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【そんなタイトルで】アナザー カンピオーネ1【大丈夫か?】
[89]アナカン ◆w2ifIqEU72
:2010/10/27(水) 21:07:23 ID:???
いつの間にか満面の笑みを湛えていた少年の顔を見て、ジョアンは目を潤ませた。
…と、視界がぼやけ 少年が出してくれたパスを見失ってしまった。
トン…!
トン……トン…
トラップのタイミングを損ない、弾かれたボールが転がっていく。
ジョアン「やっ、すまんすまん。」
少年「ボクが取ってくる…!」
そう言ってジョアンを制し、少はがボールを取りに走って行った。
ジョアンは少年の言葉に笑顔で頷き…そして少しだけ夜空を仰いだ。
省19
[90]アナカン ◆w2ifIqEU72
:2010/10/27(水) 21:08:29 ID:???
ジョアン(……)
少年「おじさん…!」
少年の呼ぶ声にジョアンは意識を引き戻された。 見ると、少年が手招きをしている。
何のつもりか直ぐには解らなかったが、やがてそれが「かかってきなさい」だと理解した。
一対一をしようと言っているのだ。
ジョアン「よし、行くよ。」
微笑みながら少年へと向かっていくジョアン。
その微笑みは数秒の後に驚愕へと変わる。
シュシュッ……パッ…!
…トン…! ダダダッ…!
省1
[91]アナカン ◆w2ifIqEU72
:2010/10/27(水) 21:09:32 ID:???
“シャペウ・ド・ファルカン”…あの日少年に教えた技に、ジョアンは目を疑った。
そしてジョアンは自分が今立っている場所が壁際という事実に更なる衝撃を受けた。
シャペウ・ド・ファルカンという技の特性を、少年が理解して使ったという事実に。
あの日一番見たかった物、それを今この時見れるなど、砂粒ほども考えていなかった。
だが何よりまずジョアンは叫んでいた。
ジョアン「記憶が戻ったのかい!?」
その問いに対して首を横に振る少年。
省17
[92]アナカン ◆w2ifIqEU72
:2010/10/27(水) 21:10:54 ID:???
ジョアン「名前……。」
少年「え……?」
ジョアン「名前、どうしても思い出せないかい?」
少年「………うん…。」
ジョアン「アルシオン…。」
少年「えっ…?」
ジョアン「名前…アルシオンはどうだろう? キミをどう呼んでいいか分からないと困る…。」
少年「…………うん。」
照れ臭そうな顔でアルシオンが微笑んだ。
気に入ってくれたのかも知れない。
その顔を見た時、本当の意味でジョアンは全ての覚悟は据わった。
[93]アナカン ◆w2ifIqEU72
:2010/10/27(水) 21:12:01 ID:???
ジョアン「悪い奴らに追われているのは解ってるね?」
コクン、とアルシオンが頷く。
ジョアン「サッカーは好きかい?」
当たり前と言わんばかりに強く頷く。
ジョアン「太陽の下でみんなとサッカーをしたいか?」
アルシオン「できるの…?」
ジョアン「10年間 夜を歩けるなら…必ず私が連れて行ってみせる。」
アルシオン「行くっ!」
間髪ない回答だった。
その瞳がキラキラと輝いている。
ジョアン「夜は怖くて寂しいものだぞ?」
省7
[94]アナカン ◆w2ifIqEU72
:2010/10/27(水) 21:14:07 ID:???
1-11)白夜行
BJ「それじゃ、もしタカシという男の消息が分かったらココに連絡を頼むぜ。」
ジョアン「ああ、勿論だ。」
BJ「じゃ、達者でな。」
ジョアン「ありがとうBJ、本当にありがとう。」
ボスニア行きの列車のホームでBJが見送ってくれた。
彼が戻って来て、アルシオンを育てると告げた時の烈火のような顔が忘れられない。
火事になるんじゃないかという程の勢いで怒り、罵られた。
省19
[95]アナカン ◆w2ifIqEU72
:2010/10/27(水) 21:15:14 ID:???
ジョアン「アルシオン、怖くないか?」
アルシオン「全然! おじさんが居て、サッカーが出来るんだもの!」
アルシオンは笑顔だった。
ジョアンは笑顔を返した。
この日から二人にとっての太陽はお互い自身であった。
それが偽者の太陽だとしても怖くはなかった。
全てのカードが裏返れば きっと新しい物語が始まる。
そう信じて疑わなかった。
Another Campione Episode 0
〜fin〜 or 〜To be continued act2〜
[96]アナカン ◆w2ifIqEU72
:2010/10/27(水) 21:16:16 ID:???
――――あれから長い月日が流れた
[97]アナカン ◆w2ifIqEU72
:2010/10/27(水) 21:17:21 ID:???
〜イタリア ミラノ市 サンシーロスタジアム〜
実況「さあ、コッパ・イタリア・プリマヴェーラ 決勝トーナメント一回戦!
ユヴェントス対フィオレンティーナ、戦前の予想を裏切るフィオレンティーナの大健闘!
後半に入って2点を追加、前半終了間際に追いついたユヴェントスを引き離しています!
このまま最後まで押し切ってしまうか!? それともユヴェントスが阻止するのか!?」
実況の興奮した声がスタジアムに響き渡る。
省22
[98]アナカン ◆w2ifIqEU72
:2010/10/27(水) 21:18:33 ID:???
ジョアン(あれから9年…。)
老人は感慨深い表情で視線をグラウンドから若者へと移した。
ジョアン(あと少し、あと少しでお前を太陽の下に出してやれる)
そんな事を知らずグラウンドでは若者と同世代の選手達が汗を流している。
どうやら紫色のユニフォームを着たチームが優勢だ。
そのチームのキャプテンである若者が的確なコーチングで選手達に指示を出している。
チームの10番を背負った若者、彼の名は三杉淳と言った。
かつてガラスのエースと呼ばれた男である。
省6
[99]アナカン ◆w2ifIqEU72
:2010/10/27(水) 21:21:03 ID:???
本日は以上です。
これでEpisode 0(第一幕?)は終わりです。
長い長い文章パートに付き合わせてすみませんでした。
次の更新ではテンプレを…
そして更新速度はここからガクンと落ちる筈です。
ではまたー。
コメレス
>>78
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>>79-86
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>>87-93
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