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銀河シュナイダー伝説10 〜星海篇〜


[920]銀河シュナイダー伝説:2011/11/05(土) 20:26:37 ID:UWEqXWm2
ヘルミーネ「…そうですわね。私も少しびっくりしちゃいました」

彼女は知っていた。もし、彼女が皇帝に見初められなかったとしても、自家の政略の道具として
見目麗しく育った彼女は彼女の意志とは関係なくどこかの門閥貴族に嫁ぐ事になっただろう。

それが、どこぞの貴族であるよりは皇帝である方がはるかにマシな選択なのだ。だが、
恐らくこの妹を愛する少年にそのことを諭しても意味はないだろう。だから…

ヘルミーネ「行っちゃうのは仕方の無いことなのです。でも、会えなくなるのをそのままに
しておいて良いのですか?ただそうやって、悲しみに打ちひしがれて、何もせずうずくまっている
だけなのですか?」

少年に対しては厳しい言葉だろう。本当ならば慰めるのが彼女の役目である。だが、あえて
安易な慰めをしないのは彼女の厳しさの中にある聡明さゆえだろう。

シュナイダー「……嫌だ!俺は…俺は!!」

ぎゅっと小さな掌を握り締める。食い込む爪に自分の白い肌が更に白く…まるで全ての血液は怒りで
蒸発してしまったかのような白さをだしていた。


0ch BBS 2007-01-24