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【SSです】幻想でない軽業師
[245]森崎名無しさん:2018/02/15(木) 22:09:32 ID:??? 咲夜さんやらかし過ぎてついに左遷される 左遷…もとい留学先はどこなんだろう?ボランチ向きの留学先ってパッと思い浮かばない
[246]森崎名無しさん:2018/02/15(木) 22:38:28 ID:??? よっしゃDMFの留学先ならヤウンデかポルトや(サカつく脳) まあ真面目に考えたらイタリア辺りが良さそうではある
[247]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/15(木) 23:49:22 ID:??? >>245-246 留学先についてはまた後々判明させる事が出来ればなと思います。 あとあまり中の人はリアルサッカー事情詳しくないので、 なんつートコ送っとんねんというツッコミもあるかもしれませんがご容赦を。 本日は更新はお休みです。 明日には更新出来ると思います。それでは。
[248]森崎名無しさん:2018/02/15(木) 23:49:42 ID:??? 本編でボランチ強くて苦戦した国って無かった気がする 日本のボランチが一番強いかもしれない…日本留学してもなー イタリアかドイツで組織的な守備を学ぶとかかな
[249]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:18:31 ID:??? >>248 本編ですと、大体守備が強い選手はDFって感じだった気がしますね……。 WYでのドイツはカルツとシェスターをDMFに配置してましたが、この2人もDMFってイメージはあまり強くないですね。 短いですが投下します。
[250]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:19:59 ID:??? 命蓮寺や紅魔館とは逆に、所属をする選手が少ないという勢力もある。 妖夢「(…………どうしましょうか)」 魂魄妖夢――今は他チームに在籍をしているが、彼女の大本の所属である白玉楼もまた、 その所属選手が数少ない勢力の1つであった。 彼女はつい先日、主人である幽々子に留学の件について言い渡されていた。 白玉楼に所属をする選手といえば、今は幽々子ただ一人。 しかしながら当然、Jrユース大会の時のような短期間ならまだしも、 亡霊であり冥界の管理者である幽々子が外界に3年間も留学をするという事が出来る筈もなく、 白羽の矢が立てられたのは白玉楼を離脱した筈の妖夢であった。 幽々子から通達をされてから数日。妖夢は考えに考えていた。 留学をする――即ち、己を鍛え直す環境に身を置けるというのは、彼女にとって大きなメリットである。 元々、彼女はよく比較をされる人間組――霊夢や魔理沙といったグループと一括りにされながらも、 実力においては一枚も二枚も下回る。 才能はあるが半人前、才能はあるが運が無い、才能はあるがまるで芽が出る様子も無い。 そういった声が幻想郷サッカーファンから上がる事も多々ある。 妖夢「(厳しい環境に身を置けば……みんなとの実力差も縮まる。 ……流石に、リグルよりも下なんて地位に甘んじる事は無くなる筈)」 ナチュラルに自分には才能がある筈なのだから、と考えるあたりが非常に甘い。 終ぞ幻想郷Jrユースでは出番が来なかった身という、崖っぷちの状況にありながらも、 己は強いと無自覚に思える――中途半端な実力を身に着けていたのが彼女の悲劇である。 ただ、彼女が己の評価をどうするかはともかく――留学によって力をつける事が可能だろうというのは事実である為、 それは一旦置いておこう。
[251]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:21:16 ID:??? 妖夢「(ただ……留学をするとなれば、当然幽々子様の元から離れる事になる……それに……パルスィたちとも)」 白玉楼を離れ、妖夢が選んだ――というよりは半ば無理やり引き入れられた新天地、ネオ妬ましパルパルズ。 キャプテンである橋姫、水橋パルスィの強引過ぎる勧誘により、 妖夢だけならず幻想郷では名だたる選手として知られる八雲藍、アリス=マーガトロイドまでもが加入。 ついには強豪とも呼ばれるまでのチームへと成長へと遂げた。 そんなパルパルズに対して、妖夢は愛着を持っている。 当初は強引に引き込まれた事に対して乗り気ではなかったものの、 白玉楼を離れ――幽々子の従者としてではなく、1人の魂魄妖夢としてサッカーをする事が出来たのは楽しい経験だった。 交流の深かった藍や、人当たりのいいアリス。気さくで面倒見のいいヤマメや無口だが仲間思いなキスメ。 サッカーを通じて彼女たちと仲を深めるのも、今までにない事だった。 ……一部、あまり仲を深めたくは無い者もいたが。 なんにせよ、パルパルズから離れがたい――妖夢にはそういった感情もある。 妖夢「(パルスィたちに話した時は、みんな私の好きにすればいいと言ってくれたけど……)」 この悩みを、妖夢は既にパルスィたちへと相談していた。 元々義理堅く、隠し事などが苦手な妖夢。 おまけに藍はこの留学計画を提案した紫の式――妖夢にその話が渡っている事もわかっていただろう。 留学をして今よりも強くなりたい……しかし、チームから離れる事も嫌だ。 なんとも我儘な本心を彼女はぶちまけたが、それに対して明確な答えが返ってくる事はなかった。 行くも行かぬも、結局は妖夢本人。妖夢自身が決めるしかない事なのだから、当然と言えば当然であったが。 妖夢「(…………まぁ、当のパルスィ本人はまともに返事をしてくれもしませんでしたけどね)」 パルスィ『妬ましい……! あっさりと強くなる機会を貰えたあなたが妬ましい……!!』 脳裏に相談をした時のパルスィの言葉がよぎり、思わずため息を吐く妖夢。 藍やヤマメといった者たちは真摯に答えてくれただけに、なんとも言えない気持ちである。
[252]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:23:18 ID:??? シェスター「サムラーイ! どうしたんだい、ボーッとして」 妖夢「あ、シェスター。 ……練習はもういいの?」 シェスター「うん、ちょっと休憩だよ。 ヨームはしなくていいのか?」 妖夢「うん……まぁ、色々集中できなくて」 こうして妖夢が悶々と1人悩んでいた所、声をかけてきたのはフランツ=シェスター。 かつてアリスが呼び出した、外界からの助っ人選手であった。 ニンジャフリークが高じて日本の文化(多分に間違った知識もある)を好む彼は、 先日のJrユース大会後、戻っていた西ドイツを離れ再び幻想郷のネオ妬ましパルパルズへと復帰をしていた。 西ドイツの元いた所属チーム――ブレーメンへとそのまま戻る選択肢もあったが、 彼の燃えに燃える日本愛が優ったという事だろう。 或いはカルツ……もとい、西尾?や反町も残るのならば、と気持ちの上で楽になった面もあるだろう。 無論、ネオ妬ましパルパルズへの愛着もまたあったのは言うまでも無い。 そんなシェスターは、幻想郷へと戻ってきて――しかし、観光に勤しむ訳でもなく、 パルスィ達と共に練習に明け暮れていた。 普段から彼が練習をしないという訳ではないが、その熱心さは以前にも増しているように妖夢には見えた。 あまりの練習に対する熱意に、松岡監督からも太鼓判を押される程である。 今もまた、朝早くからネオ妬ましパルパルズが本拠としている練習グラウンドで、 松岡監督に付き合ってもらいながら汗を流していたシェスター。 今日の練習は昼からの予定であるにも関わらず、だ。 妖夢「本当にここの所熱心ね。 帰ってきてから……ほぼ毎日じゃない?」 シェスター「そうかな? ……うん、そうかもしれない」 タオルで汗を拭いながら、シェスターは肩を竦める。 でも、まだまだ満足はしていないとばかりに。
[253]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:25:30 ID:??? シェスター「Jrユース大会じゃ悔しい思いしたもんね。 俺もカルツも、それにヨームのオヤカタサマであるユユコさんも……。 幻想郷でつけた力を見せつけられず、ギャフンと言わされちゃったからね」 そう、先のJrユース大会――シェスターが参加をした西ドイツJrユースは幻想郷Jrユースにやはり完敗をした。 西ドイツの皇帝カール=ハインツ=シュナイダーをキャプテンとし、 幻のゴールキーパーと呼ばれたデューダー=ミューラーを招集。 ここに幻想郷へと召喚をされて大きく力をつけたカルツ、シェスター。 更にはレミリア、幽々子、神奈子といった派遣選手を取り入れ、正に万全とも言うべき体勢を取りながら……。 しかし、割とあっさりと敗れてしまったのである。 その敗北の原因を、シェスターは自分が不甲斐なかったせいであると認識していた。 シェスター「シュナイダーもレミリアさんも、反町や魔理沙さん達には負けてなかった。 ミューラーだって相当なキーパーだよ。 西ドイツが負けたのは、やっぱり中盤が支配できなかったからだ」 カルツ、シェスター、共に力をつけたとはいえ――しかし、幻想郷の中盤は圧倒的だった。 霊夢、咲夜、ヒューイ。攻撃においてオールマイティな性能を持つOMFと、ボール狩りにとにかく長けたDMF。 これに前後半どちらかしか出場出来ないとはいえ実力は抜きんでているパチュリーや、 シェスターらの誇るキャプテンであり極限までドリブルを磨き上げたボールキープの鬼パルスィまでいる。 彼女たちを前に、シェスターたちは為すすべなくやられたのである。 妖夢「…………」 シェスター「俺達がもっと上手くやれてれば、 シュナイダー達にボールを供給する事が出来たし反町達に打たせる回数も減らせたんだ。 まぁ、今更言い返してもたらればでしかないけど……次の戦いを見据えて、今からもっと練習しておかないとね」 妖夢「次……」 シェスター「そうさ! 幻想郷にいれば、みんなに対してリベンジが出来る機会があるだろ?」
[254]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:26:48 ID:??? この時、思わず妖夢は感心をした。 元々呑気なように見え、実際妖夢や藍を見かけてはサムライだのキュービだのと声を大にして叫ぶシェスター。 どこかおちゃらけているように見えて、その実かなり熱いハートの持ち主だという事に。 いや、思い返してみれば――パルスィの異常なまでの嫉妬心に感応しチームの為にとパルパルズに貢献してきた男である。 普段が普段でも、根っこの部分を見ればサッカーに対する情熱はかなりのものなのだろう。 妖夢「(単純にこの幻想郷が日本の原風景を残しているからという理由で残った訳じゃなかったんだ……)」 それも理由ではあったのだろうが、幻想郷の選手たちにリベンジをしたいという気持ちも嘘ではないのだろう。 シェスターに対して内心謝罪しながら、妖夢はそして、1つ溜息を吐く。 妖夢「(次って言われて気づいたけど……そうか、また皆と戦うんだ)」 幽々子からの留学の件が頭にあった為に忘れていたが、時が来ればまた幻想郷サッカー界も動き出す。 しばらくすればどこかの勢力からまた、大会の知らせが入るだろう。 再び全幻想郷Jrユースとして戦うのではなく、各々のチームに戻っての戦い。 今この時、練習をしているのも――その戦いで勝利を収める為なのだ。 しかし、である。 妖夢「(今の私で……他のチームのGKから点を奪えるだろうか)」
[255]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:28:30 ID:??? 妖夢は自分の実力には自信を持っていた。 先にも言った通り、ナチュラルに己を強者であると認識をしていた。 実際に彼女は相応の実力者ではあるのだが――あくまでも、それなりのである。 例えばそれが紅魔スカーレットムーンズのように、キーパーが名無しならば妖夢でも点が取れる。 或いはそれが永遠亭ルナティックスのように、ザルキーパーの代名詞が守るゴールからなら――多分妖夢でも点が取れる。 ならばこれが守矢フルーツズの早苗が相手ならば? 早苗でなくてもいい、その守矢に移籍をした大妖精が相手ならば? どこのチームに所属して参加をするかわからないが、伊吹萃香が相手ならば? 否、それどころか――このネオ妬ましパルパルズのゴールキーパー、黒谷ヤマメからもゴールを奪えるだろうか? 妖夢「………………」 自分を強者であるとは思いながらも、それでも彼我の実力差を図れない訳でも妖夢は無かった。 故に、自問自答をして――その確率が低いという事もわかっていた。 妖夢「(勿論私も練習をする、して、でも……それと同じだけ、周りも練習をするだろう。 差は縮まるのだろうか。 次の時までに)」 その確率もまた、恐らくは低いのだろう。 このまま幻想郷に残る――それでは結局、このまま幻想郷サッカーの歴史の中で、 自身の名は反町や魔理沙らといった者たちに埋もれてしまうのではないかと考えてしまう。 それならば、やはり――環境を変えてみるのもいいのでは、それもまた魅力的に感じてしまうのだ。
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0ch BBS 2007-01-24