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異邦人モリサキ
[207]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/06(水) 01:17:58 ID:???
//体術訓練
「走れ! 走れ! 走れ! 基礎体力のない奴にこなせる訓練などない!」
今日も今日とて、広い荒野にヤングの大音声が響き渡る。
三百人の荒くれ者どもがその声に尻を叩かれるようにしながら(そして時折、本当に木剣で尻を叩かれながら)
走り続けて、もう何時間になるだろうか。
「クソッ! 楽しそうだな、あのサド教官! この運動場のだだっ広さときたら、思う存分
訓練ができるように……じゃなくて、単にあいつのダミ声で近所から苦情が来ないように
こうなってんじゃないか?」
「ぼやくな、ネイ。無駄に息が上がるだけだ」
前方を走るトニーニョとネイ、そしてそのネイのすぐ後ろに張り付くようにしているジェトーリオの
背を眺めながら、森崎が額にじっとりと浮かぶ汗を拭う。
滝のように流れ出る汗は既に枯れ果てている。
今滲むのは、ほとんど脂と区別のつかない粘性の液体だった。
「……ってあの野郎、昨日はまともな筋力のない奴に拳闘も体捌きもあるか! とか言って
一日中、重り石を持ち上げさせてたじゃねえかよ! おかげでこっちは全身バッキバキだってのに……」
遠く霞むヤングの姿を恨めしげに見やりながら、森崎がぼそりと漏らした瞬間。
その遠い影が、ぐるりとこちらを向いた。
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0ch BBS 2007-01-24