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異邦人モリサキ
[277]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/10(日) 02:59:31 ID:???
指先で摘めるほどの丸薬を落とさないように慎重に受け止めた森崎の問いに、
老爺が荒い息をつきながら首肯する。
痙攣と見紛わんばかりであったが、ともあれ森崎は丸薬を老爺の口元へと運ぶと、
薄く開いた唇の隙間へと指先で詰めるように押し込んだ。
呼吸、一つ。
「……、……っ……、……」
二つ、三つ、四つ。
十を超える頃、目に見えて老爺の息が整っていくのがわかった。
青ざめていた頬にも僅かに赤みが差し始める。
『ど、どう……?』
「ああ……とりあえずは、良さそうだ」
いつの間にか舞い降りて、髪を掴んでいたピコに向けて声をかける森崎。
と、その声をどう取ったのか、老爺が薄く目を開ける。
「ぉ、おお……。どこの……どなたかは、知らんが……、済まんかったの……」
「おい爺さん、無理すんな。しばらく寝てろよ」
止めようとする森崎を手で制して、眉間に皺を寄せた老爺が再び目を閉じるときっかり三つ、深呼吸する。
ゆっくりと上体を起こすと、もう一度大きく息をついた。
「いや……もう、大丈夫……。少し休めば、良くなる……」
「そうか? なら、いいけどよ……」
と、なおも心配げに老爺を見守る森崎の耳に、飛び込んでくる声があった。
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0ch BBS 2007-01-24