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銀河シュナイダー伝説9 〜出帆篇〜


[251]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 20:55:38 ID:cVrr7pfk
アーデルンカッツ「ふむ…ありていに言えば、卿という存在は異質なのだ。いや、気を悪くしないで
くれたまえ。人というのは立場に縛られるものだ。だが、今の時点で卿がここに来る理由も立場もない」

至極真っ当な話である。門閥貴族である彼にとって宇宙空間はあまりに平等すぎる。

旧式の駆逐艦のどてっ腹にミサイルの暴風を食らえば、逃げる間もなく彼に死の抱擁が待ち受けている。

それがもしどこかの駐留艦隊であるのならば駐留先に逃れるという貴族様ご用達の策も使えるのだが、
遠征先での戦いでは逃げ出す場所も無いのだ。それはつまり、貴族であるはずの彼が貴族であるという
特権を放棄しているということに他ならない。

アーデルンカッツ「聞いた話によると卿は自ら進んで門閥貴族となったという。つまり、この両者は
矛盾するのだよ。解るね」

両手を目の前で組み、机に両肘を落としてまるで彼を値踏みするかのように語り続ける。

シュナイダー「………」

アーデルンカッツ「ずばり聞こう。卿の望みはなんなのだ?」

返事をしないシュナイダーにその矛盾点に違いは無い事を理解した彼は直球で勝負を挑んでくる。


0ch BBS 2007-01-24