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【挑戦者】キャプテン岬U【岬】
[54]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/11(日) 17:20:07 ID:U0/f/Pis 一睨みでリブタが元通りになった。皆はリブタの変貌を、次に制止した少年を見やる。 背丈は僕よりは高く、リブタを除く他のヨーロッパメンバーと同じくらい。 太々とした眉に彫りの深い顔、何より丸太のように筋肉で隆々としながら 引き締まった肉体が、僕達の目をくぎ付けにさせずにはおかなかった。 コイツは一体誰なのか?皆が思ったこの疑問は、不意の進入者によって明かされることとなった。 ?????「ひょ〜ッ!さっすがアルゴス!」
[55]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/11(日) 17:26:51 ID:U0/f/Pis 謎の少年アルゴスと、更に謎な少年が現れたところで、今日はここまでといたします。 さて、キャプつばアニメを見ねば……
[56]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/18(日) 17:08:38 ID:smiBSF32 ?????「いきなり飛び出してどうしたかと思ったら、ひとにらみでデカブツを黙らせるなんてよ! さすがこのオレが見込んだだけあるぜ!オレたちイベリジュモ(※1)コンビがいればスパルタキアーダ、いただいたも同じよお!」 アルゴスという少年を追いかける形で、もう一人の少年が現れた。今度の少年はアルゴスやリブタはおろか、 僕と比べても小さいように思われた。 岬「(イガグリのように丸い顔と刈り上げた頭…南葛にいた頃の、石崎に似てるな)」 ボッシ「イベリスモ、それにスパルタキアーダ……もしかして君達も」 シャラーナ「その通り!オレはポルトガル代表、SLベンフィカ(※2)所属のサンシュ・シャラーナ! そんであの大男がスペインのサルバドール・アルゴスだ」 メラン「アルゴス!彼がアルゴスか!」 アルゴスという名を聞いて、監督が目を丸くして尋ねた。
[57]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/18(日) 17:11:00 ID:smiBSF32 シャラーナ「へえ、監督のおっちゃんも知ってんの?」 メラン「スペインから送られた資料からな。 なんでも二千年前に中国で誕生した、一子相伝の暗殺拳の流れをくむ拳法を修練していると…… シルクロードを通じてヨーロッパに伝来し、今では末裔が ピレネー山脈に隠れ住みながら、拳法の修行に明け暮れている。 ……書類を見ても信じられなかったが、実在していたとは」 シャラーナ「へええ、マジで?そりゃあ強いワケだ、そうか……ハハハ」 驚きを隠せない監督とは対照的に、シャラーナは思い出し笑いをはじめた。不思議に思い尋ねてみる。 岬「どうしたの、そんな面白そうな表情で」 シャラーナ「いや聞いてくれよこれがケッサクなんだ。オレ達ポルトガルの代表団が飛行機のトラブルで バルサに降ろされて、空港のロビーで長時間待たされたと思いねえ。 その待ち時間中にアルゴスがフラリと現れ、オレ達の目の前でバタリと倒れちまった。 水を与えてワケをきいたら『バルセロナには食料になる動物がいなかった』だとよぐへっ!?」 喜々として暴露話をするシャラーナの左右のこめかみに、指が鋭く突き刺さる。 突き刺されたシャラーナはポカンとした顔つきになり、反応を示さなくなってしまった。
[58]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/18(日) 17:14:03 ID:smiBSF32 岬「い…いったい、何を?」 アルゴス「ズセツという秘…ツボを押した。正気に戻った後も、今の一瞬の記憶は消えている」 アルゴス「西ベルリンにはどれ位で着く」 スチュワーデス「西ベルリンのテーゲル空港までの飛行時間は1時間50分を予定しております」 アルゴス「そうか。頼みがあるんだが、連れを起こさないであげてくれ、死ぬほど疲れている」 アルゴスは窓際の座席に押し込まれたように座るシャラーナを指して、スチュワーデスに言づけた。 僕達は飛行機に乗り込み、陸の孤島西ベルリンに向かいパリを飛び立とうとしていた。 通路側の座席に僕が座り、アルゴス、ギャロス、ボッシ、シャラーナの順に並んでいる。 ギャロス「だ、大丈夫なのかアレ?ピクリとも動かねえが」 アルゴス「心配するな、着陸前には目を覚ます」 ボッシ「少しやりすぎじゃないか?確かにおしゃべりだったとはいえ」 アルゴス「俺達の道場の掟に『我らが拳法と門徒を誹り、辱めた者には報いを与えよ』とある。 事と次第によっては命で贖うべきもの、加減を試みる暇はない」
[59]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/18(日) 17:17:46 ID:smiBSF32 岬「(これはまた色々と規格外な……僕も何か話しかけるべきだろうか?)」 A:「拳法家の君がなぜサッカーを?」 B:「すごい拳法だね、昔の戦場での活躍は凄かっただろうね」 C:「サッカーで役立ちそうなツボってある?」 D:「サッカーで役立ちそうな技ってある?」 E:「(下手に刺激させてもマズいし、黙ってよう)」 F:その他、自由回答(要2票) 原則、先に1票入った選択肢で進行します。
[60]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/18(日) 17:27:32 ID:smiBSF32 色々悶着ありましたが、どうにか西ベルリンに向けて旅立とうとしている、 というところで、本日はこれまでといたします。 なお、>>56 での注釈は以下の通り。 ※1:スペイン語でイベリスモ。スペイン・ポルトガル両国の統一を目指す運動・思想。 ここではポルトガルのシャラーナとスペインのアルゴスとのコンビを強調している言葉。 なおコンビだと語っているのはシャラーナのみであり、アルゴス自身はシャラーナとの間に 特別な絆があるとは思っていない。 ※2:ポルトガル・リスボンに本拠地を置くプロサッカークラブ。 1982-83シーズン(この物語は1985年)に国内リーグ2冠、UEFAカップで準優勝を達成するなど 当時のヨーロッパでの強豪クラブだった。
[61]森崎名無しさん:2024/02/18(日) 17:30:19 ID:??? A
[62]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/25(日) 17:19:04 ID:BxffVU8s A:「拳法家の君がなぜサッカーを?」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― アルゴス「事の起こりは半世紀も前、スペインを血と暴力で覆った、内戦時代からはじまった…… 当時の我が先人達はフランコ将軍率いる国民戦線軍と拳を交えていた。 3年もの間奮戦するも時利あらず、国の実権を握り独裁者となったフランコによって、 先人の多くがイベリアの土へ還ってしまった…… まだ幼き師父も命からがら難を逃れ、ピレネーの高峰を師とし身を隠す木々を友とした。 幾度となく迫り来る追手を避け、長じてからは敵を圧し、我らが拳法と道場の復興に 尽力しておられた……その師父が、まだ拳の修行を許されたばかりの 私を召し出し、こう告げられた……」 師父『アルゴスよ、本日より手に拳法を、足に球術を共に修めるがよい』 師匠の言葉をよどみなく語った後、アルゴスはポケットに手を伸ばし白黒の布切れを取り出した。 砂や土ですすけたようになってはいたが、きれいに折りたたまれている。 師父『国王陛下ファン・カルロス1世が発布した自由選挙が、不正なく執り行わられたと連絡があった。 フランコの徒党は未だ要職を占めているとはいえ、もはや風の前の麦殻。遠からず散るであろう。 我々の恩赦も近いうちになされるとのことだ。 しかし、塗りつけられた泥は、いまだぬぐわれたとは言えぬ』
[63]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/25(日) 17:21:20 ID:BxffVU8s アルゴス「そう言って師父は懐から古ぼけた紙を取り出し、私の前に見せた。 紙は一枚の貼り紙、そこには……!」 注意!そして通報せよ! 拳を我らの血で彩る赤旗の尖兵、今なお潜伏す! 奴らは人を人とも思わぬ人面獣である! 男A「ん⁉まちがったかな…」 奴らは人間を玩具にする。好奇心のままに我らを殺す。 恥じず、ためらわず、飽くを知らず! 男J「そんなガキの1人や2人、なんだというのだ!」 けがれなき子も、奴らには殺戮への誘惑をかき立てるスパイスにしかならない。 その人面獣が今もなお、街や野山に潜んでいる。彼らの居場所を知る者は、 最寄りの治安裁判所へ通報せよ! アルゴス「老いた病人を苦しませては悦び、泣き叫ぶ子を喜々として刺し貫く…… 我々は人の皮をかぶった悪魔とさせられたのだ!」
[64]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/25(日) 17:23:19 ID:BxffVU8s そう言ってギュッと目をつぶり、絶句した。殺戮と言われなき中傷を受け 何も言い返せず逃げ隠れるしかなかった無念が、我が事として胸の内で 荒れ狂っているようだ。 師父『かつてはスペイン全土でこうした政治宣伝が繰り広げられ、 幾多の朋友が狩り立てられていった。今は世に光が戻ったが、 かつての偏見は未だにぬぐわれていない。早く我らの無実を あまねく伝えねばならん。さもなくば郷里を再び見ることなく 世を去る者、未来に光を閉ざす者が出てきてしまう。 ……そのため今後、お前には球技を取得してもらいたい。古今東西老若男女、 いわゆるスポーツと呼ばれるものには、多くの人間の心をつかむ力がある。 お前がこの球を通じて外の世界で活躍するようになれば、 我らにとっての救世主(サルバトーレ)となるだろう』 アルゴス「そう言って師父は、右も左も知らぬ幼い私に頭を下げた。人は己の責務を 年端もいかぬ幼子に押し付けたというだろう。だが違う! もはや老いた身では一門の無念を晴らせぬと嘆き悩みぬいたが、 私にその可能性を見出してくれたのだ!」 機内であることは頭の片隅にも残っていまい。アルゴスの決然とした表情がそう語っている。 彼は取り出した布を右手人差し指に当てた。するとみるみるうちに空気を入れずして 布が球となり、サッカーボールへと化していく。 アルゴス「先人の無念を晴らし未来に光を抱くは、この球にかかっている…!」
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0ch BBS 2007-01-24