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【秋空模様の】鈴仙奮闘記36【仏蘭西人形】
[812]森崎名無しさん:2016/06/22(水) 02:11:59 ID:gV8fK69Y E 見せつけてやるぜお前の見たがってた友情ってやつをよォ!
[813]森崎名無しさん:2016/06/22(水) 09:07:03 ID:CKCNlWlg C
[814]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/23(木) 00:47:51 ID:3ryHKINg C:「…………」敢えて言いたい事を語らない。それでピエールも分かってくれる筈だ。 反町「(……いや。雄弁が必ずしも良いとは限らない。俺は、俺らしくいよう)」 反町は言いたい事を言わなかった。 反町「(普通の漫画とか小説の主人公だったら、ここで熱血に、ピエール横っ面を叩いてやったのかもしれない。 あるいは、仲間と一緒に和解を求めるのかもしれないし、説教をしてみせるのかもしれない。 ――だけど、それを俺が今ここでやる必要は無い。誰かが、代わりにやってくれる)」 反町が至った境地は、一見してこれまでの小市民然とした事なかれ主義と変わらない。 しかし、その内心において大きく異なる。権力や周囲の雰囲気に萎縮し、やむなく言いたい言葉を封じるのではなく、 今の彼は、確固たる自信の下、言いたい事を敢えて言わない事を『選択』していた。 そして、そんな反町の選択は正しかった。 ナポレオン「テメェ、どの面下げて突っ立ってるんだ、ああん!?」 バシイッ! ピエール「……ハハ。悪いな、ナポレオン。俺は少し、どうかしていたようだ」 ナポレオン「どうかしていただと? ふざけんなよオイ。お前がちょっと気を違えたくらいで、 意味不明な試合の片棒を担ぐなんてあり得ねえんだ。どういう事情かは敢えて訊かないでやるがよ。 もうちょっと仲間に相談でもしたらどうだったんだ!?」 ピエール「だったら。俺が相談していたら助けてくれてたかい、ナポレオン?」 ナポレオン「バーカ。誰がテメエなんて助けるか。悩みなら自分で解決しろ。それが不良の世界の常識だ。 ――ま。暫く練習に付き合ってやる位なら、したかもしれねえがな」
[815]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/23(木) 00:50:12 ID:??? ピエール「ナポレオン……、ありがとう」 ナポレオン「感謝される覚えなんてねぇ! ……が、まぁ。そのツラに免じて、今日の事は水に流してやるよ」 ナポレオンはピエールの横っ面を叩いて、不器用ながらも彼自身の寛大さを見せた。 アモロ「……ピエール、ごめんね。僕が気付いてあげられなかったばっかりに……」 ピエール「アモロ……それに、ボッシとルストも」 ボッシ「そうだ、悪いのはピエール、お前だぞ。せめてどうして、こんな試合を組んだのか。 その理由を説明してくれない事には納得できないな」 ルスト「ま、折角試合に勝てたんだ。教育方針もこれまで通りってなワケで。 ……試合後はノーサイド。またトモダチやろうぜ、ピエール」 アモロとボッシ、そしてルストはピエールと近しい間柄から、揃って彼に和解を申し立てた。 アリス「そうよ皆! 全ての人がボールくんとトモダチになるべきなのよ! そうすれば皆が仲良しになるの!! ハッ!? それで思いついたんだけど、 世界中の人が皆でサッカーをすれば争いは無くなり、世界が平和になるのでは……? 皆! サッカーしましょう! サッカーは自由よ! ヒャッホーーーーッ!!」 ピエール「アモロ、ボッシ、ルスト……皆。ありがとう。俺はこれから、皆に全てを話そうと思う。 俺の信頼できる、かけがえのないトモダチ、として(後ろの方で何か女性の叫び声が聞こえるな……誰だろうか)」 アリスさんは熱血的な説教を試みていたが若干ピントがずれていた上、 肝心のピエールが今仲間との和解の最中だったため、全く相手にしてくれなかった。 ……が。彼女もまた、反町とは別の気付きをこの試合で得たようであり、その表情は何時になく充実していた。 反町「(――ほら。俺はここで、皆を見守っていればいよう。こうする事で、場はきっと柔らかくなる。 言いたい事を言うのは、また別の時で充分だ)」
[816]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/23(木) 00:53:09 ID:??? ……と、言った所で今日の更新はここまでにします。 >>811 乙ありがとうございます。最後は皆トモダチになります。 和を大事にするフランスユースの誕生ですね。 >>812 Eだったら分岐でアリスさんがスキル・絶対に自信を喪失しないを覚えていたかもしれませんね。 それでは、本日もお疲れ様でした。
[817]森崎名無しさん:2016/06/23(木) 09:07:11 ID:??? 乙でした 今思えば>>227はこの試合がループすることを暗示したものだったのかもしれない……
[818]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/24(金) 01:59:08 ID:??? すみません、今日は疲れたので更新をお休みします(汗) >>817 乙ありがとうございます。8回ループにならなくて良かったです(真顔)
[819]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/26(日) 12:40:00 ID:??? こんにちは、金曜から色々書いてたら1イベントの分量が20kbを超える位の分量になったので、 分けて少しずつ更新します。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 中西「畜生、ここで勝ってれば出世間違い無しやったのに……」 岬「今の日本サッカー協会で出世したって、大した事ないさ」 かつてのフランスJr.ユースメンバーが和解へと向かう中、商機を狙っていた中西は口惜しそうに歯噛みする。 しかし、彼の相棒である岬は普段通りの平然とした様子で試合後のストレッチに取り組んでいた。 中西「ワイらの使命を忘れたのか! ワイらはここで学校事業を成功させて、 それで日本サッカー協会が抱える資金難を解決。そして、森崎が消えた穴を防ぐという事やったろうが」 岬「分かってるよ。僕達が今推し進めている『ツバサ・ヴァイキング計画』 ――全日本Jr.ユースの有力〜中堅選手を多数、サッカー先進諸国へと留学させ、 総合力の底上げを図る次善策には、多額の資金が必要だ。 そしてそれは、君の興したうどんチェーン店の売り上げだけでは足りない事は明白だった。 だから、資金確保の為の第二の事業として、サッカースクールに目を付けた。……こういう経緯だったよね」 聖徳ホウリューズを抜け出し、再び全日本メンバーに合流した岬は、もはや素の狡猾で計算高い性格を隠してはいなかった。 笑顔のままに権力を得る彼の計画は、彼を捨てた豊聡耳神子の一派により既に暴露されており、今更取り繕う事は困難だった。 とはいえ、日本サッカー協会の重鎮は岬の素性を知ってなお、いや、ますます彼を参謀役として高く評価したため、 素性を明かして振る舞う事は完全なマイナスばかりでは無い。 現に、彼がこうして中西を部下に付け、フランスのサッカー教育事業に乗り出せたのも、上層部の岬に対する篤い信頼があってこそだった。 そして賢い彼は決して、この商機を逃す事はしない。
[820]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/26(日) 12:41:20 ID:??? 岬「――だとしても、資金確保は既に成功しているよ。ほら、見てごらん」 岬は中西に一枚の通帳を渡してみせた。中西が訝りながらそれを開くと、たちまち目を見開いた。 中西「な……なんや。いつの間にか大量にカネが入っとるやないかい!? どうしたんや!?」 岬「詳しくは言わないけれど。僕はこの試合に敗北した時を見据えて色々手を回していた……とだけ言っておこうかな。 特に手を組んでいた某金持ちの家の当主さんからは、多額のキャッシュをむしり取る事が出来たよ。彼ら、親子そろってカモだね」 中西「色々って……。お前さん、やっぱりワルやな。ワイらの中でも群を抜いてワルや」 岬「そんな事無いさ。だって僕にお金を『寄付』してくれた人も、僕が彼の不法行為を口止めする事を約束したら、 泣いて喜んでくれたよ。そして僕達もこのお金で笑顔になれる。ついでに、ピエールやその仲間達も笑顔になれる。 ……ほら。誰ひとり損はしていない。皆笑顔じゃないか。僕のスタンスはこれ。これだけは何も変わりはしないよ」 能面のような笑顔を見せ、岬は全く悪びれずにそう主張する。 所詮は一個の商売人に過ぎない中西は、かつて日本最古の政治家とも肩を並べた事すらある岬太郎の精神に、 ただただ戦慄する事しかできなかった。
[821]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/26(日) 12:42:46 ID:??? 美鈴「(……ぽっと出の出番で負けちゃたけれど、ある程度は活躍する事ができた。 これまでは上にお嬢様とか咲夜さんとかが居たから、何となく萎縮しちゃってたけれど、 今日の試合のお蔭で、何となく自信がついたかも)」 他との交流が希薄だった美鈴だったが、彼女は彼女なりに、この試合において何かしらの実感を身に着けていた。 個人技が重視されるサッカーにおいて、スクールにすら所属せずあくまで身一つで技を磨いた彼女は、 ある意味ではシャンパンサッカーをこの場で最も体現している人物かもしれなかった。 美鈴「(ハッ!? まさかお嬢様は最初からこうなる事を見越して私をフランスに……!? って、そりゃあないか。しかし、他の皆は大丈夫なのかなぁ。陸君とか咲夜さんは大丈夫そうだけど、 妹様がどう思っているか……)」 マイペースで何も持たない美鈴が、この試合においてそれ以上の深い思いを抱く事はない。 しかし、この試合における成功体験が彼女に大きな成長を促した事だけは確かだった。
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0ch BBS 2007-01-24