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【サッカーも】キャプテン岬3【ゲームも好き】
[201]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/18(月) 22:17:39 ID:vgotj2u+ 無念、いや怨念を叩きつけるような叫び。 ギャロス「覚えとけ!今は、今は無理だが必ず!お前をフィールド上でねじ伏せてやるッ!!」 岬「(……それにしても、どうかしている)」 相手の咆哮を耳にしながら、僕の意識は自分が取った選択へと飛んでいた。 岬「(誰からも恨まれる事なく皆に好人物として好かれる事が一番最善のはずなのに)」 何となくだが、こうなって欲しいというものを感じたような気がする。 このままでは埋もれて消える宝物を、ただ1人探しに出かけるような。 これもサッカーの魅力なのかと思案を巡らせかけたところで、試合再開を急かす笛が鳴った。 岬「(この答えは、後でじっくり考えよう)」 *登場人物の感情が以下のようになりました。 ギャロス→(許せない!)→岬 *岬君が近シュートフラグを獲得しました!あと1回11か12を出して勝利すれば覚醒します! ……というところで本日はここまでといたします。
[202]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:17:33 ID:kpfY5ppE ピイイイイイッ!! 笛が鳴り、ボールが蹴られ試合が再開した。とはいえ、試合は決したも同然だった。 大杉「うおりゃっ!」 デュイソン「こ、このヤロウ……!」 後が無くなった相手はしゃにむに攻め立ててくるが、やっとつかめる勝利を前に、チームメイトは奮闘して攻撃を防いでくれた。 テナルディエ「ええい、俺達もいくぞ!」 ロスタイムに入っていよいよ窮地極まり、ガッチリとしたマークを解いてまで全員攻撃に入るが、それこそ僕の思うつぼだった。 岬「えいっ!」 パチン! モンモランシー「そ、そんなァッ!」 彼らのチャンスを潰す機会が増えただけだった。そうして結局時は過ぎていき、 ピッ!ピッ!ピイイイイイイイイイイイイイイイッ!! 試合終了の笛が鳴る。僕達日本人学校チームは初勝利を得たのだった。 日本人学校 2−1 フランス人学校 試合終了!
[203]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:18:40 ID:kpfY5ppE 試合が、終わった。 天ヶ瀬「やったぜえええええっ!」 天ケ瀬が天高く拳を突き上げる。同時に発した号砲を口火として、 日本人学校チームから次々と歓喜の砲火が、ブローニュの森中に鳴り響いていった。 中江「やった!」 黒田「やったぞ!」 永井「勝ったぞ!」 西園寺「勝った!?俺達が!?」 金子「ああそうだ!」 大杉「俺はシュートを3本も止めた!」 塩野「たった1人でも止めてみせたぞ!」 藤田「イイイイイャッホオオオオオッ!!」 やんややんやの大騒ぎだ。僕が来るまで20連敗、ほとんどが入部して1度も勝てなかっただろう。 ようやくにして勝てた喜びいかばかりか。そう心境を推し量っていたところで、僕を呼ぶ声がした。
[204]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:20:12 ID:kpfY5ppE あずみ「あたし達、勝ったんだ」 岬「うん、間違いなく勝ったんだよ」 どうしたの、という言葉を喉の奥に呑み込ませてから、当たり障りのない答えを返した。 彼女の表情は他のように澄んだ響きがなく、どこかくぐもっている。 あずみ「今度勝つときは、誰よりも一番喜べるような、活躍をするからね」 岬「(やっぱり前半、上手くできなかったのを気にしてたか)」 言葉の内容こそ再挑戦の意思を示している。だがどこか引きつった感じがする。 あたしにはできないんじゃないか、という感じの。 それを悟られまいとするかのように素早く僕から背を向け、わざとらしく胸を張って、大音量で呼ばわった。 あずみ「さあ!あたしらは勝ったよ!約束通り賭け金4723フラン、1サンチームも残さず出してもらわなきゃね!」 試合前からの約束だった賭け金の徴収を、高らかに宣言した。 あずみ「あんたらの電話番号も住所も控えてあるんだからね!逃げたらパリ中に言いふらしてやるわ!」
[205]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:21:22 ID:kpfY5ppE 果たして支払うだろうか。敵陣を見やってみると、まさかの敗戦に呆然としていた面々の表情に、下卑た色が浮かんでいた。 クレベーユ「ダマれ、クズどもが!」 セルビー「誰が金など……!」 デュイソン「こうなったらセンコーもろとも、蹴って殴って口止めじゃあ!」 岬「(マズい!)」 このままでは喧嘩沙汰だ。異国のならず者相手に賭け事をするには根回しが足りな…… 聖薇「どういうことですかっ!!」
[206]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:22:43 ID:kpfY5ppE 3.2話『聖薇と、聖薇らしき者』 空気をビンビンに響かせる怒声が、シュッセ運動場へ鳴り響く。 あずみちゃんの大声と敵チームの罵声から、事態を察してしまったらしい。 聖薇「か、か、賭け事なんてっ!なんて不道徳な!それも心身を鍛え上げるためのスポーツで!」 小学生で風紀委員長になろうとする子だ。相当に潔癖らしく、 細い眉が鉄のようにピシリと硬く引き締まって、怒りをぶつけている。 亜美「ね、ねーちゃん」 真美「あぶないよ…」 後ろでは幼い姉妹が聖薇の袖を引き、彼女達なりに何とか静めようとしていたが、 聖薇「下がりなさい!」 亜美・真美「「ひ」」 大叫一喝、お前達の出る幕ではないと激しい怒りを叩きつけられ、塩をかけた青菜のように萎れてしまった。 立て続けの剣幕に、年上のはずの天ケ瀬達も気圧され、一言も発せずにいる。 先生さえ彼女相手に賭け事を承認した事を説得する自信が無いのか、黙ったままでいたままだ。
[207]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:24:14 ID:kpfY5ppE 周囲の反応を見た聖薇は、相手の方へ向き直そうとする。その途中で僕と目線があった瞬間、 ハッとした顔になり、次に困惑がかかった顔で、問い質した。 聖薇「岬君は、知っていたのですか!?」 火を噴くような勢いで向かってきた。だがそれも、話を重ねていくたびに怒りよりも不安の色が、顔にも声にも表れてきた。 聖薇「知らなかったのですよね?私は、岬君がこんな事に関わっていたなんて、聞きたくありません……」 どんどん勢いが衰えていくのが目に見えて分かる。これを機にどう切り抜けようか考えようとした矢先、 敵チームの1人が割り込んできた。 デュイソン「いやコイツ、自分からタカってきやがったんだよ、自分のウデは黙っておいてな」 責任をこっちに押し付け支払いを無かった事にしようとする気だ。この後も詐欺だ卑怯だと僕の活躍を悪し様に罵る。 その下卑た発想と言動が、聖薇の正義感を再点火させてしまった。 聖薇「黙りなさい、卑劣漢!」
[208]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:25:31 ID:kpfY5ppE 再び怒りが噴き上がってきたようだ。見るからに分かる荒くれ者達に、お構いなしに断言した。 聖薇「あなた達の思惑が分からないでと思っていたのですか! 分かりました、あなた達が岬君達を追い込んで、賭けをせざるを得ないようにしむけたのでしょう! よくもこの、ペテン師、泥棒、チンピラ、ゴロツキ、最低の屑、犯罪者!!」 デュイソン「なんだとォ!?」 怒りの感情をひたすらにぶつけた罵声に、傍目にも分かるほど 男達がハラワタを煮えくらせて、1人の少女に群がり、凄んできた。 セルビー「ほーお、聞き捨てならねえなあ」 クレベーユ「チンピラだゴロツキだよくもまあ、オシャベリがタッシャなもので!」 デュイソン「いい機会だ、実際に体験してみたらどうだ、自分のカラダでなあ!」 丸山「こ、コラ!やめなさい、下がりなさい!」 険悪を越えて危険と感じたに違いない。慌てて先生が間に割り入り、仲裁に入ろうとするが、 フォンテーヌ「ああ、とっとと失せやがれ!」 連中の1人が腹立ち紛れに、ボールを蹴りだしてしまった。
[209]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:26:57 ID:kpfY5ppE ボールは先生から見て死角の位置、近くに他の味方もなく聖薇が振り向いた時はもう目の前だ。 聖薇「あっ!」 岬「(ダメだ!)」 間に合わない。あの勢いでぶつかったら、当たり所によってはヒドイ怪我をしかねない。そう思った時。 バシイッ!! 乾いた衝撃音が運動場に響く。右手で日差しを遮るような形で聖薇がボールを受け止めている。少しも怪我はしていない。 聖薇?「……フン」 聖薇から、まるで周りを囲むならず者達のような、ふてぶてしい笑みが出た。 聖薇?「ルール違反だぜ、そいつぁ……」 彼女の口から、彼らと同じような伝法なセリフが発せられる。 セルビー「なっ」 聖薇?「こちとらサッカーという球けりにどんなルールがあるかごぞんじじゃねえが…… 一度決めたルールはてめえらに不利になっても、守り通さなきゃ成立しねえんじゃないのかい?」 クレベーユ「な、何を」 聖薇?「ま、多勢をたのんでか弱い乙女1人に寄ってたかるゴロツキどもにゃ、そもそも無理な注文だろうな」 岬「(あ、あれが聖薇か?まるで別人じゃないか!)」
[210]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:28:12 ID:kpfY5ppE ただ1人で向かって平然としているどころか、大勢のならず者を歯牙にもかけず 敵の気を呑んでしまった度量のある姿は、自分の知る聖薇とは思えなかった。 聖薇?「ところで、おフランスの紳士諸君よ」 今もかすかに薄笑いを浮かべながら、先生から離れ並みいる「紳士」達を挑発しだしている。 聖薇?「サッカーは紳士のスポーツだと聞く。 わざわざ野蛮に暴力でケリつけるより、か弱い乙女をエスコートしてやりゃ、 男の株も上がるってもんよ」 かかってきな。そう言わんばかりに右手の中指を立てクイクイと引き、呼びつける仕草をした。 こんな光景を見せつけられて、彼らが激昂しないはずがない。 セルビー「言ったな、クソアマ!」 クレベーユ「その高慢ちきな口を、カラダごと叩きのめしてやる!」 デュイソン「ヒイヒイ言わせるほど、たっぷりエスコートしてやるぜえ!」 うなり声をあげてならず者が聖薇めがけて責め立てに来た。 向かってきたはFW3人、左右中央から勢いよく滑りこみ、ボールを刈ろうとする。 聖薇?「さあ、行くぜ!」
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0ch BBS 2007-01-24