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屁理屈推理合戦withキャプ森2
[144]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/10/03(火) 00:33:44 ID:??? すみません、まだ書きあがらないので、お休みします。 >>141 乙ありがとうございます。>>105の復唱要求は実は切るのに物凄く苦労しました。 ここで「サトリーヌの外見は本当に小学生程度? じゃあ他の選手は?」 ……と発想されたら負けだと観念してましたねw >>142 そうですね、ネタ系は議論された内容とは全く別の角度からの切り込みがなされる事が多いのですが、 それは得てして真相に近い事が多いので、中々侮れませんw >>143 乙ありがとうございます。>>119で出したヒントに言及して頂けたのがGM的には凄くうれしかったですw 苗字、と言うとちょっとざっくりし過ぎでしたが、要は、『同姓同名は居ない≠同じ名を持つ者は存在しない』 という事実に気付くか否かがポイントとしていました。苗字じゃなくても、同姓同名じゃなければ良いので。
[145]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/10/05(木) 00:17:36 ID:??? ************************************ 【反町一樹の現実 〜東邦学園保育部 国際なかよしサッカー大会編〜】 保母さん「みんなー! 今日はわたしたち東邦学園の大学部で活躍している、 反町選手にゲストとして来て貰いましたー!」 園児たち「わーい! あたらしいせんせいだー!」「そりまちってだれー!?」「せんせーもりさきこないのー!?」 「わたしつばさせんしゅのファンなのにー!」「あれそりまちじゃなくて、みさきだよ! ワールドユースにでてた!」 「ちがうよ、まつやまだよ! ねえまつやませんしゅ、いつものはちまきはー?」「いや、みすぎかも……」 「ハッハァ! だれだろうとエースであるわたしのてきじゃないね!」「ママー! おなかいたい!!」 反町「みんなー! 今日はよろしくなー!(はぁ……俺、何やってんだろ)」 反町は爽やかな笑顔の裏で、大きく溜息をついていた。 反町「(日向や若島津は今頃世界を舞台に戦ってるし、タケシは高等部のキャプテンとして皆を率いてる。 だけど俺は……いつまでも大学サッカーをズルズルと続けてて、今日も上層部の意向で、 こんなイベントのゲストとして招かれて。勿論、未来を担う子ども達にサッカーの面白さを伝えるのも、 大事な仕事だとは思うんだけど。――でも本当に、このままで良いのか……?)」 大学サッカーではかなりの名声を得ている反町だったが、海外はおろかJSLにも挑戦せず、 現状に甘んじていると言われても反論できない状況が長引いていた。 それでも、他の黄金世代には無い謙虚で従順な性格や、国内ではそこそこ高い実力、 何より女性受けする甘いマスクを理由として、東邦学園側からは客寄せパンダとしてある程度の評価は得ていたが、 それによる多数のイベント参加は逆に、彼が選手としてじっくりと成長する時間を奪う事にも繋がっていた。 ピピーーーッ! 反町「(世界中の富裕層を日本に招き入れ、サッカーの試合による交流を促す……。 これ自体は有意義な事だと思うけど、流石に保育園児には早すぎるような気もするしなァ)」
[146]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/10/05(木) 00:18:39 ID:??? 今日反町が呼ばれたイベントは、東邦学園の保育部の園児と、 世界各国から集まって来た同世代の園児たちとのサッカー交流会。 ただし、単なるお遊戯だけにとどまらず、ラストには通常のサッカーコートで、通常通り試合を行うという 3〜4歳児相手には若干無理があるようなイベントが組まれていた。 保母さん「はーい、じゃあ試合ですが……なんと! 今日はあの反町選手も、一緒に試合に出てくれまーす! 反町選手のプレーを見て、皆も上手いサッカー選手になろうね!!」 園児たち「「「「「はーーーい!」」」」」「そりまちよりもわたしのほうが、エースだからすごいのに……」 反町「ハハ。皆、今日はよろしくな!(園児たちは皆素直だな。言いたい事もハッキリ言えるし。 俺にも、こんな時代があったのかなぁ……?)」 くじを引いて分けられた、21人の日本、各国からの園児たちに反町も大人として混じる。 選手としてのお手本、という意味も勿論だが、試合中の子供たちを監督する役割も暗に求められているのだろう。 保母さんが名前を呼ぶのと同時に、周囲の親御さんやら先生たちが勢ぞろいで、子供たちをチーム分けしていく中、 反町はある面白い事実に気付く。 反町「(相手チームの子の名前……ザルバトゥーレ・ジェンティーレ、ベッツジンダー・ロブソン、 肖峻光、コンサラプート・ブンナーク、マイケル・オワイラン、次藤博史、中山正人、ディウセウ・ホンミョウダ、 アール・ドシ・ピエール、タニンノソラーニ・クスタ……なんか、俺の世代の有名DFと似てるな)」 それは全くの偶然だったが、全員の名前が黄金世代の列強DF陣と同姓だった。 後で保母から話を聞いたところでは、特に列強DF陣との血縁的つながりはないらしいが、 反町はこの奇妙な偶然を面白く思った。
[147]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/10/05(木) 00:20:44 ID:??? 反町「(で、11人目がサトリーヌ・コメージ。……この子だけはそっくりさんじゃなくて。しかも女の子なのかぁ……)」 サトリーヌ「…………」 その中では唯一同姓に有名選手を持たないのが、11人目の選手。サトリーヌ・コメージというフランス人の少女だった。 子ども達の中でも、とりわけ人形のように細い手足と白い肌が目立っていたが、 反町はむっつりとゴールへと向かった彼女を観察して思わず、「あっ」と声を上げてしまった。 反町「腕が、短い……」 メイド「ムッシュー・ソリマチ。あの子は……サトリーヌお嬢様は、生まれつき腕が短いのですよ」 燃えるような赤毛をお下げにし、深い緑色のドレスを着こんだ若い女性 ――サトリーヌのメイドが近くに居たため、反町にそう耳打ちしてくれる。 メイド「それだけじゃあない。お嬢様は病弱で結石持ちな上、精神にちょっとした疾患があって、 お館様からも忌み子として嫌われています。ですが、それでもお嬢様は意固地で諦めないのです。 今日の来日にしたって、『自分も皆と一緒に、普通にサッカーがしたいんだ』って。 そう言って、仲の良いメイドを二人――そのうち一人があたいです――をお連れして、ここまで来たのですよ」 反町「そうなんですか……」 月並みな対応しかできない自分をもどかしく思いながらも、 反町は無言でゴールマウスに立つ、年端も行かぬ少女に想いを馳せる。 反町「(まだ3歳か4歳くらいなのに。そんなにしっかりとした子も居るんだな……)」 意固地で諦めない保育園児が居る一方で、煮え切らずに諦め癖のついた大学生が居るんだな。 そう自嘲するのは内心だけに留めておくことにした。
[148]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/10/05(木) 00:22:02 ID:??? ――幼児同士の試合ながらも、世界からわざわざ集まって来ただけあって、 子ども達は全員、サッカーに対して強い情熱を持っていた。 園児R「はっはぁ! くらえ、りぐるきーっく!」 サトリーヌ「……とめます!」 バァァァッ、ドンッ! 園児R「うわぁぁぁああんっ、サトリーヌちゃん、押さないでよぉ!」 保母さん「うわ〜〜っ! サトリーヌちゃん、Rちゃんのジャンプキックに向かって、 オーバーラップしてペナルティエリアを飛び出した! 凄い気力だねー! んー、でも! これはサトリーヌちゃんの反則かな! ペナルティエリアの外だから、 反町お兄さんチームのフリーキックだね!」 園児R「うえぇええええんっ! これは、ほうめいのわざだよーーっ!」 サトリーヌ「ごめん、なさい……」 ……とはいえ、所詮は幼児同士のお遊戯だ。皆、サッカーに関する深い造形がある訳もない。 ペナルティエリアを飛び出してまで突進し、反則を取られたサトリーヌも子どもらしいが、 反町の味方側の園児Rも、危険なドロップキックをしようとしていたのだから、完全には庇えない。 保母さん「ほらほらRちゃん。直接フリーキックなんだから泣いちゃだめよ? それとさっきは、孔明の罠って言おうとしたのかな?」 園児R「うわぁぁぁん! これはエースにたいするぼうとくだよぉおおっ!」
[149]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/10/05(木) 00:23:24 ID:??? その上、反則を取った筈の園児は、ゴールを決められなかった悔しさや押された時の痛さで、 所かまわずわんわんと泣きだしてしまう。保母さんは必死にあやし付けるが、言う事を聞いてくれない。 保母さん「困ったわねぇ……。反町さん、次のフリーキック、貴方にお願いできるかしら? この子、いつも泣き出したら中々止まらないのよ」 反町「え、俺がですか!? 別にまあ、良いですけど……」 ――そこで、反町に白羽の矢が立ったのである。 形式的には試合に参加していた反町だったが、大分手を抜いていた上に、 怪我の恐れがあるシュートは封印して来たが故に、腰が引けてしまう。 保母さん「良かった。この子も他の皆も、日本代表のサッカー選手のシュートが見れたら、 きっと凄い凄いって喜んでくれると思うから。よろしくお願いしますね?」 反町「は、はぁ……(日本代表って……俺、ワールドユースにすら出れてないんだけど……)」 サッカーについてどこまで詳しく分かっているのかすら怪しい保母さんに従って、 反町はペナルティエリアの少し手前にボールを置き、フリーキックに備える。 ライバルの子ども達は11人全員で壁を作ろうとしているが、背の低い子どもが作る壁など、たかが知れている。 反町「(どうしよう。軽〜いループシュートを撃つにして、わざとポストか枠外にしといた方が良いのか……)」 保母さんはああ言ったものの、何かが起きた場合に責任を取るのは自分だし、 そもそも保育園児相手に全力になるのもばかげている。そう考えて緩く右脚を振り上げようとした反町だったが――。
[150]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/10/05(木) 00:25:57 ID:??? サトリーヌ「……………」 ギンッ! ゴールマウスでシュートに備えている小柄な幼女は、そんな反町の考えを見透かしたかのように、彼を強く睨んでいた。 反町「(……あの子。さっきメイドさんが言っていた子だったな……小さいのに、凄い眼力だ……)」 そう意識を向けると、サトリーヌは反町に対して幼い敵意をますます強く発信する。 私を侮らないで下さい。彼女は反町の心を読んだ上で、そう言っているように思えた。 ――お嬢様は意固地で諦めないのです。 彼女のメイドが、幼き主をそう評している理由が、今はよく理解できる。 そして同時に、かつて敵として対峙し、肩を並べ、今や遥か彼方の高みに居る男の名を、反町は思い出す。 反町「(……諦めない、か。まるで森崎みたいだな。あいつも保育園児だか幼稚園児の時から、そうだったのかな)」 そいつは、自分とまるで正反対だと思った。 サッカーの名門・東邦学園のホープとして温室育ちだった自分と、当時は無名の南葛SCから這いあがった森崎。 日向に対して屈服し、その舎弟と成り下がった自分と、その牙を力づくで引っこ抜き、自らの天下取りの礎とした森崎。 全日本のナンバーFWとして一定の位置に居た筈が凋落し、ワールドユースでは選抜すらされなかった自分と、 若島津・若林というライバルに蹴落とされる危機を乗り越え、不動の正GKとして輝き続けた森崎。 ――その大きな違いは何だったのか? 反町はこの違いが分からずにずっと苦しんで来たが、今、自分よりもずっと幼い少女の眼差しを見て、はっきりと分かった。 ……試合前にちくりと抱いたあの自嘲こそが、自分の停滞の正体だったのだ。
[151]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/10/05(木) 00:27:04 ID:??? 反町「(そう。俺はいつでも諦めていた。……自分ではクレバーな紳士を気取っていたが、 全日本や世界という戦場の中では、俺は単なる臆病なチキン野郎だった。 こんな小さな子すら出来る覚悟を、俺はずっとずっと、諦めて、保留して、後回しにし続けていたんだ……!)」 そして、自分は今も、世界の舞台で活躍する事を諦めて、JSLからのスカウトの声を保留し、 自分はどう在りたいか、という問いについて後回し続けている。 反町「(――三杉のような天才ですら、手術とリハビリに費やした3年の壁は分厚いと嘆いていた。 だとしたら、俺が諦め始めた、全国サッカー大会からの5年以上の壁はもっと分厚いだろうな。 ……だけど、だからと言って嘆いてちゃいられない、か)」 サトリーヌ「………………」 彼の逡巡を知ってか知らずか、ゴール前に立つサトリーヌは不敵な笑みすら漏らした。 反町もいつの間にか、笑っていた。他者に合わせる為の愛想笑いでは無い、こんな爽やかな笑い方をしたのは、 果たして何年ぶりだっただろうか。 ――彼は、自分の眼前に立つ小さくて大きく分厚い壁に、挑戦を始める事にした。 反町「……さあ、これからが本番だ!」 グワァァァァァァァァァァ……ッ! 彼は思いっきりその右脚を振り上げる。普段夢想しているような、魔王の如きキレは無い。 破壊的な威力も速度も技術も無い。しかしそれは、彼にとって乾坤一擲の一撃だった。 反町「(これは、恐怖の記憶(トラウマ)から目覚めて起き上がった俺の、初めてのシュート……!)」 反町が放とうとしていたシュートは、これまで公式試合でも一度も見せた事は無い。 自分では到底成功しないと思っていたし、無理に使わずとも大学サッカー程度では充分に活躍出来たからだ。 また、これは反町にとって、森崎と同じ位に畏敬の念を抱く選手の代名詞たる技だった故に、 自分如きが使いこなせる筈はない、という諦観が残り続けていたシュートでもあった。 ――しかし、今の自分ならば問題ない。むしろ、誰も注目されない中での新たな一歩を踏み出すに相応しい。
[152]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/10/05(木) 00:28:34 ID:??? 反町「――いくぞ。これが俺の……『ドライブシュート』だぁぁぁッ!」 バッ……ドゴオオオオオオオオオオオンッ! ――ギュウウウウウウウウウウウンッ……! サトリーヌ「…………!」 保母さん「えっ、ええっ……! まさかミスキック?! なんかすごーい高い場所にボールが飛んでるんだけど……!?」 ……反町が満を持して放ったシュートは、今の世界トップクラスのサッカーを知る者にとっては取るに足らない。 何のひねりもない、ただの『ドライブシュート』。 黄金世代の活躍はあっても、未だその中身への理解が乏しい今の日本では珍しがられるかもしれないが、それだけ。 世界では下位クラスのストライカーである新田よりも更に下位のキック力しか持たない反町が放ったところで、 脅威になるのは精々国内と、アジアでも下位クラスの一部チーム位だろう。しかし。 ギュウウウウウウウンッ、ゴオオオオオオオオオッ……! 園児たち「えー!? うそーっ!?」「ボールが急に落ちて来る!!」「とりさんみたい!」「まおうだ! これまおうだよ!」 「これしってる! りょうじょくせいさんきっていうんだよ! まえテレビでみすぎがいってた!」 ――生まれて初めてドライブシュートを間近で見る3、4歳児相手には、 これはまるで御伽噺の魔王が使った、魔法のシュートのように見えているようだった。 子ども達はまるでシュートをUFOか何かのようだと思って、ブロックしようとする発想すら浮かばない。 高空からドライブ回転と共に急降下するシュートは、11人もの壁を易々と飛び越えて。 サトリーヌ「……止めますっ!」 サトリーヌも短い腕を懸命に伸ばすが、当然の如くにシュートには届かない。 反町と近い年代の少女であったならばともかく、彼女はあまりにも幼過ぎた。 スカッ! ……バスッ。 ――ピピイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!
[153]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/10/05(木) 00:30:45 ID:??? 反町「……決まったか(蹴り損じだったけど、まあ保育園児が相手なら、俺でも決まるのも当然か……)」 前人未踏の11人抜きゴールを決めた反町は、苦笑いでホイッスルの音を聞く。 幾ら自分の実力が世界では取るに足らないものであっても、 幼児達の世界では、多少の蹴り損じをしても、確実にゴールを挙げられる。 そんなごく当たり前かつ滑稽な事実を前にして笑える程、反町は子供では無かった。 園児R「え、えぇ……そりまちがゴールをきめてる?」 とはいえ、当の子どもにはそうした反町の微妙な気持ちは理解できない。 11人を抜いた奇跡的なゴールを前に、始めは茫然としていた味方や敵、 そして観客だった子ども達は揃って湧き始める。 園児M「すっごーい! わたしワイルドなおとこのひとががタイプなの! そりまち、だいて!」 園児S「みのりこちゃんずるい! じょうしきてきにかんがえて、そりまちさんのかれしはわたしですっ! だいて!」 園児F「いやー、あついシュートだったねぇー! だいて!(←よくわかってない)」 園児R「ふ、ふんっ……! そりまちはエースのつぎにすごいね。 だいて!(←よくわかってない)」 園児?Y「生ぬるいわね。この試合50点差を目指しましょう。抱いて!(←園児サッカー界を凌辱したい)」 反町「は、ハハ……抱いて、って。今どきの子はマセてるんだな……」
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0ch BBS 2007-01-24