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【花の都の】キャプテン岬2【色物達】
[447]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/23(火) 14:34:45 ID:4xvP23YM マロニエ餅の味に満足した僕達を見て、母親は満足げだ。その満ち足りた表情で母親は、娘へと話しかける。 早乙女「おもちね、ふふ、懐かしいわ。聖薇は覚えているかしら」 聖薇「覚えている、とは」 早乙女「あら、忘れた?まだ小さかった頃に、初めて聖薇がおもちを口に入れた時の事。 食べようとしたはいいけど、いつまでたっても噛み切れなくて、泣いちゃったでしょう」 えっ、と聖薇が軽く声を上げた後、ギクリとした顔つきになる。 案の定、僕の隣にいるきな粉まみれの少女は、仇敵の過去の失態を知ってニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべていた。 とうの母親はそんな事は気づいてもいないという風に話を続ける。 早乙女「昔の事を思い出すわ。母さんもその時の聖薇ぐらいの頃は、 やっぱりおもちを噛んでも噛んでも噛み切れなくて、泣きそうになったの。 そんな時におばあ様、聖薇にとってはひいおばあ様が、私を膝に乗せて昔話をしてくれたものね」 心なしか語調がうっとりとしたような気がする。聖薇の方はというと こちらも初耳だったらしく、興味津々といった顔で母に尋ねていた。 聖薇「ひいおばあ様が。どんな話をしてくださったのですか?」
[448]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/23(火) 14:36:07 ID:4xvP23YM 早乙女「うちの、早乙女家のご先祖様についての話よ。 昔々、安芸の国、早乙女家が広島の大名だった毛利家に仕えるお侍様だった頃の話。 関が原で敗者となった毛利家は領地を減らされたうえ、広島から山口へと移るよう命令されたのは知っているわね。 家来である早乙女家もついていかなければいけなくなった訳だけれども、 その頃の家中は身分が低く貧しかったから、更に狭くなった見知らぬ領地への移住、 それ以前にそこまで行くまでの食べ物すらなくて、みんな途方に暮れていたそうね。 調達の目途もつかず困り果てた一族の当主は、 早乙女家代々の守り神を祀る鏡山に向かって、これからどうすべきかを伺おうとしたの」 何やら聞き覚えのある地名が耳に入る。既に母親は聖薇だけではなく、僕達全員を見据えるように視点を移していた。 早乙女「巫女の体を借りて現れた神様は当主に、2つの授け物を渡しました。 1つ目は鎮守の森になる実から作られたトチ餅よ。 神力のこもった餅を噛み続ける間空腹を感じず、力尽きる事無く歩き続けられると告げられたの。 お告げに従い一族皆神様の餅を移動中ずっと噛みながら向かったら、 他の食べ物を一口も入れず1人も欠ける事無く、領地に無事たどり着けたというわ」 聖薇「広島から山口まで。大変だったでしょう」 千早「お餅にそんな力が」 あずみ「あんたのところ、昔は結構苦労してたんだねえ。で、もう1つの授け物って?」 早乙女「ふふふ、それはね」
[449]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/23(火) 14:37:22 ID:4xvP23YM 友達の家の昔話に、皆すっかり関心が向かっている。母親はニコニコとしながら、再び語り継ぎ始めた。 早乙女「もう1つはこれから一族に試練が訪れる前に、事前に察知し覚悟を固められるようにと渡されたわ。 玉のように高貴な光沢を放ち、神社の祭具にして生命の象徴、 そして危機を感ずるや持ち主を照らし出し、覚悟の時を告げる、勾玉をね」 勾玉。 その言葉で僕も皆もハッとした。和気あいあいの空気がピシリと締まる。母親だけは微笑を崩していないが、 その顔から体から、神託時の沙織さんと同じ底知れぬ威圧が発せられていた。 早乙女「岬君」 岬「は、はい」 早乙女「あなたが持っている勾玉について、詳しく教えてください。 どうしてあなたがこれを持っていたのか、何を告げられたのか、 そしてあなたがどう行動していきたいかについて」
[450]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/23(火) 14:39:34 ID:4xvP23YM 僕は勾玉に関わる事全てを、包み隠さず話した。 沙織さんの事、無間神社でのやり取りと下されたお告げ、光る勾玉に込められた意味。 あずみは何度も目を丸くし、千早は何回も顔を蒼ざめ、 聖薇はじっと目をつむり口を堅く締めながら、僕の話を聴きいってくれているようだった。 早乙女「それで、いつまでに行動しなければいけません」 岬「遅くとも1年後というところしか、分かりません。もう1度神社に出向いて伺ってこないと」 早乙女「そう」 この段階に至ってもこの母親は、子供の悪ふざけ話をのぞき聞きでもしているかのような 笑みを崩さぬまま、僕の話を聴いている。 岬「(そのくせこの人を見つめるたびに、息が詰まるような、威力を感じる。こんな事は何でもないというのか?)」 早乙女「岬君」 岬「は、はいっ!」 早乙女「そろそろ訊かせてください。あなたはどうすべきと思うか、そしてどうしたいか」 遂に訊かれた。いつかは誰かに問われると考え、それゆえに何日も1人思い考え悩み、 それでいて決意がつかなかった選択を、遂に決めなくてはいけない。 岬「(僕は……こうする)」
[451]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/23(火) 14:42:50 ID:4xvP23YM 【WARNING!】【WARNING!】【WARNING!】【WARNING!】 【WARNING!】【WARNING!】【WARNING!】【WARNING!】 今回の選択で重大な事、優君の生命と岬君の進退を決めなければなりません。 この判断次第で今後の護衛そして交流関連の判定に差が発生します。 ミスとなる判定を選択しましてもその後の選択で十分に取り返しはつきます。 ただ、いかに創作の物語であっても人1人の命と多くの人達の将来に影響を及ぼすものであり、 真剣に考えて選択する事を望んでおります。 A 岬「皆さん、どうか僕に命をください」 B 岬「僕1人でも優君を助け出します」 C 岬「正直、逃げ出したくてたまりません」(判定あり) D 岬「(じっと黙って、3人の反応を探ってから答えよう)」(判定あり) E 岬「(ただじっと見つめる事で、答えとするしかない)」(判定あり) F 岬「皆さんの心の整理がつきましたら、無間神社へ来てください。そこで決心を述べます」 G 岬「警察などに通報すべきではないかと、僕達には手が負えません」 H その他、自由回答(要3票) 2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。 なお、今回に限り投票開始は平成31年4月23日の午後9時からとなります。 【本日午後9時以前の投票は無効になる】ので、何卒ご了承願います。 議論はそれまでもそれからもよく考え議論して、選択を行ってください。
[452]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/23(火) 14:46:49 ID:4xvP23YM 人生の岐路に立ったところで、本日はこれまでと致します。 なお、大連休中の投稿については、旅行に出かけるためおそらくは 投稿できないかと思います。文章が書きあがりましたらスマートフォンから 登校したいとは思いますが、どれだけ書き進められるかは分からない以上、 皆様はどうか気にせずに連休を楽しんでいてください。 万一投稿が出来ましたら、Twitterにて報告いたします。 それでは皆様、大連休が良いものとなりますように。
[453]森崎名無しさん:2019/04/24(水) 20:18:59 ID:lLJjOYzg A
[454]森崎名無しさん:2019/04/24(水) 23:04:28 ID:JQLR6fPw F
[455]森崎名無しさん:2019/04/26(金) 16:25:14 ID:N+S+9yP2 F
[456]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/02(木) 20:11:15 ID:FNnDkHv+ F 岬「皆さんの心の整理がつきましたら、無間神社へ来てください。そこで決心を述べます」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 岬「(ここで決意表明をするのは簡単だ)」 命を賭けて優君を守ってみせる。 そう宣言してしまえばこの場の雰囲気と、実際にパリの大通りで トラックから助け出した実績から、見栄や騙りとは思われないだろう。 ひょっとしたら尊敬され、見る目と待遇も良くなるかもしれない。 岬「(でも、今はまだ早い)」 護衛にあたってのパートナーとなる3人をちらりと見回してみる。 あずみ、千早、聖薇。 どの顔も僕からの打ち明け話で表情が重く沈んでしまっている。同時に、僕がどんな事をこれから口にするかという、 緊張と不安もこみあげているようだ。とても喜び勇んで助太刀を申し出てくれる風ではない。 千早「警察に頼んで犯人を捕まえてもらえばいいんじゃないかしら。私達ではとても」 あずみ「な、なによ、こわいの?」 千早「怖いに決まってるじゃない。私だって優を自分の手で守りたい。 でも話だと相当凶悪な相手、小学生がどうにかできる相手じゃない」 事が重大過ぎるのだろう、実の姉である千早ですら自ら関わり合いになる事を避けようとしている。 あずみの方も虚勢を張るのが精一杯で、とても凶悪犯に立ち向かっていけそうもない様子だった。
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0ch BBS 2007-01-24