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異邦人モリサキ
[300]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/12(火) 03:48:42 ID:???
「……で、俺にこの中から選べってのか」
「そうよン。まずはアナタがいまどこまでやれるのか、試させてもらうわぁ」
麝香の香り漂う室内に、声が響いた。
できる限り外の光を取り込まぬよう工夫された飾り窓の薄明かりが、店内を淡い色調で満たしている。
外界と切り離されたような静かな空間にいるのはノエルと森崎、そしてピコだけであった。
色彩もデザインもまったく統一感のない、かろうじて衣服というカテゴリだけで括ることのできる
生地たちが所狭しと吊り下げられている中、ノエルが森崎の前に並べたのは三種類の服である。
「……これは分かるぜ。ごく普通だ。仕立ても丁寧で悪くねえし、外に出てもまあ恥ずかしくはねえ」
言って森崎が指さしたのは、真ん中に置かれた一群である。
綿の開襟シャツに無地のスラックス。
風合いにも変わった点はない。
森崎がこの店に入って最初に注文した下着もこざっぱりとしたものが用意されている。
「が、こいつは何だ。服か。本当に」
「私としては、そっちがオススメなのよン。……ちょっと初心者にはキツいのが玉に瑕だけどねぇ」
右側に置かれた一群を指さした森崎に、ノエルが平然と答える。
『……ピエロみたいだね』
ぼそりと漏らしたピコがちょこんと座るその布地は、言葉通りサーカスの道化がその身に纏うような、
過剰なまでのフリルやレースに溢れたものであった。
薄暗い店内でもはっきりとわかるような極彩色をふんだんに使ったその珍妙な装束は上着とズボン、
更には帽子と靴までがどうやら一体化されているようで、蝉が脱皮する様を逆回しにするように
背中から体を入れ、丸く開いた穴から顔だけを出すらしい。
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0ch BBS 2007-01-24