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異邦人モリサキ
[248]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/08(金) 01:43:42 ID:???
『で、歩いてきたはいいけど……ズイブン場違いな感じがするね、この辺も』
きょろきょろと周りを見渡しながらピコが森崎に訊ねるのは、周囲に閑静な、というよりも
ひどく上品かつ繊細な空気に包まれた佇まいが増えつつあったからである。
とある灰白色の高い塀の上には先端の鋭く尖った鉄の柵が備え付けられ、あるいは端正に
手入れをされていると思しき生垣の向こうには豪奢な邸宅が文字通り垣間見える。
「城東区、マリーゴールド地区だ。貴族の別宅や富豪の屋敷が並ぶ……いわゆる高級住宅街ってやつらしい。
確かに俺たちにゃ場違いな雰囲気だぜ」
『キミなんか、うろついてるだけで不審者として捕まりそうだよね』
「けっ、言ってろ。……否定はできねえけどな」
付近の奇妙な静けさはひと気のなさを示すものではなく、優雅なスペースの使い方と、そして何より
粗雑な音を立てる存在が近辺からしっかりと排除されていることを表していた。
専属の馬車が多く通るのであろう、シーエアー地区とはまるできめ細やかさの違う石畳で舗装された
平らで真っ直ぐな道を足早に通り抜けようとする森崎。
『そもそもお店がないよね、どう見ても』
「まァ……何となく足が向いただけだからな。とっとと通り過ぎちまおう」
『……あ、ねえ、あれ何だろ、向こうの広いとこ』
「ん?」
ふとピコが指さしたのは、豪華な敷地の切れ間から見える、広大な空間である。
背の低い木で仕切られた、風通しの良さそうな大通りがどこまでも続いている。
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