※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
【追う蜃気楼は】鈴仙奮闘記39【誰が背か】
[239]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/18(日) 02:36:16 ID:??? 「……誰がやった?」 忌々しげにそう呟いたのは荒っぽいリチャードくんだった。 「それを調べるのは俺達じゃない。警察の仕事だ」 そしてそれを制するのは冷静なロブソンくん。 「でも、気になるよね。このままだと、第二、第三の凌辱が起きてしまうかも……」 けれどもテイラーくんは現状を煽り立てるような事を言うし。 「凌辱……! そっ、そうか! これはきっと19世紀のロンドンで猛威を振るった連続凌辱鬼、 ユーカ・ザ・リョウジョカーの仕業だ! ヤツの幽霊がよみがえったんだ!! 早く逃げないと、俺達もボランチに必要な能力を奪われてしまうぞーーー!?」 ロリマーくんはそれにホイホイつられてアッサリ取り乱す。 「そんな凌辱鬼、聞いた事もないよ……」 トーマスくんの気弱なツッコミでは、残念ながら彼の心には届かない。 うん。……心配しか生まれない光景だ。だけど、こっちにも希望はある。
[240]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/18(日) 02:40:23 ID:??? 「さとり様。分かりましたか? 矢車をボコボコにした犯人のこと」 あたいは早速、我らが名探偵の知恵を借りる事にした。 まあ、名探偵というよりはチートスキルを利用したと言う方が近いのだけれど。 ――が、しかしである。 「……………」 「あ、アレっ? どうしたんですか? 犯人は誰か、さとり様はもうご存知なんですよね?」 さとり様の渋い顔がいつも以上に渋い。そしてそれはきっと、旧友の重体だけが原因ではない。 暫く時間が経ってから、決心したように顔を上げて、さとり様はあたいにだけ聞こえる声でこう言ってくれた。 「……いいえ。私の読心能力を持ってしても、今回の事件の犯人は分からない。 何故なら――【ここに居る全ての者の心を読んだところ、矢車君への害意を持つ者は存在しなかった】のですから」
[241]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/18(日) 02:54:42 ID:??? 短いですが、一旦ここまでです。
[242]森崎名無しさん:2017/06/18(日) 17:27:10 ID:??? 一旦乙です
[243]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/19(月) 00:25:48 ID:??? 「なんてこった。つまりさとり様はこうおっしゃる訳ですか。 『矢車くんが凌辱されました。だけどこの中に犯人は居ません』って」 「……そうなりますね」 「ええーっ。じゃあ、犯人は一体誰だって言うんですか!」 「まあ待ちなさい。まだ打つ手はあります」 あたい的にはかなり絶望的な状況下だが、さとり様は余裕を失っていない。 ズタボロになった矢車を見た時は大分取り乱しているように見えたが、 やはり死んではいなかったという事実に、内心ではホッとしているのではないかと思われる。 「矢車くんは何者かに凌辱された。しかし一方で、彼に害意を為す者がいなかった。 これにはどういう意味があると考えますか?」 「さあ。こいし様がやったんですかね?」 「……………」 「じょ、冗談ですよすみません。今のは流石に失言でした」 こいし様の単語を出ると、さとり様の目が少し怖くなる。 が、それは一瞬だけですぐに戻り。代わりに微笑を浮かべてくれた。 「いいえ。確かにその可能性は否定できませんね。 『この場にはいない第三者が矢車くんを凌辱した』。この可能性は検討すべきでしょう。 ……それがこいしの仕業か、プラズマか怨霊か、謎の向日葵仮面であるかはさておいて、ね。 ――ただ残念なことに、【館の中には、今客室に居る以外の人間は存在しない】のですけれども」 さとり様はそう断言する。恐らくは周囲の人物の心を読んだ上で、 めんどくさい家探しやら証言やらを省いた状況を整理してくれてるのだろう。 あ、今更だけど今後、疑いの余地のない発言については【】で囲っておこうと思う。 【】で書いてある内容はとりあえず真実。そんな感じで宜しく。
[244]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/19(月) 00:27:09 ID:??? 「じゃあ……矢車は自殺しようとしたんじゃないですかね。 死のうとしてさとり様の気を引こうと思ったんですよ。メンタルがヘラーな女の子にありがちなヤツ」 「その線も十二分に考えたのだけれど。……逆に聞こうかしら。お燐はどう思った?」 「あー、なるほど……。いえ、【矢車の外傷は、自分で傷つける事が不可能なものだった】ですね。 謎のトリックXがあれば分かりませんが、【食堂にはトリックを張られた痕跡が無かった】し。 ええ、現場検証は真っ先にしたし、職業柄「こういう場面」の死体をよく見ますけど、 確かにありゃあ、他殺だった。自殺じゃないですね」 自分で言った思いつきを自分で否定するのも滑稽だけどしょうがない。 確かに、【矢車は自殺(未遂)をしていない】。でも、だったら何だって言うのか。 「自殺未遂じゃない。だけどこの部屋の中には害意を持つ者はいなかった。 そしてこの部屋に居る者以外で、誰も容疑者たりえる者はいない。 参ったな、さとり様。これじゃ本当にこいし様がこの中でひっそりと息を潜めていて、 それで包丁でズバっとやっちゃった以外の結論が、あたいには思い浮かびませんよ」 「そうかしらね……。いえ、確かに表面的な事実を整理するとそうなるけれど。 もっと何か、別の考え方があるんじゃないかしら?」 「別の考え方かぁ。じゃあ……、『害意は無かったけど、たまたま運悪く事故が起きた』ってのは? たとえば、メイドさんがドアを押し開けた時、その後ろに居た矢車が吹っ飛んでしまった、とか」 「いいえ。そうした事実はありませんでしたわ。……というか、そんな事あり得ないでしょ、現実的に考えて」 考えがまとまらない中で割り込んで来たのはメイドの咲夜さんだった。 地上にお屋敷があって、さとり様とこいし様みたいなヘンな姉妹が住んでいることや、 そこにはなんとメイドさんが居て、ハイソな生活を送っているということは知っていたけど、 あまり真正面で話す機会が無かったものだから、やはりどうしても慣れない。 「ていうかメイドのお姉さん。正直に言ってあなたが一番怪しいっすよ。 だって館の事務を取り仕切ってるワケでしょ? それに、色々な事情があるみたいだしさァ。 仮に何も無いですわ〜、って言われても、信頼できないよ」 「まあ……そうなりますのも仕方無いですねぇ」
[245]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/19(月) 00:28:11 ID:??? このメイドさんは暢気なのか、しっかりしているのか良く分からない。 そんな惚けた返しをされてる今も、彼女の真意だけは良く見えなかった。 「っていうか、今思い出したけどさ。お姉さんって時とか止められるんでしょ? だったらウチらがうんうん考えなくっても、何でもアリじゃないの?」 そして改めて顔を見て思い出す。コイツ、さとり様以上にチートな能力者だったような。 聞いた話では、館の広さを不当に大きくしたり、時間を止めたりできるとか。 ……これ、犯人がコイツで決定じゃないの? 「――と、私も思ったのですが。心を読む限りでは、【咲夜さんは今回の事件について、一切関与していない】のです。 ……動機は勿論、アリバイや今日一日の時間行動を全てを確認しましたが、 彼女の行動に不自然な物は一切なかった。また、能力を使ったという痕跡もなかった。 まあ、強いて言うならば。貴女ではなく、貴女をここに派遣した主の思惑は不明ですけど」 ……が、10人中10人が考えそうな事は事前に封じられてしまう。 怪しい館の怪しいメイドは犯人ではないようだ。では一体、誰が犯人なのか? あ、言っておくけど、【あたいこと火焔猫麟は犯人じゃない】からね。 そんな安っぽい叙述トリックは使ってないよ。うん。 「まあ、最悪矢車が目を覚ましてくれれば犯人は分かるかもでしょうけどさ。 これじゃやっぱり気になりますよ。第二、第三の凌辱事件が起きるかも分からないし、 一応、これまで出そろった状況証拠で、何かしら推理してみませんか?」 「……まあ。そうするのはやぶさかではないですね。 お燐さん、一度これまでで分かっている事実について、整理してくれませんか?」 咲夜さんは訳知り顔で頷く、いや何いきなり仕切って来てるワケ? とか突っ込みどころはあったけれども、一々そんな事を言ってはいけない。 そういう訳で、必要そうな【】を整理したのが、以下である。
[246]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/19(月) 00:29:14 ID:??? ・【さとりが能力で読み取る限り、客室には矢車への害意を持つ者はいない】 ・【館の中には、今客室に居る以外の人間は存在しない】 ※この「人間」とは、さとりやお燐のような人型の妖怪も含む ・【咲夜さんは今回の事件について、一切関与していない】 ・【矢車は自殺(未遂)をしていない】 ・【食堂にはトリックを張られた痕跡が無かった】 ・【あたいこと火焔猫麟は犯人じゃない】 「うーん……この程度だったら、推測は出来ても推理は不可能ですよ、さとり様」 「確かに、しっかりとした証拠は揃っていませんね。ですが、この事実の隙間を縫った、 何か新しい可能性なら、発見できるんじゃないかしら?」 随分と無責任に難しい事を言われる。少なくともあたいには無理だし、多分読者にも無理だ。 これで読者への挑戦状を出したら逆にこっちが読者に殺されかねない。 そんな想いを読み取ったからか、さとり様が助け船を出してくれた。 「ならば、もう少しハッキリと言ってみようかしら。 【私――古明地さとりが能力で読み取れる範囲で、客室の人間の心を読み取ったところ、犯人は存在しなかった】。 便宜上、「人間」にはお燐のような人型の妖怪も含みます。 それと、【館の中には、今客室に居る以外の人間は存在しない】。この「人間」ってのも同じよ。 だから、『館の外にいるこいしが犯人』という推理も認めないとするわ」 「はあ。なんだかどんどん、推理小説っていうより屁理屈推理合戦みたいになって来てますね」 つまり、あまり論理関係やらトリックやら細かい記述に気を取られず、 【】で区切られた事実から、在り得そうな仮説を一つ二つ上げてみれば良いってことだろうか。 「別に、失敗したってペナルティがあるわけじゃないわ。だから、お燐。少しだけ考えてみたら? この客室に居る者の中で、害意を抱き、犯行を犯せそうな人物の存在可能性について」
[247]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/19(月) 00:30:20 ID:??? ・【さとりが能力で読み取る限り、客室には矢車への害意を持つ者はいない】 ・【館の中には、今客室に居る以外の人間は存在しない】 ※この「人間」とは、さとりやお燐のような人型の妖怪も含む ・【咲夜さんは今回の事件について、一切関与していない】 ・【矢車は自殺(未遂)をしていない】 ・【食堂にはトリックを張られた痕跡が無かった】 ・【あたいこと火焔猫麟は犯人じゃない】 「うーん……この程度だったら、推測は出来ても推理は不可能ですよ、さとり様」 「確かに、しっかりとした証拠は揃っていませんね。ですが、この事実の隙間を縫った、 何か新しい可能性なら、発見できるんじゃないかしら?」 随分と無責任に難しい事を言われる。少なくともあたいには無理だし、多分読者にも無理だ。 これで読者への挑戦状を出したら逆にこっちが読者に殺されかねない。 そんな想いを読み取ったからか、さとり様が助け船を出してくれた。 「ならば、もう少しハッキリと言ってみようかしら。 【私――古明地さとりが能力で読み取れる範囲で、客室の人間の心を読み取ったところ、犯人は存在しなかった】。 便宜上、「人間」にはお燐のような人型の妖怪も含みます。 それと、【館の中には、今客室に居る以外の人間は存在しない】。この「人間」ってのも同じよ。 だから、『館の外にいるこいしが犯人』という推理も認めないとするわ」 「はあ。なんだかどんどん、推理小説っていうより屁理屈推理合戦みたいになって来てますね」 つまり、あまり論理関係やらトリックやら細かい記述に気を取られず、 【】で区切られた事実から、在り得そうな仮説を一つ二つ上げてみれば良いってことだろうか。 「別に、失敗したってペナルティがあるわけじゃないわ。だから、お燐。少しだけ考えてみたら? この客室に居る者の中で、害意を抱き、犯行を犯せそうな人物の存在可能性について」
[248]鈴仙奮闘記 ◆tJogI1q/D6 :2017/06/19(月) 00:37:23 ID:??? さとり様は難しげに言ってるけれど、要するに推理じゃなくて良いから、 可能性を広げて考えてみろ、って事かな。だとしたら、まだ何か言える自信はある。 「そうっすねぇ……」 あたいは考えてから、この事件を起こせそうな「犯人」の名前を挙げてみた。それは…… ※今回の事件を起こせそうな人物について、>>220の登場人物紹介から1人選んで、書き込みをお願いします。 (また、選んだ場合はその根拠も簡単に書いて頂ければ幸いです。) ID表示は不要で、誰か1人でも正解があったら正解ルートとして進めていきます。 ※正解の場合、さとりとお燐の成長フェイズ時、少しだけボーナスを付与したいと思います。
前
次
写
名前
E-mail
0ch BBS 2007-01-24