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異邦人モリサキ
[214]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/06(水) 01:26:21 ID:???
言ったピコが森崎の手元にふわりと舞い降りる。
森崎が持っていたのは幾つかに折りたたまれた紙片である。
「んあ? こりゃ旅行者向けの地図だ。部屋に備え付けられてたんだよ」
『へえ、便利だねえ』
「傭兵宿舎に観光地図もねえもんだけどな……」
『で、このシーエアー地区の特色は?』
聞いたピコに、森崎が地図を見ずに答える。
さすがに数週間とはいえ、毎日歩いている街並みであった。
「ここは港があって、船乗りや荷揚げ人夫相手の盛り場があって……俺たちみたいな外国人の行き来も多い。
ま、良く言えば活気がある地区だな」
『悪く言えば?』
「ガラが悪ぃ」
一言で切って捨てる森崎。
「品がなくて、安っぽくて、薄汚ねえ。だからこそ俺ら流れ者には馴染むんだが……。
坊ちゃん嬢ちゃんネンネちゃんには向かねえ街だな」
『そういえばこの間も、女のコが絡まれたもんねえ』
「あったな、んなこと……ま、そういうことさ」
この国に降り立ったその日に巻き込まれた騒動を思い出して、森崎が肩をすくめる。
「つっても、このシーエアーも東側に出りゃ教会だ墓地だ灯台だ、ってえ辛気臭い代物が
揃ってるみたいだけどな」
『ふうん。あのコも教会の帰りとかだったのかねえ』
「さあな……お、そういや、港からちょっと歩けばビーチもあるらしいぜ」
『まだ海水浴には早いけどね』
四月の青空に向かってぱたぱたと羽ばたきながら、ピコが言う。
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0ch BBS 2007-01-24