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【花の都の】キャプテン岬2【色物達】
[411]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/23(土) 20:18:07 ID:pdz/FjeI そして婦人の脚のすぐ後ろには、今時民芸館でしかお目にかかれないような、臼と杵も見える。 早乙女「聖薇、これから外へ出すから、広場まで通る廊下に新聞紙を敷きつめて。階段の段差は厚めにね。 岬君は悪いけど、このお母さんと一緒に外まで運んでくれない?」 早乙女「そうそうそのまま、まっすぐ、あ、ちょっと右に回って。このままだとドアにぶつかるわ」 要請に従い、臼の縁一点のみを床に着けるようにして、早乙女婦人と共にゴロゴロと臼を転がす。 時折くる指示にそって慎重に運んでいき、階段や曲がり角といった難所を何とか通り抜けていった。 ゆっくり臼を転がしていく中、今この目の前にいる婦人にだけでも、 先の異変について告げるべきではないかとの考えが、ふっと頭に浮かんだ。 この時間からして3少女は全員外に出払っている。そう思って顔を向けたが、 くすっ そんな「におい」が顔から自分へとしみ入り、言葉が出てこなくなってしまった。 岬「(昔見た映画でこんなシーンがあったな)」 題は忘れてしまったけれど、似た「におい」のする映画を思い出した。 恋仲の新聞記者と王女が止む無く分かれた後、旅行からの帰国に際しての記者会見時の事だ。 ただの記者と王女に戻った会見場で最後に王女が去る場面で、立ち去る時に他の記者達に一言ずつあいさつをするシーンだ。 恋仲の記者と対面する時、目も口も顔の筋肉も動いていなかったのに他とは明らかに違うもの。 あの表情とも空気ともいえない「におい」を目の当たりにして、僕は何も言えなかった。 岬「(やっぱり、ただ者じゃない)」 臼運びを手伝う妙齢の女性を横目にして、ますます僕は疑念を深めていくのだった。
[412]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/23(土) 20:20:35 ID:pdz/FjeI 早乙女「さて、これから皆さんには餅つきをしてもらいます。 杵を持ち上げて突く人と持ち上げている間に餅をこねる人、かなり疲れるから交代でするように。 くれぐれも岬君が男の子だからって、杵ばかり突かせないようにね。 私は晩御飯の準備やお餅につける餡や味噌の準備があるから後の詳しい事は聖薇に訊いてね」 新聞紙を敷きつめた広場の上に、ズンと臼と杵が鎮座し、中にはモチ米とすり潰した黄土色のマロニエがたっぷりと入っている。 これを食べられるようにするには5分や10分ではすむまい。 覚悟を決めて説明を聞き役割分担を決めた後、力を込めて思い切り杵を臼へと叩きこんだ。 ・休憩時に話しかける相手 A あずみ B 聖薇 C 千早 1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
[413]森崎名無しさん:2019/02/23(土) 20:22:32 ID:4IQDcXLM A
[414]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/23(土) 20:59:01 ID:pdz/FjeI A あずみ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― A 岬「初めてきてみて、どうだった?この店(今日は聖薇との縁ができればいい)」 B 岬「初めて会ってみて、どうだった?風紀委員長ではない聖薇さんは(少しでも仲良くなってくれるといいんだけど)」 C 岬「如月さんとここに聞いてた曲って何?(千早とは仲が良いのかな。そこのところも確かめてみよう)」 D 岬「サッカーの具合はどう?(僕がいない間、ちゃんとやってるかな)」 E 岬「中古の壊れかけたものでもいいからさ、余ったゲーム機ある?(上手い事タダで手に入れられないかな)」 F 岬「お母さんと会ったけど慌てて帰っちゃったんだ。何か知ってる? (あれは絶対何かある。何か情報を得られないだろうか)」 G 岬「あずみちゃん、詳しい事はあとで話すけど……本来君には関係ない事なんだ」 (一旦こちらから距離を置かせることで断るタイミングを失わせ、その後の関係の進展から引き受けるように持って行く) H その他、自由回答(要2票) 1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。 なお、これら選択肢を選択した後、さらに分岐します。
[415]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/23(土) 21:17:14 ID:pdz/FjeI 本日はこれまでにいたします。 なお、最近Twitterを中心に、勝手ながらキャプテン森崎やキャプテン岬に ついて宣伝しておりますが、もし初めてきたという方がいらっしゃいましたら、 まずは1さん、2さんが投稿したキャプテン森崎をお読みください。質量ともにそちらが優れていますし、 また、こちらは本編を下敷きにして執筆しているので、先に読んでもらえると 説明が少なくて助かるという側面もあります。(笑)
[416]森崎名無しさん:2019/02/23(土) 21:53:04 ID:4IQDcXLM B
[417]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/28(木) 19:45:53 ID:??? 済みません、仕事の都合により今週は続きを投稿出来そうにありません。 どうか御了承をお願いいたします。
[418]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/03/10(日) 21:20:01 ID:Zm1hGbuI B 岬「初めて会ってみて、どうだった?風紀委員長ではない聖薇さんは(少しでも仲良くなってくれるといいんだけど)」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 何とか両者和解の糸口はつかめただろうか。そうなる事を願って今回の食事会に2人をくっつくよう話を持っていったのだが。 あずみ「どうだったって。どうだったも何も、あいつ岬君と2人きりだったじゃない。 たまに出る時も親の所へ行くばっかで、あたしの方には来てないわよ」 交流の機会さえなかった。そうあずみの返事を聞いて、心の中でため息が出た。確かにテスト中は部屋でこもりきりだった。 さらに言えば食事の時も勾玉の件があるにせよ、互いに一言も交そうとしていなかった。 どちらも自分から仲直りしようという意思自体が無い、という事なのだろう。 岬「(これは思った以上に難しそうだ。まいったなあ、これからの為に協力してもらいたいのに)」 関係改善が予想以上に難しいと分かり、頭を抱えたくなる。そんな僕の気持ちなどつゆ知らず、 すぐ隣に座る女の子はブツブツと愚痴をつぶやいてくる。 あずみ「絶対に前世は鬼軍曹よ、教官になったら戦地に立つ前に3人や5人は死んでるよあれ。 それを聞いた風して聞き流さないとやっていけないこっちの身にもなってみ……」 聖薇「聞こえてます!」 あずみ「うわっ!」 餅をこねていた聖薇が振り向き、苛立だしくあずみを睨みつける。 あずみ「まったく驚かせないでよ、こっちはたまったうっぷんを吐き出してるところなのに。あー、千早今だよ打ち下ろしちゃって」 聖薇「私の手を潰させる気ですか!いえ、それよりも早川さん、今まで私の話を聞き流していたんですか!? あれだけ話して少しは頭に残っていると思ったら……」 あずみ「あれ、アンタあたしが聞いてると思ってたの?あんな般若心経みたいな堅苦しい文句、あたしだけじゃなくて他の誰も」 聖薇「早川さん!」
[419]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/03/10(日) 21:21:14 ID:Zm1hGbuI 殴りかかるような語気であずみちゃんを襲う。攻撃を受けた相手はニヤニヤと小馬鹿にした笑みを浮かべて立ち上がる。 あずみ「顔まで般若になったらいよいよ誰も聞きゃしないって。それじゃ岬くん、ちょっとだけエスケープしてくるわ、んじゃ!」 聖薇「こらっ、待ちなさい!」 すっと飛び出すようにあずみちゃんは走り去る。聖薇も慌てて追いかけていき、この場は僕と千早の2人しかいなくなった。 岬「はは、いや、早川さんも早乙女さんも元気だなあ」 思わぬ展開に戸惑いを隠しきれない風に、1人残った千早に語りかけてみる。 こう困った様子を見せれば、何かしらの助け舟を出してくれるだろう。 その読み通り、気まずい空気を流す言葉が、千早の口から出てくれた。 千早「そうね。本当に、2人とも元気ね。もう少し落ち着いてくれるといいのだけど」 すっかり慣れっこになっているのだろう。表情も語調も変わらず、餅つきの役を変え臼の前にかがみこんで、つぶやき続ける。 千早「早乙女さんは完璧主義というか四角四面というか、他人に厳しく自分にはそれ以上に厳しいって人だから、 良くも悪くも自由奔放な早川さんとは馬が合わないんでしょうね」 岬「そうか、2人とも良い人だし、早く仲直りしてくれるといいんだけど」 千早「大丈夫よ、いつもの事だから。学校でも大抵こんな感じ、トムとジェリーみたいなものよ。 いつも早乙女さんが早川さんを追いかけ回して、大した事も起こらず終わって、 しばらくしたら元通り。だから気にしなくて大丈夫よ」
[420]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/03/10(日) 21:22:23 ID:Zm1hGbuI 少々の悶着はあったが、どうにか千早とかわりがわり餅をついてこねくり回し、どうにか次の段階に進められるところまでになった。 つき上がった餅を聖薇の母の所へ持って運ぶと、これからの調理は テーブルについてからのお楽しみ、という理由で料理の場から遠ざけられる。 重い杵を振り上げ続けた疲れがずしりと襲ってきた事もあり、店内の端にある長椅子に腰かけて一息入れる事にした。 休んでからそう時間がたたないうちにトムとジェリー、もといあずみちゃんと聖薇が現れ僕の座る長椅子へと座りに来た。 あずみちゃんは僕の右隣へドカリと荒々しく座った後、ムスッとした顔をそらして頬杖をついたまま黙りこくっている。 聖薇の方もプイと横を向いたまま、一言も口をきこうとしない。おおかたどこか遠い所で舌戦を繰り広げてきたのだろう。 そんなピリピリした空気などどこ吹く風といった顔で、千早はビニール小袋から 砂糖をまぶしたナッツを取り出し、口の中に摘まみ入れている。 レジの横にいくらか小銭が置いてあるところを見ると、代金は支払っているようだ。 ナッツをポリポリとかじりながら、あちこちに陳列された商品を見回している。レーニンとコーヒー豆が同居したコーヒー缶、 品の良い彩のビンに入った香水やオーデコロン、武骨でクラシックなつくりのカメラと、 多種多様な商品群を通りながらうろうろと歩いていた千早が、あらと小さくおどろいて立ち止まり、銀色の板を手に取った。
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0ch BBS 2007-01-24