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異邦人モリサキ


[348]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/14(木) 01:24:05 ID:???
ぼそりと漏らして歩き出す森崎の視界の端、家々の向こうには高い城壁が聳え立っている。
もう少し南下すれば、そこに大きな門が見えてくるはずだった。

「レッドゲート……か。」
『このドルファンの正門だよね』
「俺らがこの門から出るのは、いくさ場に向かうとき……さて、いつになるのかね。
 来週か、来月か、それとも来年か……」
『……』

それきり何となく黙り込んだまま歩き続ける森崎の行く手に、やがて見えてきたのはセリナ運河だった。
ドルファン南部の港湾と北部の山林とを繋ぐ、かつて流通の大動脈として栄えた運河である。
茜色から群青に変わろうとする空を映すそのセリナ運河に架けられた橋を渡って、シーエアー地区と
ドルファン地区の境に差し掛かろうかという辺りのこと。

「あの……すみません」

森崎の背にかけられる、か細い声があった。

「んあ?」
「あの……モリサキさん、ですよね?」

間抜けな声を上げながら振り返った森崎の目に映ったのは、夕闇に佇む一人の少女の姿である。
軍服を思わせる、しっかりと型取りされた濃紅色の上着にスコットランド風のチェック柄で織られたスカート。
胸元に咲く大きなリボンが、まだ子供らしさの抜けきらぬ少女を演出している。
フリルのあしらわれた白い肩掛けにかかる、長い栗色の髪がさらりと風になびくのを見て、
森崎がほんの数週間前の記憶を掘り起こす。


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