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【花の都の】キャプテン岬2【色物達】
[363]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/12(土) 16:38:10 ID:1wYTmN2E 祓詞が終わり僕は身をかがめ、大麻を沙織さんへ捧げる形をとる。 沙織さんはまず大麻を右手に収めて念じるように目をつむった後、右へ左へと腕であおぐ。 穢れを祓う神風を乞うた後は大麻を祭壇へ置き、代わりに桐の箱から榊の枝を取り出して 僕と入れ替わりに差し出された塩湯へ榊を漬ける。左、右、左と榊を振って塩湯を境内へ播き、禊ぎ祓いを行った。 このようにして禊祓、玉串拝礼、直会(なおらえ)へと進んでいき、滞りなく新室祭を終わらせる事ができた。 こうした姿を見るたびに、無茶はするが仕事はきちんとする人だ。この親族の女性を見ながらそう思うばかりだ。 しかし全ての神事が終わってからそんな呑気な事はいっていられなくなる、運命としか言いようのないものを、 受け入れざるを得なくなるとは、この時の僕には思いもするはずが無かったのです。 ……というところで、今日はこれまでにいたします。 選択肢が出せるようなところになるまではしばらくお待ちください。 何週間も頑張りましたが、結局書き割り以下の描写しかできませんでした。 やはり得意分野以外の所はそう手は出してはいけないという事でしょうか。 なにとぞお許しを願うばかりです。
[364]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/14(月) 21:27:51 ID:??? 私事ではありますが、先月ようやくTwitterをはじめまして思う事があればをこれからつぶやこうと思っています。 もしお時間がある方がいましたら、どうか一言物語の感想など、好きな事をつぶやきに来てください。
[365]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/20(日) 17:53:15 ID:yKt/9G66 第21話『神おろし、そして宣告』 夜になり、空もようやく暗くなりはじめ、参拝客は皆帰った。ようやく巫女服を脱ぎ普段の服装に戻れたが、 休む間もなく沙織さんの指示により神社に接した鎮守の森まで行かされ水垢離をさせられた。 そうやって体を清めた後は母屋へと連れていかれ、潔斎の場と呼ばれる大部屋で 沙織さんが神おろしを行う準備が整うまで、正座で待機する事となった。 コトコトと時おりかすかに障子が揺れる他は、物音一つしない。 無用なざわめきが場を穢すのを恐れているのか、父さんも神妙な顔つきで目をつむったまま、顔をわずかに傾け口を閉ざしている。 普段とは明らかに異なる父さんの様子を見るたびに、これから本当に神のお告げが下るのだ。神は信じていないはずだったが、 待つごとに未知の出来事への不安や好奇心といった正負ないまぜの感情がつのりだらけた気持ちで迎えようとする気が失せていく。 そんな事を思いながらじっと待つ。遠くに風の音が聞こえるばかりで何の気配もしない。 そよぐ風を体にそそいで祓い清める姿を想像していると、ハッとして風がかき消え氷で研ぎ澄ませたような冷気がピシリと首筋を叩く。 慌てて見開かぬようフっと息をそっとついてから前を見ると、いつの間にか音もたてずに沙織さんが目の前に鎮座していた。 面として向かい合うと、今度は空間を炎であぶったような、空気がチリチリとした具合になる。 目の前の神職は目と口を閉ざし、組み合わせた指を堅く締めたままだ。 沙織「ヒト、フタ、ミ、ヨ、イツ、ムユ、ナナ、ヤ、ココノ、タリ、モモ、チ、ヨロツ、 ヒト、フタ、ミ、ヨ、イツ、ムユ、ナナ、ヤ、ココノ、タリ、モモ、チ、ヨロツ、 ヒト、フタ、ミ、ヨ、イツ、ムユ、ナナ、ヤ、ココノ、タリ、モモ、チ、ヨロツ、 ヒト、フタ、ミ、ヨ、イツ、ムユ、ナナ、ヤ、ココノ、タリ、モモ、チ、ヨロツ、 ヒト、フタ、ミ、ヨ、イツ、ムユ、ナナ、ヤ、ココノ、タリ、モモ、チ、ヨロツ……」
[366]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/20(日) 17:56:05 ID:yKt/9G66 精神集中のためであろう、かすかに数を詠みあげる声が聞こえる。 何十度もそうして詠みあげている姿が、突如吊るした糸が切れた人形のように、ドウと床に倒れた。 体が震えているが、何が起きたかと思っている間に すぐに止み、何事もなかったかのようにすっくと立ちあがり、僕達に向けて語りかけた。 祖霊「我が苗裔(びょうえい)よ、畏みて我らが言を授かるがよい、 我は女にあらず、ただ一人(いちにん)にもあらず、我らは汝ら岬家の祖先の霊が 諸々に集まりて魂魄を成していると思えばよい。さて、我らをこうして呼び出したは 汝らの定命(じょうめい)を知りたいがためであろう、謹んで心中に留め、ゆめゆめ疑うなかれ」 沙織さんの声とはとても思えない野太く雄々しい音吐が下される。 歳月を経て神となった先祖の霊達が降臨したのだ。僕と父さんは平伏し、先祖に深い敬意を示す。 僕達の応対を良しとしたのか、霊魂はそれほど間を置かずにお告げを下した。 祖霊「まずは家長の一郎、そなたに対しては心配はいらぬ。これより先は大病も進退窮まる事もなく、 順調に事を進められるであろう。されどそれは日々の精進あっての事。 常日頃から刻苦勉励し、己を磨き続ける事を心掛けよ。それよりも」 そこまで語った後で先祖の霊は僕の方を向く。どのような言葉を授かるか、ひざまずきながらもゆっくりと顔を上げようとしたが、 祖霊「太郎よ!」 雷鳴のようにとどろく声が僕を叩きつけた。 祖霊「心せよ、我らが末裔よ!汝の身に危難が迫っておる」 岬「危難?」 祖霊「左様、天命を受けるが為に訪れるもの、うかとすれば命をも落としかねまい」
[367]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/20(日) 17:57:46 ID:yKt/9G66 ドキリとして巫女の肉体をまとった先祖へと顔を向ける。命を落とすと言われて心穏やかでいられるものか。 岬「命の危機にあう程の危難と天命とは?」 祖霊「これから一歳(ひととせ)もせぬ間に、汝の親しき者が凶賊に襲われる。 汝はかの者を助けねばならず、それが為に自らも危地に赴かねばならなくなる」 岬「僕の、親しき者といいますと」 祖霊「友が宝を守るため、逡巡せずに自らの命を路傍に投じようとした幼子だ」 岬「っ!」 ギクリとして息をのむ。命を路傍に投じようとした子というのは、如月家の男の子如月優ではなかったか。 そして優に降りかかろうとする襲撃者から守るために、僕まで危機に合わなければならないという…… 祖霊「心してかからねば命は落ち、落命せずとも命運は尽きる。 だがそれを踏み越え、鬼気を祓えば幼子も汝も定命を背負う事ができよう。 さすればこの先いかなる艱難辛苦が来ようとも、乗り越える事ができるであろう」 岬「お待ちください。私は叔母とは異なり、隔絶した異能は持ち合わせていない、普通の子供に過ぎません。 ただ1人でこのような命運に対抗できるとは」 祖霊「案ずるな。一人ばかりでない。汝のすぐ近くの者、世が世なら 股肱(ここう)の臣ともなりえる親しき者三名と依代たるこの岬沙織、 かの者らの助力により、凶賊より身を護る事ができる。この女はともかく、 その者達をいかにして判別するかは、不安に思っているであろう、しばし待て」
[368]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/20(日) 17:59:25 ID:yKt/9G66 そう告げるなり先祖の霊は、沙織さんの体に降りたまま潔斎の場から立ち去ってしまった。 それから5分か10分は経っただろうか。 ガタリと襖が開いて現れ、手の甲を下に向けた握りこぶしを目の前に伸ばし手を開く。中には3つの勾玉がほのかに青く光っている。 祖霊「この玉を持っているがいい。定命を共にするものあれば、忽ち輝きて天命を明らかとさせるであろう。 汝とは縁が深いゆえ、断る事はない。安心して、命に向かうがよい。拒んではならぬ。 安逸に逃げては命あれども、どれほど才覚や財物に恵まれようと、ただ日陰の者となるばかりとなり、 決して万人の長になる事は出来ぬであろう。 それが定命を疎かにした者の報いとなる」 内心思っていた不満をも封じられる形で話が進み、僕の件については決着済という流れで終わってしまった。 今だからこうしてあれこれ思う事も出来るが、その時の僕は超常現象と言っても過言ではないこの状況と 思いもよらぬ過酷な運命の宣告に呆然としていて、普段の10分の1も頭が働いてなかったように思える。 いや、そんな事よりも次のお告げの方が問題だったんだ。 あのお告げを聴いた時に感じた、体全体がムカムカして吐き気がこみあげてくるような、 見当のつかない不快感と泥のような鈍くて先の見えない恐怖。 祖霊「残るはこの女の身、岬沙織についてであるな。この者については……」 岬「えっ……」 岬父「なんという、ことだ……」
[369]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/20(日) 18:01:03 ID:yKt/9G66 沙織「いやー、新室祭は大入り満員で無事終わったし、肩の荷がおりたわ。ささ、私の奢りだから遠慮せずに食べちゃって!」 深夜のパリ。とある高級レストランにて祭の成功を祝っての祝宴が僕と父さんとの3人で催されている。 穢れを厳しく禁じているはずの無間神社神主がステーキを軽やかに切り分け口の中に放り込む様を見ても、 何の気も起きず何を言う気にもなれなかった。 父さんも針のむしろに座っているかのような居たたまれない顔になっている。 気まずく顔をそらし時折顔を沙織さんに向けたかとすぐにそらすの繰り返しだ。 沙織「どうしちゃったの?別に奪い取ったりしないから気にせずどんどん」 岬父「沙織」 とうとうたまりかねたのだろう、沙織さんの言葉を遮り父さんが話す。 岬父「おちゃらけてる場合じゃないだろう。これからどうするか、お前の事なんだぞ」 沙織「何よそんなに深刻な顔して。力んでもどうにかなる訳無いって、兄さんも分かるでしょ」 岬父「それはそうだが。あまりにも重大な事だぞ。ご先祖様が何と言っていたか」 人生で初めて、僕は父さんの切迫した表情を見た。そしてこんな運命を迎える人の表情を見るのも、初めてだった。 今日の事をよく覚えておこう。そう思って、父さんの語る言葉を胸に刻み取る。 祖霊「残りの齢は一歳もあらじ、最期の時に向け心して備えよ」
[370]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/20(日) 18:02:43 ID:yKt/9G66 岬父「死ぬって言われたんだぞ。お前の神おろしでのお告げは外れた事が無い、なのにどうして」 沙織「決まっているからよ」 父さんの狼狽に対し水面のような穏やかさで応じている。 カチャリと手に持っていたナイフとフォークを皿に揃え口元をハンカチで拭った後、 僕達に向けて遺言ともなるであろう言葉を語りはじめた。 沙織「どんな内容でもお告げはお告げ。バタバタと見苦しくしてたら それこそご先祖様から『何だ沙織、好き勝手生きた末路がそれか』ってお叱りを受けちゃうわ。 それに今まで三十余年、思うままやりたいように生きてきたんだから、後悔とかそんなのもない。 心配する事じゃないのよ。私の事は。心配しなきゃいけないのは太郎くんの方ね。 いやはや、大変な役目を背負わされちゃったわね」 まるで他人事のように語る相手の気安さに感化されたか、少し緊張が解けたのかもしれない。 僕はこれからのするべき事を、沙織さんに尋ねてみた。 岬「3人仲間集めて敵にあたれ、というお告げみたいなのですが、集まった後どうすればいいのか。 いくら何でも、素手で得体のしれない相手に立ち向かうなんて……」 沙織「その事だけど太郎くん。3人の仲間を見つけたらなるべく早く私の所に連れてきなさい。その人達と太郎くんに 特訓をつけてあげるわ。そうすれば私程とまではいかなくても、 最低限自分の身を守る術は身につくはず。何としても呼んできなさいね」 はいと返事をすると、心底安心したといった笑顔で良かったと言葉を返し、身を乗り上げて僕の頭を撫でてくれた。 どういう心情で頭を撫でてくれたのか、僕にはついに分からなかった。
[371]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/20(日) 18:09:09 ID:yKt/9G66 優君を助けるために岬君は仲間3人を集める事となった、というところで 第21話は終わりといたします。この仲間集めですが、イベントという事もあり自動的に 判明いたしますので、心配なさらないでください。 この後、聖薇との第3回勉強会についての判定を行って終わりといたします。100点満点となっておりますので、 100点を超えた後はそれ以上の成績アップはありません。 なお、先日の告知で忘れておりましたが、私のTwitterのURLはこちらになります。 https://twitter.com/sc3loyupbCmTqIC お暇でしたらぜひお越しください。
[372]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/20(日) 18:12:55 ID:yKt/9G66 A 国語 B 算数 C 理科 D 社会 E フランス語 先に1票入った選択肢で優先的に学習する強化を選択します。 メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。 優先学習教科が決定する前の、下の学習判定への投稿は無効になります。 先着1名様で以下のように書き込んでください。!とnumの間の空白は埋めて投稿してください。 ★国語 !num 現在79点 算数 !num点 現在84点 理科 !num点 現在79点 社会 !num点 現在77点 フランス語 ! num点 現在95点★
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