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異邦人モリサキ
[234]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/07(木) 01:22:53 ID:???
「んあ? 何だよ」
『買い物のこと、このおじさんに聞いてみたら?』
「あ、ああ……そうだったな」
『キミ、自分が何しに出てきたか完全に忘れてたでしょ』
「んなことねえよ……なあ、オヤジ」
いかにも残念そうに口に運びかけた箸を置くと、森崎が
既に踵を返していた店主を呼び止める。
「ん? どうした、モリサキ。本場の車海老と違うのは勘弁してくれよ」
「いや、そうじゃなくてよ。あんた、この店は長いんだよな」
「おう、ヤマシロでの修行から戻って、もう十年近くになるぜ」
胸を張って答える店主。
「そいつぁ頼もしい。俺ぁこの街、慣れてねえからさ。ちっと買い出しのことで聞きてえんだが」
「へへっ、この界隈のことなら酒屋のジャンの不倫相手だって知ってるぜ」
「……いやそれはいいけどよ、この辺で安くて質のいい下着と、……」
と、森崎が言いかけた、瞬間である。
店主の顔色が、変わった。
いかにも人のいい、豪快な笑顔は何かの間違いであったかのように掻き消えていた。
代わりにそこに浮かんでいたのは、憤怒と侮蔑に満ちた形相である。
それは嫌悪よりも妥協なく、憎悪よりも湿度の高い、どろりと濁り異臭を放つ感情を、形にしたものであった。
「……!?」
一瞬ぎょっとした森崎だったが、すぐにその視線が自分に向けられたものではないことに気づく。
その黒く粘つく表情が向けられているのは、その後ろ。店の入口である。
そこに一つの、小さな影があった。
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0ch BBS 2007-01-24