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1- レス

【最終兵器】Another-C_6【ファンタジスタ】


[982]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/18(木) 17:53:09 ID:???

蓮子「だからさ、このタケノコは一体どういう事なの?」

メリー「説明した通り夢の中の竹林で拾った物よ、夢から覚めたら2人に見せようと思ってね。
     ・・・ベッドで目を覚ました時、実際手に持っていた時は流石に混乱した訳だけどね・・・。」

そうなのだ・・・夢だとばかり思っていたのに、向こうで採った物が現実に現れた。
赤い屋敷でお茶を御馳走になったり、竹林でタケノコを拾って黒い鼠の様な何かに襲われたり・・・ 省40

[983]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/18(木) 17:54:37 ID:???

2−2)Change ability of Strange Dream

蓮子「能力が“結界を操る物”に変わりつつあるんじゃないかな・・・。」

突拍子もないかとも思ったが、私は自分の考えた結論を口に出していった。
あー、やっぱり思ったとおり。 メリーはこれを聞いて目を真ん丸くしている。

メリーは『結界の境目が見える』っていう、ちょっと気持ち悪い目を持っている。
この目があるからこそ、我が秘封倶楽部は秘封倶楽部として活動が出来ているわけだが。 省34

[984]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/23(火) 16:37:32 ID:???

蓮子(普通の人間は一生知る事のない、密やかな世界の仕組がある事を、私たちは経験している。
    だから質悪く私たちをからかおうとしているのでない限り、メリーの話は全て現実と解る。
    でなければ夢の中で拾ったタケノコが、起きたら実際にあったなんて事は起こらないし。)

色々と可能性は考えられたが、それでも私はメリーの身に起こった事実を確信していた。

蓮子(きっとメリーは夢の中で行ったんだ……結界の向こう側に。)
省34

[985]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/23(火) 16:39:42 ID:???

・・・それから、何故メリーがこの様な不思議に巻き込まれたのか言う考察。
これについては、一つの可能性しか頭になかった。
理系ならば、もっと他の可能性も挙げて証明と反証を繰り返すべきかも知れなかった。
けれどもこの時の私はそんな事も出来なかった。
メリーだけが得体の知れない何かに巻き込まれ、何処か遠い世界の人になろうとしている…
そう考えるのが、とてもとても嫌だった。

蓮子(置いてかれたくない。)

…だからそう言った。 省20

[986]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/23(火) 16:54:10 ID:???

2−3)此方

メリー「・・・聞いておいて何だけどさ、やっぱり夢だったんだと思う。
     だって、あんなに色々な事があって走ったりもしたのに、筋肉痛とか全然無いし。」

蓮子「そう? ・・・でもさ、現実だったらワクワクじゃない? ねえ?」

そう言うと蓮子はナムリスの方を向いて同意を求めた。
ナムリスは『全くです』と笑顔で答える。

蓮子「ほら、メリーだってそうでしょ?」
省28

[987]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/23(火) 16:55:15 ID:???

蓮子「私は、さ・・・メリーの見た夢を現実にしたいな。」

メリー「え・・・?」

蓮子「多分、蓮子は結界の向こう側に行ったんだよ。 ・・・と、私は思ってるんだけどね。
    少なくともさっきのメリーの話は、私が今まで生きてきた中で、一番ワクワクする話だった。
    現実かも知れない夢を見た・・・それは夢のような現実が待っているって私に思わせた。」

メリー「蓮子・・・」

蓮子「私はメリーの夢の世界に行きたい、夢を現実にしたい。」

メリー「!」
省19

[988]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/25(木) 18:52:34 ID:???

メリーと蓮子…2人の間で気持ちの整理がついていた。
蓮子の希求がメリーへと伝播し、彼女の得も言えぬ不安感を拭ったのである。

2人の様子をナムリスは外から笑みを浮かべながら見ていた。
まるでこうなる事が分かっていたかのように、ここまでのナムリスは出来る限り言葉を発せず、
存在感も可能な限り減じてきていた。
だがここでようやく彼が主体的に言葉を紡ぎ始めた。

ナムリス「メリー先輩の話が夢か現か、真偽は今の我々には知り得ません・・・。 省25

[989]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/25(木) 18:54:06 ID:???

蓮子「相変わらず奥歯に物を挟んだ話し方をするのね…
    言いたい事、主張があるんだったらハッキリ言いなさいよ。」

ナムリスの物言いに焦れた蓮子が直球で不平を示す。
言われた側のナムリスは肩を竦めて困り笑いの顔をする。
いつもの光景である。

ナムリス「ふふ、すみません。 ではハッキリ申し上げます。
      それが100%メリー先輩の能力だと言うならば、我々の活動に変化はありません。 省37

[990]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/25(木) 18:55:07 ID:???

・・・しかし今回の事件によって、秘封倶楽部の活動は転機を迎えようとしていた。
何故ならば、結界の向こう側に行きたいという望みが発生したからだ。
覗き見る事よりも更に先の世界がある、これを彼女たちは知ってしまったのだから。

メリーの能力に100%依存する現象だったならば、なんら問題は無い。
結界の向こう側にはいずれ行けるだろう、メリーの力の変化が顕実化すれば。
だが外的要因があるとすれば、いつまで経っても結界の先に行く事は出来ない。 省39

[991]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/25(木) 19:08:55 ID:???

言われて蓮子はハッとした。
たしかに“ひもの研究”は、世界の仕組みを知る為に蓮子自身が選んだテーマだった。
その中では今自分達が住んでいる宇宙以外に、法則の異なる別の宇宙が膨大に存在すると仮定されている。
結界から覗き見える向こう側の世界は、その宇宙の中の一つではないかと蓮子は考えていたのだ。
まさかナムリスの口からこんな関連性を示唆する言葉が出てくるとは思っておらず、
それ故に彼女は大層驚きを示したのだった。
省25

[992]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/25(木) 19:10:42 ID:???

ナムリス「超広義考古学では、古来より伝わる伝説、宗教、文化・・・
      世界の地域、物事の大小を問わず、その類似性と背景を調べています。」

メリー「それが今回の話と何の関係があるってーのよ?」

少し膨れた顔でメリーがぼやいた。
どうやらフォローしたにも関わらず、失礼な蓮子の言葉を是とした事を根に持ったらしい。
ナムリスとしては苦笑しつつ説明を続けるしかなかった。

ナムリス「・・・・・・ボクには常々不思議に思っている事がありました。 省30


0ch BBS 2007-01-24