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【挑戦者】キャプテン岬U【岬】
[58]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/18(日) 17:14:03 ID:smiBSF32 岬「い…いったい、何を?」 アルゴス「ズセツという秘…ツボを押した。正気に戻った後も、今の一瞬の記憶は消えている」 アルゴス「西ベルリンにはどれ位で着く」 スチュワーデス「西ベルリンのテーゲル空港までの飛行時間は1時間50分を予定しております」 アルゴス「そうか。頼みがあるんだが、連れを起こさないであげてくれ、死ぬほど疲れている」 アルゴスは窓際の座席に押し込まれたように座るシャラーナを指して、スチュワーデスに言づけた。 僕達は飛行機に乗り込み、陸の孤島西ベルリンに向かいパリを飛び立とうとしていた。 通路側の座席に僕が座り、アルゴス、ギャロス、ボッシ、シャラーナの順に並んでいる。 ギャロス「だ、大丈夫なのかアレ?ピクリとも動かねえが」 アルゴス「心配するな、着陸前には目を覚ます」 ボッシ「少しやりすぎじゃないか?確かにおしゃべりだったとはいえ」 アルゴス「俺達の道場の掟に『我らが拳法と門徒を誹り、辱めた者には報いを与えよ』とある。 事と次第によっては命で贖うべきもの、加減を試みる暇はない」
[59]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/18(日) 17:17:46 ID:smiBSF32 岬「(これはまた色々と規格外な……僕も何か話しかけるべきだろうか?)」 A:「拳法家の君がなぜサッカーを?」 B:「すごい拳法だね、昔の戦場での活躍は凄かっただろうね」 C:「サッカーで役立ちそうなツボってある?」 D:「サッカーで役立ちそうな技ってある?」 E:「(下手に刺激させてもマズいし、黙ってよう)」 F:その他、自由回答(要2票) 原則、先に1票入った選択肢で進行します。
[60]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/18(日) 17:27:32 ID:smiBSF32 色々悶着ありましたが、どうにか西ベルリンに向けて旅立とうとしている、 というところで、本日はこれまでといたします。 なお、>>56 での注釈は以下の通り。 ※1:スペイン語でイベリスモ。スペイン・ポルトガル両国の統一を目指す運動・思想。 ここではポルトガルのシャラーナとスペインのアルゴスとのコンビを強調している言葉。 なおコンビだと語っているのはシャラーナのみであり、アルゴス自身はシャラーナとの間に 特別な絆があるとは思っていない。 ※2:ポルトガル・リスボンに本拠地を置くプロサッカークラブ。 1982-83シーズン(この物語は1985年)に国内リーグ2冠、UEFAカップで準優勝を達成するなど 当時のヨーロッパでの強豪クラブだった。
[61]森崎名無しさん:2024/02/18(日) 17:30:19 ID:??? A
[62]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/25(日) 17:19:04 ID:BxffVU8s A:「拳法家の君がなぜサッカーを?」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― アルゴス「事の起こりは半世紀も前、スペインを血と暴力で覆った、内戦時代からはじまった…… 当時の我が先人達はフランコ将軍率いる国民戦線軍と拳を交えていた。 3年もの間奮戦するも時利あらず、国の実権を握り独裁者となったフランコによって、 先人の多くがイベリアの土へ還ってしまった…… まだ幼き師父も命からがら難を逃れ、ピレネーの高峰を師とし身を隠す木々を友とした。 幾度となく迫り来る追手を避け、長じてからは敵を圧し、我らが拳法と道場の復興に 尽力しておられた……その師父が、まだ拳の修行を許されたばかりの 私を召し出し、こう告げられた……」 師父『アルゴスよ、本日より手に拳法を、足に球術を共に修めるがよい』 師匠の言葉をよどみなく語った後、アルゴスはポケットに手を伸ばし白黒の布切れを取り出した。 砂や土ですすけたようになってはいたが、きれいに折りたたまれている。 師父『国王陛下ファン・カルロス1世が発布した自由選挙が、不正なく執り行わられたと連絡があった。 フランコの徒党は未だ要職を占めているとはいえ、もはや風の前の麦殻。遠からず散るであろう。 我々の恩赦も近いうちになされるとのことだ。 しかし、塗りつけられた泥は、いまだぬぐわれたとは言えぬ』
[63]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/25(日) 17:21:20 ID:BxffVU8s アルゴス「そう言って師父は懐から古ぼけた紙を取り出し、私の前に見せた。 紙は一枚の貼り紙、そこには……!」 注意!そして通報せよ! 拳を我らの血で彩る赤旗の尖兵、今なお潜伏す! 奴らは人を人とも思わぬ人面獣である! 男A「ん⁉まちがったかな…」 奴らは人間を玩具にする。好奇心のままに我らを殺す。 恥じず、ためらわず、飽くを知らず! 男J「そんなガキの1人や2人、なんだというのだ!」 けがれなき子も、奴らには殺戮への誘惑をかき立てるスパイスにしかならない。 その人面獣が今もなお、街や野山に潜んでいる。彼らの居場所を知る者は、 最寄りの治安裁判所へ通報せよ! アルゴス「老いた病人を苦しませては悦び、泣き叫ぶ子を喜々として刺し貫く…… 我々は人の皮をかぶった悪魔とさせられたのだ!」
[64]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/25(日) 17:23:19 ID:BxffVU8s そう言ってギュッと目をつぶり、絶句した。殺戮と言われなき中傷を受け 何も言い返せず逃げ隠れるしかなかった無念が、我が事として胸の内で 荒れ狂っているようだ。 師父『かつてはスペイン全土でこうした政治宣伝が繰り広げられ、 幾多の朋友が狩り立てられていった。今は世に光が戻ったが、 かつての偏見は未だにぬぐわれていない。早く我らの無実を あまねく伝えねばならん。さもなくば郷里を再び見ることなく 世を去る者、未来に光を閉ざす者が出てきてしまう。 ……そのため今後、お前には球技を取得してもらいたい。古今東西老若男女、 いわゆるスポーツと呼ばれるものには、多くの人間の心をつかむ力がある。 お前がこの球を通じて外の世界で活躍するようになれば、 我らにとっての救世主(サルバトーレ)となるだろう』 アルゴス「そう言って師父は、右も左も知らぬ幼い私に頭を下げた。人は己の責務を 年端もいかぬ幼子に押し付けたというだろう。だが違う! もはや老いた身では一門の無念を晴らせぬと嘆き悩みぬいたが、 私にその可能性を見出してくれたのだ!」 機内であることは頭の片隅にも残っていまい。アルゴスの決然とした表情がそう語っている。 彼は取り出した布を右手人差し指に当てた。するとみるみるうちに空気を入れずして 布が球となり、サッカーボールへと化していく。 アルゴス「先人の無念を晴らし未来に光を抱くは、この球にかかっている…!」
[65]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/25(日) 17:50:27 ID:BxffVU8s アルゴスがサッカーをする動機を語ってくれたところで、本日はこれまでといたします。 あと残り3人のチームメイト紹介とダイジェスト紅白戦を交えての選手能力紹介…… それらが終わり次第、岬君達も本格的に試合がはじまります。 …アニメ終了までにたどりつかないと……
[66]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/03/03(日) 16:47:34 ID:Wqomk6Bc 第4話 なぜ空はこれほど青い? リブタ「いやあ、大きい体はこういう時大変ですねえ」 あふれんばかりの肉を座席と座席の間に押し込みながら、ひとり苦笑する。 リブタ「席も2人分取らせてもらうことになるとは。狭苦しいですが、どうかご容赦を」 相席する隣人に声をかける。だが相手は声が届いていないのかテーブルに広げた 手の平より少し大きいノートを見入っては熱心に書き込んでいる。 ただそれも十数文字程度書き込んでは止まり、また書き進めてはすぐ止まるを繰り返し 時折品を失わぬ程度に幸せそうな顔を浮かべ、窓へ顔を向け空の彼方へ視線をやりながら、 小声で何かをつぶやいているのだった。 何に夢中となっているか、むくむくとリブタの中に興味が湧きだしてきたようだ。 意識が彼方に向いているのを幸い、体をむりむり傾けて、ノートの中をのぞき見る。 この空を見ているだけでうれしい あなたと見れたらどんなにうれしいだろう Do you know why the sky is blue?
[67]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/03/03(日) 16:49:14 ID:Wqomk6Bc リブタ「(これは……詩ですね。大切な人を…)」 ????「…カレン」 スッと澄んだ声が、フッと隣人から発せられる。そしてようやく リブタの視線に気づいたらしく、ピクリとまばたきしてから向き直った。 ????「これは失礼、考え事をしていたもので。何かご用事でも?」 リブタ「いえいえこちらこそ勝手にのぞき見を。えっと、あなたも私と同じく、 西欧メンバーの一員ですよね?」 ????「はい」 リブタ「よければもう一度、お名前を教えてもらえないかと。物覚えが悪いもので… 私はオランダから来た、アルフレット・リブタです」 レヴィン「私はステファン・レヴィン、スウェーデン代表です。よろしく」 握手を交わした後、改めてレヴィンという少年の顔を見る。よく整った顔立ち、 自信を宿した顔つき、そして右目まで届かんばかりに大きく円弧を描いた髪が 特徴として目に入る。 リブタ「(まるで死神の鎌のような…ええい縁起でもない)も、もしよければ 今お書きの詩について、うかがっても」 レヴィン「詩…ああ、カレンに宛てる手紙の下書きのことですか」 リブタ「カレン…ご姉妹ですか」 レヴィン「いえ、僕の……大切な人です。何と、いいますか」 レヴィンは再び遠い目をして、再び窓を向いて空の彼方へと目線を投じた。
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0ch BBS 2007-01-24