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【道は】鈴仙奮闘記41【違えど】
[797]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/09(火) 00:17:39 ID:??? また、かつてないハンディキャップを抱きながらも、純粋な闘志を滾らせる鈴仙を前にして、 戦意を喪失しかけていた仲間達も、次なる戦いについて各々思いを馳せる程の余裕を取り戻していた。 コーチ「――さて。これで決まりじゃの」 ……紆余曲折がありながらも、再びチームとして魔界カップを戦い抜く事を決意した鈴仙達。 後ろで黙って話を聞いていた、コリンチャンスのコーチは軽く場を総括すると、 コーチ「……で。お主ら。これからどうするつもりじゃゾイ? 魔界カップ……とやらに出るのは良いとして。それまでの宿は? そもそも魔界ってどこにあるんじゃ? 勿論、ワシゃ知ーらんぞ」 鈴仙「……う」 ――これまで敢えて議題に挙げなかった、魔界カップまでの日々をどう過ごすか。 また、この世界とは別の異界である魔界への交通手段はどうするのか……という、 より現実的な課題を提示した。 てゐ「うーん。こういう時こそ、スキマ妖怪――八雲紫みたいな便利な能力持ちが居ればいいのになぁ」 穣子「だよねぇ〜。なんか私も、前々前世は紫さんが運転するバスで、 フランスやらブラジルやら旅行してた気がするよ」 反町「(どんな便利屋なんだ、八雲紫って言う妖怪は……?)」 幻想郷の管理者達や、それに対立する『プロジェクト・カウンターハクレイ』からも離れた今の鈴仙達は、 完全にアウトローな存在である。故に、自分達以外に資金面・管理面でチームをサポートしてくれる人物は居ない。 お燐「はぁ〜あ。さとり様、ここは地霊殿の主人らしく、ポンっとキャッシュで1億置いたりとかできないんですか?」 さとり「無理ね。地霊殿の管理は、旧都を取り仕切る星熊勇儀さん――本人は全幻想郷代表に選抜されて不在だから、 部下の鬼族達に委任してあるのだけれど、連絡を取る手段が無いもの」
[798]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/09(火) 00:18:50 ID:??? 鈴仙達の中で、幻想郷の有力者とも言えるのは、古明地さとり位しか居ないのだが、彼女も即座に現金を用意できる訳ではない。 また、仮に現金があったところで、彼女には境界を操り空間を繋ぐような、便利な能力は持ち合わせていない。 ――しかし、この金銭と交通面という切実な諸問題については、意外と簡単に解決しそうだった。 星「そこについては、私達――私と、ナズーリンと、にとりさんの、メキシコ派遣組に準備があります」 星が颯爽と自信に満ちた様子で、そう断言してくれたからだ。 鈴仙「……星。本当なの?」 ナズーリン「あまりにご都合主義で悪いけれど、ご主人の言っている事は本当だよ」 にとり「私の技術力も役に立ってるんだよ! いやぁ、やっぱり時代は文系よりも理系だよねぇ」 そして、星の自信を裏付けるかのように、彼女とメキシコでの修行を共にした二人が頷いている。 星「まず、当面の資産について。詳細はまた、今後語りたいと思いますが……。 私は、メキシコでちょっとした資産を築き上げました。 私達が数か月の間サッカーに打ち込んでいても、問題なく生活できる程度のものです」 ナズーリン「メキシコは貧富の差が激しい。その中でサッカーを続ける手段として……。 私達は、財宝を集めて発見する、自分達の能力を利用したという訳さ」 星もナズーリンも詳しくは語らない為、その資産を得る為にも後ろめたい事情があった事は、容易に想像できる。 しかし、彼女達の意思を汲んで、ここは追及するべきではないと鈴仙は思った。 星「次に、魔界へと至る為の交通手段ですが、……私は、これを持っています。 もっとも、長年使われていなかった為、暫くの間の修理やメンテナンスは必要となるでしょうが……」 にとり「そこについては、この私が責任をもって監修してるから大丈夫、ってなワケさ。 河童の発明王とも呼ばれる河城にとり様の監修だからね。期待してくれてて良いよ!」
[799]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/09(火) 00:25:07 ID:??? 逆ににとりの方は、何も考えずに胸を張り、皆に対して誇らしげに答える。 その表情を見るに、やはり彼女は技術者が向いているようだ。 鈴仙「財宝が集まるという天性の幸運と、それを見つける従者。 魔界への移動手段と、それを修理点検できる技術者。……確かに、駒は揃っていたのね」 説明を聞いていく中で、鈴仙も改めて納得した。 鈴仙達は奇跡的にも、諸問題を解決する為の大きなピースを、最初から持ち合わせていたという訳だ。 星「ああ……。ただ、修理やメンテナンスは、機械的な面だけではありません。 魔法的な術式が掛けられている部分もありますので……」 パチュリー「そこは私達が協力するわ。……良いわね、アリスさん」 アリスさん「……良いけれど。そこまで言うんだったら、教えて欲しいわね」 そんな折、補足的な協力を呼び掛ける傍らでアリスさんが当然の疑問を投げかけた。 アリスさん「幾ら財宝が集まるからと言って、貴女はただの寅の妖怪に過ぎない。 そんな貴女に所縁があって、かつ、異界である魔界にも移動できるような。 半ばオーパーツめいたマジックアイテムが、そう簡単にあるのかしら。 ……協力するよりも先に、教えてくれない? それが、どんな代物なのか」 その質問は完全に興味から発せられているものらしく、口調に棘は無い。 故に、星も勿体ぶる事も覆い隠す事もなく、正直かつ素直に教えてくれた。 星「そうですね……。皆さんには先に、私達のアテが何であるか、お教えしましょうか。それは……」 明日への希望を語るかのように、星は仲間達に向けて晴れやかな表情で言った。 星「――『聖輦船《せいれんせん》』。かつて私が、魔界へと聖を救いに行くために乗った、空飛ぶ船です。 私は、今一度この船を。……大空への翼を、復活させようと思っているのです」
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0ch BBS 2007-01-24