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【敵味方問わず】幻想のポイズン53【白黒判定】
[889]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To
:2011/10/19(水) 01:31:26 ID:???
静葉「少年は大人になる。 今もそう、なっている途中――少しずつ少しずつ、成長をしてゆく。
……姉のような存在は、いつまでもいらないのよ」
穣子「……………………」
静葉「いつか……ううん、もう、かもしれない。 彼にも彼にふさわしい"人"が見つかるでしょう」
穣子「……わかってるわよ」
静葉「さっきからそればっかりね……」
穣子「だって、わかってる事ばっかなんだもん」
感情が見えない穣子の言葉を聞いて、静葉は困ったように首を傾げた後……自分の分のお茶を買ってくると、一旦席を立つ。
再び静寂に包まれた部屋で、秋穣子はベッドに横たえたまま、不意に右手をぐっと伸ばし天井に向けた。
穣子「……わかってるわよ。 そんなもん。 誰に言われんでも、私が一番。
でも、いいじゃない。 今くらい……少しくらい……」
そのままぐっと右手を握りしめ……すぐに開く。
その手のひらの中は、空っぽだった。
それが穣子には、なんだか無性に悲しかった。
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0ch BBS 2007-01-24