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異邦人モリサキ
[192]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/05(火) 00:06:53 ID:???
ぼそりとこぼしたネイの呟きに、トニーニョが答える。
それを聞きつけた森崎が、僅かに肩をすくめて感心したように囁く。
「へえ、あのトニーニョとかって坊主頭、意外とよくわかってんじゃねーか」
『……どういうこと?』
「今呼ばれたヤツら、歳も人種もバラバラだけどな……一つ、共通点があるんだよ」
『え? ん〜……、あ! あいつら、皆……』
言われたピコが何かに気付いたように森崎の方を向いた途端、雷鳴が轟く。
主任教官、ヤング・マジョラムの一喝である。
「今、前に出た貴様ら―――得物を捨てろ!」
「……、……!?」
「……なにィ!?」
耳ではなく腹の底に響く怒号が収まり、それから一瞬遅れて、言われた男たちが驚愕し、
思わず自らの手にした得物に目をやる。
「俺たち流れの傭兵は、それぞれ手前ぇの得物を持って戦場を渡り歩く。
当たり前だが訓練の時にもそいつを使う……大事な相棒だ、宿舎に置いてくるわけもねえ」
『そうだね、あたしだって置いてかれたら怒るもんね!』
「……お前は盗まれる心配、ないけどな」
『こーんな可愛いコをつかまえて失礼じゃない?』
「……で、今呼ばれた連中の相棒はといやあ、だ」
しなを作るピコを無視して、森崎が続ける。
『もう! ……銃、だね』
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