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[769]2 ◆vD5srW.8hU :2008/09/06(土) 08:36:10 ID:1qKH+EcM
ロベルト「……………」

翼「……………」

両者にとって予定外に早く実現した唐突な再会。それは二人が夢見ていた感動的な光景とは程遠い、
気まずい沈黙と重苦しさに満ちた物だった。一分近く静けさが続いてから、ようやく翼がおずおずと口を開く。

翼「ロベルト…今、ロベルトはフランスに住んでいるの?」

ロベルト「あ?い、いや違う。俺は今、サンパウロFCのデンチ・デ・レイチ(最年少)チームの監督をやっているんだ。
今回はヨーロッパ遠征に来て親善試合を行っているんだ」

翼「えっ…か、監督…と言う事は!」

翼の顔がパアッと明るくなり、瞳もキラキラと輝きだす。中学生になって以来一度も浮かべる事の無かった
ロベルトへの憧れの表情である。そしてそれはロベルトに取ってはもっとも見たくなかった物でもある。

ロベルト「(マ、マズい…あれは”ロベルト、また俺にサッカーを教えてくれるんだね!”の顔だ!だ、だが俺はもう
翼に教えられる事はあのノートに全て書き込んでしまった…これ以上翼に教えられる事なんか無い!)」

ロベルトは必死に無表情を保ち、サングラスの裏で目をつむり翼の視線を遮断した。
勿論翼はそれに気づく事などなく、ただただ目に見えてきそうな程光り輝く希望の視線を送り続けた。

ここですこし説明しておこう。三年前ブラジルに帰ったロベルトは裏で怪しい仕事をこなしながら表世界では元プロ選手として
指導者を目指した。しかしかつて森崎のマグレ兼事故により凡庸な人間にされてしまったロベルトは指導者としての勉強をしても
平々凡々な成績しか出せず、やがて”現役時代は凄かったが指導者としては凡将”との烙印を押されてしまう。若い頃に活躍した
サンパウロでも少年達の指導しか任されず、それ以上上の年代を率いていける程高レベルの指導が出来る様になるまでは
まだまだ時間がかかると評価されていた。ブラジル代表のスタメンまで行った男としては甚だ不本意な境遇である。

なんとか第二の人生で出世コースに飛び乗りたいロベルトは翼をスカウトして来る事で自分の地位を高めるプランを思いついたが、
肝心の翼は(凡庸になる前に書かれたノートの)ロベルトの教えを忠実に守り世界レベルでも申し分の無い実力を身につけていた。
今日の試合で挫折を味わった翼に伝授してやれる手持ちのコツや新しい技など無いのである。


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0ch BBS 2007-01-24