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【花の都の】キャプテン岬2【色物達】
[390]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:24:45 ID:m0OntpQw 横から聖薇が口を挟んでくる。異議を差し込まれる前に機先を制する形で、彼女に話しかける。 岬「早乙女さん、早川さんとは何回か色んな場所で交流の場を持った事があったけど、元気で真面目で裏表のない、良い子だと思う。 一度親しくつきあう場を作って話し合えばきっと理解しあえると思う。どうかお願いします」 聖薇「え、いや、そんな」 聖薇に向けて頭を下げる。恭しく懇願する姿を見てうろたえ気味に相手は僕の言葉を受け止め、観念して提案を了承した。 聖薇「分かりました。母に頼んで早川さんも受け入れてもらえるようにします。ただし食事が始まるまでの間 マロニエの調理の手伝いをしてもらうのが条件です。手伝うといってもそれほど多くはありませんから、 見物をしたり話をする時間は十分にあります。それでいいですね」 あずみ「そうね。そういえばコイツの家に来るのも初めてだし、マロニエ料理を作るのも初めてだから、 いい暇つぶしになりそう。うん、行くわ」 岬「うん、決まり。それじゃあ時間も遅くなったし、残りは歩きながら話そう」 こうして半ば強引に仲直りの場を持たせた後、疑問を持たせぬうちに席を立たせ帰路につかせた。 これまでの様子からしてテスト時間中の聖薇は僕に付きっきりでもう1人は千早を加えて調理に勤しむだろうし、 食事中は僕が仲裁に加われるからどうにかなるだろう。こうして、 どうにか事が大きくならないうちに、家路につく事ができたのであった。 *早乙女家の食事会にあずみも加わる事になりました! 登場人物間の感情が明らかになりました! あずみ→(うるさい)→聖薇 聖薇→(だらしない)→あずみ
[391]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:26:19 ID:m0OntpQw 第22−23話間幕間 『知らせ』 早乙女「マロニエよし、もち米よし、蒸籠に破れはなし、砂ふるいに穴は開いていないっと」 今日は娘が初めて学校の友達を呼んで家にやってくる。そのうちの1人はあの日に訪れた男の子、 彼の勉強成果を確認するテストを家で行い、ついでに食事会を行うという事だが、 せっかく人足となる子が来てもらったのだ。その子にも力仕事で調理を手伝ってもらおう。 早乙女「(それにしてもあの子が男の子をねえ。ようやく立ち直って来たかしら)」 娘の回復にホッとしながら料理の準備を始めてようとすると、チリリリリと電話の鳴る音がする。 掴みかけた布巾を置き、受話器を取り上げると、懐かしい声が聞こえてきた。 早乙女「もしもし、あら、石清水社長さんじゃない」 石清水「ははは、随分なあいさつだなあ愛、だいぶ前に婿入りしていたはずじゃないか」 早乙女「ふふふ、ごめんなさいねあなた、ちょっとふざけてみたくなりました」 電話から聞こえてきたのは大切な人からの声でした。久しぶりに声が聞けて顔がほころんでしまいます。 早乙女「樹里亜は元気かしら?」 石清水「元気だよ、日に日にやんちゃになってきて相手になるのは格闘みたいなものだよ、すっかり元気になった」 早乙女「良かった。聖薇の方も人を恐れなくなったみたいで、今日はお友達を家に連れてくるのよ」 石清水「そうか、それは良かった……と言いたいところだが、実はそうも言っていられなくなった」 早乙女「言っていられないって、何かありましたの?」 石清水「ああ、聖薇を襲った犯人の事だ」
[392]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:28:09 ID:m0OntpQw 早乙女「えっ!?」 思わず大声を出した後、ハッとなってキッチンのドアを開けて周囲を見回しました。 幸い、私の他には誰もいません。すぐに戻って犯人の詳細を尋ねます。 早乙女「本当!?」 石清水「ああ、本当だ。3年前にガードマン3人を膾のように切り刻み、聖薇を恐怖のどん底に陥れた憎むべき男、 正体もろくに分からず、かき消すように姿を消していた奴が、どうも愛と聖薇のいるパリに来ているらしい」 早乙女「それは確かな事?警察ですらろくな手掛かりを掴んでいないというのに」 石清水「残念だが、確かなようだ。うちの会社のパリ支社から、犯人の人相に似た人物が入ったとの連絡があった。 それを確認すべく調査部の専門の人員にその人物を追跡させたが…… 2日後、路地裏で全員遺体で発見された。バラバラに切り刻まれて」 早乙女「!」 一瞬、フラリと体がよろけそうになりましたが、何とか手すりに手を伸ばして事なきを得ました。 何人もの人間を躊躇なく殺し、娘を一時恐怖と不信の底に叩き込んだ悪魔。 好奇の目に晒される聖薇を守るため、ひっそりとパリの隅に隠れ住みようやく落ち着いたところで湧いて出た災難。 信じたくはありませんでしたが、事実である以上は娘を守る方策を取らなくてはいけません。 石清水「大丈夫か?」 早乙女「ええ平気よ。心配しないで」 石清水「それならいいんだが、愛は昔から無茶しやすい。気を付けてくれよ」
[393]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:29:42 ID:m0OntpQw 早乙女「あなたこそそんな事を。私に負けず劣らず命がけの事をしたではありませんか。それより、今後の事について」 石清水「そうだその事だ。愛の父上や母上とも相談したのだが、やはりここは警備の厚い日本に戻るべきかと」 早乙女「いえ、ここで迂闊にバタバタするべきではありません。 まだ相手の出方や意図も分からないのに、無暗に動くと相手に存在を悟られるかもしれません。 しばらくはじっとしているべきかと」 石清水「し、しかし」 早乙女「私が命にかけても、娘は守りぬいてみせます。 あなたは会社から、必要なら外部の人間を雇い入れてでも、犯人の意図を調べ上げてください」 キッパリと帰国の勧めを断り、様子が分かるまでじっと息を潜めている事を伝えました。 主人はしばらく黙っていましたが、決心がついたようでもう声に迷いは無くなったようです。 石清水「分かった。詳しい事が分かり次第すぐに伝える。 愛の方も動きが知れたり、万一危険な目にあったらすぐに伝えてほしい」 分かりました、そうしますと主人に伝え、受話器を置いた後すぐにぐらりと体が崩れ落ちそうになりました。 すぐ近くに椅子が無ければそのまま醜態を晒していたかもしれません。 そうして聖薇がコツコツとノックをするまで、私は混乱した感情を押さえ込むため、椅子から身動き1つできませんでした。
[394]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:32:15 ID:m0OntpQw 第23話『テスト、食事会、そして告白』 岬「早乙女さん、おはよう」 聖薇「おはようございます、岬さん」 朝7時。太陽こそ昇っているとはいえ、何とも早い時間だ。 これまで受けてきた個人学習の総仕上げとして、僕はこれからテストを受ける事になっている。 ここで1教科でも80点を下回れば、入学してからも補習を受けるはめになってしまう。 昼ごはんとその後のおやつ、マロニエ餅作りのために強行軍とはなるが、なんとしてもクリアしておきたい。 別室に案内された後、試験時間等の簡単な説明を受けて、最終テストがはじまった。 先着1名様で以下のように書き込んでください。!とnumの間の空白は埋めて投稿してください。 ★国語 86+!num点 算数 84+!num点 理科 79+!num点 社会 78+!num点 フランス語 100点 (前回の段階で100点越えしているため固定)★ 以上で本日の投稿は終わります。
[395]森崎名無しさん:2019/02/03(日) 22:46:50 ID:??? ★国語 86+ 0 点 算数 84+ 2 点 理科 79+ 3 点 社会 78+ 4 点 フランス語 100点 (前回の段階で100点越えしているため固定)★
[396]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/11(月) 14:48:10 ID:WmYfsMY2 ★国語 86+ 0 点 算数 84+ 2 点 理科 79+ 3 点 社会 78+ 4 点 フランス語 100点(前回の段階で100点越えしているため固定) ⇒国語86点、算数86点、理科82点、社会82点、フランス語100点★ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ドアは閉まり、聖薇と向かい合った2人きりでの形でテストがはじまる。 家に返ってからきちんと復習に取り組んできたおかげで、苦手だった理科や社会もスラスラと 答えを書き入れる事が出来ている。おそらくは目標たる80点を突破していく事が出来るだろう。 そうやって苦手科目を突破し、比較的自信のある国語のテストに入る。 昼食までにテストを終わらせるという予定上、それほど休み時間は多くない。 そのため3教科目の問題を全て書き終わった頃には体が沈み始め、指先には乳酸がたまっていて動きが鈍くなりかけてきていた。 幸い監督官は今、先に解いた理科・社会のテストの問題と解答用紙を見比べ、答え合わせをしている。 これまでに時折母親に呼ばれて中座して、戻った後はしばらくの間 一層の厳戒態勢で臨んでくるため、未だにチェックが終わっていないらしい。 そう言う訳で現在若干の余裕が生まれている。僕の座る席は窓に接していて、視線を横にそらすだけでも外の様子がよく見える。 聖薇の視線がこちらからそれているのを確認してから、悟られないようにそっと目玉だけを動かし、外の景色を眺めた。 マロニエの葉は秋を感じさせる黄色い色づきとなっている。 棒で叩き落としたためだろうか、幹の高さが上がるごとに枝先のマロニエが多く実っている。 丸々とした実から視線を下ろし木の下の光景に目をやると、ちょうどル・エストへ向かおうとする、 千早とあずみちゃんの姿が見えた。 彼女達2人はほとんどくっつかんばかりに密着して歩いている。 よく見るとあずみちゃんの右手にはウォークマンが握りしめられ、そこからそれぞれの右耳左耳にイヤホンがかかっている。 ウォークマンの持ち主は空いた左手を突き出し、次にグルグル勢いよく振り回しながら、 右へ左へとリズムを取っていて、傍目にも分かるほどノリノリになっている。 その傍らで同じ曲を鑑賞している同伴者も、じっとしてこれといった身動きはしていなかったものの、 表情は満足気で音楽に聞き惚れている様子がありありと伝わってくるものだった。
[397]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/11(月) 14:50:00 ID:WmYfsMY2 聖薇「お疲れさまでした。これで試験は全て終わりです。結果は昼食後に集計して返却しますので、しばらくお待ちくださいね」 5教科全てのテストがようやく終わり、肩をなでおろす。 岬「ようやく終わった。ああ、疲れた」 聖薇「問題を解くのは大変ですが、この事を忘れようとしたら、またここで勉強ですよ。これからも頑張ってくださいね」 試験官だった目の前の相手もホッとした様子で言葉を返す。試験中の定規で測ったような固い口調が和やかに丸まっている。 階段を下りて皆で昼食を食べる部屋まで行くと、千早にあずみちゃんが配膳をしていた。 2人ともエプロンを着けているが、どちらも粉や水滴がかかっているところを見ると、料理作りに奮闘してくれたのだろう。 千早「あら、岬君。こんにちは」 あずみ「ようやく生きて帰って来たか、お疲れさん!」 早乙女「2人ともお疲れ様、ちょうどご飯が出来たところだから、みんなでいただきましょう」 後ろからCDプレーヤーの用意をする、このお店の主人の声がする。千早が手に持つ皿をテーブルに置いた後、 パタパタとプレーヤーの所へかけて行き、プレーヤーそばのケースを取りCDを出す。
[398]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/11(月) 14:52:11 ID:WmYfsMY2 千早「あの、次はこれを流してもらえませんか。みんなで一緒に」 早乙女「そうね。はい、どうぞ」 CDをセットして開き口を閉ざし、再生ボタンを押す。 流れてきたのはいかにも折り目正しいクラシック・ミュージックだった。 早乙女「あら、モーツァルトの弦楽四重奏曲じゃない。たしか、ええと」 千早「『狩』です。弦楽四重奏第17番変ロ長調K458の。これが好きなんです」 早乙女「あら本当。あれは佳いわ。優雅さと活き活きとした気っぷの良さが両立して互いに損なっていない。 14小節目のあたりからの、風にそよぐ木の葉のさざめきの中から、憂をおびた少女が立ち現れてきそうな風情が心地いい感じ」 千早「はい。私もそこは大好きです。チェロがスービト・ピアノ(※1)にかかる中、 ヴァイオリンが息をひそめて途切れそうになるか細い、それでいて心臓を高鳴らせる旋律を奏でる所は特に。他にも……」 呪文のような昔の音楽の題名をスラリと言ってのけ、生き生きとした表情で音楽の魅力を語っている。 岬「(僕の周りにはどうしてマニアな女の子が集まるんだろう)」 ふっとそんな事が頭に浮かんだが、思案を深める間もないまま、今度はあずみちゃんが目ざとく腰につけた袋に目をつけてきた。 あずみ「あ、なにそれ?お土産?プレゼント?」 沙織さんからもらった勾玉を入れた袋を物欲しげに指さしている。優を助ける仲間を見つけるため、 肩に紐かけぶら下げて持ち歩く事にしている。 ル・エストに来るまでも、袋から取り出して日にかざして、該当者がいないか探した。 本当にパリの中から3人も探し出せるものか、どうか。 それでもこの食事会の話題にはなるし、これから人探しを行うにあたって協力とはいかなくとも、 理解してもらえればこれからの活動の助けになる。そう思って袋から取り出した時だった。 勾玉が、光った。
[399]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/11(月) 14:53:17 ID:WmYfsMY2 爆発のような、光だ。 青白く蛍の光のようにボンヤリと光っていた勾玉が、袋から外に取り出した途端照明弾の如く爆発的に発光した。 沙織さんから渡された3つの勾玉は全て手で握りしめているが、その隙間からも眩しく光が照りつける。 思わぬ事に動転して手を開くと、青く輝く光源は矢を射る勢いで光を放ち、あずみと千早と聖薇に刺し貫かんばかりの速さで照射した。 あずみ「うわっ!?」 千早「えっ!?」 聖薇「ま、まぶし……!」 目がくらむ程の閃光だった。3人をバッと照射した後は急激に光勢が衰えたが、 それでも埃1つない白熱電球程に、勾玉は輝き続けている。 余りの事に少女3人は言葉も出ない。僕もあほうのようにポカンとして言葉を失っていたが、 ようやく落ち着きを取り戻して、事の次第を説明しようとした。 岬「あの、これは」 早乙女「岬くん」
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0ch BBS 2007-01-24