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【希望は】鈴仙奮闘記42【魔界より】
[143]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/16(火) 23:39:57 ID:??? パチュリー「まあ、選手一人一人の細かい特徴は備考欄を見て貰うとして、なんだけど……。 さっきも言った通り、DFは各選手の特性がハッキリと分かれているから分かりやすい。 そして何より、慧音という明確なディフェンスリーダーが存在する事が大きいわね。 彼女はCBしか出来ないしさせるべきで無いけれど。タックル、パスカット、ブロック、クリア。 DFとして必要な能力が全て高水準で纏まっているわ」 鈴仙「随分と推しますね……」 パチュリー「まあ、私もイタリアで彼女の成長は見届けているしね。身内びいきがあるのかもしれないけど。 ただ、ブロックに大技を持たないという点だけは気がかりね。 少し時間を取って練習すれば、問題なく解決するとは思うけれど……」 パチュリーは一拍置いて、他の選手の特長を雑駁に話し出す。 パチュリー「逆に、慧音以外の4人は小粒揃いになるかしら。 お燐はちょっと特別な選手ね。サイド限定では頼もしいけれど、中央では並の選手になってしまう。 彼女だけは唯一、DF以外にもSHやWGとしての起用が可能よ。 必殺シュートも持っているから、少し鍛えれば、コーナーキックの奇襲とかも出来るようになるかも」 鈴仙「(なんかリオカップだけ見てると、サイドよりも中央の方が頼れそうな気がしたんだけどなぁ……)」 パチュリー「穣子は、慧音を一回り小さくしたようなスイーパーね。ただ、ブロックは現状では慧音を上回って、 チームNo.2の実力者でもある。ボールキープの弱さで不安は残るけれど、 静葉や反町を近くに置けば、弱点をフォローしつつ、強力な連携技で守備力を更に高める事が出来る。 単独でも起用に足り得るけれど、やはり彼女の持ち味は、連携による爆発力でしょうね」 鈴仙「ナズーリンはどうでしょうか。話を聞くに、メキシコでドリブルとタックルを磨いたようですが……」 パチュリー「ナズーリンね。私もあんたが入院してる時、データ測定の為にも一緒に練習したけれど。 一芸特化という印象はあまり無かったわね。ドリブルとタックルは元々苦手だったんでしょう、 充分上手いし世界でも上位だとは思うけれど、それぞれ屈指レベルの選手には敵わないでしょうね。 でも、彼女は元々パスカットやブロックで多彩な技を持っているから、他の分野も広くこなせるわ」
[144]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/16(火) 23:41:14 ID:??? パチュリー「そんな彼女とは逆とも言えるのが、因幡つかさね。彼女の総合力はチームで最下位。 一応ボールキープやタックルも出来ない事は無いけれど、世界ではほぼ使い物にならない。 だけど……彼女はことブロックとスタミナにおいて、他の選手の追随を許さない。 現時点でも決して侮れない選手だし。もしも他の分野も鍛えれば、 慧音に次ぐ、第二のディフェンスリーダーともなり得るわね」 鈴仙「慧音さんが守備の中心になるとして。CBには連携の穣子と、ブロック特化のつかさ。 SBには変幻自在のお燐に、広く仕事をこなせるナズーリンが居るって事ですね」 パチュリー「そういう事。選手の格としては慧音が抜きん出ていて、穣子とお燐が続く。 そして、つかさとナズーリンはその後を追うって感じだけど。 格の低い選手にもそれぞれの強みがある。決して、足手纏いにはならない筈だわ。 さて、最後にGKの二人だけど……これも、中々悩ましい二人ね」 パチュリーは次のページを捲る。最後はGKの二人、さとりとにとりの二人の評価が載っていた。
[145]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/16(火) 23:43:18 ID:??? GK さとり セーブ力:B 一対一:S 飛び出し:S 備考:シューターがPA内に居る場合は、セーブ力を2ランク上として考える。 PA内では天下無敵のGKだが、ミドルシュートに滅法弱い。試合に応じて、にとりと使い分ける必要がある。 にとり セーブ力:A 一対一:A 飛び出し:B 備考:機械の力で高水準なセービングを繰り出せるし、一対一もさとり程ではないが上手い。 燃費の悪さが最大の弱点のため、前半に使うだけ使いきって、後半はさとりに交代させるという手もある。 パチュリー「PA内での安定感だけを言えば、古明地さとりを選ばない理由は無い。 PA内で彼女の守るゴールを破れるのは、それこそ、同じく世界屈指の選手しか居ないのだからね。 ……だからこそ。リオカップ決勝でチェザーレ・ストラットがPA内で彼女からゴールを奪ったのは心底驚いたわ」 鈴仙「(逆にパルメイラスのサトルステギ君あたりは、大分攻めあぐねいていたものねぇ……)」 パチュリー「ただし……。彼女にはミドルシュートに弱いという大きな欠点がある。PA内ギリギリの場所。 バイタルエリアで放たれたシュートに対しては、彼女の実力は一流半と言ったところ。 まあ、それでも並のGK以上に強いんだけど。ああ、それと……。不安定な想起技を除けば、燃費が良いのは長所ね」 鈴仙「で。さとりさんとは逆にミドルシュートに強いのが、にとりになるって事でしょうか」 パチュリー「その通り。彼女は古明地さとりに無い大きな武器――いつでも発動できる、爆発的なセービング技を持っている。 しかも、元々の素養があったからか、一対一もさとり程で無いにせよ優秀だし、飛び出しも出来る。 ――セービング、一対一、飛び出し。その全てが大技だから、すぐにガス欠になるという明確な欠点があるけれど」 鈴仙「さとりさんはPA内に強いしスタミナはあるけれど、PA外からのミドルシュートに弱い。 にとりはPA外からのミドルシュートには強いし、PA内も決して弱くは無いけれど、スタミナが無い。 ……それぞれの長所と短所が、見事に食い違ってますね」 パチュリー「……このチームに、絶対的な正GKは存在しない。この二人のどちらをどう使うかは、悩み所になり続けると思うわ」
[146]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/16(火) 23:44:33 ID:??? ――そうして鈴仙とパチュリーが、今後の戦略について議論に花を咲かせている内に……。 アリスさん「はぁ、はぁ……。疲れたわ……。でも、無事に……魔界に着いたわよ……!!」 パチュリーの分も魔法的な調整作業を担ってくれていたアリスさんが、肩で息をしながら部屋に入って来る。 紫の魔女は「ご苦労様」と無感情にかつての友人を労いつつ。 パチュリー「……私、魔界って行った事無いのよね。本で見ただけで」 そう言い残して、一人そそくさと甲板へと向かっていった。……ひょっとしたら、地味に楽しみだったのかもしれない。 アリスさん「鈴仙も行きましょうよ。魔界の空気はエーテルに満ちている。人間にとっては害をなす瘴気だけど。 私達のような人外の物にとっては、とっても有益な物質だもの。一緒にエーテルの風を浴びましょうよ!」 アリスさんは、残された鈴仙の手を引いて、甲板まで介助してくれる。 鈴仙はその気遣いに甘んじて、船の外。甲板に繋がるドアを開いて――。 ゴオオオオッ……! 鈴仙「――暖かい。でも、涼しい……!」 盲目による暗闇を蒼く照らすような、心地よい風を感じた。 〜魔界・法界上空〜 青い雲に赤い空。赤い海。……夕暮れ時の海の中に潜り込んだような絶景が、甲板の外一面に広がっていた。
[147]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/16(火) 23:46:01 ID:??? 佳歩「う、うわぁ……! サンパウロに居た時は、昼過ぎだったのに……!」 星「――魔界の空気は赤いんです。これは、空気の中に、酸素の他に魔力素が多く含まれているから……と聞きました。 だから、今はお昼時でも、空だけは夕方みたいに赤く見えます。……ただ、暗くはありませんよ。 昼でも青白く発光する植物が、エソテリアの近辺には沢山生えていますから」 ナズーリン「この辺りは……エソテリアから少し、法界よりに来てしまったみたいだね。 おーい、にとり! もう少し面舵を一杯にしてくれ。それと、高度をもう少し低く。着陸準備だ!」 にとり「アイアイサー!」 にとりが指示に応じると、聖輦船は大きく転回し、青色の雲を突っ切って、地上へと向かう。 ぽかぽかする感覚はあるけれど、肌はひんやりとして気持ち良い。 鈴仙は目が見えない代わりに、触覚で魔界の空気を味わっていた。 反町「(あ、あれ……全然苦しくないぞ。人間にとって、魔界の空気は瘴気って聞いていたのに。 ……俺、何時の間にか人間やめてたのか……? しかし、それにしても……凄く、綺麗だ)」 雲の下に降りて、地上が迫るにつれて、魔界の都市の一部が明らかになる。 近代的な無国籍なビルは無く、西洋風の洒落た意匠が施された白い住居が軒並び。 しかし、自然は豊かであるようで、星が言っていた、月のように光る草木が道路や住居間に生え並び。 サンパウロの中心街のような無骨さや慌ただしさでは無く、ゆったりとした時間が流れる印象を受けた。 てゐ「すっげ〜。あたしゃ1万年近く生きて来たけど、こんなファンタジーな街見るのは初めてだよ」 つかさ「あ! サッカーコートが見えました。魔界の地でも、サッカーはあるんですね……」 やがて一同を載せた船は、街から少し外れた平原――白く光る草や虹色の花が咲き、異界染みた美しさがあった――に降り立ち。 星「聖の住居は、エソテリアの郊外。ここから少し離れた場所にある……と、ナズーリンが言ってました。行きましょう」 ナズーリン「(まあ、ご主人が方向音痴な事位は想定の範囲内だよ……)」
[148]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/16(火) 23:51:16 ID:WmNUHaJg 鈴仙一行は、星(の前で目的地をダウジングマシンで探知するナズーリン)の案内を受けて、 平原から白亜の地方都市へと歩き始めた。そして――。 ナズーリン「……ようやく着いた。ここが、ご主人の言っていた場所だよ」 彼女達が辿り着いた、聖白蓮の隠れ屋敷の全貌は――。 先着1名様で、 ★第四章の拠点です→!card★ と書き込んでください。マークで分岐します。 JOKER→超ハイテク、サッカーコート3面完備、リゾート設備万全。最高の物件だ! ダイヤ・ハート→洋風な魔界にそぐわない、豪奢な和風建築だった。 スペード・クラブ→他の魔界の建築物同様、白い壁をした美しい屋敷だった。 クラブA→犬小屋同然のほったて小屋だった。鈴仙「コリンチャンスの時と同じ。いや、それ以下じゃないのよぉ……」
[149]森崎名無しさん:2018/01/16(火) 23:52:38 ID:??? ★第四章の拠点です→ ハートQ ★
[150]森崎名無しさん:2018/01/16(火) 23:59:04 ID:??? >一緒にエーテルの風を浴びましょうよ! あなたの目は増殖した。
[151]森崎名無しさん:2018/01/17(水) 00:39:07 ID:??? にとりが思ったより強そうだなぁ 過労死寸前まで扱き使ってから交代が良い気がした(酷い)
[152]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/17(水) 01:09:31 ID:UQyWWvY2 ★第四章の拠点です→ ハートQ ★ お燐「うわぁ……」 その建物を見たお燐は、思わず溜息を洩らした。 にとり「うっひゃー……。すっごいなー。……え。ここ。マジで私達の拠点になるの? 鬼とか天狗とかじゃなくて、河童風情がこんなところに住んで良いの??」 静葉「これは。……私達もいつかは崇められて、こんな社に住みたいわね、穣子……」 穣子「うんうん。晴れて秋パレスを創る事になった暁には、こんな家にしようねぇ……!!」 反町「(何故に八百万の神々なのにパレス……横文字なんだろう……)」 鈴仙「えっ? 何? どんな建物?」 眼帯で両目を隠す鈴仙には、即座に周囲の視覚情報は入って来ない。 だから仲間達の反応を聞きながら、妖力を手繰り寄せてその建物の全容を把握しようとすると。 鈴仙「こ、これは……。和風の、お屋敷……?」 つかさ「その通りです。鈴仙様。……魔界の建物は基本的に、西洋のお城みたいなのですが。 この家だけは違うんです。幻想郷の人里の、稗田の御屋敷。あんな風な、純和風の家なんです……!」 つかさの言葉を聞いて、鈴仙はいつかの薬売りで入った、稗田家――代々幻想郷の妖怪の脅威を 書物にしたためている、人里きっての良家だ――の景色を思い出す。 鈴仙「(永遠亭をもっと、生活感溢れるようにした感じの。平屋で、土間があって、座敷があって。 ひろーい縁側と、中庭と、襖で仕切られた沢山の私室があって……。あんな感じね……)」 鈴仙の想像は当たっていた。しかし違う点もあった。
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0ch BBS 2007-01-24