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【追う蜃気楼は】鈴仙奮闘記39【誰が背か】
[162]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/29(土) 23:52:20 ID:??? 「簡単な事です。犯人は事前に、遠隔殺人の為のトリックを仕込んでおいてあったのですよ。 殺害現場にあった濡れた跡と糸の切れ端。あれは氷を使った、時限式のトリックに使われていた道具だったのです。 そして、そのトリックが仕込まれた時間、アリバイが無かったのは1人しかいない。そう。あなたです」 見た目は子供な探偵はそう言うと、無表情のままにびしっと群衆の中の一人を指さした。 「使用人のハン=ニンダさん。あなたが、屋敷のご主人さんを殺したのですね? ……貴方とご令嬢との、隠れた恋愛を認めてくれなかった腹いせに」 「そ、そんな……何故俺があのクソジジイを殺したって分かったんだ! 完璧なトリックだった筈なのに!」 そうすると、指差された犯人は明らかに狼狽して、言わなくても良い事を口走る。 そして、そう。今だと言わんばかりに、さとり様はこう言い放ったのだ。 「……人間の心理は、思いの他ロジカルに出来ています。 私はただ、その場にあった手掛かりから、論理的に貴方の心を想像してみただけですよ?」 「ぐううっ……!!」 ……そして、この状況を知っているあたいは、このさとり様のドヤ顔に対して言ってやりたい。 言わなくても分かってるだろうけど、それでもなお、言ってやりたい。 ――さとり様さぁ……。それって単に、犯人の心を読んだだけでしょ?
[163]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/29(土) 23:53:58 ID:??? すみません、選択肢まで書ききれなかったので、キリの良い所で今日は一旦ここまでにします。 今回試験的にSS的な手法でなく、小説に近い感じの書き方をしてみようと思っています。(お燐の一人称) 読みづらい等ご意見頂ければ幸いです。
[164]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/30(日) 23:56:43 ID:??? キリの良い所まで書きたかったのですが疲れたので、今日は更新をお休みします。
[165]森崎名無しさん:2017/05/01(月) 07:33:42 ID:??? 更新お疲れ様です。 ハン=ニンダさんで笑ってしまったw
[166]森崎名無しさん:2017/05/01(月) 22:52:46 ID:??? 途中で右手を鉤爪に替えて、鏡の間でさとりと決闘しそうな犯人の名前www それはともかく、小説形式の文章表現による投稿は森崎板初かも? 私見となりますが、こういう文の方が感情移入しやすいので、大変ありがたいです。 ただ心情描写などや状況説明などはより細かく多くの文章を必要とします。 下手をするとガス欠の自動車にターボエンジンを取り付けるような事態になりかねませんので、 どうか無理だけはせず、状況次第で元に戻しても、私は一向に構いません。 長くなりましたが、作者さんお疲れ様です。よろしければこちらもどうぞ。 つ ラムネ つ 手羽先
[167]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/01(月) 23:56:15 ID:??? 更新再開します。 >>165 ありがとうございます。ハンさんの名前はイヌカマッセ共和国程度しか考えてないです。 >>166 ラムネと手羽先ありがとうございます。 一人称で名前を出さない以外の描写量はこれまで通りで考えてまして、小説というかラノベな感覚です。 その例えで言うとガス欠の自動車から降りて、気分転換にチャリを漕いでみよう、という程度の感覚です。 最近は普通に忙しくて帰りが遅かったので更新できなかったですが、モチベは割と復活してます。
[168]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/01(月) 23:57:25 ID:??? ***** こんな感じで、あたいことお燐と、優雅なる我が主君・古明地さとり様の地底コンビは、イギリスで探偵稼業に勤しんでいます。 つっても今の世の中探偵だけで食ってくのも難しいから、表向きは精神科医とそのナースって事で通ってるけどね。 しっかし外界の人達も難儀だよねぇ。旧地獄や幻想郷以上に便利で安全な生活してるクセして、自分で死ぬ人の多いこと多いこと。 これならまだ旧都の方が安全な都市であると言えちゃう……のは言いすぎか。鬼とエンカウントしたら割と死ねるし。 とまあ、それはさておき。 「今回もさとり様の名推理が光りましたね」 仕事のできるあたいは早速、一事件を解決した名探偵に向かってお世辞を述べるのだが。 「『心読んでチートしてんじゃねーっすよwww超常能力で犯人探しのどこがロジカル()なんすかwww ノックス先生が腹抱えて大爆笑っすよwwwwwwさとり様マジぱねェwwwwww名探偵()wwwww』……ですか」 「あ。やっぱバレちゃいました?」 「当たり前でしょうが! むしろ良く分かってて見え透いたお世辞をつけるわね、あんたは。……ま、別に良いけど」 さとり様は、いつもの如く不機嫌そうにムッツリしていた。 外向きには敬語を絶やさず礼儀作法を熟知し、育ちの良さが垣間見えるさとり様だが、 ペットや妹など、身内に対しては割とこんなもんである。 だけど、あたいはこっちのぶっきらぼうなさとり様が好きだ。実はすっごく優しいし。 「はぁ……。しかし今回は単にお客さんからパーティに招待されただけだったのに。 なんでイギリスについてから私達ってこう、行く先々で殺人事件が起きるのかしら」 「それはミステリーものの必然ですぜお嬢様。探偵ってのは一種の嫌われ者だ。 なぜって、探偵さえ居なければ、凄惨な殺人事件など起きなかった筈なんですからね」 「……嫌われるのには慣れてるから、良いけどさ。それにしてもあんたはいつも楽しそうね」 「ええ。そりゃあ愛すべきご主人様の右腕としてお役に立てるから――」 「――『イキの良い死体が出て来たら、あわよくば持ち去れるし役得役得☆』……ですか」 「うぎゃっ。で、でもまだやってませんよぉ! まだやってないからセーフですよぉ!」 「あんたが外の世界で騒ぎを起こしたら、巡り巡って主人の私の責任にもなるんですからね。 本当に、余計な事はするんじゃないわよ?」
[169]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/01(月) 23:58:35 ID:??? はい、心得ておりますとも。そう心の中で頷いて納得したのか、会話は一旦途切れる。 「あの……コメイジ、さま?」 ――しかし、そんな時である。犯人を縛り上げて一息ついたその他の登場人物のうち一名が、 さとり様にしずしずと声をかけてきたのだ。 「あら。貴女は確か……」 「メイドのジャクリーンです。捕まったハンの同僚でした」 そういやそんな奴いたな。登場人物の多い推理小説だと、誰が誰だかわからなくなって、いっつも登場人物一覧に戻っちゃうんだよなぁ。 このメイドのジャクリーンなんて、殺害発生時の犯人のアリバイ証明くらいの仕事しかしてない気がするし。 「コメイジ・サトリさま。あなたのご活躍はかねがねお聞きしております。そして、本日の殺人事件においても、 貴女は素晴らしい推理を見せて下さいました。そこで私は、貴女に依頼したい事があるのです」 「依頼……ですか」 なにィ。そういうパターンもあるのか。曲がりなりにも殺人事件が起きた場で次の依頼ってのも急展開過ぎる気がするけど。 しかし、生計を立てて行くためにも、あたい達はえり好みをする立場でない事も明白だ。 さとり様はそれを承知で、黙ってメイドのジャクリーンの話を聞く。 「ええ。私の依頼と言いますのも……実は、私の「本来の」依頼主から、内々に仰せつかったものなのです」 「はァ、本来の?」 さとり様は相変わらずいつものじとっとした無表情を貫いている中、あたいは思わず素っ頓狂な声を上げる。 なんだ、このメイド。下働きに出ている中で、本来の主人から内々に言伝があるだって? ちょっと不自然にも程があるんじゃないか。でも、それは織り込み済みだったらしく、メイドは続ける。 「――実は、私がこの屋敷でメイドをしていたのも、潜入調査の一環だったのです。 この屋敷の主人と、私の本来の依頼主とは対立関係にあり、その動向を見張るため。 そして同時に、……コメイジ・サトリ。貴女の探偵としての力量を図る為でした」 「……へぇ」
[170]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/02(火) 00:00:15 ID:??? さとり様は気持ち悪く唇を歪ませる。これでもシニカルに笑っているつもりらしアイタタ足を踏まないで下さい。 「貴女は、この屋敷で事件が起きる事を予測していた。……とでも言うつもりですか?」 「はい。……とはいえ、まさか殺人にまでつながるとは想定外でしたが」 痛みで顔をしかめるあたいを無視して、さとり様はメイドとの会話を続けている。 ある程度で、メイドはこれ以上の説明は充分だ、と言わんばかりに肩をすくめ、そしてさとり様にこう言った。 「……それで。コメイジさま。貴女は、私の依頼を受けて下さるかしら?」 それは、メイドに似合わぬ高慢で挑発的な態度に見えなくもない。 そして、こんな無意味に偉そうな態度は、さとり様の嗜虐心をくすぐるのに十分だった。 「――およそ人に物事を頼む態度ではありませんね。おとといいらして下さい。 もっとも一昨日は休診日でしたけど」 古明地さとりの好きな事は、自分の方が優位だと思ってる相手にNOと突きつけて云々。 要するにひねくれものなさとり様は、当然の権利の如くにその依頼を断る。 ……あーあ。別に引き受けてても良いのにさ。お金周り良さそうだし。 「そうですか。それならば仕方ありませんね。――それでは」 しかし、さとり様もさとり様だったが、このジャクリーンたるメイドも大概であった。 何故なら彼女はさとり様の拒絶を見るやいなや、おもむろに室内に置いてあったボールをひっつかみ、 思いっきり放り投げて――
[171]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/02(火) 00:01:24 ID:??? 「――ハッ!」 バッ!グルウウウウウンッ!……バシュウウウウウウウウッ! 「は、ぇ、ぇええええぇぇぇ〜〜〜っ!?」 ――ミステリーの雰囲気冷めやらぬこの洋館で、思いっきりオーバーヘッドキックをぶちかましてみせたのだ。 当然、至近距離から放たれたこの一撃にさとり様は避けられ…… 「――はぁ」 ……ない、ワケでもなさそうだった。 「まっさかこんな唐突に出てくるとは思いませんでしたけど。さとり様! あたい達の秘密特訓の成果、今こそ見せる時じゃないですか!?」 「そうね。どうせこんな展開になる事は、話をする前から分かっていたし」 さとり様は余裕の表情で、高く打ち下ろされたボールを眺める。 そして、猫背気味な小さな体を更に曲げると、パンチングに構える姿を見ながら――。 あたいは、さとり様と探偵稼業にやっていたトレーニングを思い出していた。
[172]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/02(火) 00:19:59 ID:??? 【回想シーン開始】 〜オープニング成長フェイズ〜 選手名 ド .パ シ タ カ .ブ せ 総 高/低 ガッツ さとり 49 48 48 48 48 47 50 338 2 / 2 800 セーブ力52 所持中のフラグ:なし 〜必殺技・スキルリスト〜 とめます!(1/4でセーブ+2) スキル・覚妖怪(PA内のシュートについてセーブ+5、一対一+5、読み違え発生しない) スキル・一対一+3 スキル・想起(相対する選手の知り得る技をコピーして使用可。その技に使用するガッツの1.5倍を消費) 「さてと……私の能力はこんなものかしらね」 「意外です、さとり様……! サッカー、マジでやる気だったんですね」 「まあ、一応名目はサッカー派遣ですし……。それに、シャーロック・ホームズもスポーツ万能で、 フェンシングにボクシング、そしてバリツにも堪能でしたからね。だったら私もサッカー位はできとかないと」 「さとり様ぁ。なんでオーディションにも行かず探偵稼業だなんて言い出したかと思ったけど……。 まさか単に、探偵小説を読んで、ベイカーストリートに憧れただけだったなんて」 「そ、そんなつまらない理由じゃありません! だいたい私は探偵小説はそこまで好きじゃありません。 ポーと、ドイルと、クリスティとクイーンとカーとヴァンダインとチェスタトンとバークリーをちょっとかじった程度で……」 「あーあるある。プロオタクにとってはにわか知識でも、一般人から見たら充分オタクっぽい現象っすね」 「ええいこの子はいちいちやかましいわね。とにかく、私が探偵業を始めたいのも、きちんとした動機からです!」 会話が若干脱線してるのはいつもの事なので置いておくとして。 さとり様が地霊殿の財を使って借り上げた仮の住まいには、ちょっとしたトレーニング場がある。 どういう訳かあたい達は、折角イギリスに来たにも関わらずプロチームに入る事もなく、 このトレーニング場にて修練を積んでいたのだった。主人の不純な動機で。 「ま、別にさとり様がサッカリンみたくあまーい恋愛小説が好きなのは周知の事実ですし良いですけど。 それより、どんな練習をされる予定なんですか〜?」 「別に良いじゃないの恋愛小説くらい……。コホン。で、練習予定よね? ええ、勿論きちんと考えていますよ」
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0ch BBS 2007-01-24