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【道は】鈴仙奮闘記41【違えど】
[755]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/03(水) 23:39:52 ID:??? 〜アルゼンチン・ディアスの私室〜 ディアス「『リオカップ注目のストライカー、鈴仙・優曇華院・イナバ、両目失明により選手引退へ』……だってさ、パスカル」 パスカル「信じてなるもんか。レイセンは両目を失った位でサッカーを止める程おしとやかな女の子じゃない。 あいつは、きっとまたサッカーをやる。そして、俺達アルゼンチンの最大の脅威となって立ちふさがる筈なんだ」 ディアス「ふー。やっぱ変わったよなぁ、パスカル。その……ゲンソーキョーとやらに行ってさ」 鈴仙を信じる者は他にも居た。パスカルは親友が呆れてもなお、繰り返して力説を続けていた。 新聞の報道は嘘だ、本当だとしても彼女は強いから大丈夫だ、彼女は俺達の最大のライバルだ、 ……そんな非論理的な説明が10回を超えた頃合いで、流石のディアスも口を出した。
[756]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/03(水) 23:43:05 ID:??? ディアス「昔からお前はおりこうさんで要領が良かったけれど、逆を言えば慎重派過ぎて、やる前から諦めるような事も多かったよな」 そのお蔭で助かった事もあるけどな、と笑いながら親友は続ける。 ディアス「だけど、今は違う。今のパスカルは……なんというか、その。熱くなったよな。どっちかというと、俺に近くなった。 プレースタイルだけ見れば、俺に合わせる事とか戦術とか、相変わらずなんだけどさ。 その、”相変わらず”の範囲内で、凄い攻めるようになった。非現実的な案でも、実際にやり遂げようとするようになった。 やっぱ女が出来ると違うのか〜? ん〜?」 パスカル「おい、何度も言っているだろう。レイセンとはそんなよこしまな関係じゃあないって。 純粋に、切磋琢磨し合い、悩みを共有できる親友だっただけさ」 ディアスははいはい、とまともに取り合わず、しかしパスカルへの信頼を隠さずにこう続けた。 ディアス「……ま。何にせよパスカルの読みは鋭いからな。俺も信じる事にするぜ。 メクラの少女が謎の超能力を駆使して、俺達ゴールデンコンビの前に立ちはだかるって未来をさ」 ただし。もっとも、とディアスは付け加えるので、パスカルもまた言葉を乗せて重ねて宣言する。 ディアス・パスカル「「……どんな状態であろうと、俺達に勝てる事は100%あり得ないけどな」」 彼らにとって、鈴仙との対決は、もはや祈るとか信じるとか以前の『規定事項』となっていた。
[757]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/03(水) 23:44:20 ID:??? *** ――鈴仙、這い上がりなさい。そして、月の狂気に取り付かれた八雲紫を倒しなさい。 さもなくば、『純狐』が目覚め、地上と月は破滅に導かれる。どうか……諦めないで。 鈴仙さん……まさか、そこで諦める気じゃあ、ないだろうな? 勿論、君は前に進み続ける筈だ。八方ふさがりの壁があっても、道を切り開くんだ。 レイセンは、きっとまたサッカーをやる。そして、俺達アルゼンチンの最大の脅威となって立ちふさがる筈なんだ。 闇の中から、そんな声が聞こえたような気がした。鈴仙の世界は生まれてくる前の赤子のように、暗く、しかし温かい。 天地がどちらにあるかも分からぬ、混然とした暗闇の中をどの位揺蕩っていただろうか。 ??「……い……せん。……れいせん」 鈴仙「…………」 これまでよりも一際、はっきりとした声が聞こえた。それに答えかけたくて、鈴仙の意識は覚醒を始める。 ??「れいせん……れいせん! ――鈴仙!」 鈴仙「…………。その、声は……」
[758]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/03(水) 23:48:34 ID:??? 少女の声が聞こえ、鈴仙は意識を取り戻す。暗闇のまま、鈴仙は声の主に対して呼びかけた。 ――彼女は……。 先着1名様で、 ★声の主→!card★ と書き込んでください。マークで分岐します。 JOKER・クラブA→ロベルト(少女声)「良かったぽよ〜(??>?<?)。??」鈴仙、ショックで心停止!(BADENDです) それ以外→星「良かった。もう二度と目を覚まさなかったらどうしようかと」メキシコに行っていた鈴仙の仲間・寅丸星だった!
[759]森崎名無しさん:2018/01/03(水) 23:49:20 ID:??? ★声の主→ スペードA ★
[760]森崎名無しさん:2018/01/03(水) 23:49:23 ID:??? ★声の主→ ダイヤA ★
[761]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/03(水) 23:49:57 ID:??? ……と、言ったところで短いですが今日はここまでです。 声の主は折角なので判定にしてみました(BADEND分岐だけですが)
[762]森崎名無しさん:2018/01/03(水) 23:52:57 ID:??? 盲目で足をメインに使うとなると南斗白鷺拳習得できそうっすね
[763]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/05(金) 00:01:04 ID:??? ★声の主→ スペードA ★ それ以外→星「良かった。もう二度と目を覚まさなかったらどうしようかと」メキシコに行っていた鈴仙の仲間・寅丸星だった! 星「……良かった。もう二度と目を覚まさなかったらどうしようかと、ずっと心配で眠れなかったんですからね」 鈴仙「……え?」 その温かさと慌ただしさが入り混じった声を聴いて、鈴仙はおもむろにベッドから身体を起こす。 同時に両目に固く巻かれていた包帯に気付いて、もどかしげに身をよじっていると、 その声は、「ああ、取っちゃダメですよ!?」と大袈裟に慌てふためいたので、一旦収める。 ふう、と言った溜息が聞こえた後に、彼女は続きを話し始めた。 星「……命蓮寺の寅丸です。鈴仙、私達もメキシコでの修行を終えて、つい数日前、ようやく貴女達と合流できたんですよ」 鈴仙「ああ。やっぱり星なのね!」 彼女の名前は寅丸星。妖怪寺の命蓮寺で住職兼本尊(代理)を務める寅の妖怪だ。 鈴仙はとある事件をきっかけに彼女との親交を深めており、『プロジェクト・カウンターハクレイ』が作る新チームにおいても、 星は鈴仙と同じFWとして名を連ねている。 諸般の都合上、リオカップには間に合わない事は聞いていたが、まさかこんな形で再開するとは――。 星の人懐っこい笑顔を見たいのに見れない鈴仙は、もどかしく思いながらも旧友との再会を喜んでいたが。 鈴仙「……って、アレ? さっき星、『つい数日前』……って、言った?」 星「ええ。ええ。そうですよ! 私達が無事ブラジルに降り立ったら、鈴仙が大けがをして病院に担ぎ込まれたと聞きまして。 他の皆さんもてんやわんやの大騒ぎ! 皆で持ち回りで看病すると決まったは良いものの、鈴仙はずうっと目を覚まさないし……。 ええっと……計算すると……一週間。そうです。鈴仙。貴女はここ一週間の間、ずっと眠り続けていたんですよ……!」 鈴仙「い、一週間も……!? ウソでしょ……!?」
[764]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/05(金) 00:02:45 ID:??? 鈴仙の脳裏にこれまでの記憶がよみがえる。リオカップ決勝。仲間の奮闘。恐るべきストラットと翼。覆せぬ劣勢。惨めな敗北。 久しぶりの妖夢との会話。銀色の銃弾。真っ赤に燃え上がり、やがて真っ黒に染まった視界。そして――薄れる意識。 つい数秒前のこととして認識できる一連の出来事から、もうそんなに時間が経ったのだと、鈴仙は俄かに信じられなかった。 鈴仙「み、皆は!? 妖夢は!?」 星「皆さんは今ごろ、バラバラです。早速サッカー修行に励む方、病院の待合室で、次の看病の番を待っている方、 孤独に物思いに耽っている方、図書館に籠って研究を進める方……。ただ、皆一緒なのは、鈴仙の事を心配しているって事ですね」 星は優しい笑みを浮かべてそう告げる。ただし、話題が妖夢に至ると顔を曇らせて、 星「……私は、妖夢さんの事は知りません。ただ、リオカップの場に同席していた皆さんによると、 『私は何をしていたんだ』『鈴仙にひどい事をしてしまった』……と、泣きながら、どこかへ去っていったらしいです。 佳歩さんとかは、『妖夢さん、私達と。鈴仙さまと一緒に戦いましょう!』と呼び止めたらしいのですが、 『自分には、鈴仙と共に戦う資格などない』――と頑なに断られたみたいで……」 ――と、詳細に当時の状況を(又聞きではあるが)話してくれた。 鈴仙「そう。……とにかく、妖夢は無事、なんだね……」 星「はい。鈴仙が庇ったお蔭で、凶弾から逃れられたそうです」 そう話す星は、「鈴仙。貴女も無茶はしないでください」と暗に語っているようにも思えた。 鈴仙は改めて、皆にも心配を掛けて済まないと言いかけたところで――。 ガチャリ……。 コーチ「……声が聞こえたから来てみたが。漸く、目を覚ましたようじゃな。鈴仙よ」
[765]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/05(金) 00:03:46 ID:??? 星「ああ、先生!」 鈴仙「(せ、先生?)……その声は、コーチですね」 ゆっくりとした足取りで、老コーチがドアを開けて入って来る。 永遠亭で嗅ぎ慣れた消毒薬の匂いがして、ドアの向こうからは忙しそうな看護師の足音が聞こえたので、 ここが病院であると、鈴仙は改めて認識する事が出来た。 鈴仙「あの、コーチ。私ってやっぱり本当に、ずっと眠っていたんですか……?」 鈴仙はおずおずと元医師の老人に問いかけると、彼は深く頷いた。 コーチ「……眼窩から脳髄に掛けて、深々と弾丸が刺さっておった。緊急手術をしたは良いが、 どうやら弾丸には特殊な神経毒が塗られていたようじゃ。強力な薬により、速やかに解毒は出来たが、 流石に、手術と服薬で体力の限界だったのだろう。……身体機能に問題は無くとも、休息が必要だったという事じゃ」 星「なんでも、数ある筋肉のうち、サッカー筋のみをピンポイントで死滅させる毒薬だったそうです。 もしも先生が手当をして下さらなかったら、今頃は起きてもサッカーができない身体になっていたと……」 鈴仙「そ、そうっすか……」 その答えに対し、鈴仙は現実味を感じられないでいた。 自分はこれまで、形はともあれサッカーをしていただけだ。命を狙われるような事をした覚えはない。 それなのに今の自分は確かに病院のベッドに横たわっており、おまけに周囲を見渡す事すらできない。 が、何かの悪夢ではないかと思って頬っぺたをつねってみても、当然の如く何も起こらない。
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0ch BBS 2007-01-24