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1- レス

異邦人モリサキ


[134]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/03(日) 13:35:45 ID:???
(狙いは一点……ここだッ!!)

軽く握っただけの拳を、肩口から打ち出すと同時。
地を踏みしめた軸足から腰へ、腰から背へ、背から肩へと力を伝達させていく。
全身の体重が、肩から腕へと伝わり、肘を通過して拳へと繋がる瞬間。
初めて固く握り締められた拳が、標的を打撃する。

「―――!」

動き出した時間の中。
森崎の引き戻した拳には、確かな手応えだけが残っている。
一瞬の静寂の後、奇妙な音が響いた。
何が起こったのかもわからず立ち尽くしていたビリーの、喉の奥、肺腑の底から響く音である。

「……ぐ、ぎ、が、えぁ、ぁぁぁ……あ、ぎゃ、ぎゃあああ!?」

唸り声のような声は、すぐに悲鳴へと変わった。
衝撃が痛覚に変わり、それで初めて、自身が強烈な打撃を受けたことに気付いたようだった。
尖った鷲鼻が、その中途から自然にはあり得ない方向へとねじ曲がり、盛大に血を垂れ流しだす。

「……鼻ごと人中をぶち抜いた。しばらくは飯も食えねえぞ、鳥野郎」
「ひゃ、ひ、ぃぃぃ……」

砕けた鼻骨と前歯とを必死に押さえながらのた打ち回るビリーに向けて、森崎が言い放つ。
両手の間からぼたぼたと溢れる血と、眼前に転がった前歯の欠片と、そして倒れた自身を見下ろす森崎とを
交互にその目に映しながら、ビリーが声にならない声を上げた。


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