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異邦人モリサキ
[343]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/14(木) 01:14:29 ID:???
小男へ向かって手を伸ばしかける大柄な男。
すんでのところで制した森崎が、悲鳴を上げて椅子から転げ落ちた小男もろとも、
強引に二人を席に着かせる。
「こいつをタコにしたって、金が降ってくるわけでもねえだろ。
気は晴れるかも知れねえが、その後は山から追い出されてお前の食い扶持がなくなるだけだ」
「むぅ……」
いかに荒くれ揃いの鉱山とはいえ、衆人環視の殺しとなればただでは済まない。
ましてここは深山幽谷の彼方ではなく首都城塞ドルファンの範疇であり、官憲の目もそれなりに厳しい。
それを思い出したのか、男が唸り声を上げて森崎を睨む。
「じゃ、どうしろってんだ。水に流せってのはナシだぜ」
「言わねえよ、んなこたあ。……お前、結局幾ら貸したんだ?」
「ひの、ふの、み……と、全部で……このっくらいだぜ」
聞けば、街に繰り出して美味い酒と飯が二、三度楽しめる程度の額である。
少し考えた森崎が、鼠のように周囲をちらちらと伺っている小男に声をかけた。
「お前」
「ひゃあ! 許してくれえ!」
「ワビ入れる前に働け」
「え?」
きょとんとした小男に、森崎が続ける。
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0ch BBS 2007-01-24