「おう!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」
[345]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/05/07(土) 17:41:10 ID:??? ――と、いったところで外出するので一旦ここまでです。 最近の更新速度と、話の本筋はあくまで鈴仙ルートである事等を踏まえて、 反町達を始め仲間キャラルートでの試合は前後半のいずれかのみ、という形を取ろうと思います。 長く試合をしたいと言う方も居るとは思いますが、ご理解頂ければ幸いです。 レジスタンスチームは反町+秋姉妹、アリスさん、ナポレオン、ボッシ、ルスト、アモロ、その他フランスJr.ユースメンバー、 敵の生徒会チームはピエール、早苗、岬、中西、美鈴、その他フランスユースメンバー(Jr.ユースメンバーより強)で構成しています。 ※美鈴については、34スレのレミリアによる海外派遣ネタが伏線で、この次の更新で加入描写をします。 次の更新では、具体的なオーダー等に入っていきたいと思っています。
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0ch BBS 2007-01-24