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屁理屈推理合戦withキャプ森
[126]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:26:05 ID:??? <第三講・『悪魔の証明』の注意点> 〜ある日のゲーム盤にて〜 ベアト「なぁ森崎森崎ィー。面白いゲーム盤を考えたから付き合ってくれよー」 森崎「フフ……良いぜ。今の俺は必勝法を身に着けたからな」 ベアト「ほう……威勢が良いな。ならばどうだ、【 サンタマリア は他殺された】【殺害現場は密室】 この謎を解いてみろ森崎ィィィィイイッ!」 森崎「――これを食らえ!『犯人Xが何らかの方法Xで密室を突破し何らかの仕掛けXで中山を殺害。 その後、何らかの方法Xで密室から脱出した』! 犯人Xが誰か、何らかの方法Xとは何か、何らかの仕掛けXとは何かについては、 悪魔の証明により説明不要! どうだ、カンペキな説明だろう!!」 ベアト「……………」 *** ワルギリア「――『悪魔の証明』の理屈で行けば、森崎くんはこうした青字を撃てることになります。 しかし、……どう思いますか? コレ」 森崎「これじゃあ、『魔女が魔法で密室を突破し被害者を殺害。その後、魔法で脱出した』 ……と、殆ど変わらねーな。でもいいんじゃね? 魔女には勝てるだろ」 ベアト「くっくっく。甘いのう森崎。こんなんでしたり顔をされても、妾はちっとも悔しくなんか無いわ。 そもそも、妾の目的が何であったかを忘れた訳でもあるまい?」 森崎「魔女の目的ィ? それってつまり、一見不可能に見える犯罪を、魔法のせいだと主張する事で、 魔法・ひいては魔女が実在する事を証明するって……あ、そうか」
[127]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:28:02 ID:??? ワルギリア「そう。このゲームの本質はあくまで、『不可能犯罪を人間とトリックで説明すること』であり。 魔女が示す『不可能性』を明確に否定しない事には、その仮説には意味が無い、という事です」 森崎「Xだらけの仮説は、さっきワルギリアが言ってた、『魔法以外で状況を説明できる、有力な仮説の提示』 に当たらない。だから魔女もピンピンしてるって訳か……。 『悪魔の証明』は便利だが、頼りすぎてもダメ……う〜ん。使い方が難しいな……」 ベアト「これは妾の意見だが。『悪魔の証明』とは、『ゲームの謎の核心とは外れた部分について、 詳細を説明する事は不要である』と。そう考えて使うのが良いと思うぞ?」 ワルギリア「……ベアトもたまにはしっかりとした事を話しますね。 ですが、あの子の説明は誤りでは無いと思います。 ……そうですね。第1のゲーム盤を例に、具体的に補足しましょうか」
[128]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:30:04 ID:??? 『翼の死因は老衰死。体育用具室が何らかの理由Xにより封鎖された状態が数十年続き、翼は寿命を迎えた』 ワルギリア「……さて。これはベアトの考えた、第1のゲーム盤における真相です。 さっそく証明不要な『何らかの理由X』という、悪魔の証明が用いられていますね」 森崎「これはつまり、ゲームの謎の核心は『翼の死因』だったから。 翼が何故密室に閉じ込められたか。どのようなトリックで密室が出来たかは重要では無い、って事か?」 ベアト「『石崎が翼を閉じ込め外から鍵をかけた』『事故Xにより扉の前に岩盤が落ちて来た』 ……理由など、幾らでもでっち上げられる。 そして今回の謎において、密室が出来た理由はさして重要ではない。 今回の核心は、『外部からの干渉を一切受けない密室において、翼は何故死亡したのか?』だったからな」 ワルギリア「そこで。今回のリザイン手は『翼は自然死であり、鍵をかけたのは翼自身。今回、ベアトリーチェはそれを利用したに過ぎない』 でした。――ベアトはこのリザイン手について、足掻こうと思えばもっと足掻けた訳です。 例えば、【ベアトリーチェは今回の事件に関係しない】とか【翼は自分では鍵をかけていない】とか。 ……ですが、どうですか? もしもこれで魔女に、『死因については認める。では犯人を当ててみろ! 鍵がかかった理由を当ててみろ!』 と、居直られた場合。――果たして、このゲームは面白いでしょうか? 既に謎の核心は暴かれ。魔法以外での翼君の死亡について、有力な仮説が立てられたというのに」 ベアト「妾が断言する。くだらん。実にくだらんな」 森崎「そりゃあ、犯人当てつっても、それこそ当てずっぽうに『犯人は石崎!』『犯人は滝!』『犯人はロベルト!』 『犯人は 見上選手(お前ら若造モード) !』……ってやり続けるしかないしな。まさしく不毛な言い当て合戦だ」 ワルギリア「……勿論、犯人当てが意味をなさないのは、今回のゲーム盤の謎の核心がそれでは無いからであり。 死因についてはどうでもよく、限られた人物から犯人を特定する事が謎の核心であるゲーム盤であれば、 それはそれで面白くはなるでしょう」 ベアト「要するに、悪魔の証明は、用法を守って正しく使いましょうって事だな!」
[129]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:32:56 ID:??? <今回のまとめ> ワルギリア「随分と長くなりましたが。今回説明した『悪魔の証明』についてまとめてみましょうか」 〜魔女のゲームにおける『悪魔の証明』まとめ〜 1.特定の事象Xの存在の有無について、『ある』事を証明するのは容易だが、『ない』事を証明するのは困難 2.故に、魔女/人間側は、『未知の魔法/トリックX』等が存在する事について、証明不要で主張しても良い 3.人間側の目的は、『不可能犯罪を人間とトリックで説明する事』なので、全てを証明不要とする事はできない。 『ゲームの謎の核心とは外れた部分について、詳細を説明する事は不要である』と考えるのが吉? 森崎「こうして見ると、随分簡単だな。こんな事に時間を割きすぎじゃないのか?」 ワルギリア「そうですね。確かに少々教えるのに難儀してしまったかもしれません。 ですが、この辺りの理論はこのゲームを行う上で重要でして……。 単なる用語解説にとどまらず、その考え方についても丁寧に書く必要があると考えました」 ベアト「その結果より分かりづらくなってしまっては、目も当てられないがなァ! ……ま、大丈夫だろう。お師匠様の教えだし、何より結局は習うより慣れよだしな。妾も腕が鳴るぜェ?」 森崎「何だと〜!? 俺も負けてられないぞ!」 ベアト「くっくくく! 相変わらず吠える声だけはデカい男よ! ならばさっそく、次のゲーム盤で勝負だ!」 ワルギリア「――と、言ったところで。長くなりましたが第一回のTIPSはここまでです。 ……次回は、もう少し短く、分かりやすくなると思います。ええ、そうしますとも」 〜TIPS@ 了〜
[130]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/08(日) 14:00:59 ID:??? こんにちは、他にGMをやりたい方が居なければ、 早速ではありますが、私の第二のゲーム盤を投下したいと思っています。 予定としては、本日〜明日よりNPCパート投下を始め、 明日の1月9日の夜21時〜22時頃から、第一の晩を始めるつもりです。 もしもその時間にゲームに参加して下さる方がおりましたら、 本日中にその旨書き込みして頂ければ幸いです。 (1名以上書き込みがあれば、予定通り始めます。勿論当日の飛び込み参加も可です。)
[131]森崎名無しさん:2017/01/08(日) 20:06:50 ID:??? >『犯人は 見上選手(お前ら若造モード) !』 凄い、これ初めて見た……あ、ゲーム参加させて頂きます
[132]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:13:57 ID:??? >>131 これは乱心の魔術師ミカミ卿の登場フラグですね… ゲーム参加の表明、ありがとうございます。 結構分量があるゆえ、一気に投下しても読みづらいと思うので、 次レスから時間を空けて少しずつ投下していこうと思います。
[133]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:17:06 ID:??? 屁理屈推理合戦withキャプ森『もりさきのふっとぶ頃に』 Episode 2 Resurrection of the golden witch 〜黄金の魔女の復活〜 おはようございます。 黄金の魔女はあなた方の声にお応えし、新たなゲーム盤を用意されました。 どうぞお相手をよろしくお願いいたします。 魔女はあなた方が楽しめるよう、様々な趣向を考えておいでです。 趣向よりも、血沸き肉踊る鍔迫り合いを望まれる熱心な方々のご期待には、 恐れながら応えられぬかもしれませんが。 難易度は基礎。 このゲームの仕組みを理解した者にとっては、容易い問題でございます。
[134]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:19:47 ID:??? 〜東邦学園宿舎・反町の私室〜 反町「畜生……日向の奴め。あいつのせいで俺のサッカー人生お先真っ暗だ……!」 全国中学サッカー大会決勝戦、その前夜。 反町一樹は誰もいない自分の部屋で、言いたかったが言えなかった事を壁にぶちまけていた。 反町「日向だけじゃない! 日向のお引きの若島津に、そいつらを煽って殺人サッカーを促す吉良監督! タケシはまだ良いとしても、あの3人が居るせいで……!」 その理由は勿論、日向、若島津、吉良という、これまでの反町の人生を全否定するような、 現在の東邦学園サッカー部を牛耳る連中のせいである。 反町「尊敬していた北詰監督は、胃潰瘍が悪化し危篤。 仲の良かった友達からは、日向との癒着をでっち上げられ苛められる。 これも全部、全部、あいつらのせいなんだ……!!」 これまで優等生として、概ね順風満帆なサッカー人生を歩んで来たが故に、 反町は日向達アウトローの存在を認められない、認めたくないという幼い気持ちもあった。 しかしそれ以上に、日向達はまだ中学3年生の少年の心を黒く蝕みすぎた。 反町「そうだ。アイツらだ。アイツラを殺せば。コロセサエスレバ……!」 ――反町はいつしか、日向達の死を強く望むようになっていた。 事故に遭ってくれないか、突然病気になってくれないか、こうなったらいっそ自分がナイフで……! いや、ナイフは足がつく。ならば、何処にいても殺せるような魔法を使って……!!
[135]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:21:31 ID:??? 反町「――はぁ。一体俺は何を考えているんだ……!」 しかし同時に、反町は聡明な少年であった。黒い妄想を抱きこそすれど、決して実行には移さない。 それどころか、こうした妄想が何も生まないという事すらも知っていた。 反町「喉が渇いた。自動販売機で、 ドリンクバー でも買って来ようかな……」 だから彼は、気分転換を兼ねて自室を離れようとした。 外の空気を吸えば、自然と建設的な考えも浮かぶ――そう思っていた時だった。 ヒラリ……。 反町「(ん……金色の……蝶?)」 ――反町の私室の窓枠に、黄金の蝶が一羽、舞うのが見えた。 何かの見間違いか。そう思って目を凝らすと、それはゆっくりと人の姿を象り……。 ベアトリーチェ「くっくくく……少年よ。一つ妾と取引をしないか?」 反町「何だって……?」 やがて、蝶は美しい金髪の女性の姿を取った。 その姿は亡霊のように朧げであったが、気品に溢れており、反町は自然と姿勢を正してしまう。 亡霊は続けてこう言った。 ベアトリーチェ「妾は無限の魔女。妾はそなたにこの魔力を貸し与える。 そしてそなたは魔力を使って、妾の代わりに殺人を犯すのだ」
[136]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:24:27 ID:??? 反町「な、何だって……!」 ベアトリーチェ「何、心配は要らない。妾の魔法は完璧だ。 警察に足が付く事を恐れているならば、それも心配ない。 魔法による完全犯罪など、赤子の手を捻るより容易い事よ」 その提案は衝撃的だった。それは反町がつい先程妄想していた事を、 眼前の魔女は現実に可能であると断じてみせたのだから。 しかし、反町の疑念はまだ拭えない。それを悟ったベアトリーチェは、先回りするように説明を重ねる。 ベアトリーチェ「……まだ妾の存在が信じがたいとみる。まあ、それも仕方ない。 人間とは元来、抗魔力が高い生き物故、妾の姿など目視できぬ者が多いのよ。 ――そんな中で、そなたが妾を視認できたのはまさしく僥倖。 元より異世界との親和性が高いが故、妾の魔力を敏感に察知できたのではないか?」 反町「いや、異世界なんて行った覚え、ないんですが……」 ベアトリーチェ「くくくくっ、その辺りは妾の推測だ! 気にせずとも良い。 それより肝心なのは、これはそなたの妄想でも何でも無い。 そなたには魔術師としての適性がある。先程の話は、それを見込んでの取引だという事よ!」 反町「取引……?」 ここまで話を聞いて、反町は自然と、この幻想的な出来事が事実ではないかと薄っすら思い始めていた。 気付けば彼は、ベアトリーチェの美しく凛とした声に聞き入ってしまっていた。 ベアトリーチェ「うむ。本来妾は無限の魔女故、殺人など幾らでも犯す事が出来るのだが。 しかし先般、とある事情から魔力の多くを失ってしまってな。 このように、完全なるニンゲンの形をとる事が出来なくなったのだ。 これでは、妾が単独で殺人を犯す事はできぬ。誰かの力を借りるしかない」
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0ch BBS 2007-01-24