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【崩落のステージ】Another-C_8【 前篇 】


[234]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/08(土) 15:51:55 ID:???
>>223
アルシオンはこれまでシュナイダー、ピエールなど各国のトップエースクラスでした。
けれど今回の事で頭一つ抜けた存在になったという話です。
人類レベルなのは間違いないのでご安心下さい(笑)

他のメンバーはパルマ戦並みのレベル(才)に上がって再び相見える形になります。


12日まで更新は出来ませんが質問なんかあれば受け付けますよー

[235]森崎名無しさん:2011/10/08(土) 21:43:47 ID:???
乙でしたー

[236]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/12(水) 19:56:21 ID:???

>>285 乙感謝です、どもー。
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≪イタリア・アレッツォ地方(?)≫

その身に稲妻を受けたかのような衝撃、目の前に浮かんでは消えるイメージ。
神秘的な感覚の全てが消失し、地に足が着いている実感を取り戻すまで…
どれほど永い時間が過ぎていったのか、彼には判らなかった。
物理的な時間量としては数秒程度であったが、体感では1週間にも1ヶ月にも感じられたからだ。 省27

[237]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/12(水) 19:57:36 ID:???

ナムリス(腐海に浸食された世界、神聖土鬼帝国、世界を焼き払った巨人…
      シュワの墓所と教団、その技術… そして。)

ナムリスは身体に力を込め、自らの肉体をまじまじと見返した。
見掛けは変わっていないが、その中身は自分の知るソレとは明らかに別物。
パワー、スピード、耐久力の全てが規格外となっている実感があった。
今ならばオルミーガと殴り合いをしてもそうそう負ける事はないのでは、と思える程に。
省24

[238]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/12(水) 19:58:46 ID:???

ナムリス「メリー先輩…? 何処に居るんです、メリー先輩!?」

蓮子とアルシオンの様子も気にかかったが、彼は先ず居なくなった人間の名を呼んでいた。
マエリベリーは彼にとって、失いたくない掛け替えの無い人物だからである。
ゲンソーキョーと現世を繋ぐ最も重要な鍵、マエリベリー・ハーン。

ナムリス「(返事が無い、気配も無い…クソっ!) 蓮子先輩!! 起きて下さい!」

蓮子「う、あ……な、ナム…? ハッ)メリーは!? メリーは何処!?」
省23

[239]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/12(水) 20:00:08 ID:???

ナムリス(なんて事だ…! 理論が証明されても、鍵を失ったら意味が無い!
      ここからっ! オレの夢はまだここからだと言うのにっ…!!)

蓮子「ナム…ナムゥ……メリーを探してよぉ………ヒック…
    あたしも探すから…一生かけて探すから……力を貸してよぉ…」

ナムリス「当たり前だ!」

蓮子「本当…?」

ナムリス「(メリー先輩…いや、マエリベリーはオレが必ず見つけ出す…) 省17

[240]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/12(水) 20:01:37 ID:???

……この時、世界では彼らと同様の体験をした者が、次々に記憶と能力を失っていた。
次元の壁の向こう側で八雲紫が『運命を操る程度の能力』を反転させたからである。
しかしナムリス(達)だけはそれらを失う事は無かった。
メリーの最後の祈りは境界を阻つ結界となって、彼らの身を覆っていたからである。
その事をナムリスと蓮子が知る由も無かったが・・・。


一方、少し離れた場所で天を仰いでいたアルシオン…
彼の耳には何も・・・傍で行われた2人の騒ぎすら入ってこなかった。 省8

[241]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/12(水) 20:04:15 ID:???

もう一つの世界でのアルシオンは、どうやら今の彼よりも幾分か年上のようだった。
しかしそれでもアルシオンと同じようにサッカーを愛し、同じようにネズミのアニメーションを愛していた。

アルシオン「オレは…」

そこでの彼は順風満々の少年〜青年時代を過ごしていた。
彼のサッカーの上手さは街の内外に知られ、国内最大のクラブチームがスカウトに来るほど…
地元、国内、世界とそのステージを順調に登っていったが、躓く事は皆無。 省44

[242]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/12(水) 20:05:15 ID:???

アルシオン「オレは・・・」

もう一度彼は同じように呟いた。
その顔を注意深く見れば、頬に薄く涙が流れているのが判ったであろう。
ジョアンと旅を始めてからの9年間、どんな時であっても彼が涙を流す事はなかったのに。

アルシオン「父さん、母さん・・・。」

失われた記憶・・・思い出せなかった顔。
入ってきたイメージの中に、今まで懐かしいと感じる事も出来なかった両親の姿があった。
それは当然記憶にない顔だったが…しかし自分の両親だと一瞬で理解する事ができた。 省22

[243]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/12(水) 20:06:18 ID:???

アルシオン「うっ・・・クッ・・・・・・ウアアアァァァァァッ!!!!」

絶叫と共にアルシオンは地に臥した。
四つん這いになって、何度も何度も拳を地面に叩きつける。
涙と鼻水が混ざった液体を土の上にボタボタ垂らし、彼は泣き叫ぶ。

アルシオン「これが人か! これが世界か・・・!」

幸せであると信じ続けた9年間は、幸せでも何でもなかった。
それを壊した煮えくり返るような不幸の後に残った、砂粒程の希望でしかなかった。 省21


0ch BBS 2007-01-24