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異邦人モリサキ
[276]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/10(日) 02:58:07 ID:???
「……、……っ、……!」
荒い呼吸に血の気の引いた顔色。
蒼白に近い額にはじっとりとした汗が珠になっている。
震える手が、胸の辺りの生地を破り裂かんばかりに握り締めていた。
(と、すると……癪か、心の臓か)
一目、そう判断を下す森崎。
とはいうものの、医術の心得などあるはずもない。
胸を押さえる病人はそのどちらかであろうと見当をつけただけである。
そんな森崎をほとんど視線だけで見上げた老爺が、不安定な呼吸の中、もごもごと口髭を震わせた。
「……す、り、……」
「え? 何だって、爺さん」
老爺を抱きかかえるようにして耳を寄せた森崎が、その身体の軽さに驚きながら聞き返す。
薄い絹の生地越しに、べったりとした老爺の汗が掌に貼りついていた。
「く、くす、り……を、」
「薬!? 薬持ってんのか、爺さん! どこだ!」
耳元で怒鳴るような森崎の声に、老爺が震える手で指さしたのは胸元に下げられた小さなロケットである。
桃の種ほどの銀細工は、どうやら中が空洞になっている。
脇の留め金を開けると、中からは茶色い丸薬が一粒、転がり出てきた。
「っと……! こいつだな、水はなくても大丈夫か!?」
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0ch BBS 2007-01-24