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【追う蜃気楼は】鈴仙奮闘記39【誰が背か】
[310]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/28(水) 01:02:30 ID:??? すみません、寝る前に気付いたのですが、 タックルとパスカットについては5以上の結果と10以上の結果が同じになってました。 これでは勿体無いですので、後付けですが、 「お燐はタックル・パスカットについてそれぞれフラグを習得」という扱いにしたいと思います。 大変失礼しました。 >>309 お燐はそもそも勧誘のきっかけになった特訓イベントでも大成長してますし、持ってますね。 バランス良く成長したお蔭で、ことサイド際においては脅威的な存在になったと思います。
[311]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/29(木) 23:16:03 ID:??? ★お燐の特殊スキル特訓→ 5 + 2 +(ボーナス+1) =8 お燐のタックル特訓→ 6 + 6 +(ボーナス+1) =13★ ★お燐のパスカット特訓→ 4 + 6 +(ボーナス+1) =11 お燐のブロック特訓→ 6 + 1 +(ボーナス+1) =8★ ★お燐のドリブル特訓→ 2 + 5 +(ボーナス+1) =8 お燐のパス特訓→ 5 + 2 +(ボーナス+1) =8 お燐のシュート特訓→ 2 + 2 +(ボーナス+1) =5★ 「ええっと、どうだったかな。練習のし過ぎで何だか記憶が曖昧でして」 「――いいえ、別に言わなくても良いわ。……よく頑張りましたね、お燐」 いや。聞かれた時点でどうやらさとり様の術中に嵌っていたらしい。 まいったな。あんまり努力とか恥ずかしくて嫌いだったから黙ってようと思ってたけど、 心を読まれちゃあ意味がない。 「――べっつに。あたいは、さとり様に置いてかれたくなかっただけです。 いんや、さとり様だけじゃあない。お空も、こいし様も。みーんな、揃いも揃って凄い人達ばかりだもん。 あたいだけが普通の化け猫だったら、何時の間にか、また誰もいなくなっちゃいそうで……」 だったら、先にクソ恥ずかしい本音を口に出しておいた方が、まだ受けるダメージは少ない。 今の自分の顔がどんな状態かは想像したくもないけれど、あたいは久しぶりに、素直な感情を吐露した。 そしてそれを、さとり様はからかう事も嘲笑う事もしない。 「ふふ……大丈夫です。私は最初から分かっていますよ。貴女が笑顔を絶やさないのも、いつも素直じゃないのも。 ……怖いのよね? 他者から拒絶される事が、どうしようも無く。 死体を持ち去る忌み嫌われし妖怪が、そうした感情を持つ事の滑稽さは別として。 貴女は誰より、友人を、仲間を。……そして、主を失う事を、恐れている」 「……………」
[312]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/29(木) 23:17:31 ID:??? あたいの脳裏に、あの日の事が蘇る。……今からすると大分前、お空が八咫烏の力に目覚めた、あの日の事だ。 神の力を得て、地上を侵略すると公言して憚らない親友を前に、あたいは二つの恐れを抱いていた。 一つは、調子に乗ったお空の悪事がさとり様にバレ、殺されてしまうこと。 そしてもう一つは……仮にさとり様がお空を許したとしても。 この旧地獄で得たはじめての友達が、自分とは、遠い場所に行ってしまうことだった。 「……お燐」 「ええ」 ……さとり様は、嫌が応にも人の感情が流れ込んで来るらしい。望もうとも、望まざろうとも。 そして当然、流れて来るのは望まざる感情が多い。だけど……さとり様は、こうも話した事がある。 「貴女は誰よりも軽薄で傍若無人に見えるけれど、本当は誰よりも繊細で仲間想いな子。 ……それを知る事ができたのは、私が嫌われ者の覚妖怪だったから。 だとすると。……人の心を読める事も、存外に悪い事ばかりじゃありません」 「……ええ」 ああ、駄目だ。練習結果を報告しただけなのに、最悪にカッコ悪い顔になっている。 ――やっぱり、いくら毒舌と皮肉を磨いても。この人には絶対勝てないなぁ……。 *お燐がスキル・サイドプレイヤー(サイド際でボール所有時、全能力+2)を習得しました。 *更に、お燐がスキル・サイドディフェンサーのフラグを習得しました。 *お燐のタックルが+2されました。51→53 *更に、必殺タックル「火焔の車輪」の発動率が1/2に上昇しました。 *お燐のパスカットが+2されました。53→55 *更に、必殺パスカット「ゾンビフェアリーカット」の発動率が1/2に上昇しました。 *お燐のブロックが+3されました。50→53 *お燐のドリブルが+1されました。53→54 *お燐のパスが+1されました。54→55 *お燐のシュートが+1されました。51→52 *お燐がせりあい以外の能力値について、フラグを習得しました。
[313]森崎名無しさん:2017/06/30(金) 00:09:57 ID:??? サイドアタックは元からあったし、かなりえぐいことになりそうだな サイドプレイにおいては
[314]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/30(金) 00:58:25 ID:??? ――そんな時だった。コンコンと借り住まいのドアが音を立て、ガチャリと開け放たれる。 あたいが慌てて目をゴシゴシ拭うとそこには、二つの人陰が立っていた。 「やっほー、お姉ちゃん」 「どうも」 その二人は……さとり様が自らの試練を乗り越えた証であるとも言えた。 「あら。こいしと……松山君。よく来てくれたわね」 小柄で儚げで愛らしい、しかし一方で目に見えぬ狂気を湛えた少女。 さとり様が愛するたった一人の愛妹――こいし様が、 同じくイングランドで修練を積んだかつての居候・松山君を引き連れてやって来たのだ。 「あれ、お燐って泣いてる?」 そして、思慮深き姉と違ってこいし様は天真爛漫――悪く言えば空気を読まない。 あたいの事なんて放っておけばいいのに、今に限ってそんな事を言って来るんだから。 「あっ、さとりさん。……そのシルバーのネックレス、似合ってますよ」 「…………」 が。こいし様の幼さ故のKYさとは異なる、大人の善意と真摯さ溢れる、成熟し切ったKYがここにもう一人。 オイオイ松山くん。これ、一人称だからこそ敢えて描写しないでおいてあげたんだよ? さとり様の為にさ。
[315]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/30(金) 00:59:30 ID:??? 「……ええ。どうもありがとう」 さとり様はにべもなく微笑んでいるが、その内心は計り知れない。 ……なんせ、今はもう存在しない、『空想上の友人』に贈りたかったプレゼントを、 さとり様はあの試合の日からずうっと、自分のトレードマークであるがごとく大事に身に着けているのだ。 が、松山光のKYっぷりはこんなものではない。 「やっぱり、さとりさんは兄貴の事を好きだったんじゃ……」 「う、うわぁー。会ってから数秒でそんな突っ込んだ会話、良くできるねー」 これには流石のこいし様も苦笑い。若干ドン引きしながら会話に耳を傾けている。 松山君のキックオフシュートに対して、さとり様はどこぞのラブコメ宜しく耳を真っ赤にして――。 「あ、それはないです」 ――たりはせず、完全なる真顔で返してみせた。このお方、安易なツンデレほど嫌いな物はないって公言するだけある。 が。そうは言いつつも穏やかに、 「ですが。本来は貴方の中にしか存在しなかった空想上の友人が、幻想として存在して。 そして……幻想と現実の境界が失われた今となっても、妹の能力を媒介して現れて。 その付き合いの中で……あの人の孤独さに惹かれなかったと言えば、嘘になります」 恐らくさとり様なりの、正直な心情を告白してみせる。 こうしてみると、KYと覚妖怪とは相性がいいのかもしれない。互いにヘンな気疲れせずに、本音トークが出来ている感はある。 「俺達はそろそろ、空港に向かいます。……さとりさん達は?」 「ええ。私達も同じ予定です。目的地はブラジルですが」 「やったー! 私、シュラスコ食べたかったんだよねー」 「……こいしは帰りなさい。紅魔館のメイドが、貴女を幻想郷まで案内してくれると言っていたわ」 「ええーっ」
[316]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/30(金) 01:00:36 ID:??? とはいえ、松山君達がここに現れたのは、そんな湿っぽい話をする為だけではなかった。 むしろ現実的。幻想郷と外界という隔てはあれども、あたい達4人はイギリスでは珍しい日本人(たぶん)。 お金やら足やら、ここまでの物語と比べたら超絶せせこましい世話の為だけに、一緒に空港まで行こうと言う話だった。 ……もっとも、久しぶりに姉と会えたこいし様的には、すぐの別れに納得いかないようだったが。 「分かって頂戴、こいし。何も知らなかった貴女はともかく、私とお燐はかなりの危険を冒している。 もしも私達の身に何かがあれば、お空は、地霊殿は。そして……旧地獄は、どうなるか分からない。 こいし。家で引き籠っていなさいとは言わない。けれど――あなたには、無事でいて欲しいの」 「でも、そんなのつまんないよ。私もお姉ちゃんと一緒にサッカーしたいよー」 それが姉のエゴである事は、さとり様も重々承知だったろう。 そしてそれで簡単に折れるこいし様でもない。が。そんな少し困った空気を打ち消したのは、 「はぁ。……だったら、お兄ちゃんと一緒に日本まで行こうか?」 「うーん……お兄ちゃんがそう言うなら……」 「!?!!!???!」 ――意外過ぎる事に、ここに来て以来空気を読めずにいた松山くんだった。 ……というか、様子がおかしい。何故こいし様はこの元地獄少年に懐いているんだ? 確かに矢車が実体化したのは、こいし様の能力の影響が強いとは聞いていたけれど。 え? それが何かアレな影響を与えたとか? というか松山君、彼女いるって聞いたけど大丈夫なのか? 「……松山くん? 貴女、ウチのこいしに何を……?」 あたいはさとり様以外に懐かないこいし様が、松山君に懐いているのを驚いていたけれど。 この中でもっとも様子がおかしいのはさとり様である。いや、様子がおかしい理由は明白だけどさ。 これには流石の松山君も危機を察知したのか、 「い、いや。別に。ただ、前の試合の時! 俺の中で兄貴の人格が抜けたと思ったら、そばにはこの子がいて。 それで、色々と面倒を見ている内になんか懐いて……い、イテテテテ!?」
[317]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/30(金) 01:01:36 ID:??? 慌てて取り繕っているが、時すでに遅し。 「ウフフ……? 如何に鍛えた人間と言えども、鳩尾を鍛える事は出来ませんからね。 どうですか……恐怖のトラウマで、妹を誑かした事を一生後悔させてあげますよぉ……?」 せりあい力55スキル・飛び出し+5保有者のトラウマ攻撃(物理)が、松山君の痛覚を的確に刺激する。 これはヤバい。心が読めるだけに人が痛みを感じる部分についてヤケに詳しいぞこのお方。 引きこもり読書家やめて、プロレスラーに転向できるんじゃないか? 「ひ、ひいいっ! は、話せばなんとかなります、さとりさん! 俺は貴女に返しきれない恩だって……」 「恩があるからこそ、ですよ? さ、次は爪の間行きますよ……」 「そんなァ。俺はただ、光を掴みたかっただけなのにギャアアアアーー!」 ……と、ふざけた感想は置いといてだ。こうしてジャレつく松山くんとさとり様を見て、真面目に思う事だってあるのだ。 覚妖怪とKYはウマが合うという持論を述べたあたいだが、更に……古明地さとりと松山光は、似た者同士なのではないか、と。 どちらも互いに一人のヒーローの影を追い求めた、というのあるけれど。 さとり様も松山君も、不器用で、生きづらさを抱えてて、幻想に閉じこもりがちな所があって。 だけどそれでいて、どうしようもないまでの理想家で、努力家で、暗闇に居ながらも、光を掴みたがっている。 あたいには、その生き方はしんどすぎて、到底真似をする事ができない。今あるものを守るだけで精一杯なんだから。 「でも。そうしないと、貴女が遠くに行っちゃうって言うんだったら。あたいだって掴んでみせますよ。 日陰者や嫌われ者には丁度お手頃な。だけど充分眩しい――『白夜の光』ってヤツをさ」 ……さとり様が松山くんをシメる事に夢中になっているのをいいことに。 あたいはとてつも無くクサい事を思いながら、今書いているこの手記の筆を一旦置く事にした。
[318]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/30(金) 01:02:47 ID:??? かくして、隠者は光を掴み、死を抱く歯車は自らの在り方を見出した。 だが、それは忌み嫌われし二人にとっては始まりにしか過ぎない。 彼女達は空を越え、海を渡り、大地を跨ぎ――そして、迷える少女を照らす光となるだろう。 幻想の友は失せども、その思いは永遠に消えず。 暗い暗い地獄の夢は今、輝ける楽園への礎となった。 〜さとりの章・完〜
[319]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/30(金) 01:09:49 ID:??? ***** 〜イングランド・路地裏〜 幽香「想像の3割増しには下らない本だったわね。作者のドヤ顔がチラつく、馴れ馴れしくてうざったい文体が気になったわ」 『サトリピア連続殺人事件』と題された自費出版の古本を投げ捨てながら、 退屈そうに風見幽香は路地裏で倒れる男達を踏みつけるようにして歩く。 彼女は全幻想郷選抜メンバーに選ばれながら、紫や変なTシャツを着る謎のコーチの意向により、 イングランドでのサッカー修行を命ぜられていたのだが、 彼女は編入予定だったリヴァプールの選手を軒並み凌辱し尽くした後、 どこのチームにも所属せず、ストリートサッカーでその嗜虐性を満足させる日々を過ごしていた。 咲夜「――こんなところに居たのね。随分と探したわ」 ……そして、同じく全幻想郷選抜メンバーに選ばれていたにも関わらず、 レミリアの独断専行により、先んじてイングランドに潜入していた咲夜の目的の一つ。 それこそが、風見幽香とのコンタクトにあった。 幽香「あら。誰かと思ったら懐かしい顔ね」 咲夜「別にそこまで懐かしくは無いと思いますけれど。……失礼。 どうでしょうか。あの時のお嬢様からのスカウトについて、考え直してくれましたでしょうか」 幽香「……ああ。となると、リグルに声をかけていたのも貴女達だったという訳ね。 ――で。結論から言うと……下らないわね」
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0ch BBS 2007-01-24