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【短編】森蘭の剣
[155]森蘭の剣 ◆NZKQhxo4mI :2025/06/01(日) 20:32:21 ID:??? B 謝恩⇒不滅の使徒、鎮魂茶⇒グロリア、狂熱撃⇒オーギュスト 「む…あそこにあるのは、紅茶ロールケーキではないか! ココア殿が遺してくれたデザートか。 いただくとしよう、ばくばくばく…ぐへえっ」 「なんとはしたない、落ちている菓子を平らげるとは! 騎士として風上に置けません。 貴女はもっとシルヴィアから、立ち振る舞いを…」 ザクッ 「ウゴオオ…貴様らが、無能なせいで…ごふっ」 >キアの謝恩! キアと不滅の使徒のHPが3600回復! 不滅の使徒のデバフがすべて解除! >キアの鎮魂茶! グロリアのHPが500回復!毒3層と攻撃減20%(2T)、回復反転(2T)を与えた! >キアの狂熱撃! オーギュストに2240のダメージ! オーギュストに3600の追加ダメージ! >オーギュストは倒れた >グロリアの現在HP 9000 「グゴ! グゴゴゴー!」 「使徒っぴを癒して、ストーカーにトドメ、ナイスです! のこり1体ならもう勝利確定かな、あとはダイジェストでさくっと…?!」 「この身が毒に蝕まれようとも、最後まで諦めぬ! その身に刻め! 奥義!」 ひととおりフルコースを召し上がった女騎士が、最後の力を振り絞り…
[156]森蘭の剣 ◆NZKQhxo4mI :2025/06/01(日) 20:34:08 ID:??? グロリアの行動 聖槍ロンギヌス(範囲攻撃 物攻3500 攻撃後、破壊可能オブジェクト「ロンギヌス」が出現 ロンギヌス:HP10000 物防0 魔防 存在時味方全員の攻防+15%) >キアに2500のダメージ! >シャックルルに2500のダメージ! >不滅の使徒に2000のダメージ! >フィールドに「ロンギヌス」の槍が突き刺さった! 「ガングニールだとォッ?!」 「…よく見て、ロンギヌスって書いてあるよ?」 「書いてあるんかーい。小学生の文房具かーい。あとノリで言ってるだけだから気にすんなーい」 「…グゴ…」 本来はもっと強力な技であったと思われる必殺の槍投擲だが、 キアに毒を盛られたからか、単に食いすぎただけなのか。さほどの威力が出ていない。 そして、ツッコミ不在という致命的な欠点を抱える「旅は道連れ小隊」。 ついにシャックルルがセルフでツッコミを始める。 …そろそろ、エンディング突入でいいだろう。
[157]森蘭の剣 ◆NZKQhxo4mI :2025/06/01(日) 20:36:19 ID:??? 3ターン目。 使徒とシャックルルが投槍を破壊し、キアは決め技の準備。 グロリアが決死の回転切りを繰り出すも、トドメをさすには至らず。 そして、キアの短剣が鎧の継ぎ目に深々と突き刺さる。 「ごちそうさまでした…ばたっ」 「か、勝ったあ…最後はあっけなかったけど、結構ひやひやした…かな…」 いつもの軽口ではなく、全身で嬉しさを表現するシャックルル。 その手が少し震えているのを、キアは見逃さない。 「こわかった?」 「え?! そんなことないですよ! 先輩さえいれば、百人力だし! …ところで、あの猫はどこに隠れているのかしら。早く見つけて剝製に…」 「ニャーー!!! 怖いこというニャ! ちゃんとここで、見てるニャ!」 鳴き声がする方を向くと。 そこには確かに、先程の黒猫がいた。 「…これでもまだ、用があるの? 返答によっては、許さない」 短剣を構え、キアが凄む。
[158]森蘭の剣 ◆NZKQhxo4mI :2025/06/01(日) 20:38:07 ID:??? 「だーかーらー、おーちーつーくーニャ! キミたちを売るなんて、誤解だニャ!」 黒猫が声を枯らして、叫んでいる。 「はあ、よくもぬけぬけと。日々溜まる資源と交換できるラインナップ、とかいうやつに 私や先輩が含まれているの、ちゃんとこの目で見たんだから!」 「それはそうニャんだけど! ただ、色々と事情があってガチャに入れられないまま かなりの時間が経過してしまったから、今からガチャに追加しても回らないニャー。 それよりも、時間をかければ誰でもお迎えできる形にしたほうが、初心者にも優しいと 判断したまでニャ。形が変わるだけで、いま楽園にいるガチャ限定のみんなと 扱いは変わらないニャ! 吾輩が保証するにゃ!」 「うーん…色々な事情ってやつは、じっくり聞きたいところだけど。っていうか、 それならなんで、あんなやばい追手差し向けてきたのよ? 回避スキルなかったら 普通にお陀仏だったんですけど?!」 「追手? あのパーティーのことニャら、吾輩とは無関係だニャ。 単にこの迷宮を探検していただけじゃニャいか? 動きがあまり賢くなかったから、たぶんフルオートで放置されてるんじゃニャいかな」 「えー…そんなオチなくなーい?」 話を聞いて崩れ落ちるシャックルル。 どうやら最後の戦闘は、特にする必要のないバトルだったようだ。
[159]森蘭の剣 ◆NZKQhxo4mI :2025/06/01(日) 20:40:21 ID:??? 「…貴方について戻るかどうかは、ひとまず置いておいて。 結局私たち『旅は道連れ小隊』は、この迷宮を踏破できたってことでいいのかしら?」 「フム…どうやらここが最深部のようだし、クリアはしてるんじゃニャいか? せっかくだし、ご褒美がもらえるなら、もらっとくといいニャ… ところで、何を望んだんだニャ? 今のところ、何も出てニャさそうだけど」 「それはリーダーの先輩次第かしら…先輩、何を望んだんです?」 「え…?」 そういえば、そんな話だった。 自分は何を望むのだろう。考えつつも、まとまらないまま最後まで来てしまった。 「私は……っ?!」 「えっ、使徒ちゃん?!」 カラン、カランカラン… ともに戦ってきた、不滅の使徒。 その外皮というべきか、装甲というべきか…構成する要素が、1枚づつ。 剥がれ落ちては、消えていく。 「…ここで、お別れということかな。ありがとう」 「使徒ちゃん…感謝を…」 「フム…この災厄、結局なんだっのかニャ。ベラあたりに今度、話してみるかニャ…?! うおっ、ニャんだこの、凄まじい輝きは…!」
[160]森蘭の剣 ◆NZKQhxo4mI :2025/06/01(日) 20:41:44 ID:??? 使徒の中核の、コア…とでも言うべきものなのだろうか。 大きな球体が、強い光を放ちながら揺れている。 「ちょっと危ないニャ! 二人とも、いったん下がるニャ」 「ええ、そのほうがよさそうね。猫ちゃん、これは?」 「これは道標…いや、ちがうニャ。ゲートそのものだニャ! それも、ただ短距離を移動するだけのゲートじゃニャい…異世界へのゲートだニャ! これが、キミたちへのご褒美みたいだニャ!」 黒猫が驚きを隠さずに叫ぶ。 異世界へのゲート。なんか凄そうではあるが、どうもピンとこない。 「…ロディニア大陸ではない、別の大陸へのゲート…ということ?」 「ちーがーうニャ! そんなもんじゃないニャ! かんっぜんに別の、理からして全く異なる世界へのゲートだニャ! そこにはロディニア大陸も、王国も、法皇国も、騎士連合も…存在しないニャ」 「ようするに、新たな大冒険の始まり、ってわけ? えー先輩、見かけによらず、こんなの望んでたんですかー? このこのー♪」 「…そう、なのかな??」 全く異なる世界への扉。 まさか、そんなものを自分が望むはずが… そう思いながらも、口から出てくる言葉は、否定ではなかった。
[161]森蘭の剣 ◆NZKQhxo4mI :2025/06/01(日) 20:43:39 ID:??? 「…え? 先輩まじで?」 「行く気かニャ?! そうなると、キャラ配布のスケジュールが…うー…」 「わからない。けど…確かに、この世界にずっと居たいとは、私、思ってないかも」 ご主人様のために、闇の稼業に手を染め、多くの人を殺めた。 サフィアのために、全ての罪を背負い、ウェーブランの海に身を投じた。 それしか、なかった。 このろくでもない世界で、必死に生きた。それだけだった。 世界の平和のために、とかではない。できることを、すべてやっただけ。 「…サフィアには、悪いけど。楽しくは、なかった、かな」 ふと呟いたその言葉に、キア自身が驚く。 楽しいとか、楽しくないとか。 そんな感情が、自分にもあったのだろうか。 「?? 先輩?」 こいつだ。シャックルル。こいつのせいだ。 こいつと、使徒と。 一緒に戦ってきた「旅は道連れ小隊」の道中。 …楽しかった。
[162]森蘭の剣 ◆NZKQhxo4mI :2025/06/01(日) 20:45:03 ID:??? 「ゲートは安定しているニャ…けど、いつまで持つかわからないニャ。 もし本当に異世界に行きたいニャら、もう心を決めて飛び込んだ方がいいニャ。 ただ、おそらくだけど…帰りの切符は、ないニャ」 「私はパス! この世界でもう一度やり直せるっていうなら、やり直してみたいけど。 あんなひどい死に方して、次は別の世界だなんてゴメンよ。 猫ちゃんごめん、やっぱり私、楽園に戻らせてもらうわ」 「吾輩は構わないニャ。正式な楽園入りは、イベントのスケジュール次第になるから ちょっと別のところで控えてもらうかもしれニャいけど。 …で、キア。キミはどうするニャ?」 「…………」 シャックルルは、来ないのか。 淋しい気もするし、せいせいした気もするけど。 でも、私の心は、もう決まった。 「私、行く」 「マジですか?! 先輩が決めたことなら、仕方ないですけど… でも先輩! もうちょっと、詳細を聞いておいたほうがいいんじゃないですか?」 「詳細?」
[163]森蘭の剣 ◆NZKQhxo4mI :2025/06/01(日) 20:46:48 ID:??? 「ほら、異世界ものって色々あるじゃないですか。 元の記憶を持ったまま、赤ちゃんとして生まれるとか。 既に異世界に暮らしている、とある人の人格と、そのまま置き換わる系とか。 あとは転生じゃなくて、今の姿と記憶そのままで転移のパターンもありますよね」 「あー、そういうことなら多分一番最後ニャ。転生ってのも聞いたことはあるけど もっと複雑な段取りが必要なはずだニャ」 「ああ、ポンコツ女神様とか?」 「まあそういうやつだニャ。こういうシンプルなゲートで異世界に行くときは 転移のパターンしかないはずニャ…ただ、一つ心配事はあるニャ。 一応、言っておいた方がいいニャ?」 「…聞かせて」 「転移先としてどのような異世界が選ばれるかは、転移者の因果に左右されるニャ。 キミは…結構、裏の仕事をやってきた身だニャ。殺しもかなり、やってるニャ?」 「否定しない」 「となると、おそらく転移先も、平和とは程遠い…戦乱の真っ只中、とかニャ。 異世界でのんびりスローライフ、とはまずならないと思っていた方がいいニャ」 「…そう。問題ない」 今の自分には、戦う力がある。 戦乱の真っ只中。 その中で、何のしがらみもなく戦えるというならば、望むところだ。
[164]森蘭の剣 ◆NZKQhxo4mI :2025/06/01(日) 20:48:45 ID:??? 「なら、吾輩から言うことはもうないニャ。さらばだニャー」 「ちょっと猫ちゃん、勝手に締めないで! もうちょっと名残を惜しんで…ってわけにも いかないのよね、ゲートの都合もあるみたいだし。 先輩! これ1本…いや2本、持っていって!」 「…苦無?」 「こんなものしかなくて、申し訳ないけど。私たちの絆だと思って、持っておいてほしいです。 もちろん、戦闘で使ってもいいですよ! 先輩なら、使いこなせるでしょ」 「そういうことなら。ありがたく、使わせてもらう…それじゃ、お別れだね」 キアが、ゲートに近づいていく。 ゲートの輝きは、保たれたままだ。 「…せんぱいっ! お元気でっ!」 「うん。シャックルルも、元気で。楽しかったよ」 にこっ。 軽く微笑みを返して、キアは進む。そして… キラッ。…………カアアアアアッッ!!! スウッ… 光の中に、キアは消えていった。
[165]森蘭の剣 ◆NZKQhxo4mI :2025/06/01(日) 20:50:07 ID:??? 〜エピローグ〜 「はーあ、配布の予定が狂ってしまったニャ。もう一人、配布用のキャラを確保しないとニャ。 この第二王子とかいいかもニャ…こいつ、どのルートでもムカつくしニャ…」 「うはあ…笑った…先輩が、笑った…えへへ…」 「…キミも、なんだかんだで相当楽しんでるニャ。別にわるいことじゃニャいけど…そうだニャ! 道中でキアになんかいろいろ、変なことを吹き込んでなかったニャ?」 「…ぎくうっ!」 「まったく…長く実装しないまま放置していた、吾輩にも責任はあるのニャけど! ネットはほどほどにするニャ! 今後は一日一時間までニャ!」 「ええええええ?! それは時代錯誤じゃない? 虐待はんたーい!」 「あと、その変な破天荒キャラと後輩ムーブ、いつまで続ける気だニャ? 語尾も一人称も統一されていないし、見てて苦しくなってくるニャ」 「…そうですわね。いったん、戻しましょうか」 「急に戻るのも、それはそれでニャー」
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0ch BBS 2007-01-24