※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
【挑戦者】キャプテン岬U【岬】
[63]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/25(日) 17:21:20 ID:BxffVU8s アルゴス「そう言って師父は懐から古ぼけた紙を取り出し、私の前に見せた。 紙は一枚の貼り紙、そこには……!」 注意!そして通報せよ! 拳を我らの血で彩る赤旗の尖兵、今なお潜伏す! 奴らは人を人とも思わぬ人面獣である! 男A「ん⁉まちがったかな…」 奴らは人間を玩具にする。好奇心のままに我らを殺す。 恥じず、ためらわず、飽くを知らず! 男J「そんなガキの1人や2人、なんだというのだ!」 けがれなき子も、奴らには殺戮への誘惑をかき立てるスパイスにしかならない。 その人面獣が今もなお、街や野山に潜んでいる。彼らの居場所を知る者は、 最寄りの治安裁判所へ通報せよ! アルゴス「老いた病人を苦しませては悦び、泣き叫ぶ子を喜々として刺し貫く…… 我々は人の皮をかぶった悪魔とさせられたのだ!」
[64]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/25(日) 17:23:19 ID:BxffVU8s そう言ってギュッと目をつぶり、絶句した。殺戮と言われなき中傷を受け 何も言い返せず逃げ隠れるしかなかった無念が、我が事として胸の内で 荒れ狂っているようだ。 師父『かつてはスペイン全土でこうした政治宣伝が繰り広げられ、 幾多の朋友が狩り立てられていった。今は世に光が戻ったが、 かつての偏見は未だにぬぐわれていない。早く我らの無実を あまねく伝えねばならん。さもなくば郷里を再び見ることなく 世を去る者、未来に光を閉ざす者が出てきてしまう。 ……そのため今後、お前には球技を取得してもらいたい。古今東西老若男女、 いわゆるスポーツと呼ばれるものには、多くの人間の心をつかむ力がある。 お前がこの球を通じて外の世界で活躍するようになれば、 我らにとっての救世主(サルバトーレ)となるだろう』 アルゴス「そう言って師父は、右も左も知らぬ幼い私に頭を下げた。人は己の責務を 年端もいかぬ幼子に押し付けたというだろう。だが違う! もはや老いた身では一門の無念を晴らせぬと嘆き悩みぬいたが、 私にその可能性を見出してくれたのだ!」 機内であることは頭の片隅にも残っていまい。アルゴスの決然とした表情がそう語っている。 彼は取り出した布を右手人差し指に当てた。するとみるみるうちに空気を入れずして 布が球となり、サッカーボールへと化していく。 アルゴス「先人の無念を晴らし未来に光を抱くは、この球にかかっている…!」
[65]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/02/25(日) 17:50:27 ID:BxffVU8s アルゴスがサッカーをする動機を語ってくれたところで、本日はこれまでといたします。 あと残り3人のチームメイト紹介とダイジェスト紅白戦を交えての選手能力紹介…… それらが終わり次第、岬君達も本格的に試合がはじまります。 …アニメ終了までにたどりつかないと……
[66]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/03/03(日) 16:47:34 ID:Wqomk6Bc 第4話 なぜ空はこれほど青い? リブタ「いやあ、大きい体はこういう時大変ですねえ」 あふれんばかりの肉を座席と座席の間に押し込みながら、ひとり苦笑する。 リブタ「席も2人分取らせてもらうことになるとは。狭苦しいですが、どうかご容赦を」 相席する隣人に声をかける。だが相手は声が届いていないのかテーブルに広げた 手の平より少し大きいノートを見入っては熱心に書き込んでいる。 ただそれも十数文字程度書き込んでは止まり、また書き進めてはすぐ止まるを繰り返し 時折品を失わぬ程度に幸せそうな顔を浮かべ、窓へ顔を向け空の彼方へ視線をやりながら、 小声で何かをつぶやいているのだった。 何に夢中となっているか、むくむくとリブタの中に興味が湧きだしてきたようだ。 意識が彼方に向いているのを幸い、体をむりむり傾けて、ノートの中をのぞき見る。 この空を見ているだけでうれしい あなたと見れたらどんなにうれしいだろう Do you know why the sky is blue?
[67]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/03/03(日) 16:49:14 ID:Wqomk6Bc リブタ「(これは……詩ですね。大切な人を…)」 ????「…カレン」 スッと澄んだ声が、フッと隣人から発せられる。そしてようやく リブタの視線に気づいたらしく、ピクリとまばたきしてから向き直った。 ????「これは失礼、考え事をしていたもので。何かご用事でも?」 リブタ「いえいえこちらこそ勝手にのぞき見を。えっと、あなたも私と同じく、 西欧メンバーの一員ですよね?」 ????「はい」 リブタ「よければもう一度、お名前を教えてもらえないかと。物覚えが悪いもので… 私はオランダから来た、アルフレット・リブタです」 レヴィン「私はステファン・レヴィン、スウェーデン代表です。よろしく」 握手を交わした後、改めてレヴィンという少年の顔を見る。よく整った顔立ち、 自信を宿した顔つき、そして右目まで届かんばかりに大きく円弧を描いた髪が 特徴として目に入る。 リブタ「(まるで死神の鎌のような…ええい縁起でもない)も、もしよければ 今お書きの詩について、うかがっても」 レヴィン「詩…ああ、カレンに宛てる手紙の下書きのことですか」 リブタ「カレン…ご姉妹ですか」 レヴィン「いえ、僕の……大切な人です。何と、いいますか」 レヴィンは再び遠い目をして、再び窓を向いて空の彼方へと目線を投じた。
[68]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/03/03(日) 16:52:01 ID:Wqomk6Bc レヴィン「不思議なものです。恋をするまでは、恋をするとその人のことしか目に入らなくなると思っていたのですが…… いざそうなると目に映る全ての景色、世界が輝くというか、あざやかになるというのか。 その不思議と喜びを思うままに、つらつらと」 リブタ「そうでしたか……どうかカレンさんと、共に過ごすお時間を大切になさってください。 後悔することが無いように、一瞬一瞬、全力で」 ありがとうございます。ほほえみを添えてチームメイトにそう返事した後、再び窓に広がる青空を眺める。 どこまでも空は青い。 どれほど見渡しても一筋の暗雲も、湧き上がってきそうになかった。
[69]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/03/03(日) 17:00:08 ID:Wqomk6Bc 短いですが残り3人のチームメイト1人が、レヴィンくんと分かったところで今日はここまでといたします。 なおレヴィンくんが作中で記していた詩は、以下の動画(5:30あたり)からお借りしております。 https://www.nicovideo.jp/watch/sm29525809 物語での利用許可をくださりました、ねこ号さんにこの場を借りて御礼申し上げます。 ねこ号さんX(Twitter)アドレス ⇒https://twitter.com/nekogoing
[70]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/03/24(日) 17:41:19 ID:ZxMHRW6U 第5話 西ベルリン、そして最後の2人 リチャード「お前らが西ヨーロッパ代表かい。 ワシがリバプールのリチャード・デンバーじゃ。 よろしくたのむぞ」 西ベルリンのテーゲル空港に到着すると、これから僕達のチームメイトになるはずの男、 炎に石炭をまぶしたような黒みがかった赤毛の長髪イングランド人が待ち構えていた。 ギャロス「よ、よろしくっ」 リチャード「よろしくのう」 一番近くにいたギャロスは彼を見て、明らかにひるんで見えた。ギャロスには悪いが 他人には恐れおののいたチンピラが、組の頭と応対しているといった光景にしか見えない。 丸太に筋肉を覆ったような隆々とした両腕を組み、遠慮など欠片も感じさせない 不敵な表情は、一目で強者だと感じずにはいられない。 平静を保っているのは大男のリブタや拳法家のアルゴス、あとはレヴィンと監督くらいか。 後の面々は大人も含めて、硬い表情を浮かべてしまっている。 もっともみんなが赤毛のイングランド人を恐れ、警戒しているのは傲然とした風貌ばかりではなかった。 「先例」がある。
[71]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/03/24(日) 17:42:27 ID:ZxMHRW6U あれは今から2か月前、1985年5月29日のことだ。 僕はテレビで父さんと一緒に、サッカーの試合を見ていた。 それもただの試合じゃない。ヨーロッパナンバーワンのクラブチームを 決める大会の決勝戦だ。イングランドの強豪リバプールFCと、 イタリアの帝王ユベントスFCとの試合。フランスでも多くの注目を集めていた。 僕達の学校も例外ではない。学校でも連日話題のタネとなっていて、 サッカー部の練習は昨日見た名プレーの真似事に費やされていた。 僕だって、日本にいた頃には夢でも見られないようなプレーが見れるとあって、 父さんに頼み込んでテレビを借り受け、試合が始まると釘付けになって テレビに見入っていた。 そうして待ちに待った決勝戦。僕はその前座としてはじまっている、スタジアムの 地元ベルギーの少年サッカーチームの試合を観戦していた。今日のような大試合を 時間まで黙って待ち続けることができず、少しでも血を抑えようと僕よりも幼い 子供たちの試合を眺め続けることにしていた。 その試合が後半戦に入ってしばらくした後、「それ」が起こった。
[72]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/03/24(日) 17:43:55 ID:ZxMHRW6U 子供たちの試合が後半戦に入った頃、リバプール側のサポーター達が 金網のフェンスを破壊し、ユベントスのサポーターへ襲いかかってきた! 振るわれる鉄パイプ、飛び交うレンガ。テレビカメラごしの荒い画面から、 怒号と悲鳴が鳴り響く。 壁が崩れる。暴徒に襲われたサポーターたちが壁に寄り固まりすぎ、 重量に壁が耐え切れなくなったためだ。 崩壊と圧迫の勢いで後ろの観客が雪崩を打ち、前の人間を飲み込み押しつぶしていく。 将棋倒しとなったユベントス側を目の当たりにして、リバプール側は更に勢いづき、 かけつけた大勢の警官隊にまで突撃して、フィールドを血にまみれされた。 これまでのサッカーで、いや人生で想像さえしなかった展開だった。 何が起こっているか目で見ても頭が感じず、あれだけ待ち望んでいたはずの 決勝戦が(こんな状況下で)はじまっても上の空、試合結果まで後から テレビで目にするまで思い出せなかったくらいだった。
[73]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2024/03/24(日) 17:45:19 ID:ZxMHRW6U 岬「(『ヘイゼルの悲劇』と呼ばれるようになったあの事件。30人以上が死んで、 400人以上の重軽傷者を出した大惨事。 イギリスの車が破壊された、イギリス人が襲われた、 そんなニュースがよく流れていたっけ。結局、リバプールだけでなく イングランド中の全サッカークラブが、国際試合無期限禁止となった……)」」 悲劇からたったの2か月。他のチームメイト達にも色濃く記憶が残っているはず。 そうした周囲の空気などどこ吹く風というばかりに、リバプール人は監督へと近づき、尋ねる。 リチャード「人数は揃うたか」 メラン「人数、とは」 リチャード「決まっとる、このチームのメンバーのことじゃ」 メラン「ああ、まだ西ベルリン代表が一名、合流していない。 現地の合宿所で合流すると、向こうから」 リチャード「なんじゃ、ノフウド(※)なヤツじゃの。まあええ、 他の顔ぶれにアイサツさせるとするかの」 ※:生意気な。大きな態度。 そう言って返事も待たずに、クルリと踵を返して外へ向かっていく。 監督の制止も聞かず、走って前を遮る勇気のあるスタッフもいない。 やむなく全員でリチャードの後を追いかけ、空港の外にまで出る。その瞬間。 PAPPAPAPAPAPAPAPPPAPPPPAAAAPPPAPAPAPAPAAAAAAAAAAAAAA!!!!!! 天をつんざくクラクションが、テーゲル空港へまき散らされた。
前
次
写
名前
E-mail
0ch BBS 2007-01-24