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【挑戦者】キャプテン岬U【岬】
[25]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/01/14(日) 21:22:20 ID:Q38KTpCs 第2話 シューマッハでラッキー! 地球は1つである! 因果は巡り、風が桶屋を儲けさせるこの世界、たとえ地球の裏側であっても、 次の日には自分めがけて襲いかかってくるものである! 世界の法則はここデンマークのコペンハーゲンにおいても、等しく通用する。だが シュリスメル・シューマッハに起こった事件はいかにグローバルな世界であっても、 本来は起こるはずのない事件だった。 シューマッハ「ひええーーっ!早くしないと試合に遅れちまうよおーっ!」 シュリスメル・シューマッハ。人ごみに入れば3秒で溶け込めるありふれた顔つき、 高すぎず低すぎない平均的な背丈、おつむのできはIQ100のこれまた平凡な脳ミソと、 平々凡々を絵にかいたようなデンマークの少年である。
[26]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/01/14(日) 21:31:25 ID:Q38KTpCs そんな彼だが、他の人間とは2つだけ大きく異なっていた。 1つ目は補欠とはいえデンマークの強豪サッカークラブFCコペンハーゲンの ジュニア部門のゴールキーパーであること。 そして2つ目は、 シューマッハ「あれ、空が急に……ぎえあああーーっ!」 ズオオオオオオオオオオオオオオオン! 空をつんざく轟音!アダムスキー型の古典的UFOが空のかなたから墜落しシューマッハに激突! そう、シュリスメル・シューマッハはデンマークいち、いやヨーロッパいちツイてない少年だったのだ!
[27]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/01/14(日) 21:34:31 ID:Q38KTpCs 説明しよう! 事の発端は地球の裏側で1人のサッカー少年を置き捨てて、ブラジルに帰国したロベルト本郷からはじまる。 彼がサンパウロに降り立つと、いきなりギャングどもから銃弾の洗礼をあびたのだった。 マフィアA団員「貴様のせいでッ!ボスの面目は丸潰れだッ!死にざらせえええええッ!」 ロベルト「な、なんのことだァーーーーッ!?オレは何も知らんーーーーッ!」 このマフィアはかつて、ブラジルの1部リーグの試合にて八百長試合を目論んでいた。 敵チームと審判団、サンパウロFCの多くの選手をも取り込んだ大掛かりなものであったが、 ロベルトによる選手生命を犠牲にした逆転ゴールにより八百長は破綻、元締めのギャングは 金銭・信用的な大損害をこうむっていたのだった……要するに逆恨みだ! マフィアB団員「てめえらああああああ!ワシらのボスが敬愛するドン・ロベルト・ホンゴーを 殺そうとするからには、頭ブチまける覚悟はできてるんだろうなああああ!」 ロベルト「(だからこいつらは一体誰なんだァーーーーッ!)」 対立するもう1つのマフィアがロベルトを守るべく、白昼サンパウロに響き渡る銃声! ロベルトはかろうじて逃げ延びたが、マフィア同士の抗争はとどまるところを知らなかった。 抗争相手のマフィアの根城であるファベーラを襲撃し多数の幹部を殺害すると、報復で 襲撃側が所有する大規模コカ畑が焼き払われた。焼却があまりにも大規模であったため、 コカインの密輸出量は激減、需要絶対量の少ない小国向けは輸出ゼロとなる事態が続出した。
[28]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/01/14(日) 21:38:15 ID:Q38KTpCs デンマーク・コペンハーゲンの国会前 暴漢「デンマーク人民諸君!今や革命の時は来た! 今すぐ国会に向かい偽りの、ブルジョア政府を打倒して真のデンマークを 人民の手に取り戻すのだあああああああああああああああああああ!!」 デンマークで1人、極左過激派の団員が逮捕された。男はコカイン等の薬物常習者でもあり、 近年の価格高騰で服用が困難になったことによる 幻覚・妄想によって、今回の犯行を引き起こしたことが判明した。 事件そのものはこのように、ただ1人の暴漢の捕縛によって解決した。 しかしこの事件を皮切りに、事件が次々に引き起こされ、事件が起こるたびに ドミノの勢いのごとく状況が深刻となり、 遂にはシューマッハの悲劇へとつながってしまうのである! 過激派集団「警察は横暴なる不当逮捕を取り消せー!即時釈放せよー! (ついにやってくれたなあのバカ!)」 逮捕された男の属する組織が動員をかけ、メットとゲバ棒という1985年の今日では 古典的ともいえるいでたちで、警官隊と激しい衝突を繰り広げた。その争いの中で、 誰かが天高く発煙筒を投げて発光させたことで、更なる悲劇が連鎖されてしまうのである。
[29]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/01/14(日) 21:41:06 ID:Q38KTpCs ??「うわわっ!?」 雲を越え大気圏を抜け青い地球が眼前にとどろく宇宙空間。 ここに1人の宇宙人が超高感度望遠鏡ごしに、度肝を抜かされていた。 普通星人「この普通星人に向けて発砲するとは…あくまで歯向かうつもりだなっ!?」 アダムスキー型のごくありふれたUFOに、ヒト型二足歩行のありふれた宇宙人である普通星人は、 地球侵略というごくありふれた目的で地球に来訪したのであった! 普通星人「ならばこちらも、全力をもって地球を滅ぼしてやる!覚悟ちきゅうじ」 ボーーーーーーーーーン!! 地球を攻撃すべくエネルギーチャージを行っていると、突然UFOが爆発した! 長旅による金属疲労やなんやかんやで、UFOはガタがきていたのであった! 普通星人「うわあああーーーっ!!」 UFOは当然のように墜落!ユーラシア大陸西側のちっこい半島、ユトランド半島へ落っこちていき、 コペンハーゲンのシューマッハと衝突したのであった! (説明終わり!長かった!けどシューマッハの話は続く!)
[30]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/01/14(日) 21:43:43 ID:Q38KTpCs 話はシューマッハに戻る。 圧倒的なUFOの重量で押しつぶされ、どんどん意識は遠のいていくシューマッハ。 シューマッハ「(ああ、思えばオレの人生、いいことなかったなあ…… 今日だって朝顔を洗おうとしたら水道管が破裂して体ごと洗うハメになったし、 家を出ようとドアを出たら、ボケたじーさんの車にはねられた。 サッカーをしてるのだって書類の取り違えでしたくもないのに入らされて、 やめようと書類を取り寄せたら家が火事になるし…… せめて1回でもいいから、いい思いをして死にたかったなぁ……)」 意識がまさに途絶えようとしたその時、シューマッハの目の前にやわらかな光がさしこんだ。 目を見開くと、小さなタカがすそ野の広いどこかの山の頂上に降り立つと、 今度はピカピカとまたたくナスの群れが空を乱舞しはじめたのだった。 シューマッハ「(なんだよこのサイケデリックな光景…死ぬ時くらいもうちょっとちゃんとした世界が… 死ぬ間際まで、ついて)」 ??「ぽぽぽぽーん♪」 聞きなれぬ声を耳にして顔を上げると、つやつやとした黒いショートヘアの女性が、笑顔で自分を見つめていた。 シューマッハ「きれーなひと……もしかして、出迎えに来た天使さん?」 女性「ちがいますよー、私は日本から来た、ただの人間ですっ。あなたにお知らせを2つ、届けにきました」
[31]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/01/14(日) 21:46:54 ID:Q38KTpCs 自らを人間だと名乗る女性をよく見てみると、絹に日の光を一筋さしこませたような、美しい肌をしている。 だがここまで徹底して不運に叩きのめされたシューマッハの心は、ささくれていた。 シューマッハ「何?この状態から入れる自動車保険があるとでも?」 女性「保険の勧誘じゃありませんよ。まず1つめのお知らせから。シューマッハくん、 あなたはヨーロッパいちツイてない人間だと、先程上の方で正式に認定されましたっ♪」 とんでもないことを能天気に語る女。だがシューマッハには怒る気力もわいてこなかった。 シューマッハ「はーあ、オレがついてないことはよーくわかってますよ。死ぬ間際に追い打ちなんて」 女性「死にません!」 もの柔らかそうな女性が突然大声を出す。不測の展開にたじろぐシューマッハ。 女性「シューマッハくんは死にません!生きて元気に、そして幸せになりますっ!2つ目のお知らせは そんな君の身の上を案じて協議を重ねた結果、永世ラッキーパワーを授与することが決まったことです!」 シューマッハ「ラッキー…パワー?」 女性「そうです。これからは何か行動するたびに、超人的なラッキーパワーによって自分にとって ハッピーな展開を迎えるということです。何か食べないといけないとか雲が出ると不幸になるとか そういうペナルティもありません」 シューマッハ「ふえっ……マジで?」
[32]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/01/14(日) 21:49:23 ID:Q38KTpCs 女性「マジです。ただラッキーパワーを使うには体力が必要で、使いすぎると動けなくなってしまいます。 ではそろそろ私はおいとましますね、今度は日本一ツイてない鳥取県の女の子を助けないといけませんから」 女性はそう言うと、何の不思議もなく自然に空に浮かび、飛び去っていったのだった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ―――――――――――――――――――――――――――― ――――――――――――― ――――――― シューマッハ「いやー皆様こんにちは、デンマークからきたシュリスメル・シューマッハと申します。 これからの遠征どうかよろしくお願いします。こちらは空港利用2830000万人目記念でもらった 副賞のマカロンです。どうか一緒に召し上がってください」 腰の低いデンマークのGKからマカロンをほおばりながら、ボッシから聞いた言葉を振り返る。 岬「(UFOにつぶされながらも無傷で生還した奇跡のゴールキーパー、シュリスメル・シューマッハ。 事故に遭ってから、彼がセービングをするたび通常起こりえないことが発生してシュートを防ぎとめる ことから、「奇跡を呼ぶ男」と呼ばれているとか……)」 シューマッハ「(ああ、生きててよかったなあ……ラッキーパワーを授かってから痛い思いもせずにシュートが 止められるようになって、FCコペンハーゲンの正GKになった。それからは背丈も伸び、 視力も回復して女の子にもモテモテ……いやああの人には感謝だなあ。人間だって言ってたけど あれは絶対神様だよ。あのときナスが舞い飛んでいたから…ナスの神様かな?ともあれ ありがとうございます!イエス様マリア様ナスさまーっ!)」 カコデスヨー
[33]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/01/14(日) 21:53:00 ID:Q38KTpCs という訳で、本日はここまでとなります。 続きを書こうと思いながら、書けずに1か月以上お待たせしてしまったことをお詫び申し上げます。 おそらく次回からのチームメイト紹介では、シューマッハくんほどには時間がかからないかと思います。 …かからないといいなあ。リアルでの用事がたまってきてるし……
[34]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/01/28(日) 17:19:19 ID:C2jZg2hQ 第3話 肉の守護神とピレネーの闘神(インドラ) ??「あれがFCコペンハーゲンの正GK、シュリスメル・シューマッハ……」 ??「そして俺達の正GKとなる、ミラクルゴールキーパー…!」 ??「あいつの出る試合は必ずと言っていいほど、あり得ない奇跡が起こってシュートが止められるという……彼が、か」 ??「インテルにいるのと、どっちが強いかな?」 岬「(彼らがイタリア共産党選抜代表選手、バサレロ、ゴルバテ、トリノ、マリーニョか……)」 ボッシ「バサレロはローマのS・S・ラツィオ、ゴルバテはジェノバのジェノアCFC、マリーニョはエラス・ヴェローナFC。 トリノは登録名を自分のチーム名にしているからわかりやすいが、トリノ・カルチョ。 それぞれジュニアユース部門で守備の中核を担う実力者、いずれはイタリア代表メンバーへの選出が確実視されている面々だ」 車中でのボッシの言葉を思い返す。 イタリアでも有数の守備力というからには、これからの試合それほど苦労しなくて済むかもしれない。
[35]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/01/28(日) 18:11:38 ID:C2jZg2hQ トリノ「トリノに移ってくれればなあ。そうすれば俺とアイツで、グランデ・トリノが再興できるんだが」 バサレロ「おっ出た出たでましたよトリノの昔話、見てきたような話しぶり」 ゴルバテ「まあ欲しくもなるわな、最近出てきたインテルのなんとかって、バケモンみたいないいキーパーは」 マリーニョ「ヘルナンデスだっけ?あれは飛びぬけてるね、来年のフランス大会で彼がいればイタリア、優勝できるんじゃない?」 ワイワイガヤガヤと、これから自分達のチームの正GKとなるであろうシューマッハを取り上げ、次に自国のリーグ事情を話し合う。 少なくとも、イタリアの面々がシューマッハの実績を信頼しているのは間違いないだろう。雰囲気は和やかだった。 ギャロス「おいコラこのイタ公ども」 この男が割って出てくるまでは。
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0ch BBS 2007-01-24